アニメ
アニメ『キュートランスフォーマー』キャストインタビュー

アドリブパートは丸投げだった!? アニメ『キュートランスフォーマー』メインキャストの細谷佳正さん、木村良平さん、鈴木達央さんにインタビュー

 2015年1月6日よりTOKYO MXほか、YouTubeやニコニコ動画にて放送開始となるショートアニメ『キュートランスフォーマー ~帰ってきたコンボイの謎~』。全13話の収録を終え、クランクアップを迎えたばかりの細谷佳正さん、木村良平さん、鈴木達央さん、そして監督を務めた石ダテコー太郎さんに収録の感想などを伺うことができたので、そのレポートをお届けする。

 まずは本作について説明しておこう。『キュートランスフォーマー』は、タカラトミーの「チョロQ」が35周年、「トランスフォーマー」が30周年を迎える節目の年に、両作品のコラボレーションによって始動したプロジェクトだ。

 コラボ商品として「チョロQ」をベースとしたデフォルメカーからデフォルメロボにトランスフォームする変形フィギュアが2014年12月末から発売されるほか、かつて“無理ゲー”として注目を集めたファミコンソフトをゲームアプリとしてリメイクするなど、様々な展開が予定されている。

 ショートアニメ『キュートランスフォーマー ~帰ってきたコンボイの謎~』もそうしたプロジェクトのひとつ。「秘密結社 鷹の爪」で知られるDLEがアニメーション制作を担当しており、レトロゲームの“あるあるネタ”などを中心としたギャグ満載のトークを繰り広げる会話劇となっている。

 メインキャラクターは3名で、オプティマスプライムを細谷佳正さん、バンブルビーを木村良平さん、ロックダウンを鈴木達央さんが担当。そのほかのキュートランスフォーマーたちもゲストとして登場予定で、すでに発表されている通り中村悠一さんや井上剛さんといった声優陣の出演も決定している。

 今回のインタビューでは、作品の見どころやゲスト出演時のエピソードなどを語ってもらったので、放送前にぜひチェックして欲しい。

――まずは皆さんが担当されたキャラクターの役どころを教えてください。

細谷さん:オプティマスプライムはいかりや長介さんのイメージですが、そのわりにはしっかりしていなくて、自分の仲間たちにどんどん揺らされて、オイルをだだ流すようなキャラクターです。

木村さん:バンブルビーはオプティマスとの力関係で言うと当然下っ端ポジションで、太鼓持ちっぽいところもありますが、基本的にはオプティマスと二人でボケ倒し、ロックダウンに苦労をかける立ち位置です。

鈴木さん:ロックダウンはこの3人の中では完全にツッコミ役ですね。とにかく二人がボケ倒してくるので、それに対してツッコミを入れていく。「鷹の爪団」で言うところの吉田くんです(一同笑)。

――収録を終えての感想をお聞かせください。

細谷さん:毎回ゲストさんがこられて、アドリブパートを録って、本編を録って……とやっているんですが、いつもトークのお題が独特で、どうすればいいんだろう……と考えているうちに終わった。思い返すとそんな感じがあります。終わった気がしないというか、最終回を迎えてラスボスと対面したけど別に感動もなければ、終わりだという最後感もなく、「これで最終回です」と言われて「あっ、そうですか」みたいな感じでしたね(笑)。

木村さん:フリートークの中で最後らしいって聞いて「ああ、これ最後か!?」って(笑)。何しろ尺の短いアニメだから一度に4本ぐらい収録するので、今日で3回目なんです。だから「いや~ここまでやってきてですね!」って感じに全くならないんです(笑)。ただ、第1話を見させていただいた印象は、気持ちよくアドリブ部分をシェイプアップしていただいて、絵も良く動いていたので、ゲストさんが登場する回もありますし、見るのが楽しみですね。

鈴木さん:収録は終えたんですが、やっぱり終えた感がゼロです。不思議な感じですよね。収録では、演じているようで、途中からは若干演じていないような、お芝居をやっている身としては不思議なところを行ったり来たりしている状態が多く、何度かやっていくとクセになって、自分の中に落としどころの面白さみたいなものが見えてきました。ただ、ゲストでいらっしゃった方は毎回それを掴む前に帰っていくんですよ、尺が短いので(一同笑)。そこは申し訳なく思いますね。

木村さん:大体慣れた頃に終わるんだよね(笑)。

鈴木さん:できればゲストさんには3回ぐらい出て欲しかったですね。そうは言っても確実な爪跡を残していく方が多くて、こちらのいいところを引き出してもらうこともたくさんありましたし、この作品ならではの掛け合いの面白さが出ていると思います。監督がフィルムを作るのが得意らしく、頑張ってセリフを摘んだり埋めたり、心地いい動きをつけてくれるので、自分たちも早く完成を見たいなと思っています。

