『ユリ熊嵐』のユリ裁判がリアルに開廷! 「『ユリ熊嵐』~あなたのスキは本物!?ユリ裁判を始めます!!~」レポート
『ユリ熊嵐』ブルーレイ&DVD発売記念イベント「~あなたのスキは本物!?ユリ裁判を始めます!!~」が6月14日、東京・日比谷公会堂にて行われた。出演は幾原邦彦監督、キャストの荒川美穂さん、生田善子さん、山根希美さん、小倉唯さん、諏訪部順一さん、斎賀みつきさん、山本和臣さん、OP曲を歌うボンジュール鈴木さんと豪華メンバーが集結! 本稿では、イベント名にも冠されたユリ裁判が展開されたほか、生オーディオコメンタリー収録、ライブなど盛りだくさんだったイベント内容をレポートします!
●断崖コートが舞台に! ジャッジメンズが出演者を裁く!?
どん帳の幕が上がるとジャッジメンズの中で裁判長を務めるライフ・セクシー役の諏訪部順一さん、検事のライフ・クール役の斎賀みつきさん、弁護人のライフ・ビューティ役の山本和臣さんがクマ耳、マントを装着し、キャラと同じ衣装で立っている。セットは作中でユリ裁判が行われた断絶のコートそのまま。諏訪部さんがさっそうと開廷を宣言!
斎賀さんが「被告人が誰もいません!」と発言し、諏訪部さんが被告人を呼び込み。銀子役の荒川美穂さん、るる役の生田善子さん、紅羽役の山根希美さん、純花役の小倉唯さんがキャラの衣装で入廷。そしてキャラのセリフと共にごあいさつ。諏訪部さんが「本日はコスプレパーティへようこそ!」とカッコよく決めるが、ぼそっと「俺、43歳なのに」。
このイベントでは諏訪部さんが独断と偏見でミスしたと判定されると、ギルティポイントが渡され、一番ギルティが多かった罪グマは、イベントのエンディングで恐ろしい罰ゲームを受けるというシステム。ちなみに最初のギルティは冒頭でかんだ諏訪部さん自身(笑)。ジャッジメンズの両サイドに机がセットされ、諏訪部さんが「さあ、座りたまえ」と促すが、「最初に座ったらギルティじゃないか?」、「いや座らないとギルティかも?」と疑心暗鬼になる一同。結局、全員が座ると一斉にギルティポイントが配られた。「どうしたらいいのか、わからないです!」と荒川さん。イベントに嵐が吹き荒れる予感?
●荒川さんが驚いたエピソード、山根さんが初めて明かした秘話とは?
最初の記憶コーナーは作品を振り返るトークセッション。デビュー作となった山根さんは「この作品と出会って人生が変わりました。この場にいられることも幸せです。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べると会場からは拍手。荒川さんは「今度はクマなんだと。前回、幾原監督の作品に参加させていただいた時はペンギンだったので(笑)。最初は銀子の情報が少なかったので悩みましたが、途中から人間らしいところも見えてきて」と話すと、山本さんも「ミステリアスだったけど、意外と僕らと同じようなことを考えているんだなと。妄想とか」と同調。
それを受けた荒川さんは「5話は妄想全開で(笑)。振り幅がある役でした」。生田さんは「今まで感情を表に出さない役が多かったんですけど、今回は思ったことを口にできる役だったので気持ちよかったです。私もるるみたいに素直になりたいですね」と言うと「素直になりたいよね」としみじみ、うなずく諏訪部さん。小倉さんは「私、最近死んじゃう役が多くて。でも1話で死ぬ役は初めてです(笑)。幾原監督の『すぐに死んじゃうけど、重要な役どころなので頑張って演じてください』という言葉を信じて。まさか最終話まで活躍できるとは思っていなかったので幸せです」。山本さんから「テレビで見ていて、斎賀さんのほうがカッコイイな」と言われた斎賀さんは「私の役はクールキャラだったけど、ビューティはアイドルキャラだったしね」。
