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『吉田尚記がアニメで企んでる』第7回レポゲスト押見先生&長濵監督

『吉田尚記がアニメで企んでる』、第7回放送のゲストは『惡の華』の原作者・押見修造先生、監督・長濵博史さん

 NOTTVで毎週火曜日、20時から生放送中の番組『吉田尚記がアニメで企んでる』(再放送は日曜12:00~12:58)。司会はアニメ好きとして知られるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さん。この番組は毎回アニメクリエイターをゲストに招き、制作現場の裏側を紹介するバラエティートーク番組だ。

 5月28日に放送された第7回のゲストは、『惡の華』の監督・長濵博史さんと、原作者・押見修造さん。長濵監督は第3回の放送にも出演しており今回が2回目。番組が始まって以来、初めての複数回登場ゲストだ。
前回の放送では吉田アナと長濵監督のトークが盛り上がりすぎてしまい、事前に用意されたVTRが見られないまま終了してしまった。果たして今回はどうなることやら?

 番組がスタートすると恒例のオープニングトーク。この最中に吉田アナは「秋葉原にスタッフを放ったので中継をつないでみる」と語ると、秋葉原にあるアニメイト秋葉原店前の生中継映像が流れた。画面に登場したレポーターは、以前この番組に登場した番組スタッフ候補の「札幌のジャックナイフくん」だった。しかもなんと、ジャックナイフくんは胸に「2-1 佐伯」と書かれた体操服とブルマをはいている。当然、スタジオは大爆笑。彼はこの格好のまま、生放送の1時間ずっと街頭インタビューを行なうとのことだった。

■原作者・押見修造さんがアニメを悔しがる!

 佐伯さんのコスプレをしたスタッフを見てひとしきり笑った後、ようやく本日のゲストの長濵監督と押見修造さんがスタジオに登場し、自己紹介を行なった。長濵監督はちょうど前日、アメリカのノースカロライナで開催されたアニメイベントから帰国したばかりで、アメリカでも『惡の華』が好評だったことを報告した。

 自己紹介が終わると、トークのテーマは本題の『惡の華』について。原作者の押見修造さんは、長濵監督の映像をとても気に入っているようで、毎週の放送を楽しみにしているようだ。吉田アナが押見さんに7話のワンシーン「春日と仲村が教室で暴れるシーン」について感想を求めると、「マンガよりアニメのほうがすごかったので悔しかった。ちくしょー、負けたと思いました」とコメントし、スタジオを沸かせていた。
続けて吉田アナは、このシーンを撮影した長濵監督に「ロトスコープなので、実写を撮影するために本当に教室をめちゃめちゃにしたのか?」と聞くと、長濵監督は「想像にお任せします。めちゃめちゃにした部分と、してない部分がある」と答えた。具体的には、出演者が暴れたのは本当だが、黒板や壁に墨でペイントしたのは後処理のようだった。ちなみに、7話以前の「ビンタのシーン」や「バケツの水をかけるシーン」は、実際に出演者が演じているとのことだった。

■いま大人気の『惡の華』、連載当時は低空飛行だった

 続いてのコーナーでは、吉田アナが「せっかく原作者が来てくれたので、コミックについても知りたい!」と、押見さんに質問を投げかけた。吉田アナは、「連載初期から、いまアニメでやっているような3人の激しい展開を想定していたか?」と聞くと、押見さんは「具体的にこうなるとは想定していなかった」と即答。さらに押見さんは、「漠然とですが、物語は中二病とか学校あるあるから始まって、ぜんぜん違うところに話を進めて行きたいとは思っていた」と当時のことを振り返っていた。

 押見さんによると、いまは各所で話題の『惡の華』だが、連載が始まった当時は読者アンケートの人気はかんばしくなかったようだ。しかし、アニメで言うところの第7話「春日と仲村が教室で暴れるシーン」を掲載した後は人気が急上昇し、話題のマンガへ変貌。そして、いまのアニメ化にまで至っている。

■「仲村」さんのモデルとなった人物は、なんと奥様!?

 トークのテーマが『惡の華』の登場人物に移ると、吉田アナは「仲村佐和」を演じる伊瀬茉莉也さんのことを「ゴシック体で"クソムシが"と書かれたセリフを読める唯一の声優」と分析。それを聞いた長濵監督は、「伊瀬茉莉也さんはもちろん、今回のキャストはみんなすごいですよ。日笠陽子さんも植田慎一郎くんも! アフレコ現場を見せたいくらい」と絶賛した。

 そして、押見さんは、仲村のモデルとなった人物が、なんと自身の妻であることを報告。「クソムシ」とか「クズ鉄」などのセリフは、かつて押見さんが彼女と喧嘩したときにメールで言われた言葉だった。これを知った吉田アナは、「どんなシチュエーションになったら、クソムシなんて言葉を言われるんだろう?」とコメントし、出演者を笑わせてた。
さらに押見さんは、第6話に登場したセリフ「クズはクズとして生きていかざるを得ないんだな」もまた、彼女から言われた言葉だったことを報告。なんと押見さんは夫婦でアニメを見ている最中、「いまのセリフ、私が言ったことじゃん! そのまま使ってるじゃん!!」と、直接本人に指摘されたと語ると、スタジオは大爆笑だった。

