このイベントは、きっといつまでも忘れない! 「ガンダム Gのレコンギスタ 完結記念ナイト! ~富野総監督と一緒に最終回を観よう!~」詳細レポート
2015年3月22日(金)新宿ピカデリーにて「ガンダム Gのレコンギスタ 完結記念ナイト! ~富野総監督と一緒に最終回を観よう!~」が開催された。『∀ガンダム』以来、久々に富野総監督が手がけた『ガンダム』の新作TVシリーズとして話題を集めた『ガンダム Gのレコンギスタ』。その作品がいよいよ最終回を迎えるということで、総監督と共に最終回を劇場スクリーンで観られるという夢のようなイベントだ。本稿ではその模様を詳しくお伝えしていきたい。登壇者は以下の通り。
【登壇者】
吉田健一さん(キャラクターデザイン、作画チーフ)
安田朗さん(メカニカルデザイン)
形部一平さん(メカニカルデザイン)
コヤマシゲトさん(デザインワークス)
石井マークさん(ベルリ・ゼナム役)
佐藤拓也さん(ルイン・リー役)
逢坂良太さん(クリム・ニック役)
鶏冠井美智子さん(ミック・ジャック役)
富野由悠季さん(総監督)
ハセガワダイスケさん(ED歌手)
■次々に明かされる制作秘話! 監督の「あの」レッテルは払拭できたのか!?
富野総監督と共に最終回を観る──その幸運に恵まれたファンによって館内は埋め尽くされ、イベント開演を今や遅しと待ちわびている。そこへMCが現れ、まずはイベントの流れを説明。最初にクリエイターズトークショーが行なわれ、そのあとキャストと富野総監督が登場。第24話から最終話までを総監督たちと共に鑑賞し、終了後に富野総監督&キャストトークショーとなる。
以上の説明が終わり、MCの呼び込みで『G-レコ』のスタッフたちが登場。まず吉田さんが開口一番「火曜日まで描いていたので」と衝撃発言。まだ何ともいえない気分だという。とにかく物量がすごすぎて、追いつかなかったのだそうだ。また強すぎるG-セルフに関してはコヤマさんが「後半に敵がどんどん出てくるから強くしないとマズい」と安田さんに言ったのがきっかけで、安田さんは「ボツになるだろう」と思ってパーフェクトパックのアイディアを出したらOKだったという。
他にも独特のフォルムで話題を呼んだユグドラシル。世界樹のような「テンダービーム」が敵を追尾する理由は、実は「フォトンバッテリーの大小に反応して枝分かれしている」(形部さん)ためなのだとか。吉田さんたちも「初めて聞いた」と思わず感嘆の声が漏れていた。
ちなみにここまで、吉田さんたちは立ったまま語っていたのだが、ここで富野総監督からイスの差し入れが! 「これでゆっくりしゃべれますね」とMCが切り出したのは、この企画が8年間かかったこと。立ち上げから関わった吉田さんとコヤマさんは「長かったね」と感慨深そうだった。コヤマさんは途中「ホントにできるのか?」と思った時期もあったようで、吉田さんに「僕やめる!」と言ったこともあったそうだ。
話はキャラクターにも及び、吉田さんはバララがお気に入りだと明かす。バララは最初、耳のような飾りはもっと大きかったという。髪の毛もプ●キュアみたいだったらしいが、それはさすがにNGとなり、せめて耳だけでもと強力プッシュしたという裏話も披露された。
クリエイターズトークは盛り上がりつつも、時間の関係で残念ながら終了。ここからはいよいよ、キャストと富野総監督が登場する。MCの呼び込みと共に、まずキャストたちがステージへ。そしてワンテンポ遅れて、富野総監督が姿を見せた。「今日は皆さんから石を投げられる覚悟で来ました」と、作品が面白くなかったら、それは監督の責任だと語る富野総監督。そしてベルリ役の石井さんが「どうなるかは皆さんの目で確かめてください」と場を締めつつ、上映がスタートした。
第24話から第25話、そしてフィナーレの第26話──。上映終了後、観客たちはスタンディングオベーションでキャストと総監督を称え、万雷の拍手の中、石井さんたちはステージ中央へ。まず富野総監督が、作品に関わったすべてのスタッフに感謝を述べる。石井さんはやはり終わってすごく寂しいといい、最後の台詞も終わりたくないという気持ちがあって、何度もリテイクを出してしまったようだ。
大気圏突入時のラブシーンについては、富野総監督もかなり意識して作ったという名シーン。クリムとミックのことについて聞かれると、クリムは予定通りだがミックは思った以上にキャラクターに色が付いたと総監督は言う。鶏冠井さんの声はかなり好きだそうで、予想以上にミックの出番が増えたのは、彼女のお陰であるとベタ褒めだった。
さらにベルリが日本に降り立った部分に話が及ぶと「海外版ではオンエアの場所に合わせて変えようかと(笑)」(富野総監督)と、観客たちの笑いを誘っていた。またこのシーンでは富野総監督が声優「井荻翼」として参加しており、当然そこも話題に。演じたキャラクターが総監督そっくりだったのは、実は収録時は別のキャラになっていて、直前まで総監督も知らなかった模様。「あの絵にリテイクなんて出していたら、今日この会場に来られなかった」とのことで、仕掛け人たる吉田さんの思惑通りだったようだ。
主人公であるベルリを演じた石井さんだが、富野総監督からは「天然のままで、演技をしているという意識がない」と評される。佐藤さんは「声は出るようになったんじゃないですか、腹から(笑)」と言い、逢坂さんは自分自身がいっぱいいっぱいだったとしながら、石井さんと共に成長できたかなと語ってくれた。
