「DIABOLIK LOVERS」アニメ公式ノベライズが本日6月27日発売! 今回は試し読み第二弾をお届け!
大人気作品「DIABOLIK LOVERS」のアニメ公式ノベライズが6月27日発売!
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今回は昨日の試し読み第一弾に続き、第二弾をお届けしちゃいます!
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タイトル「DIABOLIK LOVERS」アニメ公式ノベライズ
著者 結来月ひろは
原作・監修/オトメイト(アイディアファクトリー・Rejet)・DIABOLIK LOVERS PROJECT
レーベル:フィリアレーベル
発行:フロンティアワークス
【キャッチ】
ドSで官能的で魅惑的なヴァンパイアに囚われて…
父親の海外転勤が決まり、高校二年生の小森ユイはこれから世話になる逆巻家へと向かった。着いた先は大きな屋敷で、そこに住む六人のイケメン兄弟と同居することに。でも彼らの性格は最悪で、その正体はヴァンパイア! 父との連絡手段を断たれ、「我々からは決して逃げられない」という宣告とともに始まったユイの新たな生活は――!
■試し読み第二弾
あくまでユイは神父をしている父の仕事の都合で、この家に世話になることになっただけであり、花嫁候補の話など、今初めて聞いた。
しかしユイの驚きとは裏腹に、シュウから話を聞いた兄弟たちはひどく冷静だった。
「そういうことですか」
「う~ん、花嫁っていうか、生贄だよね」
(……生贄?)
カナトとライトのやりとりに動揺するユイに、さらに追い打ちをかけるように、目を開けたシュウは言った。
「あと、『殺すな』とも言ってたな」
(『殺すな』って、一体どういうこと……!?)
「へぇ……じゃあ、その子とは長~く付き合えそうだね」
シュウの口から出てきた物騒な言葉に固まっていたユイに、レイジは声をかけた。
「どうやら間違いなかったようですし、きちんと紹介しましょう」
そう言うと、レイジは依然としてソファに横たわっているシュウに目を向けた。
「あそこにいるのが、長男の逆巻シュウ、私が次男のレイジ」
そこでレイジは一度言葉を切ると、アヤトたちに目を向けた。
「三つ子のアヤト」
「次は逃がさねぇからな」
ソファに座っているアヤトはユイに不敵な笑みを浮かべてみせる。
「カナト」
「また味見させてください。ふふ、楽しみだね、テディ」
腕に抱いている左目に眼帯をつけたクマのぬいぐるみの名前だろうか。カナトは首を傾げて笑った。
「ライト」
「よろしくね、ビッチちゃん」
少なくとも女性に言うべきではないような言葉を、ライトは笑いながら言ってのけた。
「そして末のスバルです」
「チッ、面倒くせえ」
スバルはユイが屋敷にいることが気に入らないようで、すぐに顔を背けてしまった。
改めてレイジから兄弟たちを紹介されたユイだが、とても彼らの言葉を受け止めきれなかった。
「でも、何かの間違いじゃ……『花嫁』とか全然聞いていないし」
屋敷にやってきてからの不思議な出来事がユイの脳裏をよぎっていく。
そして、何よりもおかしいのは……。
兄弟たちを見回したユイは口を開いた。
「そ、それに、あなたたち……な、何か……変……」
恐る恐るその言葉をユイが口にすると、彼らの視線がユイに集まる。
(な、何……これ……)
まるで肌に突き刺さるような、鋭い視線に、ユイは本能的な危機感を抱いた。
(ここにいちゃ、駄目)
「わ、私、父に連絡を……」
(早くここから逃げないと)
ユイはポケットに入れていた携帯電話を取り出そうとするが、ユイの携帯電話は何故かアヤトの手の中にあった。
「あっ!」
(私の携帯が、どうしてあんなところに)
しかし、今はそのことを気にしている場合ではない。
「私の携帯! 返してください」
「どうすっかなあ?」
ユイの携帯電話を手のひらで弄びながら、アヤトは意地の悪そうな笑みを浮かべている。
(携帯がないと、お父さんに連絡できないのに)
「返して! お願い!」
ユイはどうにかしてアヤトから携帯電話を取り返そうとするが、あと少しで携帯電話に手が届きそうなところで、アヤトにかわされてしまう。
ユイの必死な反応を見て楽しんでいたアヤトの手から、スバルが携帯電話を取り上げた。
一瞬、携帯電話を返してくれるのかとも思ったが、不機嫌そうなスバルの顔を見れば、そんなつもりがないのはすぐにわかった。
「な、何を……」
「こうするんだよ」
そう言ったスバルの手の中で、バキッっと音がしたかと思うとユイの携帯電話が真っ二つになった。
(そんな……なんでこんなことするの!)
