改造された魔法使いたちが織り成すSFアニメ『極黒のブリュンヒルデ』逢坂さん、種田さんらメインキャストインタビュー
『エルフェンリート』でお馴染みの岡本倫氏によるSF作品『極黒のブリュンヒルデ』が「週刊ヤングジャンプ」で絶賛連載中だ。その独特な作風とグロテスクな表現が人気の本作が4月より待望のアニメ放送が開始される。
本稿では、アフレコ終了間際のメインキャストのみなさんにインタビューを行った模様をお届けする。なお、インタビュー対象は以下の5名だ。
<インタビュー対象者>
逢坂良太さん(村上良太役)
種田梨沙さん(黒羽寧子役)
洲崎綾さん(橘佳奈役)
M・A・Oさん(カズミ・シュリーレンツァウアー役)
田所あずささん(鷹鳥小鳥役)
先の見えない展開にメインキャストのみなさんも手に汗握りながらアフレコに取り組んでいるご様子。そんな本作の魅力をたっぷりと語ってもらった!
●シリアス&ギャグのギャップに注目!
――原作を読んでみての感想やご自身が演じているキャラクターの印象についてお聞かせください。
村上良太 役・逢坂良太さん(以下、逢坂):一番最初に僕が食いついたところは、主人公と名前が一緒ということです (笑)。前作の『エルフェンリート』も読んでいたので個人的にも気合が入っています。
女性キャラクターが多く登場する作品の主人公は、「なんでこの人モテるんだろう?」と思われるような、わりと普通の人が多い中で、村上は勉強もできるし、好奇心旺盛で、ちょっと違ったタイプの主人公なのかなという印象を持ちました。勉強ができるキャラクターは前線に出ていかないというイメージがあったんですが、死ぬ危険性があるのに仲間を助けようとする村上はすごく男らしいなと思いました。
黒羽寧子 役・種田梨沙さん(以下、種田):『極黒のブリュンヒルデ』は、日常の中にある異質な空間を描いた世界観が魅力だと思います。村上も寧子も暗い過去を持っていたりして、次の展開が全く読めないので続きが気になる作品だなと思いました。
私が演じている寧子は、掴みどころのないキャラクターだなという印象がありました。魔法使いという特殊な存在で、不安定な人生を歩んでいた彼女は、村上のおかげで普通の女の子としての生活を送るようになります。その中で、優しい部分や仲間思いの部分などを見せるようになり、少しずつ心を開いていきます。ですが、絆が生まれるとすぐ失われてしまうというところがこの作品の辛いところだと思います。思わず感情移入して読んでしまった作品ですね。
橘 佳奈 役・洲崎綾さん(以下、洲崎):先が読めない展開やハラハラするバトルシーンなどハードでシリアスな世界観の中に、ギャグや寧子の可愛らしいシーンが入っていて常に興味を惹かれる作品だなと思いました。
私の演じている佳奈は、全身不随で顔の表情もそんなに変わらないので演じるのが難しそうだなと思いました。でもそれだからこそやりがいはありますね。佳奈は設定がはっきりとわかっているキャラクターではないので、振り幅を持たせた役作りをしています。
カズミ・シュリーレンツァウアー 役・M・A・Oさん:ちょこちょこと鏤められたギャグにほっと一息ついていたら、次のシーンには「え!?」と思ってしまうようなことがあって、その緩急に魅了されてあっという間に原作を読んでしまいました。魔法使いたちが使う魔法も魅力的で、「そういう使い方があったのか!」と驚くことも度々ありました。
カズミはメインキャラクターの中で一番感情の起伏が激しいキャラクターだと思います。怒るときはすごく怒るし、泣くときもすごく泣くんですけど、複雑で素直じゃない気持ちを持っていて「めんどくさいなこの子!」と最初は思いましたね(笑)。でも、「そういう子っているよね」と共感できるので大好きです。
鷹鳥小鳥 役・田所あずささん(以下、田所):役が決まったときに原作を読ませてもらったんですけど、ドハマりしちゃって時間を忘れて一気に読み終わってしまいました(笑)。マネージャーさんとも「次はこうなると思うんだよね」とずっと話してしまうくらいファントークで盛り上がっています。
私が演じる小鳥は、まるで私なんじゃないかと思うくらい似ているところが多いキャラクターです。マネージャーさん曰く、「○○以外はあずさと一緒だな」だそうです……(笑)。ですが、小鳥はあたふたしているように見えても「どんなに辛いことがあっても笑顔でいるように」と自分に言い聞かせている芯の強い女の子です。そういった強い部分もしっかりと出せるように演じていきたいです。
――演技をする上で気をつけている点はありますか?
