両国国技館にまたまた帰ってきたぞォォォォ!! 劇場版公開を控えるアニメ『銀魂』のファンイベント「劇場版銀魂 銀幕前夜祭り 2013」徹底レポート
2006年にスタートし、今年3月に惜しまれつつも3度目の最終回を迎えたテレビアニメ『銀魂』。この作品の劇場版第2作目『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』が、7月6日(土)に公開! これに先立ち、6月29日(土)、両国国技館にてファンイベント「劇場版銀魂 銀幕前夜祭り 2013」が開催された。
出演者は、杉田智和さん(坂田銀時 役)、阪口大助さん(志村新八 役)、釘宮理恵さん(神楽 役)、千葉進歩さん(近藤勲 役)、中井和哉さん(土方十四郎 役)、鈴村健一さん(沖田総悟 役)、太田哲治さん(山崎 退 役)、石田 彰さん(桂小太郎 役)、高橋美佳子さん(寺門 通、定春 役)の9名に加え、アニメ第3期のOP・EDを担当したAMOYAMOさん、SPYAIRさん、PAGEさん、MONOBRIGHTさんの4組と、いつもながらの大所帯! 否が応にも盛り沢山なイベントを期待してしまう布陣だ。というわけで本稿では、昼・夜開催されたイベントのうち、夜の部のレポートをできる限り詳しくお届けする。
●生アフレコ&ライブに熱狂! サプライズゲストは銀時と因縁深いあの人
「銀魂春祭り2010(仮)」「銀魂桜祭り2011(仮)」の開催地でもあり、今やアニメ『銀魂』の聖地のひとつとも言えそうな両国国技館。この日の場内も、1万人ものファンが客席を埋め満員御礼! 劇場版の告知VTRが流れるたびに大きな歓声があがるなど、観客たちは開演前からテンションMAXだった。
開演5分前になると、本作のマスコット的存在・エリザベスが「ヨッ! お待たせ!」と書かれたプラカードを手に、ひょこっと登場。一緒に前説をする太田さんとの掛け合いでは、「あんぱんは帰れ!」という辛辣なプラカードをつきつけ、観客の笑いを誘っていた。そして、スクリーンに映った桂小太郎が、かの迷曲『攘夷が★JOY』のリズムで「♪携帯電話は マナー モードに しろYO!」と開演中のマナーを説くと、カウントダウンがはじまりついにOPへ!
開演と同時に、スクリーンの映像は両国国技館の支度部屋へスイッチ。この日の出演者全員が、背中に『銀魂』ロゴの入った半被を身にまとい姿を現した!! 杉田さんは右袖だけ通さない銀時スタイル、高橋さんは犬耳をつけて定春っぽく、阪口さんはごくごくシンプルに……と、各々がキャラクターを連想させる着こなしをみせ、観客を目でも楽しませると、からあげくんレッドをほおばる石田さんなど小ネタをはさみつつ、全員でタイトルコール! キャストの前に現れたAMOYAMOさんが、支度部屋からステージまでを駆け抜ける演出で、ライブへとうつっていく。
『LET'S GO OUT』のアッパーなメロディに観客が一層テンションを上げると、ここからは、銀魂ではおなじみ“BGオンリー”をはさみながらの生アフレコへ。第251話「コタツで寝るときは○玉熱しないよう気をつけろ」、第231話「葬式って初めていくと意外とみんな明るくてビックリする」と、人気ギャグ回の名場面をたっぷりみせた。また、上記に登場しないキャラにも見せ場をと、桂は“蓮蓬篇”の「カツラッ、いきま〜〜〜〜す!!」、山崎は短編「書き初め」より「あんぱんあんぱんあんぱん……」を披露。その後は「このメス豚が!」(沖田)、「今日は快便でしたね(^_^)/~~~」(神楽)、「パンデモニウムさぁーーん!!」(新八)、「ヒアウィゴォォー!! レッツパーリぃぃぃぃ」(土方)などの珠玉のセリフを畳み掛けると、最後は全員で「永久に不潔ですんませんでしたぁぁ!!」で締め。笑いの絶えない時間が続いた。
生アフレコが終わると、ステージ端のせりが上がりPAGEさん登場! そのまま、『エクスペクト』を歌い上げた。観客も巻き込んでノリノリなステージを繰り広げたPAGEさん。「小学生の頃から本当に大好きだった作品のエンディングを歌えたり、イベントに出させてもらえて、本当に嬉しいです。ありがとうございます!」とコメントし、観客からはより一層大きな拍手がおくられた。
