ハードロックとアニソンをつなぐ、EARTHSHAKER・MARCY & PSYCHIC LOVER YOFFYスペシャル対談
■ 「超音戦士ボーグマン」 × 「特捜戦隊デカレンジャー」主題歌アーティスト対談!!
今年EARTHSHAKERは、デビュー30周年を迎える。彼らは、30年前のデビュー日に当たる6月21日に、新作アルバム『THE EARTHSHAKER』をリリースすることが決まっている。その新作に先駆け、バンドのメインコンポーザーであるSHARAが、5月22日にソロ・アルバム『SHARA』を発売。同じく5月22日に、この記事の主役であるヴォーカルのMARCYが、15年ぶりとなるソロ・アルバム『MARCY』を世に打ち放つ。
先に振れた15年ぶりの新作というのもポイントだが。それ以上に注目すべきなのが、EARTHSHAKER/HIPS(MARCY&寺田恵子(SHOW-YA)のユニット)として手がけた、アニメ「超音戦士ボーグマン」の前期/後期オープニングテーマを、この中へ収録していること。昨年暮れには、アニソン界の紅白歌合戦と呼ばれている「アニソンキング」へ出演。そこでの反響が、今回のソロ・アルバム制作へ大きな影響を及ぼしていった。
「アニソンキング」への出演以降、「アニソン・イベントへ積極的に出演したい」と公言し続けているMARCY。EARTHSHAKERに多大な影響を受けてきた、アニソン/特撮ソング界で活動しているPSYCHIC LOVERのYOFFY。心の中で崇拝し続けてきたMARCYの想いを受け止めようと、今回、YOFFYが対談の相手として登場。その会話を、ここにお届けしよう。
■ ハードなアニソン楽曲のルーツは、EARTHSHAKER!?
YOFFY:今はアニソンでもハードな楽曲が多いですけど。そのルーツを辿っていくと、EARTHSHAKERの音楽スタイルに辿り着くんですよね。
MARCY:だからみんな、アニソンや特撮の歌を聴いて、盛り上がるのよ、「イエー!!っ」て(笑)。
MARCY:初めて会ったのって、去年に出たTMN関係のイベントやったよね。
YOFFY:そうです。TMNの木根さんがやっている「音楽連鎖」というイベントに出たときのことでした。あのイベント、「あまり面識のない人たちと共演してライブをやる」という内容で。確かMARCYさんは、浅岡雄也さんや葛城哲哉さんと一緒に『RADIO MAGIC』とか、いろいろ歌ってましたよね。
MARCY:そうそうそう。あんときPSYCHIC LOVERも『特捜戦隊デカレンジャー』の曲とか歌ってたじゃない。あれ聴くと、めちゃくちゃ気持ちが盛り上がっていくんだよね。
YOFFY:『特捜戦隊デカレンジャー』の曲を知っててくださったことに、僕はメチャ感激してたんです。
MARCY:曲は、よく知ってるよぉ。『特捜戦隊デカレンジャー』とか『侍戦隊シンケンジャー』の歌とかさ。あの頃は、子供も小っちゃかったから、一緒に1年間ズーッとあの歌を聴いてたからね(笑)。
――YOFFYさんにとってEARTHSHAKERという存在は…。
YOFFY:もう"神"のような存在ですよ。僕が、初めてEARTHSHAKERで聴いたアルバムが『TREACHERY』(ソロ・アルバム『MARCY』にも同歌を収録中) だったんですよ。その頃はまだ中学生で、ロックにいろいろ興味を持っていろんな作品を聴いてた時期。僕は、BON JOVIでハードロックに目覚めたんですけど。日本語のハードロック・バンドでお手本にするとしたら、やっぱし、一番がEARTHSHAKERだったんですよ。当時も、日本語を使ったハードロックを演ってたバンドはいろいろいましたけど、MARCYさんの歌が一番響くというか、「格好いいなぁ」と思って聞ける歌ばっかりだったので。
MARCY:EARTHSHAKERの音楽には、日本語が合うんだよ(笑)。
YOFFY:『DON'T LOOK BACK』や『夜をぶっ飛ばせ』だって、アニソンという捉え方ではなくて、「キャッチーな日本語ハードロック・ナンバー」と思って普通に聴いてましたからね。
当時は、よく先輩のライブやカラオケに行くと、みんな『MORE』とか『RADIO MAGIC』などを歌ってましたし。
MARCY:そこで、EARTHSHAKERの曲を最初に覚えるんだよね(笑)。