これで父との連絡手段を断たれてしまった。
「ひどい……」
「うぜえ」
壊れた携帯電話を見て涙ぐむユイを、スバルは鬱陶しそうに一瞥する。
「まあまあ、ビッチちゃん」
ライトはユイを慰めるように明るい声で話しかけてくると、左肩に手を置いた。
「これからはボクらと仲良くするんだから、携帯なんて必要ないよ。ね?」
気づくと、ライトとカナトに左右から挟まれていた。
「僕、さっきからお腹ペコペコなんですよ」
そう言いながら、近づいてくるカナトに困惑するユイにライトは顔を近づけると、耳元で囁いた。
「本当……おいしそうな匂いしてるね、ビッチちゃん」
(え?)
匂いと言われても、香水の類などユイはつけていない。
不思議に思うユイの目に映ったのは、今にも首に突き立てられようとしているライトの口元から覗く鋭いキバだった。
「きゃあああ!」
ユイの悲鳴に雷鳴が重なり、リビングの中に響く。
その場から逃げ出そうとユイは駆けだすが、恐怖からか、足がもつれてリビングから出る前に転んでしまった。
(早く逃げないと)
ユイは立ち上がろうとするが、左膝に痛みが走った。
「いった……」
見てみると、転んだ時にすりむいた膝からは、血が滲んでいる。
ふと視線を感じたユイが顔を上げると、そこには目を妖しく光らせ、口元から鋭いキバを覗かせた兄弟たちの姿があった。
(な、何……これじゃあ、まるで本当に……)
「ヴァ、ヴァンパイア……」
ユイはポケットからある物を取り出すと、兄弟たちに向かってそれを掲げた。
「こ、これでもくらえ!」
ユイが手にしているのは、父からもらったロザリオだった。
(ヴァンパイアなら、十字架に弱いはず!)
しかし彼らはロザリオを見ても怯む様子もなく平然としている。シュウに至ってはソファに横になったまま、そんなユイを馬鹿にするかのように小さく笑い声を漏らした。
「えっ」
(うそ、どうして効かないの?)
「まったく……」
レイジはソファに座ると、呆れたように口を開いた。
「ヴァンパイアはニンニク、十字架、太陽に弱いなど……人間が作ったお伽噺が、我々に通じるとでも? それこそ愚かな人間の思い上がりというもの。不愉快極まりない」
(そんな……)
ユイはリビングの扉を開け、駆けだした。
「躾がまったくなっていない」
逃げるユイの後ろ姿に、レイジは腹立たしげに告げた。
エントランスホールへと必死に走るユイの足音と荒い息遣いが廊下に響いていた。
普通の人間ではないとは思ったものの、まさかヴァンパイアだとは思ってもみなかった。
(とにかく、早くこの屋敷から逃げないと!)
その一心で走っていたユイだが、途中で足を止めた。
(あれ、どっちに行けば……)
屋敷が広いせいか、同じような造りの廊下が何本もあり、どちらに行けばいいのかわからなくなってしまったのだ。
しかし、今はここで迷っている場合ではない。
(早く逃げないと、あの人たちが……)
自分を見ていた妖しい瞳を思い出したユイは再び駆けだした。
やがて見えてきた廊下の先には何種類もの菓子が置かれたテーブルがあった。
(どうしてこんなところに、お菓子の載ったテーブルが)
ユイが不思議に思った瞬間、テーブルの陰から突然カナトが現れた。
「壊してあげる」
「……っ!」
微笑むカナトに、ユイは元来た道を引き返す。
(なんで先にいるの!)
