「ELISAが唄うべくして歌った楽曲」。それが、『革命機ヴァルヴレイヴ』エンディングテーマ『そばにいるよ』
1年半という、次なるステージのための休息と準備の時間を経て、ふたたびELISAさんが表現者として、この世界へ舞い戻ってきた。現在、テレビアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』の2ndエンディングテーマとして放送されている『そばにいるよ』。
麗美かつ雄大なシンフォニック・サウンドの上で、「キミと出会えた奇跡を失くすことなく、これからも一緒に寄り添い生きていたい。ともに運命を分け合った間柄だからこそ、決して一人じゃないよね」と、哀切さと凛とした強さの混じり合った歌声を通し、ELISAさんは唄いかけてきた。
みずから作詞を担当した『そばにいるよ』には、『革命機ヴァルヴレイヴ』という物語の力を借りながら、今のELISAさん自身の“未来へ歩む心模様”が綴られていた。もちろん、物語のクライマックスへ向け、スリリングな展開を描き出している『革命機ヴァルヴレイヴ』の世界観や、登場する女性キャラクターたちの気持ちとも強くリンクしあっている。
新たな物語を描き始めたELISAさん。今の彼女が届けたかった想いを、ここにお伝えしよう。
●わたし自身が今回の制作を通して「ELISAに革命を起こしたい」と思っていたんです。実際に完成した作品を聴いて、そうなれたことを実感しています。
――表立った活動を休止してから1年半の歳月が経過。ふたたび作品を手にして姿を現すまでの間、ELISAさん自身どんな気持ちで日々を過ごしていたのでしょうか?
ELISAさん(以下、ELISA):早くみなさんに元気な姿を見せて、早く歌声を届けたいという想いが日に日に強くなっていました。同時に、音楽、そして歌と真っ正面から向き合い、探求心や歌の向上なども含め、いろいろ自分を見つめ直すいい機会になったと思います。
実際、お休みを経たうえでの今回の制作だったからこそ、「一つの作品にどれだけの人たちが関わりながら作りあげているのか!?」を改めて実感できましたし、わたし自身の音楽への取り組み方もずいぶん変わりました。
―― 一つの作品を作る上でも、たくさんの人たちがその作業へ携わっていますからね。
ELISA:そうなんです。わたし、デビューしたときはまだ高校生でしたし。しかも、いきなりアニメのタイアップ曲を歌ってという環境でのスタートだったんで。当時もよく言ってたんですけど、わたし、アニメと言えば「ドラえもん」と「サザエさん」くらいしか観たことがなくて。だから「アニメに関しては勉強しながら活動していこう」という気持ちだったし、そう口にし続けながら。それでも何処か、お休みするまでは、受け身の姿勢で歌の活動を続けてきました。
実は、お休みをしていた1年半の間、直接関わることがなくなったせいか、アニメの情報をすごく知りたくなって、いろんなアニメを観たりしていました。同時に、改めて、いろんな人たちの愛情が“ELISAというアーティスト”を作り続けてきたんだなぁ、と感じて、こうやって唄い続けてこれたことや、アニメ作品に対してなど、いろんな感謝の気持ちが溢れてきました。そしてファンのみなさんが「待ってた!!」という声を上げてくれることを、ずっと信じてもいました。
――ますますアニメ作品に対する愛情が深まってゆく日々だったんだ。
ELISA:今回、『革命機ヴァルヴレイヴ』の2ndエンディングテーマを唄うことになったときも、「制作スタッフの一人として取り組みたい」と、貪欲な気持ちで最初から参加しました。だから、作詞にも挑戦させていただいたんです。
――唄うだけではなく、その楽曲を形作る制作の一人として携わることで、より作品に対する愛着が深まりますからね。
ELISA:そうなんです。アニメ作品のタイトルに記された言葉じゃないですけど、わたし自身が今回の制作を通して「ELISAに革命を起こしたい」と思っていたし。実際に完成した作品を通して、そうなれたことを実感しています。
●誰もが未来の見えない不安な環境に追い込まれていくんですけど、それでもみんな心の中には「信じてるよ」という気持ちを持っている。その感情を記したかったんです。
――『そばにいるよ』は、『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場するヒロイン、指南ショーコの心情を歌にしたものなのでしょうか?