逢坂:どうやって自分とのギャップを隠すかですね(笑)。村上は発想も鋭くて、いろんな作戦を思いつきますし、基本的に頭がいいキャラクターです。僕が同じところにいたとすると「わかんねー! みんな考えてくれよ!」と他力本願になってしまうと思います。自分を騙すというか、どうやって頭がよく聞こえるか試行錯誤中です。いち早く自分のものにして、より良い村上を出していければいいなと感じています。
種田:原作を読んだときに寧子は感情の起伏がわかりやすい子なのかなと思っていたんですが、アニメではミステリアスな部分がより強くなった印象です。冒頭の「ヘニムヘーロ(会合)」と言い間違いをするシーンも、彼女はウケを狙っているわけではなく大真面目にやっているだけなので、そういう素直な可愛さを寧子のキャラクターのままでやるのは難しいなと思いました。
寧子の境遇は少し特殊で、能力を使ったことにより過去の記憶がほとんどありません。それでも彼女の芯の強さでなんとか自分を保っている状態なので、誰よりも強く、誰よりも脆く、危うい存在です。でも、誰かを救いたいという意思を持っている心はすごく優しい女の子です。
私的には感情を思いっきり出したいシーンがたくさんあるんですが、寧子は人を巻き込むと殺してしまうという悲しい現実に心を閉ざしてしまうので、その辺りの演じ分けは難しいですね。彼女の天然でアホなところは思いっきり演じてはいますが(笑)。
洲崎:佳奈はまず、声に抑揚をつけるのか、機械的に話すのかを悩みました。放送では機械的なエフェクトが入るそうなんですが、佳奈の気持ちをしっかりと出してあげたいなと思っています。表情の変化があまりないので、思っていることを声に出すことを心がけていますね。わりと地声に近い感じで演じているので、リアルな雰囲気が出ればいいなと思っています。
M・A・O:カズミは素直じゃないところがあって、どの言葉が本心で、どの言葉が強がりなのかを見極めて演じていけたらいいなと思っています。カズミはよく小さい子が言うようなエッチなことを言うので、そこを恥じらわずにズケズケ言えるようにしたいですね(笑)。
田所:先ほども行ったように小鳥は私とそっくりな点が多いので、自分が出ないように気をつけたいですね。自分としてではなく、小鳥としてあたふたしようと思っています。小鳥も謎がないように見えていろいろと隠されているので、そういった魅力も出していきたいです。
●主人公の夢はNASAの研究員。ではみなさんは?
――主人公の良太はNASAの研究員を目指していますが、みなさんの学生時代の夢は何でしたか?
逢坂:僕は初めて持った夢が声優でした。それまでは「夢って何なんだろう?」って思うくらい興味がなかったので、自分がどういう職業に就くかはその場その場で決まっていくものだと思っていましたね。
幼稚園で文集を作るときにみんなで適当に夢をパイロットと言っていたんですが、いざ出来てみると僕の夢が花屋さんになっていて……(笑)。誰かに勝手に書かれたみたいなんですけど、それからみんなに「お前、花屋さんだろ!」と言われたのは忘れ去りたい思い出です(笑)。
種田:私は欲張りな子供だったのでいろいろありますね(笑)。最初は漫画家になりたかったんですけど、だんだん現実を知ってきて……。マンガ描いてみたら全然描けなかったんですよ(笑)。全然面白くなくてショックを受けましたね。元々アニメや映画、マンガが好きで、「この魔法使いのいる世界に行きたい!」と思うようになりました。
でもその世界に入ることはできないので「演者として入り込めないか?」と考えたんですけど、今度は英語がダメで断念しました。そんなときに吹き替えというお仕事があると知って、「魔法使いになろう!」と思って声優を目指しました(笑)。なので、この作品で魔法使いになれて不思議な気持ちですね。思い描いていた魔法使いとはだいぶ違いましたが(笑)。
洲崎:私は小学校の先生になりたくて、でも声優にも興味があったんです。両方勉強したいなと思って、大学は教育学部に行って、声優の養成所も通っていました。子供の心を育むというか、子供たちを感動させられるような仕事に就きたいなと思っていたので、小さい子供たちが見るようなアニメのヒーローやヒロインにもなれたらいいなと思います。