■番組の後半はVTRで植田慎一郎さんが登場

 番組の後半に紹介されたVTRでは、主人公・春日高男を演じる植田慎一郎さんが登場。植田さんはアフレコの現場の様子や体操服の着心地などを語っていた。アフレコの現場は本当に壮絶なようで、特に仲村を演じる伊瀬茉莉也さんの演技は怖いくらいだそうだ。植田さんは「ホントに怖いんです! 情けない声を出すシーンは、意識をしなくても情けない声しか出ない」とコメントしていた。

 このような感じで、今回の番組も熱いトークで幕を閉じた。吉田アナはまだまだ話し足りない様子で、なんと長濵監督と押見さんを再びゲストに呼ぶことを約束。次回は『惡の華』のテレビ放送がすべて終わったタイミングに呼び、「ネタバレを気にせず大いに語りたい」と意気込みを語っていた。3回目にゲスト出演する日程は、追って報告する予定だ。

 なお、この第7回放送は、youtubeでなんと特別に全編公開を行っている。監督たちの大盛り上がりなトークや、「札幌のジャックナイフくん」のブルマ姿などを要チェックだ。

■番組終了後に長濵監督と押見修造さんにインタビュー

──2回目の出演お疲れ様でした。今回も時間が足りずに、番組中に3回目の出演も決定しましたね。
長濵博史さん:今日もあっという間でした。だって、時間が足りないんだもん。

──押見さんは前回の放送はご覧になられましたか?
押見修造さん:僕はラジオで番組を聞いたのですが、監督はかなり自由にしゃべっていた印象でした。

長濵監督:あれ~? そうだっけ?(笑)

──押見さんは番組の感想はいかがでしたか?
押見さん:緊張していて、なにをしゃべったかあまり覚えていません。たくさん奥さんの話をしたような気がします……。

長濵監督:あはははは!

──奥様のくだりは、番組レポート記事に書いちゃってもいいのでしょうか?
押見さん:だ、だい……だいじょうぶ……です……。

一同:(爆笑)

押見さん:生放送で放送されちゃってますから、仕方のないことです。

──番組中の奥さんの説明は実話なのでしょうか? 長濵監督は実際にお会いしたことは?
長濵監督:はい、あります。そのときは感動して、「あなたが仲村のモデルの!」と伝えました(笑)。

──ではアニメのなかの「仲村さん」は、押見さんの奥様から得たアイデアはありますか?
長濵監督:いや、すでに制作がかなり進んでいたので、それはないですね。それよりも役者の伊瀬茉莉也ちゃんは、押見さんの奥さんにお会いしたときの反応がおもしろかったですよ。「あぁ、この人が私が演じる仲村さんだ~!」みたいな。まるで自伝を書いた本人に会ったような感じで、ものすごく感激してましたよ。

一同:(笑)

押見さん:僕はそれを見て、嬉しいような悲しいような。なんか、申し訳なかったです(笑)。

──では番組中、たくさんトークをした吉田アナの感想はいかがでしたか?
押見さん:吉田さんは……話がうまいなと思いました。

長濵監督:あたりまえですよ! アナウンサーですよ!!(笑)

一同:(爆笑)

押見さん:あ、すいません(笑)。じゃあ、番組スタッフの人が体操服とブルマで秋葉原レポートをした中継がおもしろかったですね。

──おもしろかったですね! 押見さんはブルマを身につけたことはありますか?
押見さん:僕はないですね。

──今後、イベント等で着る可能性はありますか?
押見さん:着させていただける機会があるのなら……。

長濵監督:えっ!? ホントですね?(笑)

押見さん:監督もいっしょだったらですけどね!

長濵監督:うわーっ、やっぱりそうかー。ひどい条件だー!

一同:(爆笑)

押見さん:では、植田くんもいっしょに着てもらいましょう!

長濵監督:植田くんはゼンゼン抵抗なく着ますよ。こないだ「動きやすいです!」とか言ってたもん。なんにも抵抗がないみたい。

──押見さんにとって、「ブルマ」とはなんですか?
押見さん:『惡の華』のなかでブルマのインパクトは強いですが、別に「ブルマ漫画」を書こうとは思ってなかったです(笑)。

一同:(爆笑)

押見さん:僕はブルマ世代ではないですし、ブルマに対して強いこだわりがあるわけじゃないんです。「教室で体操着を盗む」とか「リコーダーを舐める」とか、よく聞く話ですよね? 『惡の華』を描くとき、特殊な話じゃなくてよくある話がよかったんです。なのでブルマを使いました。

──以前、この番組に長濵監督が出演されたときにおっしゃっていましたが、『惡の華』のアニメ制作に当たって、押見さんと綿密な打ち合わせをしたとおっしゃってました。
押見さん:初めにお会いしたとき、かなりたくさんお話しをさせていただきました。確か19時から27時くらいまで話してましたよね?