YOFFY:そうなんです。最初はコピーしたバージョンを聴いて「格好いい」と思い、本物を聴いて嬉しいショックを受けるんです(笑)
MARCY:今でもさぁ、いろんなイベントに出て『MORE』を唄うと、とつぜん人がステージの前に集まってくるからね。しかも、歌ってる僕を見て「あっ、本物だ」って(笑)。
YOFFY:今はアニソンでもハードな楽曲が多いですけど。そのルーツを辿っていくと、EARTHSHAKERの音楽スタイルに辿り着くんですよね。
MARCY:だからみんな、アニソンや特撮の歌を聴いて盛り上がるのよ、「イエー!!っ」て(笑)。とくに特撮系ってさ、絶対にタイトルを最後に叫ぶじゃない。あれが好きなんだよ。それ、狙ってやってるんでしょ。
YOFFY:そうですね。すごく意識しています。僕がアニソンや特撮の曲を唄い始めた頃って、まだアニソンがぜんぜん陽の目を観てない時期。その頃から水木一郎さんや影山ヒロノブさんは、「歌の中へタイトルを入れる」ことを強く心がけていたし、「それを堂々と唄うのがアニソンだ」とも教えられてきたんです。
MARCY:もし『特捜戦隊デカレンジャー』や『轟轟戦隊ボウケンジャー』が戦隊物の主題歌じゃなかったとしても、誰が何と言おうと、あれはロックナンバーだよ。
YOFFY:それ、嬉しいです。
YOFFY:EARTHSHAKERの『TREACHERY』は、僕にとってすごくお手本となるアルバムなんですよ。シンセサイザーにハードなギターが絡み合っていく、あの日本語ロックな感覚は、マジに最高ですよ。
MARCY:『TREACHERY』を出した頃なんて、あの世界では初めて同期を使ったアルバムだったことから、ボロクソに言われたけどね(笑)
YOFFY:僕、80年代や90年代初頭のバブリーな感じのハードロック・サウンドが好きなんですけど。まさに、EARTHSHAKERの『TREACHERY』は、僕にとってすごくお手本となるアルバムなんですよ。シンセサイザーにハードなギターが絡み合っていく、あの日本語ロックな感覚は、マジに最高ですよ。
MARCY:『TREACHERY』を出した頃なんて、あの世界では初めて同期を使ったアルバムだったことから、ボロクソに言われたけどね(笑)
YOFFY:でもEARTHSHAKERって、その時代の音楽に対してすごく敏感に反応してきてましたよね。
MARCY:その通り!!それは、今でも変わってないことなんよ。その時代の中で刺激的な音楽に対して、ジャンル問わず「うわっ、格好いい」「これ、絶対に演ろうよっ!!」ってなるから。『TREACHERY』だって、誰よりも早くハードロックの中へ同期を取り入れて表現したんだけど、そしたらボロカスに言われた(笑)。
YOFFY:その音楽性が時代を先取りしすぎていたから、なかなか理解されにくかったんでしょうね。だけど、あの時代からDEF LEPPARDとか同期も使えば、ものすごく分厚いコーラスとかだってやってましたよね。まさに、今のアニソンでは思いきり活かされている手法なんですよね。
MARCY:そう。今ではみんな普通に使ってるもんね。やっぱし、何事も新しいものって、理解してもらうまでには時間がかかるんだろうね。
YOFFY:そう考えたら、MARCYさんは早い時期から女性ヴォーカリトのプロデュースなど、いろんな新しいことをやってましたもんね。
MARCY:そうだね。楽しそうと思うことは、何でもやっちゃうんだよ。
MARCY:アニソンファンの人たちは、本当に音楽を楽しんでるよね。
YOFFY:みなさん、ライブへ一緒に参加しようと思って来てますから。
YOFFY:ソロ・アルバム『MARCY』を聴かせていただいたんですけど。中へ『TREACHERY』が入ってるじゃないですか。もう、真っ先にそれから聴いちゃいました(笑)。『DON'T LOOK BACK』も、改めて聴いて、「やっぱ、いい曲だなぁ」と思いましたからね。そういえばMARCYさん、年末に開催になった「アニソンキング」に出演されたそうですね。
MARCY:そう。あれに出演して驚いたのよ。「なに?!この盛り上がり!!」って。あの空間に中にいると、すごく幸せになれるじゃない。
YOFFY:僕、その前の年まで毎回出てたんですけど。昨年は残念ながら出れなかったんですよ。
MARCY:俺が、YOFFYの枠を取っちゃった?!
