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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
秋も深まる今日この頃。秋アニメの各作品もだんだんストーリーが進み、話が深まりを見せているところですが、みなさんは今期どのアニメをご覧になっていますか?
魅力的な作品が放送される中でも、多くの注目を集めている『葬送のフリーレン』と『薬屋のひとりごと』。そして、アニメSeason2となる人気作品『SPY×FAMILY』。この3作品全てに声優・種﨑敦美さんがメインキャラクターとして出演されていることをご存知でしょうか。
声優ファンであればご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、気づいていない方も少なくないのではないでしょうか。それもそのはず、同じ人が演じているとわからないくらい各キャラクターの演じ分けがすごいんです。
本稿では種﨑さんが出演する話題の3作品とキャラクターをご紹介! 種﨑さんの演技力のすごさをぜひ体感してください!
種﨑敦美さんは、大分県出身の9月27日生まれ。2012年のデビュー以降、様々な作品に出演。代表作は『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイ役や『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー役、『魔法使いの嫁』の羽鳥チセ役など。
2020年に第14回声優アワードで助演女優賞を受賞し、2022年には「Yahoo!検索大賞2022」・声優部門で1位に。さらに、2023年の第17回声優アワードでは史上初の主演声優賞と助演声優賞のダブル受賞を果たしています。
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。(公式サイトより引用)
種﨑さんが演じる主人公・フリーレンは、ドライな性格で、その喋り方は淡々としており、感情が乗ることもあまりありません。常に冷静で落ち着いた雰囲気からは1000年以上生きている年の功が感じられます。
フリーレンの演技で注目したいのは、感情が表に出るシーン。第1話のヒンメルの葬儀シーンでは、これまで表情を崩すことのなかったフリーレンが顔を崩してボロボロと涙を流します。泣きながら絞り出すように話す声は彼女の深い後悔がしっかりと伝わりますが、それと同時にドライなフリーレンの個性も消えることなく確かに残っているのです。
また、感情があまり表出しないとはいえ、きちんと感情を持った人物なので、感情の抑揚がゼロということはありません。本作は、フリーレンの言葉に宿る微細な感情の動きを声だけで表現する種﨑さんの妙技を堪能できる作品です。
大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。(公式サイトより引用)
本作で種﨑さんが演じるのは、猫猫が仕える上級妃・玉葉妃。皇帝の寵愛を最も受けているとされる四夫人の1人、つまり後宮においてもっとも位の高い人物の1人です。
玉葉妃は帝の寵愛を受けるにふさわしい、気品と知性にあふれた人物。落ち着きがあるという点はフリーレンと同じなのですが、玉葉妃の声色にはぬくもりがあります。声のお芝居だけで異なる温度が感じられるのです。
さらに、玉葉妃には帝を虜にする女性的な魅力も。フリーレンと聞き比べてみると、可愛らしさや色っぽさなどフリーレンにはない個性がより強く感じられるので、ふたつの作品を見比べてみていただきたいです。
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている―― 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。 西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。 その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。 内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。 〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。 だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった! 3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。 ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。(公式サイトより引用)
種﨑さんが演じるのはフォージャー家の娘・アーニャ。大人であるフリーレンや玉葉妃とは違い、まだ幼い少女です。コロコロ変わる表情がとてもチャーミングで、作品のマスコット的存在といえるでしょう。
舌足らずなしゃべり方が印象的なアーニャ。演じる際には、無声音の母音まできちんと音にするように意識されていると種﨑さんご自身がインタビューやラジオなどで語っていらっしゃいます。
落ち着きのあるフリーレンや玉葉妃とは正反対の、やんちゃで天真爛漫なキャラクターを見事に表現しており、同じ人が演じているとはとても思えません。種﨑さんのコミカルで可愛いお芝居に注目してください。
たくさんのアニメ作品に出演している種﨑さんですが、実はニュース番組「サンデーステーション」のナレーションも担当しています。
落ち着きのある声はフリーレンを彷彿とさせますが、フリーレンよりも凛とした印象で、聴き取りやすさは抜群です。毎週日曜日21時より放送されているので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
【夏の猛暑の余波が…#秋の味覚 に暗い影】
— 報道ステーション+土日ステ (@hst_tvasahi) November 5, 2023
3連休の最終日も西日本で“季節外れの暑さ”
熊本では最高気温30℃、福岡29.3℃、大阪27.9℃
▼秋の味覚 #牡蠣 は供給に遅れも…
夏の記録的暑さによる海水温の上昇による影響で、各地で牡蠣の生育が悪いといいます
▼今が仕込みの最盛期 #酒造り… pic.twitter.com/RqswEyyKCZ
これまで様々なキャラクターを演じている種﨑さん。今期に放送されているものではありませんが、メインキャラクターとして出演している作品の一部をピックアップしました。どれも種﨑さんの演技力が光る作品ばかりです。
長寿で魔法使いのエルフ、聡明な皇帝の寵妃、天真爛漫な超能力者の少女……さらに、少年やウサギなど、性別も性格も年齢も種族も異なるキャラクターを演じ分ける種﨑敦美さん。
特定の作品だけを楽しむことはもちろんですが、複数のキャラクターの声を聞き比べると、その演技力の幅広さに圧倒されること間違いなしです。ご紹介した三作品はストーリー自体も面白いものばかり! 個性豊かなキャラクターを演じ分ける種﨑さんの巧みな技に触れてみてください。
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。