長濵監督:あ~、そう言えばそうですね。

──えっ!? 初対面で8時間もですか?
押見さん:初めは打ち合わせをして、遅くなったから飲みに行きましょうってことになって。結局、解散したのは夜中の3時ごろでした。初対面からこれです(笑)。

長濵監督:ガッツリでしたね。なんなんすかね、アレ? 盛り上がってしまいましたね。

──初日からいきなり8時間ぶっ続けは、息がピッタリあった証拠ですね。その飲みの席で決まったことはありますか?
長濵監督:すり合わせみたいなものは、その日にほとんどできてしまいましたね。

押見さん:「共犯関係を結ぶ」みたいなことも、その日に決まったような気がします。

──ロトスコープについて伺います。押見さんは「『惡の華』をロトスコープで作る」と聞いたとき、どう思いましたか?
押見さん:詳しく知らなかったので「なんじゃそりゃ?」って思いました。それから知識を得たのですが、それでも完成した絵が想像できなかったです。でも、監督とお会いしてたくさん話ができたので、なにも不安ではありませんでした。

長濵監督:ありがとうございます!

──そして実際にロトスコープの『惡の華』ができて、いまテレビで放送されています。いい意見も悪い意見もありますが、今期のアニメのなかで注目度も話題性も高いです。押見さんはどう受け止めていますか?
押見さん:そうなんですか? だとしたらありがたいですね。

長濵監督:ありがたいですね。奇をてらって作ったわけではないのですが、今日の秋葉原街頭インタビューでも、通行人の約半数が見てくれていたのは嬉しかったです。

押見さん:そうですね。視聴者のみなさんの反応を聞く機会が少ないので、今日の番組は貴重な体験ができました。

──アニメが始まって、押見さんの身の回りで変化したことはありますか? 例えばコミックスが売れた~とか。
押見さん:コミックスは、多少は売れたかな?

長濵監督:やったー!

押見さん:漫画の連載も、教室をめちゃめちゃにするところくらいからアンケート順位がよくなってきたんです。それまでは30作品中の15位くらい、ちょうど真ん中あたりだったんです。でも、あの回以降、人気が出てくれました。

──番組中、押見さんもアニメ『惡の華』の放送を楽しみにしていると言っていましたが、毎週テレビで見ているのですか?
押見さん:そうです! 楽しみにしてるんです。単なるアニメのファンですよ。

長濵監督:いや、原作者だから!

一同:(笑)

──では監督に伺います。これから後半の見どころは?
長濵監督:これからは原作を知ってる人も知らない人も、チカラを抜いて見てほしいです。7話までは緊張感があって、視聴者のみなさんも身構えてしまうシーンが多かったと思うんです。でも、主人公の春日が吹っ切れたので、みなさんにも肩の力を抜いてほしいです。流れに身を任せて見る感じ。「話の最後はどうなるか?」とか「いまは何話だ?」とかを気にせずに、ボーッと見てもらえたら嬉しいですね。

──押見さん、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
押見さん:原作を買ってくださったら嬉しいですけど、ここまでマンガを読まずにアニメを見続けてくださった方は、最後までマンガを読まずに、アニメを見てくれたほうがいいんじゃないかな? そしてアニメが終わって、もし気になることがあったら原作を読んでほしいです。アニメの興奮を補完するように、マンガを手に取ってくれたら嬉しいです。

──ありがとうございました。では3回目の出演も楽しみにしています。1回目は長濵監督、2回目の今回が長濵監督と押見さんでした。次回、またひとり増やすとしたら誰を呼びますか?
長濵監督:え~っ!? ひとりずつ増やすとしたら誰を呼ぶ? 本当だったら全員呼びたいけど、スタジオに入らないよね?

押見さん:じゃあ、山田を呼びたいですね。

一同:(爆笑)

「吉田尚記がアニメで企んでる」
NOTTV 毎週火曜 20:00~20:58 生放送 (再放送:毎週日曜 12:00~12:58)
ニッポン放送 毎週日曜 25:30~26:00 

今後のゲスト
6月11日(火) 「009 RE:CYBORG」 神山健治監督
6月18日(火) 「サカサマのパテマ」 吉浦康裕監督

<放送内容>
“今、自分がいちばん見たい番組を作る”というコンセプトのもとに吉田尚記が話題のアニメに仕掛けます!
 
アニメ界にその名を轟かすカリスマアナウンサー、ニッポン放送の吉田尚記(よしだひさのり)が“今、自分がいちばん見たい番組を作る”というコンセプトのもとに、ラジオだけではできない、テレビだけでもできない、NOTTVだからできる「企み」を話題のアニメ作品に仕掛けていきます。
作品作りにこだわりぬいたクリエイターの核心に迫るアニメファンのためのアニメ新番組。
 
<出演者>
吉田尚記
 
<ツイッターハッシュタグ>
#よアニ

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