次なる生アフレココーナーは“金魂篇”。ということで、ここでサプライズゲストの坂田金時役・中村悠一さんが登場!! 「国技館までの道が混んでましてねぇ」とセリフを言うやいなや、場内を熱狂の渦に巻き込んだ。その後もキャスト陣の熱のこもった演技に、観客はグングンヒートアップ。とくに、銀時と金時が同時に言い放つ決めゼリフ「主人公はオレに任せやがれエェェェェ!!」では、割れんばかりの歓声がおくられ、観客をものの見事に魅了した。
トークコーナーへと切り替わると、改めて中村さんが挨拶。「はじめまして、“主人公の”坂田金時役……」と自己紹介をはじめる中村さんを「待てぇい!!」と杉田さんが制するも、「いやいやいや、主人公って聞いてたよ? 4話くらい」と飄々と告げ、笑いを誘った。そして、キャスト陣が客席を回る“トークライブパレード”を経て、再び全員がステージ上に勢揃い。千葉さんが「(パレード中に)新八を見つけたよ」と、コスプレした来場客について触れると、「でも阪口さんを超えるコスプレはいないと思います!」と鈴村さんが返すなど、観客を大いに沸かせた。また金魂篇の話題では、桂が久々にカッコいい一面を見せた事について、石田さんに話が振られるも「ようやくオープニングで食べたからあげくんレッドが効いて来ました」と本題から外れた返答が! さらに他キャストのコメント中、中井さんが背後からダブルピースをしてみせる場面もあり。キャスト陣のボケやはしゃぎっぷりまで存分に堪能できるコーナーとなった。
続いてのライブパートでは、MONOBRIGHTさんが『ムーンウォーク』『アナタMAGIC』の2曲を披露。『ムーンウォーク』は、金魂篇のEDになった曲だけに、MCで桃野さん(Vo)が「銀魂好きかー!?」に加え「金魂も好きかー!?」とコール。観客たちは「イエーイ!!」と全力で反応し、演奏中も手拍子をしたり掛け声をあげたりと思い思いにステージを楽しんでいた。
そしてお次は“ハーフタイムショー”。壇上には、膝丈の着物を纏った高橋さんが登場し、『放送コードがなんぼのもんじゃい』『まんたま』を披露した。『まんたま』の歌唱前には、観客とのコールアンドレスポンスを練習する場面も。「まんたまま たまたまたんま」といったコールをひとしきり練習すると、「みんなクレイジー!」と高橋さん。なんともアレなフレーズを恥じらうことなく言ってのける観客に、お通ちゃんなりの賛辞をおくっていた。
●イベント後半は劇場版にクローズアップ! 時は公開前夜まで早送りされ……
ハーフタイムショー後に上映された映像「ROAD TO 劇場版」は、アニメ『銀魂』の歴史をじっくり振り返る内容に。続けて、今回の「銀幕“前夜”祭り」というタイトルを真のものにするべく、ここからは7月5日の“てい”でイベントが進む。
まずは、“映画完成報告記者会見”から。「いよいよ、劇場公開が明日に迫りました」とアナウンサーが告げ、無理やりこの設定をなじませると、正装に身を包んだキャスト陣と樋口弘光プロデューサー、藤田陽一監督が登壇。質疑応答が行われた。……がこの記者会見、“ネタ”として用意された会見のため、キャスト陣は質問に何一つ答えない! 阪口さんは「まあ、ね」と言うだけ、中井さんは「ん?」と首を傾げてかわし、石田さんは「はぁ?」と半ギレ状態、藤田監督に至ってはどの質問にも“目で殺す”がごとく記者を睨み返すという散々な結果に! やはり、このまま何も明かされないのだろうか……?
ともあれ、最後には藤田監督が「ちゃんと喋ります」と前置きし、イベントの2日前(6月27日)にようやく完成したこと、早速鑑賞した原作者・空知英秋先生からは「誰だよこんな面白い話書いたのは!」と感想をもらったことを明かした。また杉田さんは、7年続いたアニメ『銀魂』に対し「特別な存在ってこういうものなのかな、なんて」と改めて想いが吐露されたほか、「余計なボケ考えるヒマ無いくらい、今、心が高揚しています」と、劇場版に向けての心境も語られ、観客の心をも高揚させていた。
さらに、渋谷・氷川神社の神主による“映画大ヒット祈願”や祈念の乾杯などを経て、劇場版の映像(一部)の先行上映がスタート。本邦初となる映像ばかりが公開されたためか、大迫力のシーンの連続に圧倒されたためか、一気に静まり返りスクリーンを凝視する観客の姿が印象的だった。そして上映後、リズムを刻むドラムの音が鳴り響きSPYAIRが登場! そのまま劇場版のテーマソング『現状ディストラクション』の演奏がはじまり、場内はまたも熱狂の渦へ!!
