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『デス・パレード』先行上映会レポート

前野智昭さん、瀬戸麻沙美さん、大久保瑠美さんに加え、立川譲監督も登壇! 2015年冬アニメ『デス・パレード』先行上映会レポート

 若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」にて公開され、洗練された世界観と高い作家性に注目が集まった『デス・ビリヤード』。同作が、テレビアニメとして1月9日(金)深夜より順次放送スタート。世界観はそのままにタイトルを『デス・パレード』と改め、より奥深いストーリーを描き出す。

 そこで、オンエアに先駆け12月28日(日)にシネマート新宿にて先行上映会が開催された。本編は第2話まで上映。各話の間には出演キャストと監督によるトークショーも行われるなど、充実のプログラムが堪能できた。本稿では、当日の様子をレポートする。

 「クイーン・デキムへようこそ」。開演時間になると、本作メインキャラにしてキーパーソン“デキム”がスクリーンに現れ、こう告げた。まるで物語へと入りこんだかのような雰囲気に包まれる場内。そんななか、粛々と上映会はスタートする――

【登壇者】
前野智昭さん(デキム役)
瀬戸麻沙美さん(黒髪の女役)
大久保瑠美さん(ノーナ役)

立川 譲さん(本作監督)

●伏線満載のストーリー!「2話まで観たら、ぜひもう一度1話を観て」

 「クイーン・デキム」に訪れたふたりの客人が、命懸けのゲームを通し“本性”を露わにしていく……。そんな、人間の奥底に眠る闇を描いた第1話。重いストーリー展開もあり、上映直後は一様に神妙な面持ちだった観客。ともあれ、前野さんら登壇者がステージに姿を見せると、一転晴れやかな表情に。大きな拍手で迎え入れた。

 第1話を振り返ってのトークでは、客人の男性の豹変ぶりに触れた前野さん。アフレコでも、真に迫る演技はすさまじいものだったと言い、「忘れられない回」と明かした。大久保さんも、この男性キャラには「100年の恋もさめる」と笑みを浮かべる。それほどまでに強いインパクトを残す回だったようだ。

 また、“キャラクターの演じ方”にトークテーマが移ると、各々に「難しい」と吐露。前野さんは「淡々としゃべりつつもニュアンスをつける」という匙加減の繊細さに、瀬戸さんは黒髪の女の“普通さ”をどう自然に表現できるかという点に、それぞれ戸惑ったとコメント。続く大久保さんも「ノーナはいろいろ考えている女性」としたうえで、陽気な面と厳しい面のギャップに気を遣っていると語った。どうやら、アフレコ現場には特有の緊張感が張り詰めている様子。しかし、それこそが作品に対するこだわりの強さというもの。観客の期待は否が応でも高まる。

 そんな本作が生まれたキッカケを、監督自ら明かす一幕もあった。なんでも、子どものころ世界人口の増減を表示するサイトを見て、死生観に目覚めたことが大きかったそう。そこから次第に「魂の裁定をするのってすごく大変なことなんじゃないか」「どうやって裁定するんだろうか」といった疑問に行きつき、着想を得るまでに至ったそうだ。現実世界では決して答えがでない壮大なテーマ。それだけに、第1話だけでは本作の“根幹”は姿を見せていないようにも思えるが……?

 そこではじまったのが、第2話の上映。先のトークで「1話には伏線がたくさん貼られている」「1話で残った“モヤモヤ”が晴れる」と前置きがあったのだが、その話の通り、第2話はいわば第1話の別視点といった内容。詳しくはネタバレになるので割愛するが、斬新な構成で物語が展開されていた。

 第2話上映後、再び登壇したキャストと監督。「それぞれの受け取り方ができる」(瀬戸さん)、「女の人と男の人の感じ方の違いがあったと思う」(大久保さん)と、第2話を振り返った登壇者たち。キャラクターの心理を読み解くことで個々に答えが導き出せる、メッセージ性の強い作品であることを改めて示した。対する観客も、真実を解き明かせたからか顔に安堵の色が。これには、前野さんも「さっき(第1話上映後)よりは陽のオーラを感じます」と、ホッとした様子だ。