ELISA:ショーコさんも含んだヒロイン目線と言うか、ピンポイントで誰か、というよりも、この作品に登場する女性たち一人一人がみんなヒロインでもあるというイメージで、「ヒロイン目線」として歌詞を書いています。
♪なぜ 何かを守る度に 心 締めつけるの♪など、『そばにいるよ』にはけっこう不安な心模様もいくつか書いているんですけど、それらはすべて、「不安だけど信じてるよ」という想いの裏返しなんです。『革命機ヴァルヴレイヴ』という作品の中で、舞台となる学園にいる生徒たちは、みんな未来の見えない不安な環境に追い込まれていくんですけど、それでもみんな、心の中には「信じてるよ」という気持ちを持っている。その感情を記したかったんですね。
――歌詞には、ヒロインたちの気持ちと同時に、ELISAさん自身の心模様も重ね合わせ表現していません?
ELISA:たとえば、♪どうか消えないで まだ痛み放つ言葉 なぞる手に託す記憶♪という一節。これは『革命機ヴァルヴレイヴ』の物語の中、自分たちの運命をヴァルヴレイヴというロボットに託すしかないという、登場する人たちの心情に重ねて書いてるんですけど。同時にその想いは、わたし自身が1年半のお休みの中、自分の過去のことを振り返りながら、ふたたび歌の舞台へ立つまでの心境とも重なりあっています。
他にも、物語と重なりながらもわたし自身の心情とリンクしていく歌詞がたくさんあるように、『そばにいるよ』は、『革命機ヴァルヴレイヴ』という作品の力も借りながら、ELISA自身の「この1年半の想い」を書いた歌になりました。タイトルの『そばにいるよ』だって、わたしがみなさんに対して言いたい言葉であり、みなさんにそう言ってもらえたら嬉しい言葉なんです。
――作品と自分の心情を重ねながら表現していけるのは、本当に素敵なことだと思います。同時に『そばにいるよ』は、『革命機ヴァルヴレイヴ』の第7話目から流れたように、物語の後半を示唆してゆく歌にもなっていません?
ELISA:もちろん、そこも意識して歌詞を書いてます。物語自体が、第7話目から大きな展開を描き出します。そこからクライマックスへ向かっていく流れにもいろいろリンクしていくので、そこにも注目して聴いてもらえたらなと思ってて。『そばにいるよ』は本当に、物語の展開にも寄り添えた歌になれました。
――『そばにいるよ』は、交響曲的な要素も加味した美しくもスケールあふれた楽曲。この手の曲調、ELISAさん自身大好きでしょ。
ELISA:すごく好きなスタイルです。むしろ、この曲調だからこそ『そばにいるよ』の歌詞が導かれたのは間違いないです。もっと言うなら、楽曲に導かれ、アニメ作品に導かれ、ファンの方々に導かれ、制作してゆくスタッフさんたちに導かれて『そばにいるよ』の歌詞や歌が出来上がったように、すべてが繋がりを持って生まれたのが今回の作品なんです。そういった面でも、再始動を告げるうえでは最適な、まさに「ELISAが唄うべくして歌った楽曲」になったと思います。
●『エマージュ』は、自分の弱さも認めたうえで前を向いて歩きだしてゆくポジティブな歌。その気持ちも、わたし自身の想いと重なりあうことなんです。
――「初回生産限定盤」に収録されている『そばにいるよ』のMusic Videoでは、まるで天空から舞い降りた女神のような姿のまま、楽園で唄い踊る様が映し出されています。あの映像は、本当に美しさを帯びた作品に仕上がりました。
ELISA:『そばにいるよ』は、物語を予感させる、グッと楽曲の世界観へ誘うゆったりとした始まりから、サビに向かってどんどん開放的に疾走してゆく曲調なんですね。その舞い上がってゆく様を映像にも現そうと。長いスカートの裾が風になびく様をリアルに描くために、ハイスピードカメラを使ってエモーショナルな動きを出したりしました。
場所は、まわりに雪山が広がる天文台です。しかも、当日は風があまりにも強くて、唄うときに息ができないことも……。いかに大変だったのかは、Making映像をご覧ください。その過酷さを見れると思います(笑)。
――2曲目にはELISAさんらしい表情を持った、美しい声色響き渡る、心地よい疾走性を持った『エマージュ』を収録しています。