M・A・O:小さいころはずっとピアノを習っていたので、ピアノの先生になりたかったですね。小学生くらいからマンガにハマって、そのころにアニメで女性が男の子の役を演じているというのを初めて知って衝撃を受けました。
さらに同じ方なのに別のキャラクターを全然違う声で演じられていて、「こんなこともできるのか! すごい!」と魅力を感じました。そういったことができる職業に就きたいなと思うようになりました。
田所:私も一番なりたいと思ったのが声優でした。その前はパン屋さんでしたね。食べるのも好きでしたし、パン屋さんに行くのも好きでした。パンの近くにいたいなと思っていたんですが、早起きができなくて泣く泣く断念しました(笑)。
――では最後に本作の見所や注目点をお聞かせください。
逢坂:めちゃくちゃシリアスかと思ったらすぐにギャグが入ってきて、その落差の激しいストーリー展開がすごく魅力です。緩急がある展開に思わず熱中してしまうと思います。見てくださる方も僕たちと同じ気持ちで最後まで楽しんでいただきたいと思っています。
種田:ストーリーが進むにつれて、魔法使いの女の子たちがたくさん登場します。寧子たちは村上と出会ったことによって普通の女の子のような生活を送りますが、他の魔法使いは自由がない中で生活していて、そういった彼女たちの葛藤も描かれていきます。
人間関係の絆もこの作品では描かれていて、思わず涙が出てしまうような辛い展開や感動的なストーリーにも注目してもらいたいです。素直な気持ちで作品に入り込んでいだけたらなと思っています。
洲崎:シリアスとギャグのギャップも面白いんですが、バトルシーンにも注目してもらいたいです。原作ファンの方だけでなく、アニメから入る人でも楽しめる内容になっていると思います。あとは寧子と佳奈の相思相愛っぷりをぜひ見ていただけたらなと思っています(笑)。
M・A・O:ギャップのあるキャラクターばかりで、仲良くなっていく中でこんな一面もあったのかと思わせる部分が出てきます。そういったところが魅力的で可愛らしい部分だったりするので、そこに注目してもらいたいです。個人的に楽しみなのが、寧子が鼻歌を歌いながら洗濯をしているシーンです(笑)。
田所:最初から最後まですべて見逃さずに見てもらいたいです。いろんなシーンに伏線が隠されているので、予想や想像をしながら物語を追っていくとより楽しめるんじゃないかなと思います。私も原作を読んだときがそうだったのですが、「自分だったら?」とキャラクターの視点で見てもらいたいですね。それぞれの登場シーンにも注目です。
【ON AIR】
TOKYO MX:2014年4月6日(日)夜10時 放送スタート
読売テレビ:2014年4月7日(月)深夜1時59分 放送スタート
中京テレビ:2014年4月7日(月)深夜2時22分 放送スタート
BS11:2014年4月7日(月)深夜3時 放送スタート
【STAFF】
原作:岡本 倫(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:今泉賢一
脚本:北島行徳
キャラクターデザイン・総作画監督:烏 宏明
音楽:鴇沢直
制作:ARMS
製作著作:「極黒のブリュンヒルデ」製作委員会
【CAST】
村上良太(むらかみ りょうた)/CV:逢坂良太
黒羽寧子(くろは ねこ)/CV:種田梨沙
橘 佳奈(たちばな かな)/CV:洲崎綾
カズミ・シュリーレンツァウアー/CV:M・A・O
鷹鳥小鳥(たかとり ことり)/CV:田所あずさ
【STORY】
子供の頃に事故で死なせてしまった幼なじみの女の子のことが忘れられない高校生・村上良太は、彼女との約束「宇宙人が存在することの証明」を果たすべく、天文部に在籍し毎日夜空を見上げ探し続けていた。
ある日、良太の前にその幼なじみと瓜二つの転校生・黒羽寧子が現れる。しかし、彼女は自分を「魔法使い」だと語った…。「魔法使い」は研究所で手術や薬により肉体を改造され、様々な特殊能力を持つが、鎮死剤を毎日1錠飲まなければ死んでしまうという。
「研究所」から逃げ出してきたという彼女を回収するため、次々と追跡者が差し向けられる。迫り来る高位の魔法使いと鎮死剤の枯渇、あらゆる死の恐怖が迫る中で彼女と良太が選んだことは・・・。
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