YOFFY:いえいえいえ、単に、僕らがアルバム『Psychic Lover IV -BEST-』関連の動きがあってのことだったんですけど。
MARCY:でも、アニソンファンの人たちは、本当に音楽を楽しんでるよね。
YOFFY:みなさん、ライブへ一緒に参加しようと思って来てますからね。
MARCY:あのノリが最近のロック界にはないからさぁ。
YOFFY:昔のハードロックって、「何人ヴォーカリストが必要なの?」ってくらい掛け合いやコーラスの多い曲ってあったと思うんですけど。アニソン界の場合、お客さんが勝手に掛け合いの相手を、しかも高いクオリティでやってくれるんですよ。だから、コール&レスポンスがある前提で曲を書くのが楽しいんです。
MARCY:せっかく対談したんだからさ、一緒にコンビ組んで演ろうよ。コブクロやゆずに対抗したのをさぁ(笑)。
YOFFY:いやー、MARCYさんと一緒に演れるなんて、僕にとってはメチャクチャ嬉しいことですから。
MARCY:どうせなら、僕をプロデュースしてや。
YOFFY:えー、そんなおこがましい!!
MARCY:僕、いろんな人と、いろんなことを演るのが好きなのよ。きっとYOFFYとも一緒に演ったらさ、面白いこと出来ると思うよ。やっぱ、そういうことは積極的に演っていかんと。
YOFFY:僕らも、ハードロックファンにもっともっと僕らの音楽を届けたいんですけど、なかなかそこへは行けてないんですよ。
MARCY:一緒にライブを演るとさ、EARTHSHAKERファンにアニソンの楽しさを伝えていけるし。PSYCHIC LOVERだって、ハードロック好きなファンたちに自分らの音を届けられるんだから、お互いいいことばかりじゃない。ぜひ、やろうよ!!
YOFFY:『MARCY』の中で叩いてるKenTくんって、15歳のドラマーなんですよね。
MARCY:そう。彼と演るのがまた面白いのよ。その歳の感性だからこそ叩けるリズムってあるように、それがすっごい刺激的。自分らの予想以上に面白いことが次々飛び出してくる。だから音楽って面白いし、いろんな世代と演るのって刺激的なんだよ。レコーディングでも、30代くらいまでは本当に元気で、深夜過ぎてもズッと演ってんのよ。僕なんか深夜が近づくにつれてしんどくなるから、「もう辞めようよー」って言うんだけど。逆に、「僕らもうちょっと演っておきますから、どうぞ気にせず先に帰ってください」って(笑)
YOFFY:そこが若さなんでしょうね。PSYCHIC LOVERも昔は、深夜てっぺん過ぎてもレコーディングしてましたけど。今はそれをやっても消耗戦になっていいものにはならないから、23時頃には終えるようにしてますね。
MARCY:でも、YOFFYの作る音楽を聴いてても感じるんだけど。サビの唄い上げ方とか、僕らの表現スタイルと同じ匂いを持ってるんだよね。すこくロックしてる。きっと、もっともっとPSYCHIC LOVERもロックのイメージを匂わせられたらいいんだろうね。どう、EARTHSHAKERと対バンとかする??
YOFFY:えっ、いいんですか?!機会があったら、ぜひ!!じつは僕らも、ハードロックファンに、僕らの音楽をもっともっと届けたいんですけど、なかなかそこへは行けてないんですよ。
MARCY:でも、一緒にライブを演るとさ、EARTHSHAKERファンにアニソンの楽しさを伝えていけるし。PSYCHIC LOVERだって、ハードロック好きなファンたちに自分らの音を届けられるんだから、お互いいいことばかりじゃない。ぜひ、やろうよ!!