ELISA:作詞/曲を手がけた渡辺翔さんは、わたしのことをよーく知ってくださっている方。楽曲をいただいたときから、「唄いたい」と強く思いました。『エマージュ』の歌詞も『革命機ヴァルヴレイヴ』にリンクしています。『そばにいるよ』では、ヒロイン目線のもと「先の見えない不確かで保証のない未来だけど、それでもキミのことを信じて待ってるよ」と唄いかけました。
この『エマージュ』は、♪ねぇ 痛み知って♪とネガティブな想いを語るように始まるんですけど。自分の弱さを認めたうえで、前を向いて歩きだしてゆくポジティブな歌なんです。その気持ちも、同じくわたし自身の想いと重なりあうことでした。とくに聞いて欲しいのが、二番のAメロ♪ねぇ頬伝い落ち 流れ着いた愛 離したりしないから♪の部分。ここはわたし自身の強い想いを投影した歌詞でもあったからこそ、あえてオケの部分を落として、歌詞と声を活かした形にアレンジしていきました。
――3曲目に収録した『for us』は、ファンの人たちへ向けた想いを綴った歌にも聞こえました。
ELISA:もちろんこの歌も、『革命機ヴァルヴレイヴ』にリンクした内容として書いているんですが、なかでも、支えてくれるファンのみなさんへ向けた想いを一番込めたのが、この『for us』です。わたし自身の「今まで」そして「これから」をさらけ出して、ファンのみなさんと共に歩んでいけたらな、と想ってつくり上げました。
――収録した3曲とも、『革命機ヴァルヴレイヴ』と今のELISAさんの気持ちの両方と深く繋がりあった歌たちなんですね。
ELISA:気がついたら、気持ちがすべて重なりあっていましたね。
●最新シングルの『そばにいるよ』は、ビックリするくらい、いろんな気持ちがシンクロしあった1枚になりました。
――完成したシングル『そばにいるよ』は、今のELISAさんにとってどんな1枚になりましたか?
ELISA:ビックリするくらい、いろんな気持ちがシンクロしあった1枚になりました。そして、ファンのみなさんに「そばにいるよ」という気持ちを伝えられる作品にもなりました。リリース後には、発売記念のイベントも控えています。早くみんなに「元気になったよ」という姿を見せたいし、直接みんなの前で唄いたいですね。
――これからどんな物語をELISAさんが描いてゆくのか、楽しみにしています。
ELISA:こうやって、また一つ着実に成長した姿を見ていただきながら新しくスタートを切ることができたように、わたしもこれからを楽しみにしています。「ちゃんと大人になったんだよ」という凛々しい姿も見せていきたいです。
◆『そばにいるよ』/ELISA
発売日:2013年6月19日(水)
価格:
【初回生産限定盤(CD+DVD)】 1,500円(税込)
・「ELISAオリジナル・メッセージカードA」封入
[CD]
1.そばにいるよ
作詞:ELISA
作曲:しほり
編曲:大久保薫
2.エマージュ
作詞:ELISA・渡辺 翔
作曲:渡辺 翔
編曲:前口 渉
3.for us
作詞:ELISA・矢吹香那
作曲:矢吹香那
編曲:前口 渉
4.そばにいるよ (Instrumental)
[DVD]
1.そばにいるよ (Music Video)
2.Special Interview
3.The Making of “そばにいるよ”
【通常盤(CD)】 1,200円(税込)
・初回仕様特典「ELISAオリジナル・メッセージカードB」封入
[CD]
1.そばにいるよ
作詞:ELISA
作曲:しほり
編曲:大久保薫
2.エマージュ
作詞:ELISA・渡辺 翔
作曲:渡辺 翔
編曲:前口 渉
3.for us
作詞:ELISA・矢吹香那
作曲:矢吹香那
編曲:前口 渉
4.そばにいるよ (Instrumental)
【期間生産限定盤《アニメ盤》(CD)】 1,300円(税込)
・描き下ろしイラストデジパック仕様
・初回仕様特典「ELISAオリジナル・メッセージカードC」封入
[CD]
1.そばにいるよ
作詞:ELISA
作曲:しほり
編曲:大久保薫
2.エマージュ
作詞:ELISA・渡辺 翔
作曲:渡辺 翔
編曲:前口 渉
3.for us
作詞:ELISA・矢吹香那
作曲:矢吹香那
編曲:前口 渉
4.そばにいるよ (TV Size)
>>ELISA Official Website
>>『革命機ヴァルヴレイヴ』公式サイト
[テキスト・長澤智典]