廊下を走っていたユイの目に、テーブルの上に置かれている電話機が映った。
(よかった。これでお父さんと連絡が取れる)
父に連絡を取ることができれば、この状況もどうにかなるかもしれない。
ユイは受話器を持ち上げるが、そこから繋がっているはずのコードは切られていた。
(そんな……)
希望を断たれ、呆然とするユイに、ライトの笑い声が聞こえてきた。
「んふ……言ったでしょ? ここに住むなら電話は必要ないんだって」
どこからともなく聞こえてきたライトの声に、ユイは思わずあたりを見回した。
(一体どこにいるの)
しかし、ライトの姿はどこにも見当たらない。
「さあて、どこかなあ、ビッチちゃん」
怯えるユイの姿を楽しんでいるかのようなライトの声にユイが後ずさると、誰かにぶつかった。
思わず息を呑んだユイの肩を誰かが掴んだ。
(まさか……)
「当ててみて」
「っ、いやぁ!」
耳元で囁かれたライトの声に、ユイは驚く。肩に置かれていた腕を振り払うと、その場から逃げ出した。
どうにか玄関までやって来たユイはドアを開けようとするが、扉はびくともしない。
(うそ、どうして開かないの!?)
「お願い、開いて!」
扉を叩いてみるものの、まったく動かなかった。
(どうしよう。他に出口は……)
焦るユイの後ろから伸びてきた手が、扉を押さえつける。
振り返れば、そこにはアヤトの姿があった。
「どこ行こうってんだよ。こっからはお待ちかねの絶叫タイムだ。思いっきり泣き叫んで、オレを楽しませろよな」
アヤトはもう片方の手も扉につき、ユイを腕の中に囲い込んだ。
「どうせ、もう逃げられねぇんだからよ」
(このまま好きなようにされるなんて、そんなの絶対に嫌!)
ユイはアヤトの手を振り払うと、屋敷の中に向かって駆けだした。
(とにかく隠れられる場所を探そう)
階段を上り、逃げこめる部屋を探して手あたりしだいにドアノブを回すがどこも開かない。二階の薄暗い廊下を走っていたユイは鍵の開くような音を聞いた。
(今の音って、この上から聞こえてきたの?)
そう思い、螺旋階段を上っていったユイは、とある部屋の前に南京錠と鎖が落ちているのを見つけた。
(鍵が外れてる。この部屋に隠れよう)
ユイはその部屋に入ると扉を閉めた。
月明かりに照らされた薄暗い部屋の中を見回してみれば、シーツをかけられた家具や絵画、調度品などが置かれている。普段は人が入ることはないのか、どこか埃っぽいように感じる。
(この部屋って、物置きか何かなのかな)
そんなことを思いながら、部屋の中を見て歩いていたユイはドレッサーの上に宝石が輝くアクセサリーがいくつも置かれているのを目にした。
(でもアクセサリーがそのまま置かれてるってことは、やっぱり誰かの部屋なのかな)
ふと窓に目を向けたユイは、バルコニーに女性が立っているのに気づいた。
こちらに背中を向けているため表情まではわからないが、紫色の長い髪は月の光を受けて輝き、女性が着ている紫色のドレスはエレガントな雰囲気だ。
ユイの気配に気づいた女性がこちらへ振り返ろうとした途端、ユイの胸に激しい痛みが走る。
「くっ……」
(何、これ……)
これまでこんなふうに胸が痛くなったことなどなかった。
(苦しい……)
その間にも心臓の鼓動は激しくなり、視界が歪んでいく。
立っていることすらままならなくなったユイは壁際に並ぶ本棚にぶつかり、その場に膝から崩れ落ちた。
そのままじっと痛みをこらえていると、しばらくして、どうにか痛みが治まってきた。
(今のは一体……)
ユイは再び窓の外を見るが、そこには夜空に浮かぶ三日月があるだけだった。
(さっき女の人がいたと思ったのは、ただの見間違いだったのかな……)
胸の痛みも女性の幻影も、ありえないこと続きで動転していたせいかもしれない。
先程ぶつかった拍子に本棚から落ちてしまった本に、ユイは目を向けた。
数冊の本のほかに革張りのノートがあり、落ちた拍子に開いたページから飛び出したのだろう一枚の写真が目に留まる。
「これ……! お父さん……!?」
写真に写っているのは、神父の腕に抱かれて眠る赤ん坊。