■ EARTHSHAKERデビュー30周年を振り返って
――ちなみに、今年はEARTHSHAKERデビュー30周年の年なんです。
YOFFY:えーっ!!30周年ですかっ!!僕ら、まだデビュー10年ですからね。
MARCY:『特捜戦隊デカレンジャー』を出したのは、デビューしてからどれくらいの時期??
YOFFY:まだ2年目くらいの頃です。僕ら、音楽バブルが弾け飛んだ後だったこともあるのか、最初からセルフ・プロデュースとして進んできてたんですよ。だから、プロデューサーと一緒に音楽を作りながら、自分らの音楽性がどんな風に変わっていくのか、本当はデビューしたら試してみたかったことだったんですよね。
MARCY:僕らはバブルも経験してきてるからね(笑)。そこは、いろんな経験をしてきたけど。でもPSYCHIC LOVERだって、試行錯誤しながらも、こうやって成長できたんだからいいんじゃない?!
YOFFY:自分なりの方法論をつかめたのは大きかったです。
MARCY:確かに、いろんな人と演るのって刺激になっていいんだよね。僕らも、いろんな人と演れたことで飽きずに続けてこれたっていうのはあるからね。しかも僕なんか、いろいろやりたがるから、EARTHSHAKERの外に出ていろんなことを演っては、また戻ってきてEARTHSHAKERの音を楽しんだり。いろんな人と演るって楽しいからね。YOFFYも、しょこロックとか作ってるんでしょ。悪いけど、俺、好きなんよ。
YOFFY:あの子、音域がすごくあるから、曲ごとに声のキャラクターも変えていけるように、メチャクチャ料理しやすいんです。しかも、しょこたんのライブでは、うち(PSYCHIC LOVER)のギターのIMAJOがギターを弾いてるんですよ。
MARCY:そうやって、いろんな広がりを持ててるから、いい意味で長く続けていけるんだろうね。
MARCY:お互いが一つに溶け合っていったら、もっともっと大きな広がりを持ったことが出来るんじゃない?!EARTHSHAKERとPSYCHIC LOVERが、ハードロックとアニソン界を融合していく架け橋になったりとさ。そういう積み重ねを、これから一緒にやりたいね。
YOFFY:それ、めちゃワクワクします!!
MARCY:僕ら、ズッとロック界に居続けてきてるし、今もいるんだけど。アニソン界には、すごく楽しい世界が広がってるよね。ホント、素晴らしい場所だなと思ってて。ホンマに今、メッチャクャこのシーンに興味があるの。僕なんかこのシーンではまだド素人ですから、ぜひプロデュースよろしくお願いしますよ(笑)。
YOFFY:いやいやいや、そんなぁ。むしろ、僕なんかがMARCYさんとご一緒させていただける機会を持てるなら、そんな嬉しいことはないですから。
MARCY:まずは、一緒に対バンしようか!? EARTHSHAKERでも、THE MARCY BANDでも、どっちだって構わないからさ。
YOFFY:それ、ぜひお願いします!!
MARCY:お互いが一つに溶け合っていったら、もっともっと大きな広がりを持ったことが出来るんじゃない!? EARTHSHAKERとPSYCHIC LOVERが、ハードロックとアニソン界を融合していく架け橋になったりとさ。そういう積み重ねを、これから一緒にやりたいね。
YOFFY:それ、めちゃワクワクします!!
TEXT:長澤智典
1. 授かりし命と共に
2. DARK ANGEL(ANIMALS) ※1
3. ONE-WAY DRIVER
4. WATER
5. PEOPLE LIFE
6. 傾いた夜に二つの月を見た
7. GERMINATION
8. 夜をぶっ飛ばせ(feat寺田恵子)(超音戦士ボーグマン 後期オープニングテーマ) ※2
9. DON'T LOOK BACK(超音戦士ボーグマン 前期オープニングテーマ) ※1
10. LOVE LOVE LOVE(feat白石とおる)/11. TREACHERY ※3
※1 EARTHSHAKER曲セルフカヴァー
※2 HIPS曲セルフカヴァー
※3 SMC曲セルフカヴァー
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