峰倉かずや先生原作の『WILD ADAPTER』のOVA上巻が2014年3月26日発売! 森川智之さん、石川英郎さん、関俊彦さん、近藤隆さん、伊藤健太郎さんにインタビュー!!
『最遊記』などでおなじみの峰倉かずや先生原作の『WILD ADAPTER』が待望のアニメ化! OVAは上下巻になっていて、上巻は2014年3月26日に発売!
『WILD ADAPTER』はかつて出雲会に属していた久保田誠人と、右手が獣化した少年、時任稔が出会い、「W・A(ダブリュー・エー)」と呼ばれる謎のドラックを巡り、運命に翻ろうされながらも2人の強い絆を描いたハードボイルド作品。コミック、ドラマCDなど様々なメディア展開をしているが、このOVAはコミックス第6巻の内容が上下巻に渡り、フィーチャーされている。
OVA上巻の収録を終えたキャストの皆さんに収録の感想や本作の見どころを伺った。
●楽しみで感慨深かったOVA化。6巻の内容をフィーチャー!
――初めての映像化について、そして収録を終えての感想は?
久保田誠人役・森川智之さん(以下、森川):久しぶりに久保田を演じることができて楽しかったです。収録前は不安でしたが、皆さんと一緒にやっていく中で、助けてもらいながら、何とか終わってホッとしています。今回のOVAは、原作の雰囲気やイメージそのままにアニメになっていて、嬉しかったです。早く皆さんに見ていただきたいなと思っています。
時任稔役・石川英郎さん(以下、石川):この役をいただいてから10年以上経ちますが今回、『WILD ADAPTER』としては初の映像化ということで感慨深いものがあります。ただ、OVAはコミックス第6巻の内容が中心に描かれているので、僕はずっと捕まっているなあと(笑)。でも1巻じゃなくて良かったです。「う、うう」しかしゃべってないから(笑)。収録はもちろん楽しかったです。
鵠(こう)役・関俊彦さん(以下、関):この作品は峰倉かずや先生の書かれるセリフや言葉の一つひとつが粋というか、洒落ていて、胸に刺さるんですよね。そんな素晴らしいセリフが映像と音声になることで、更に見てくださる皆さんに刺さるような作品になったらいいなと思いながら、また自分自身も楽しみながらやらせていただきました。
木場治役・近藤隆さん(以下、近藤):僕はドラマCD6巻からの参加ですが、それからでも既に5年経っていて。「こんな感じだったけど、どうだったかな?」とみんなで答え合わせするよう、なテスト収録をしました(笑)。今回、映像という形で皆さんに作品をお届けできることが嬉しいです。
神田龍之介役・伊藤健太郎さん(以下、伊藤):僕も近藤君と同じく、途中参加の形ですが、ファンの方に長く支持されて、いろいろな展開をしてきた作品に参加できたことをうれしく思うのと同時に、OVAが6巻をフィーチャーした内容でよかったなと。ねっ、近藤君?
近藤さん:よかったです! その前だったら出てないですから(笑)。
伊藤:ドラマCDの収録の時から、自分の中で印象に残っていたキャラだったので、また演じられるのはうれしいことです。「~じゃん」の口癖は、実は横浜弁だとヒデさんから教えてもらったことはいまだに覚えてます。
石川:「~べ」も横浜弁だよ。
関:そうだったんだ! 今、知ったよ(笑)。
●低カロリーチームと高カロリーチーム?
――ご自身が演じられているキャラクターについての印象と演じる際に心がけたことは?
森川:久保田はひょうひょうとしていて、時任が一緒にいない時は何を考えているか、わかりづらいですね。心の奥底には熱いものがあっても、それを表には出さないし。感情を乗せられないので、低カロリーな燃費のいい、演技プランをさせていただいています(笑)。その分、ヒデのほうが大変なんで……。
石川:僕はいつも高カロリーでやらせていただいてます(笑)。時任はまだ若く、感情の動きが激しいし、叫んだりと大変で。この作品は長い期間関わっているし、要所要所で企画が動くため、役自体は忘れませんが、僕らはどんどん年をとっていくので……加齢って怖いですね(笑)。でも、いくつになっても、時任役を演じられるように、高カロリーで頑張っていきたいと思ってます。
関:鵠も久保田さんと同じで比較的エコカーです(笑)。
森川:時代にマッチしてますね(笑)。
関:久保田と時任に対して、興味と共感を持っていながらも、それを見せないキャラクターなので。他人行儀みたいな距離感や雰囲気をキープしなくてはいけないのが難しいです。
近藤:木場も燃費がいいほうです(笑)。でも下巻では高カロリーになると思います。木場は今、年少組のリーダーですが、元リーダーだった久保田に対して、乗り越えたいという焦りや特別な感情があるので。そういった面と、龍之介や修司と一緒にいる時の日常シーンのギャップを見せられたらいいなと思って演じています。
伊藤:僕はヒデさんと同じ高カロリー組です(笑)。神田は思春期の頃からチームを組んでいた仲間達と一緒に大人になって、今はヤクザの世界に身を置いていて。年少組の中では明るいほう担当なので、木場がピリっと引き締まるほど、神田は場を和ませて周りとのバランスをとらなきゃいけないなと。あとは横浜弁に注意しながら演じました。
●キャストが語る自身のキャラの見どころは?