その赤ん坊の手には、ユイが持っているのとまったく同じロザリオが握られていた。
(じゃあ、この赤ちゃんは)
「私?」
(でも、どうしてこんな写真が、ここに)
写真が挟まれていたノートを見ると、そこには見覚えのある文字で、日々の出来事が綴られていた。
「これって、お父さんの日記? どうして」
何故、父の日記がこんなところにあるのか。
日記を読めば、何かわかるかもしれない。
ユイは日記を読み始めた。
──ユイは私に幸せをくれる。もはや自分の子ではないという事実は、何の意味も持たない。大事な授かりものに、日々感謝するのみ……。
日記の内容は、ユイにとって信じられないものだった。
「どういうこと……私、お父さんの子じゃないの? なんで、お父さんの日記がここにあるの?」
(私がお父さんの本当の子じゃなかったなんて、そんな……)
衝撃的な内容にユイは打ちのめされ、何も考えられなくなる。
「よりによって、この部屋に入るとは」
突然聞こえてきたレイジの声に、ユイが顔を上げると、部屋の中にはいつの間にか兄弟たちが揃っていた。
「ここは誰も立ち入ることのできない『開かずの間』なんですよ」
レイジは開いたドアを見ると、ため息をついた。
「また新しい鍵をつけなければいけませんね」
「ほーんと、どうやって入ったのかな、ビッチちゃん」
目の前にしゃがみ込んだライトがユイに尋ねてくるが、何故鍵が開いていたのかは、ユイにもわからない。
(そんなこと言われても、鍵は元から開いていて)
口を開こうとするが、ユイの口からはうまく言葉が出て来ない。
カナトはそんなユイの前に立つと、見下すように言った。
「エサなんだから、じっとしててくださいよ」
「わ、私はエサなんかじゃ……」
「つべこべうぜえんだよ」
「きゃっ!」
口答えをしたユイに苛立ったスバルが壁を殴ると、その拍子に壁際に並ぶ棚から本が降ってきた。
「あ~、もうスバルくん、またぁ」
「うるせぇ」
ライトとスバルのそんなやりとりを聞きながら、ユイは怯えていた。
(どうしよう。こんなふうに囲まれたんじゃ、もう逃げられない)
これから自分は一体どうなってしまうのか。
「その顔……」
ふいに顔を掴まれたユイは、無理矢理上を向かされた。
「最高にそそるな」
ユイが目を開けると、そこには満足げに笑うアヤトがいた。
「ボクもいただいちゃおうかなぁ」
「僕も舐めたいです」
「い、いや……」
三つ子たちは、それぞれユイに迫ってくる。
「拒否権などありません。貴女が把握しなければならないことは、ただひとつ。我々からは決して逃げられないということです」
「相変わらず回りくどい言い方だな。逃げたら殺すって言やぁ、いいんだよ」
あまりにも一方的で、そして非情ともいえるレイジの宣告とスバルの言葉を、ユイは三つ子たちに囲まれながら聞いていた。
首元には左右それぞれからアヤトとライトに、そして正面からカナトに手を伸ばされ、ユイは思わず叫んだ。
「もうやめて!」
ガシャーン!
ユイが叫ぶと同時に、ガラスが割れる音が室内に響き渡る。
血を吸おうとユイに群がっていた三つ子が、一斉に音のした方を向く。
シュウの足元に風景画の額が倒れ、あたりに細々に砕けたガラスが散乱していた。
「わりぃ、俺が倒した」
それだけ言うと、シュウは背を向ける。三人に囲まれ救いを求めるユイの姿など彼の目には映っていないようだった。
恐怖に固まりながらも、ユイは確信した。
──ここに自分の逃げ場所などないのだということを。
「よう、チチナシ」
アヤトにそう呼ばれて振り返ったユイは気づけば首を掴まれ、床に押し倒されていた。
「覚悟は、いいか」
自分の上にいるアヤトの妖しい光を宿した瞳に、ユイは恐怖で顔を強張らせた。
窓から差し込む三日月の光に照らされるユイを見て笑うアヤトの口元には、鋭いキバが光っていた。
(お願い、誰か助けて……)
「神様!」
しかし、ユイのその声が神に届くことはなかった。
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