テレビアニメ『残響のテロル』声優・石川界人、斉藤壮馬、種崎敦美、咲野俊介インタビュー|本作を見て、「テロに備えよ!?」
キーワードは「謎」! キャスト陣も気になる結末は……?
――本作の魅力、見所となりそうだと思う部分などを教えてください。
斉藤:「謎」というのが1つの大きなキーワードになってくるのかなと。スピンクスの2人は、動画サイトやアプリケーションを使って世界に対して様々な謎かけをしていくのですが、そこにはいろいろな意図があって……謎という要素が何層ものレイヤーを作って複雑に絡みあうような構成になっているのが面白いです。僕達にも物語がどういう終わりを迎えるのかというのは分かっておらず、演者側も新鮮な気持ちで挑んでいるので、視聴者の皆さんも一緒になって謎を追いかけていただければ、より作品を楽しんで頂けるのではないかと思っています。
石川:凄くリアルな方向性で演出されている作品なので、警官1人1人にもベテランの方々が配役されていて、僕個人としても役者として勉強させていただいていますし、キャストの力だけでここまで物語の重みが変わってくるものなのか、と改めて実感しています。
あとは何を隠そう、僕は格好いいおじさんが活躍するのが大好きでして。そのおじさん達が大活躍する回があるのですが、それが本当に格好良くて。今後もそういう回があったり、おじさん達のバックボーンのようなものが明らかにされていくのかと想像すると、僕自身も一視聴者として楽しみになっていますね。
咲野:「この変化球だらけの時代に、敢えて直球を投げてみた」、と監督がおっしゃられていた通り、画面で起こることはもの凄くストレートで分かりやすいですね。謎が多いという意味では難解なのかもしれませんが、ただ見ていただくだけでも純粋で濃厚な人間ドラマが味わえるようになっています。30分じゃ勿体ないくらいです。
種﨑:映像の繊細さやキャラクターの表情の細かさ、さらに見たことのある背景がたくさんでてきたりして、色々な部分がリアルに感じられる。そこが魅力だと思います。
――既に第1話の映像をご覧になられているとのことですが、本作における映像面での印象などありましたら教えてください。
石川:現代日本が舞台になっているので、所々で見覚えのある景色が出てきたり、人間の動き一つ一つに対しても本当に生きているかのようにリアルに作画されていて、そうした細かい部分にも注目していただきたいですね。
斉藤:是非、大きな画面で見ていただきたいです。コントラストや色彩のバランスまですごく気が使われて綺麗に作られているなぁと。石川くんの言ったリアルさを追求した細かな描写も含め、映像の隅々まで堪能していただければと思っています。
種﨑:リサは“息”の芝居が多いのですが、それには細かい表情の変化まで丁寧に描かれているという理由があって。特に表情に関しては他のキャラクター達もこだわり抜いて作られているので、是非注目してもらればと思います。
咲野:現代のアニメーションにしては珍しく、煙草を効果的に使っている場面が多いというのが印象的ですね。煙草の煙も凄いのですが、他にも木漏れ日や雪、水の表現だといった部分まで本当に美しく描かれていますよ。
――本作は、海外ドラマに近いエンターテイメント制を重視した作品とのことですが、演じていてそうした要素を感じることはありましたか?
斉藤:ストーリーや映像のテンポがもの凄くよくて、特に1話ではツエルブがスノーモービルに乗って疾走するシーンは圧巻の出来です。動く所はすごく動くし、繊細な場面では逆に抑えた表現になっていて、そうしたメリハリが「短い! もっと続きが見たい!」と思わせるような心地良いリズム感に繋がっているのではと思います。
石川:個人的には、謎かけをまず視聴者に出して、それを作中のキャラクターと一緒に解いていくという構図が、作品の世界にのめり込ませてくれる大きな要因なのかなと感じられました。そういう意味で、一番感情移入しやすい人物は柴崎なのかなぁと。柴崎視点なら、視聴者の皆さんもミステリー小説のように物語を一緒に推理しながら楽しんでいただけるのではないでしょうか。
種﨑:10代の揺れ動く心理描写のようなものが凄くリアルに描かれているなということを、強く感じていました。……学生時代、こんなこと考えたなぁと思い出しながら演じていましたね。ミステリー小説のようなイメージもありつつ、そんな「青春」を感じる描写もあるところだと思います。
咲野:とにかく事件を解決することによって、自分の人間性も再生できるんじゃないかということを考えて柴崎はやっていると思うのですが、世界のためとか正義感ということよりも、まずは自分のために動いているというのが、海外ドラマに近い描写になっているのかもしれないですね。
――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
咲野:とにかく話題作なので皆さんの期待も大きいと思いますが、それを裏切らない作品になっています。皆も、柴崎と一緒に事件を解決してみないかい?(笑)
種﨑:リサがナインとツエルブと出会うことによってどのように変わっていくか、私自身楽しみにしています。ナインとツエルブがどうしてこんなことをしているのか、毎回重要で少しずついろいろなことが判明していくような作りになっているので、1話たりとも見逃さずご覧になってください。
斉藤:『残響のテロル』は、青春モノであり、ミステリであり、エンタメです。とにかく飽きることなく、一瞬たりとも目を離さず、喰らいついていけるような作品になっています。我々自身、どのような結末になっていくのかはまだ分かっていないのですが、どれだけ期待してもしすぎることはないと思います! よろしくお願いします!
石川:本作は、様々な視点で感情移入ができるどんな視点でも何回でも楽しめるような作品になっています。作品自身のジャンルというのも他に類を見ないものですし、いろいろな意味を込めて“面白い”という言葉が心から出てくる、そんな作品に仕上がっていると思うので、心して見ていただければと思います。『残響のテロル』を見て、テロに備えよ!(笑)
――本日はありがとうございました。
オリジナルテレビアニメ『残響のテロル』
2014年7月10日より毎週木曜24時50分~フジテレビ“ノイタミナ”にて放送!
【スタッフ】
原案・監督:渡辺信一郎
助監督:立川譲
キャラクターデザイン:中澤一登
色彩設計:辻田邦夫
美術監督:金子英俊
CG監督:越田祐史
撮影監督:田村仁
編集:廣瀬清志
音楽:菅野よう子
アニメーション制作:MAPPA
制作:残響のテロル製作委員会
【キャスト】
ナイン(九重新):石川界人
ツエルブ(久見冬二):斉藤壮馬さん
三島リサ:種﨑敦美さん
柴崎:咲野俊介さん
ハイヴ:潘めぐみ
【イントロダクション】
ある夏の日──
突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。
平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。
〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。