次いで行われた生アフレコは、“一国傾城篇”。ここでのサプライズゲストは、朧役・井上和彦さん、将軍役・小野友樹さん、今井信女役・平野 綾さんの3名!! なんとも豪華すぎるゲストに、観客は驚きを隠せない様子。歓声がしばらく鳴り止まない事態となった。とはいえ、そこはシリアス長篇の名作・一国傾城篇。切ないストーリー展開と、キャスト陣がその場で見せる迫真の演技は圧巻のひと言で、涙腺を緩ませるには十分だったよう。そこかしこから悲哀に満ちたため息がもれていた。そして再びSPYAIRが姿を見せると、『サクラミツツキ』を情感たっぷりに披露。さらに涙を誘った。
ここで、井上さん、小野さん、平野さんの挨拶へ。井上さんは、ストーリーや自身の役柄への思い入れの強さを明かし、「またここでやらせていただけると聞いてすごく嬉しかった」と語った。加えて、杉田さんとは別作品でも敵対する役柄だったことから、「やればやるほど、誰かには負けてばっかり」とこぼし、「来年は仲良くしたいよね」「すっごい仲良しな役やりましょう」と2人で言い合っていた。また小野さんは、登場するたび散々な扱いを受ける将軍を振り返り「カッコいい将軍を観られて嬉しかった」と感慨深げ。観客からの「将軍かよォォォ!!」コールを、両手を広げ全身で受け止めていた。そして平野さんは、前回の登場時よりもセリフが増えたこと、一国傾城篇が好きなエピソードであることを告げたほか、「(信女の大好物の)ポンデリング食べてから役に臨みました!」と、意外な役作りの方法を明かした。
生アフレコにライブにトークに……。予想をはるかに超える充実の内容で観客を楽しませた本イベントも、そろそろフィナーレ。来る七夕にちなみ、各キャスト陣が短冊に書いた願い事を読み上げ、最後の挨拶となる。
石田さん「また来年も『劇場版銀魂 新・完結篇』が上映されますように」
高橋さん「お通ちゃん『まんたま』まさかのCD化希望」
太田さん「この幸せな時間がずっと続きますように」
鈴村さん「『銀魂UC(ユニコーン)』がはじまりますように」
中井さん「老眼の進行が止まりますように」
千葉さん「劇場版が大ヒットして国際映画祭に呼ばれて、最優秀作品発表の瞬間、外国の司会者が『GINTAMA!』と言うのを聞いてみたい」
釘宮さん「オーロラが見たいです」
阪口さん「映画が大ヒットするといいな。あと、野球がうまくなりたいです」
杉田さん「頭を良くする」
……と、『銀魂』と関係あるもの無いもの様々だった願い事。しかし、“完結篇”の公開を控えながら“この先”を期待するキャストが多いことには、銀魂ファンの不安も少しは和らいだかもしれない。そしてSPYAIRが三たび登場し、『サムライハート(Some Like It Hot!!)』を披露。キャストと同じ半被で登場したIKEさん(Vo)と、杉田さん、阪口さん、釘宮さんがステージ四つ端に設置されたリフターに乗り込み、8メートルの高さまで上昇してみせると、ライブパートのラストを華々しく飾った。
ライブが終わると、この日の出演者全員が集結。釘宮さんによる空知先生からの手紙の朗読が行われた。主要男性キャストにだけ妙に手厳しいことで有名(?)な、空知先生の手紙。この日も序盤はトゲトゲしい言葉が並んだが、「今回が完結篇になると思うので」とひと言はさむと、「今まで散々なことを書いて来ましたが、7年間、僕と銀魂と一緒に走ってくれてありがとうございました」と温かな言葉がかけられた。そして、2時間半にもわたる一大イベントは「『劇場版銀魂 銀幕前夜祭り 2013』これにておしまーーーい!」というキャスト全員のコールによってついに終幕した。
『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』は、いよいよ7月6日(土)から全国公開。数々の“終わる終わる詐欺”でファンをまどわせたアニメ『銀魂』は、果たしてどんな幕引きを見せるのか、……はたまた見せないのか。ぜひ、劇場で確認してほしい。
<公開情報>
『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』
7月6日(土)より全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
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