――作品の見どころや意識したポイントを教えてください。

石ダテ監督:個人的に気をつけたのが、こんなにしっかりした原作ものをやらせていただくのが初めてだったので、原作ファンを裏切ってはいけないというところです。特に「トランスフォーマー」は昔のアニメファンと、最近の実写映画のファン、その層が全然違うと思いますが、どちらから見ても楽しめるものにしたいと考えました。DLEさんが制作されるので、「鷹の爪団」っぽさも踏襲したかったですし、僕が今までアドリブアニメを作ってきたので、そこから見てくださる方にも満足していただけたらいいなと。全然違うターゲット層の方から見ても、それぞれ面白いものを作りたいという気持ちです。

 さらに今回、これだけ豪華なキャストさんに出演していただいているので、女性のアニメファンにも見ていただけるかもしれないと思っています。ですので、ちょっと変わったギャグアニメを女性のアニメファンにも楽しんでいただけたら、と気を使って作っています。

――「トランスフォーマー」は長いシリーズですが、作品の思い出であったり、過去作を踏襲しよう、壊してやろうといった、演じる上での心構えがあれば教えてください。

木村さん:僕は「トランスフォーマー」に余り詳しくないんです。きっと「トランスフォーマー」をそこまで詳しくなくても大丈夫だなって(笑)。どうしても知らなきゃいけないことは教えていただけるだろうし、中途半端に知識を入れるよりは逆に意識しなくて済むのかなと。必要とあらば学ぼう!と思っていたら最終回でした(一同笑)。

鈴木さん:「トランスフォーマー」シリーズは特に実写の方からよく見るようになって、アニメは小さい頃に「ビーストウォーズ」などを少し見ていた感じです。「ビーストウォーズ」はこの仕事を始めてから見ると「何て気が狂ったアニメなんだろう」なんて思いながら見ていたりします(一同笑)。ただ、自分の中で「それはそれ、これはこれ」といった気持ちで切り替え、今回はDLEさんが得意とする会話劇が主体でしたので、そこを汲み取っていけたらと思って演じていました。映画に出てくるキャラクターを自分が別の形で演じられる、その嬉しさもあったりします。

細谷さん:「トランスフォーマー」は小さい頃に夕方にアニメをやっていて、それを見た記憶があるぐらいでした。そこから最近のハリウッドの映画を見て「トランスフォーマーはこんな感じか」というぐらいしか知らなかったんですが、出演のお話いただいて、台本をいただいたときに、1話がA4のペラ紙4枚ぐらいだったんですよ。なので……別に知らなくても大丈夫かなと(一同笑)。木村さんと一緒で、学べばいいと思っていました。

石ダテ監督:台本のフォーマットによって判断するんですか?(笑)

細谷さん:いやいやそんなことはないです!(笑) ザックリ読んで、知っているべきであろうこと、気をつけなければいけない単語なんかがなかったので、大丈夫かなと。最近の「トランスフォーマー」の映画では、頭身が高くて格好いいメカが活躍する超大作みたいになっていますが、「キュートランスフォーマー」では高速道路を疾走するシーンもなく、同じどころでずっと井戸端会議をしているんですよね。それを固い考えで、悪い意味で真剣すぎると良くないのかなという思いがありました。オプティマスのキャラクター設定もいただきましたが、自分の感覚としては僕が気ぐるみを着ている体でやれば面白いかな、という気持ちで収録に臨んでいました。

――監督はこれまで女性声優でこうしたアドリブ主体の作品を多く手がけられていますが、初めて男性声優で会話劇中心の作品を作ってみていかがでしたか?

石ダテ監督:実は僕は、若い男性声優さんにこういうアドリブものであまり良いイメージを持っていなかったんです。なぜかというと、特に20代半ばぐらいまでの男性だと、職業柄というのもあって、格好つけなければいけないじゃないですか。なので面白いことを求めてくれないだろうと思っていたんです。

細谷さん:なるほどなるほど。

石ダテ監督:で、30歳を過ぎたあたりから急にギアが変わって、みんな面白くなるイメージがあったので、こんなに楽しんでやってくださるんだ!と、今では嬉しい気持ちでいます。ちょうどシフトが変わるタイミングの皆さんだったこともあるかもしれませんが。

細谷さん:僕はシフトが変わって2年ぐらいですね(笑)。

木村さん:結構シフトが変わっていない人のほうが少なかったですね。

石ダテ監督:ここからどんどん皆さん面白くなっていくんだろうなって、楽しみなところもありますね。もしあれば続編ですとかね(DLEスタッフを見つつ)。あと、女性では傷の舐めあい見たいなところが面白かったりしますが、男性同士だと勝負感みたいなのがあったりして、そこはそこで違った楽しみもあると思います。

細谷さん:僕勝負してました?サンドバックだった気が……(一同笑)。

――1話を見させていただきましたが、色んな面白いネタやアイディアが出ていました。収録中にいいなと思ったネタであったり、カットされてしまったもので面白いものがあれば教えてください。