――ご自身のキャラの見どころや印象に残ったシーンやセリフは?
森川:原作の1番最初の語りからスタートするので、そこは聞いてぞくぞくしたり、「始まるんだ」と僕ら同様にワクワクしてもらえたらいいですね。久保田の過去がわかる回想シーンも多いです。あとはいつも通り、バンバン撃ちまくります。
石川:いつも強いですよね。
森川:その姿から強さや冷徹さ、いらだちなどいろいろな感情を想像してもらえたら。
石川:僕も回想シーンですね。峰倉先生の言葉にはすごく深いものがあって、考えさせられる名言が散りばめられています。時任のセリフにも気持ちを込めて演じました。そこも楽しみにしてください。そして、久保田と部屋でくつろいでいるシーンはこの作品を象徴していて好きです。ああいうシーンがあるからこそ殺伐としたシーンが活きて「WILD ADAPTER」という作品が成立するので。
関:東湖畔は時計も修理できるし、人捜しもできる、幅広い営業を心がけております(笑)。キャラクター同士の生死が絡む緊迫感があるシーンが多い作品ですが、鵠が出てきた時は見てくださる方にホッとしてもらえたらと思います。そこが鵠さんの魅力であり、見どころかなと。また久保田と接するときと、時任と接するときの細かい違いも感じてもらえたら嬉しいですね。
近藤:久保田に向けてアクションを起こすところで、龍之介と話したり、修司を思い出したりと、彼の日常がふっと出てくる瞬間が好きです。また、真田との会話シーンでは意図的に淡々と話していますが、真田に対して何か思うところがあるのがわかるように見えるように意識してやっているので、そんな機微も見てほしいです。
伊藤:修司の最期を看取る回想シーンですね。ドラマCDでも看取ったけど、また杏里を看取るんだなと(笑)。龍之介はほとんど木場と絡むシーンで、仲間達がただ笑えてればいいなと願っているのがよくわかります。ちなみに印象的だったセリフは、アドリブで組員に言った「西小路、最近太ったな」です。
(一同爆笑)
●作中の回想シーンがどれも印象的
――他のキャラの印象的なセリフやシーンは?
森川:久保田はほぼ出ずっぱりでほとんどのキャラクターと絡んでるんいるから、どれか一つ挙げるのは難しいですね(苦笑)。回想シーンも含めて、どのキャラクターとのシーンも印象に残ってるし、好きです。
石川:久保田の銃撃戦は、ドラマCDでは音でしか表現できなかったけど今回、映像で見られるのが楽しみで。収録でまだ完成はしてなかったけど一部カラーの絵も入っていて、銃撃戦を見た瞬間、鳥肌が立ちました。久保田が静かに銃を構えるシーンとかカッコよくて。皆さんもたぶん楽しみだったんじゃないかなと思います。
関:今回出てきた回想シーン全てですね。ドラマの流れの中で、どれも重要なピースであり、あとちょうど僕が出てないところなので(笑)。
石川:僕ら現実組ですからね。
近藤:久保田と時任の穏やかな日常生活のシーンがあるからこそ、繰り広げられるハードな世界とメリハリがついて、アクセントになっていると思います。2人の会話は微笑ましいし、かわいくて、いいなと思います。
伊藤: “犬”を使った効果的な演出ですね。真田が飼う愛犬のエピソードに、木場も犬という言葉にひっかかったり。あと久保田と鵠のやり取りは腹に何か抱えた者同士の、裏を探り合うような会話は大人の雰囲気で、憧れます。いつか僕もあんな会話ができたらと思いました。
●ハードボイルドで男臭いキャラ達と世界観、奥深く、重みがあるセリフが魅力
――ファンの皆様へのメッセージをお願いします。
森川:イベントでOVA化の発表をした時の皆さんの喜びの反応は、忘れることができないくらい鮮明に覚えてます。今日、収録して本当にOVAになるんだという実感が湧いたし、早く皆さんの元に届けたいという気持ちでいっぱいです。『WILD ADAPTER』は峰倉かずやワールド全開で、キャラ達の紡ぐセリフが奥深く、一つひとつに重みがあって、かみ締めるほど味が出る作品です。キャラクター達が生きていることを感じられる映像に興奮、感動しながら楽しんでください。