 これを受け「ここまで観たら、もう一度1話を観てもらえれば」と告げたのは、立川監督。2話でわかった事実を踏まえ、視点を切り替えて第1話を観ると新たな発見があるのではと語った。2話の時点ですでに仕掛けが多い『デス・パレード』。観客は、この先の展開にも胸を膨らませる。

 ちなみにトークの合間には、ゲームを軸に進む本作になぞらえ「これなら負けない!というゲームは?」という質問も。ここでは、ゲーマー・前野さんが「レースゲームならワンチャンある」と自信いっぱいにひと言! レースゲーム談義に花が咲き、会場を沸かせた。また大久保さんは「負け戦の瑠美って呼ばれる」ほどゲームが苦手だそう。ただ「ダンスだったらまだ…」と言い、「ダンスとダンスがレボリューションするアレ」と濁しつつゲームを挙げていた。シリアスな作品からは少し離れた話題で、場の雰囲気は一層和んでいく。

 とはいえ、上映会はそろそろ終盤。最後に、立川監督から「ぜひ最後まで観てもらいたいです。途中で(見続けるのが)辛くなったとしてもですね……」と改めてあいさつがあった。笑える話から泣ける話まで、バリエーションに富んだ物語で展開され、「飽きのこない工夫もされている」とのことだ。加えて、この日観られなかったOPについては、前野さんが「とんでもないオープニングですから!」を連呼。「期待してください!」と断言し、監督の言葉とあわせ観客の期待を煽った。

 人間の深層心理を紐解くことで、無限の味わいが得られる『デス・パレード』。もちろん、このほかにも見どころはたくさんある模様。その真髄を知りたければ、ぜひチェックを!


[取材&文・松本まゆげ]

■『デス・パレード』

【ON AIR】
日本テレビ:2015年1月9日(金)25:58~
サンテレビ:2015年1月13日(火)24:00~
ミヤギテレビ:2015年2月9日(月)25:29~
BS日テレ:2015年1月21日(水)26:30~
AT-X:2015年1月22日(木)22:30~
2015年1月24日(土)9:30~ /2015年1月26日(月)28:30~/2015年1月28日(水)16:30~

[配信]
ニコニコ生放送:2015年1月10日(土)23時30分~

【STAFF】
原作:立川譲/マッドハウス
監督・シリーズ構成:立川譲
キャラクターデザイン・総作画監督:栗田新一
プロップデザイン:村上泉、秋篠 Denforword 日和
演出チーフ:宍戸淳
キーアニメーター:小島崇史、戸倉紀元、石橋翔祐
美術監督:平栁悟
撮影監督:川下裕樹
色彩設計:堀川佳典
CG監督:廣住茂徳
編集:河西直樹
音楽:林ゆうき
音響監督:本山哲
OPテーマ:「Flyers」 BRADIO
 (HERO MUSIC ENTERTAINMENT)
EDテーマ:「Last Theater」 NoisyCell
 (VAP)
制作:マッドハウス

【CAST】
デキム CV:前野智昭
黒髪の女 CV:瀬戸麻沙美
ノーナ CV:大久保瑠美
ギンティ CV:細谷佳正
クラヴィスCV:内山昂輝
クイーン CV:白石涼子
カストラ CV:柚木涼香
オクルス CV:玄田哲章

【INTRODUCTION】
「いらっしゃいませ クイーンデキムへようこそ」
死後、人間の魂が集まる不思議な BAR『クイーンデキム』。ここには 2 名の死者が客としてやってくる。客を迎えるのは、白髪のバーテンダー『デキム』。
「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」彼の口から語られるデスゲームへの誘いは、やがて客達の本性をむき出しにしていく。
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム。裁定者デキムが二人の客へ下す裁定とは...。


>>TVアニメ『デス・パレード』公式サイト
>>TVアニメ『デス・パレード』公式Twitter

(C)立川譲/「デス・パレード」製作委員会
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