木村さん:採用されたものはネタバレで話せず、カットされた部分はどこがカットされたのかまだ分からないです(笑)。

鈴木さん:あとは版権的に使えないからまるっとカットになったり。そういう時のほうが意外と楽しかったりするんだよね。罪な世の中ですよ(一同笑)。

木村さん:13本録ったんですが、何がOKで何がNGなのか、実は僕らもまだ全部は分からないです。

鈴木さん:本当は13本だけじゃなくて、俺らは15、6本録ってるよね。

木村さん:そうだね。どうしても1本目は温まっていないとかで。

――ではゲストさんがいらっしゃったときのエピソードはいかがでしょうか。

木村さん:井上剛君のときは、まさにまるっと録り直しでしたね(一同笑い)。1本では中々慣れないので、剛君の消化不良感があまりにも表に出過ぎてしまっていたんです。

――ゲストさんによって聞きどころが違いそうですね。

木村さん:誰か一人いらっしゃると、だいぶカラーが違ってきますね。基本的には年上の方が多かったですし。中村悠一さんは双子役なので、まさかのフリートークを一人で2回まわしたり(笑)。

鈴木さん:双子だからね。仕方がない(笑)。

――本作のような会話劇というか、キャラでのフリートークを過去に経験されたことはありますか?

鈴木さん:なぜか結構やったことがありますね。

――そのときと比べて今回はいかがでしたか?

鈴木さん:アドリブパートがどこまでアドリブなのかと思ったら、本当に丸投げされましたね(笑)。こんなに丸投げでキャラクターがブレないか本気で不安もあったんですが、1話の完成したフィルムを見たときは、意外といけるものだなと。普通はキャラクターのアドリブがあってもある程度セリフは決まっていて、ワンセンテンスぐらいなんですが、今回は「後半全部アドリブでどうぞ」みたい感じでした。

木村さん:アドリブパートって言ってるけど、むしろそっちメインみたいな感じでしたね(一同笑)。

細谷さん:本編が前座ですよね(笑)。

――アドリブ含め見事な掛け合いでしたが、難しいお題を出されてそれに対して喋るとのことでしたが、3人で先にある程度打ち合わせをして臨むとかは?

一同:ないです。

鈴木さん:本当に出たとこ勝負です。

木村さん:「殺す」と思いながらやっていました(一同笑)。

鈴木さん:今回はお前を先に潰す、みたいな(一同笑)。自分なりのプランはあるんですけど、それをいかに相手にギリギリまで悟られないようにするかですね。オプティマスプライムが「それじゃ話そうか」って言う時に「じゃあ一回最初に誰をサンドバックにする?」っていうのを目線で決めます(一同笑)。

木村さん:あとは尺が足りていないうちに「ここが一番の盛り上がりどころだな」と思うところが来てしまったときの恐怖。

鈴木さん:まずい!って思うよね(笑)。

木村さん:しまった!でもまだ尺が足りてないな。ここ話をで締めたいから困るなあ……なんて。

鈴木さん:そういう風に困って二人で「うーん……」ってなったときに言うことが「じゃあ司令官(オプティマス)は?」ですね(一同笑)。

木村さん:そういうところは頼りがいがあるよね(笑)。

石ダテ監督:スポーツの試合にも似た空気かもしれないですね。

細谷さん:二人の勝負でしょ!?

石ダテ監督:いやいや、二人から勝負挑まれていますよ。

細谷さん:本当ですか?僕は勝ち負けを考えたことがないですけど。

鈴木さん:いやいや、佳正はそういう意味ではみんなの優しいサンドバックだったよ。

細谷さん:そっか……もう終わっちゃったけど初めて知った(一同笑)。

――お題というのは毎回「トランスフォーマー」に基づいたものになるのでしょうか?

石ダテ監督:結構自由かもしれないですね。尺が決まっているので台本は苦労しましたが、消化しなければいけないストーリーを書いて、そこで話題になっていたものを大喜利のテーマにしていたので(笑)。「トランスフォーマー」が全然関係ないときもありますし、似たようなお題が続くこともあります。

鈴木さん:トンチ考えろって言われたときが一番大変でした(一同笑)。

木村さん:あったー……。

石ダテ監督:(DLEのスタッフを指しつつ)この人が悪いんですよ。僕はもっと考えやすいものを最初に出したのに、トンチにしたいって急に言い始めて。

鈴木さん:普段あまりにも馴染みがなさ過ぎて、三人が一番戸惑った瞬間ですね。

細谷さん:トンチ……?って感じで。

木村さん:ある意味脱線しやすかったですね。

鈴木さん:みんななるべくそこに触れないようにしてましたから(一同笑)。

石ダテ監督:でもそうやってブースの中でひとつの空気になるのが面白いですよね。

■アニメ『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』

【キャスト】
オプティマスプライム:細谷佳正
バンブルビー:木村良平
ロックダウン:鈴木達央
ランボル&サンストリーカー:中村悠一
プロール:井上剛
ホイルジャック:福島潤
スモークスクリーン:内山昂輝
ブルーストリーク:片山福十郎


>>「キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎」公式サイト

(C) キュートランスフォーマープロジェクト
おすすめタグ
あわせて読みたい

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024秋アニメ何観る
2024秋アニメ最速放送日
2024秋アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング