黒崎真音さん×I’ve Sound×東京レイヴンズがコラボ！　3rdアルバム『REINCARNATION』発売記念インタビュー【前編】

　今春、放送が終了したテレビアニメ『東京レイヴンズ』だがまだまだ熱い！　OP曲『X-encounter』を歌唱した黒崎真音さんがI’veの高瀬一矢さん、アニメ劇判担当の井内舞子さんとコラボレーションしたトリビュートアルバム&黒崎さんの3rdアルバム『REINCARNATION』が7月23日(水)に発売される。

　全10曲収録のうち、『X-encounter』以外が新録曲で、黒崎さん自身が全曲作詞している。初回豪華盤にはアニメのOP映像を手がけた石浜真史さんによる新曲『-Autonomy-』アニメ仕様PV、原作者・あざの耕平先生が書き下ろした『東京レイヴンズ』短編新作小説ほかを収録！　また購入者は東京と京都で行われる応募抽選制のスペシャルライブの開催も決定!!　11月23日から全国5カ所に渡る最大規模のライブツアーもスタートする。そんな黒崎さんのインタビューと、ご本人による全曲紹介を前後編にわたりお届けしよう！

●トリビュートアルバムという画期的な試みとI’veとのコラボにワクワク

――黒崎さんがOP曲『X-encounter』を担当されたテレビアニメ『東京レイヴンズ』が今春、放送終了しました。最後までご覧になった感想は？

黒崎真音さん(以下、敬称略)：見始めた頃と最後ではまったく違った印象が残って。最初はキャラ達の半熟な感じや「これからいろいろなことを学んでいくんだろうな」という初々しさがあったんですけど、最終的には強くなって芯があって、カッコいいなと思わせてくれるような成長がすごく見えたのが素晴らしいなと感じました。しかも続きが見たくなるようなラストで、今後が気になります。

――アニメが終盤を迎えた3月に今回のトリビュートアルバムの発表がありましたが、お話を聞いた時はどう思われましたか？

黒崎：まったく予想もしていなかったのでビックリしました。でもアニメを見ていても1人ひとりのキャラがすごく立っていて、「この子はこんな音楽が合いそう」とか「こんなテーマが似合うかも」とイメージが浮かんでいたので、それを形にできるのは楽しそうだし、おもしろいものができそうとワクワクしました。

――しかも作曲・編曲は、『X-encouter』で初タッグを組んだI’veの高瀬一矢さん、アニメの劇伴を手がけ、過去には黒崎さんの『Magic∞world』(『とある魔術の禁書目録Ⅱ』EDテーマ)などを手掛けた井内舞子さんという強力コラボです。

黒崎：すごいですよね！　高瀬さんは『X-encounter』の曲の印象もさることながら、レコーディングでのディレクションでも私の気持ちを汲み取ってのびのび収録させていただいたのが新鮮だったし、井内さんとまた新しい楽曲制作に取り組めることもうれしくて。お２人とまた新しい挑戦ができそうという期待感も膨らみました。


●アニメから各キャラのイメージを膨らませ、楽曲化！　ボーカリストとしての挑戦も!?

――制作はどのように進めていったのですか？

黒崎：まずキャラをベースに曲を作っていったので、私の制作スタッフと「このキャラにはこんな曲が合うね」とディスカッションして、そのイメージを高瀬さん、井内さんに伝えてもらって曲を作っていただきました。そして私のイメージ通り、それ以上のものが上がってきて、「さすがI’veさん！」と。デモの段階から楽しく聴きながら、全曲の歌詞を書いていきました。2曲目の『-Autonomy-』だけ、アニメでPVを作る関係もあって、このアルバムの告知前にはレコーディングを終えていました。それ以外の曲は5月と6月に集中して収録しました。

――1曲目の『X-encounter』以外はすべて新録曲で、作詞も大変だったのでは？

黒崎：それぞれのキャラ、それぞれの曲について、「このキャラはこのシーンやセリフが共感できたから、ここを抜き取りたいな」と事前にイメージがあったので、書きやすかったです。音数や譜割の関係で悩んだ曲はありましたが、テーマで迷うことはなかったですね。大変だったのは『…Because,in SHADOW』と『K・O・N♡』かな。一番時間がかかったのは『…Because,in SHADOW』で、Aメロからサビに行くまでの音の動きがすごく細かく、音数も多かったので、どんな言葉をはめたらいいのか、英語がいいのか、日本語がいいのかなど悩んで。『K・O・N♡』は今まで歌ったことのないようなポップな曲で、コンだけでなく、私としてもどう気持ちを寄せていったらいいんだろうと。でもキャラソンじゃないけど、思い切りコンに寄せようと作家小説家になった気分で歌詞を書きました。

――高瀬さんは「「実験」してみたいと思ってます。彼女が歌ったことがないようなオルタナティブなものやBPMの早い曲、I’veならではのトランシーな曲など…」と語っていますが、黒崎さんご自身で歌い手として挑戦だったかもという曲は？

黒崎：どの曲も新境地という感じなのですが、一番はやっぱり『K・O・N♡』ですね。今まで、こんなにかわいらしく歌ったことはないと思います(笑)。あと『…Because,in SHADOW』もここまでトランスに寄った曲はなかったし、『ひまわりと夏』もザ・I’veサウンドという感じのバラードで、私がファンとして聴いていた曲調で、うれしかったし、新鮮でした。


●アルバム名は作品のキーワード＋リフレッシュできる1枚に、の願いを込めて

――アルバム名『REINCARNATION』の由来は？

黒崎：“輪廻転生”という意味ですが、『東京レイヴンズ』の中でも大きなキーワードとなっている重要な言葉です。また作品を知らない方でも、昨日までの気持ちを入れ替えて元気になれる、リフレッシュできる、そんなエネルギーに満ち溢れたアルバムにしようと思って付けました。最初はもっと複雑な言葉や、いくつも意味がある造語にしようとか、いろいろ考えたんですけど、最後はシンプルに落ち着きました。

――アニメを見ていた人の記憶を思い戻すという意味でもいいタイトルですね。

黒崎：ありがとうございます！　そう感じてもらえたらうれしいです。

――収録曲の最後がタイトルチューンですが、アルバム名を決めた後に作られたんですか？

黒崎：そうですね。最後のほうにレコーディングした曲です。他の新録曲とは唯一違って、一人のキャラを描いた曲ではなく、エンドロール的な曲で。このアルバムのエンドロールであり、アニメを全話を見て思ったこと、感じたことを詰め込んで。また聴いているとキャラみんなの名前が次々に浮かんでくるような曲にしました。

●速くて元気な曲が多いアルバム。前半と後半で印象がガラリと変わる曲順に

――全曲通して聴かれた感想は？

黒崎：結構、元気な曲が多いなと。あと速い曲も。1曲目の『X-encounter』から5曲目の『fixxx and lie』までは攻め攻めなアッパーサウンドで、6曲目の『K・O・N♡』からバリエーションが増えてくるので、10曲目まであっという間に感じました。

――1～5曲目と6～10曲目の印象がまったく違い、曲ごとに様々な表情、起伏がサウンドからも受け取れて。

黒崎：曲順や構成はこだわったところでもあるので、そう感じてもらえるのはうれしいです。『K・O・N♡』の存在感が大きいこともありますね。このアルバムの幅を広げてくくれている1曲だと思います。

――歌うのが難しい曲も多そうで。そもそも6分に及ぶ高速BMPの難易度MAXの『X-encounter』を黒崎さんが歌いこなせたから高瀬さんもハードルを上げたのでは？(笑)

黒崎：確かに『X-encounter』の時より難易度は上がってました。でも苦戦した分、「よしっ！」と闘争心がメラメラと(笑)。

――トリビュートアルバムという企画も、新しい黒崎さんの魅力を引き出すような高瀬さんのアプローチなど、かなり経験値が上がったのでは？

黒崎：そうですね。また『X-encounter』リリース後、ちょっと間隔が開いて。その間、『Dysnomia-ディスノミア-』のアイデアもそうですけど「次はこんなこと書きたいな」といろいろ書き留めていて。歌うほうでも最近、いろいろなアーティストさんの曲を聞かせていただいて、「こう歌うとせつない感じが出るんだ」と自分の中にどんどん吸収できて。今回のアルバムでためていたアイデアを出せたり、歌い方を試したり。そういう意味でも、いい機会をいただけたと思うし、楽しみながら制作させていただきました。



■黒崎真音『REINCARNATION』
発売日：2014年7月23日(水)
初回限定盤（CD＋Blu-ray）3,800円(税別)
初回限定盤（CD＋DVD）3,400円(税別)
通常盤（CD）2,800円(税別)
発売：NBCユニバーサル・エンターテイメント


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