今回『G-レコ』では、メインとなる若者たちはかなり生き残った。このことに関して富野総監督は「さすがに皆殺しの富野はやめたいな」とポツリ。この発言に、観客からは笑いと共に大きな拍手が。「こういうことで拍手が来る、自分のレッテルがイヤなのよね(笑)」と、こういうエンディングになったことを打ち明けた。
イベントもラストに近づき、MCからコメントを求められる石井さんたち。
石井さん
「初めての作品で、皆さんに不安をかけたこともあったんですけど、いま最終回を観て、自分では頑張ったと思うので…。もちろん『Gのレコンギスタ』は僕にとってまだ終わりじゃないので、これから何年後か経って、また監督にお会いしたその時に「成長したね」って言われるように、頑張ってやっていきたいと思いますので、皆さんこれからも、僕もそうですけど『Gのレコンギスタ』を愛していただけたらいいなと思っております。皆さん本当にありがとうございました。」
佐藤さん
「26話かけてマスクという、一見ハデではあるんですが、すごく泥臭い役でございまして、一番生きてやったぞという充実感と共に、富野監督始め、たくさんのスタッフの皆さんの愛と、スタジオに毎週来た熱い思いのキャストに包まれて、その一員になれたことを深く感謝したいですし、こんなにもたくさんの皆さんが会場に詰め掛けてくれたことを嬉しく思います。今日は本当にありがとうございました。」
鶏冠井さん
「最初にここに登壇させていただいて、満席の会場を見て、ホントに愛されてる作品なんだなあと。その作品に、こうやって最後まで関わらせていただくことができて本当に心から感謝しています。今、私は最終回を観ていて思ったんですけど、もっと寂しくなるかなと予想してたんですけど、それより新しい旅立ち…キャラクターたちの旅立ちのほうが心に残っていたので、キャストの皆さんもキャラクターのみんなも、また新しい旅路に旅立っていけたらなと思っております。今日はありがとうございました。」
逢坂さん
「最初は天才キャラで、こいつはネタキャラなんじゃないか、すぐ死ぬんじゃないか(笑)みたいな感じで言われてたし、話が進むにつれて被弾が増えていくという感じだったんですけど、無事に生き残って、あんなに大活躍させていただけるとは思ってなかったので、クリムを演じてきてホントに幸せだったなっていうふうに思っております。自分がホントに好きだった作品でしたので、こうやって関わらせていただけるだけでもありがたいのに、こうやってモビルスーツに乗って活躍して、富野監督と関わらせていただけるっていうのは、一生の思い出でありますし、これからも大事にしていきたいと思います。また富野監督とお会いして一緒に仕事ができるように精進していきたいと思っていますし、『Gのレコンギスタ』は26話で終わってしまいましたけど、正直続けようと思えば続けられそうな終わりかただなって思っております。ぜひ富野監督にもう一度腰を上げていただいて、続きを観てみたいなっていう僕自身、ファンのひとりとして思うところではありますので、そのためには皆さんの応援というものも少なからず必要となってきますので、ぜひ少しずつでもお力をお貸しいただければいいなと思っております。今日は本当にありがとうございました。」
このあと、フォトセッションへと移り、イベントは最終盤へ。この時、ステージにスペシャルなゲストが現れる。『G-レコ』のED主題歌を担当したハセガワダイスケさんだ! そしてED主題歌「Gの閃光」のイントロが流れ、観客たちと共に大合唱が始まった! 途中ハセガワさんが「ベルリ、助けて!」と石井さんに歌唱を譲る場面もあり、盛り上がりはまさにピークへ。そして最後は本編のED映像同様、登壇者全員が肩を組んで足を上げ、声を上げて元気に歌う! まさしく会場すべてが一体となった瞬間であった。
夢のような時が過ぎ、イベントは本当にフィナーレ。最後は富野総監督からのメッセージで締められた。
富野総監督
「ともかく、このような場所を手に入れられて、皆さん方とお会いできたというのは、本当に皆さん方がいてくれたからです。それとここに来てないスタッフがいてくれたからです。こういう機会を手に入れられた自分はとても幸せだと思っております。ただ、自分でも悔しいのは思ったとおりに作れなかったかもしれないという、無念な部分は少しはあります。が、ともかくも、こういう形で今日ここで皆さん方とお会いできたことを、生涯の喜びにしたいと思いますし、まだもう少しやっていいという<万雷の拍手!>ありがとうございます。本当にありがたいと思いますが、ひとつだけ問題があります。年寄りを変に褒めると図に乗るから、それだけは気をつけたいと思っております。今後とも機会がありましたら、ご支援をいただきたいと思います。何よりも今日はホントこういう形で皆さん方のお時間をいただけたこと、心から感謝します。本当にありがとうございました。」
【商品情報】
ガンダム Gのレコンギスタ 第4巻
Blu-ray(特装限定版):7,800円(税抜)
DVD(通常版):5,000円(税抜)
発売日:2015年3月27日発売
発売・販売元:バンダイビジュアル
※Blu-ray特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。
※以降、毎月一巻ずつ発売/全9巻
>>『ガンダム Gのレコンギスタ』公式サイト