石川:10年以上関わってきた作品の初映像化なので、気合が入らないわけがありません! 峰倉先生の作品の素晴らしさは絵のスタイリッシュさやカッコよさだけでなく、皆さんおっしゃっていましたが、セリフや内面からも男の魅力が外からも中からあふれ出てくるところだと思います。このOVAを見て、それぞれの男達の生き様を感じてください。そしてOPとEDと書いてあった部分はどうなるのかな? もしかしたら森川さんと僕が歌わせてもらえるのかな? と。この時点では何も決まってないんですけど、皆さんと一緒に期待してます。
関:男同士の絆には上っ面の優しさなんて一切いらないんだぜ、とハードボイルドを貫いている作品だと思います。こんなハードボイルドな作品を映像でがっつり観ることができるのは、気持ちがいいと思うので、ぜひ初めての方にも観て頂けると嬉しいです。下巻はさらにハードな展開になります。上巻ともども楽しみに待っていてください。
近藤:コミックやドラマCDからのファンの皆さんには待ちに待った映像化だと思うし、僕らも久しぶりに再会できてうれしいです。男くさくて魅力的なキャラクター達はしゃべるだけでも雰囲気がありますが、動くことでさらに存在感やカッコよさが出ているはずです。こんなにハードボイルドな世界観は日常生活では絶対に味わえないし、きっと刺激的に感じてもらえると思います。ファンの方も初めましての方もこのOVAで刺激的な男の世界に触れてみてください。
伊藤:骨太で重厚な作品に参加できたことは個人的にもうれしいです。収録でも10年以上かけて演じているキャストの皆さんによって、キャラクター達が熟成されているのを肌でひしひしと感じました。OVAは皆さんのご期待に添える映像とドラマになっていると思います。僕もこの作品に途中から触れましたが、その魅力にすっかり心をわしづかみにされたように、まだ『WILD ADAPTER』に触れたことのない方もわしづかみされてください。そして下巻では、上巻以上に龍之介と木場の見せ場もあります。僕ら年少組もよろしくお願いします。
■OVA『WILD ADAPTER』上巻
発売日:2014年3月26日
価格:リミテッドエディション9,500円+税
発売:フロンティアワークス
※下巻は2014年発売予定
【上巻リミテッドエディション特典】
1:原作者・峰倉かずや先生描き下ろしスリーブケース
【音声特典】
2:森川智之(久保田誠人役)&石川英郎(時任稔役)によるオーディオコメンタリー
【封入特典】
3:スペシャルCD
原作者・峰倉かずや先生書き下ろしシナリオによるオリジナルドラマ
原作者・峰倉かずや先生書き下ろしによる時任稔のキャラクターメッセージ
時任稔役の石川英郎によるキャストメッセージ
OVA「WILD ADAPTER」上巻BGM
4:特製ブックレット(設定資料、インタビューなど)
5:ジャケットイラストを使用したピクチャーレーベル
6:ブロマイド(2種)
<スタッフ>
原作:峰倉かずや(「ゼロサムWARD」一迅社刊)
監督:葛谷直行
シリーズ構成・脚本:星野 尚
キャラクターデザイン・総作画監督:原田峰文
美術監督:海野よしみ
色彩設計:後藤恵子
撮影監督:森下誠一
音響監督:菅原三穂
音楽:藤澤健至
アニメーション制作:Anpro
製作:WILD ADAPTER製作委員会
<出演>
久保田誠人:森川智之
時任稔:石川英郎
鵠:関俊彦
木場治:近藤 隆
神田龍之介:伊藤健太郎
修司:勝杏里
小宮信夫:千葉進歩
真田:小杉十郎太
発売元・販売元:フロンティアワークス
>> OVA『WILD ADAPTER』公式サイト
>>峰倉SHOP.NET
>>株式会社一迅社