ここだけの裏話のテーマでは、山根さんは「幾原監督の作品と知らず、オーディションを受け、本人と会ってもわからなくて。後で知って不安になりました。実はまだ幾原監督にも話してないんですけど(笑)」。諏訪部さんからは「セクシーの名前は本放送前のパイロット版では、ライフ・ダンディでした」。小倉さんが「アフレコでクマのケーキの差し入れとか、クマの時の銀子とるるのぬいぐるみが来たりして、癒やされました」と話すと「女の子の多い現場だから。おじさんが多い現場は甘いものなんて出てこない」と嘆く諏訪部さん。また荒川さんは「エレベーターで一緒になった男性プロデューサーさんがぽつりと『腹ぺこガウ』と言ったのを聞いて、聞き間違いかと思いました(笑)」。レディ・クマスター役の斉藤貴美子さんが銀子とるるのぬいぐるみの写真を撮りまくっていたというエピソードを明かす斎賀さん。
「かわいいですもんね」と賛同した荒川さんと生田さんを、「それは自分達がかわいいってこと?」と陥れようとしたが、逆にギルティを渡されてしまう。また最終回の女子のガヤに山本さんも参加したとのこと。「アフレコ終わりで、帰らせないよと、ユリーカ役の井上喜久子さんと2人で(笑)」(山本さん)、「慣れてる感じでした」(荒川さん)。ちなみに諏訪部さんは「この作品は女性だけの世界という設定なのでガヤには参加できませんでした」。
●普段演じることのないキャラに挑戦してノリノリだったシャッフルアフレコ
続いては「シャッフルアフレココーナー」。諏訪部さんが箱から引いた紙に書いてある人が各キャラを演じるというもの。1本目は第4話「私はキスがもらえない」で、みるん王子(CV:釘宮理恵さん)は、、「約束のキス」を取ってきたら、(るる姫が)キスしてあげると言われる。るる姫にダンボール箱に入れられ、崖から何度も突き落とされながらも約束のキスを持って帰ってくる、みるん王子のシーン。るる姫役は山根さん、みるん王子は荒川さん、ナレーション的なポジションだったセクシーを生田さんが担当することに。弾ける山根さんと荒川さん、生田さんはセリフを発するたび会場は爆笑。演じた後、諏訪部さんは「よかったよ~!」とほめつつも「俺、あんな言い方してたかな〜?」とギルティをちらつかせると、生田さんは「怖い!」。荒川さんは「セクシーに引きづられてしまいました(笑)」。
第5話の「あなたをヒトリジメしたい」はジャッジメンズの3人が挑戦。銀子とるるが紅羽に料理をごちそうすることに。紅羽から「あ~ん」される妄想する銀子だが「食べないわよ」と突き放されるシーン。抽選で銀子役を斎賀さん、るるを山本さん、紅羽を諏訪部さんが演じることに決定。山本さんのガウがかわいい。更にキラキラァのアドリブも(あざとい!と諏訪部さんからギルティが(笑))。斎賀さんもまったく違和感ない。紅羽はまさかの渋い低音ボイスで、お客さんだけでなく、出演者も爆笑。山本さんいわく「結構ありです!」。
最後は第9話「あの娘たちの未来」からジャッジメンズの3人が屋上の料金式の望遠鏡で寮を監視するシーン。セクシーは山本さん、クールは自分からやりたいと挙手した小倉さん、ビューティは諏訪部さん。小倉さんはクールでカッコよく、諏訪部さんと山本さんはお互いノリノリで演じた。
●「もし『ユリ熊嵐』の続編があったら?」の答えに7人の予想と願望に作品愛を見た
「ユリ熊大喜利」は出されたお題に対して7人がスケッチブックで回答し、一番滑った人がギルティに。山根さんは大喜利企画に初挑戦とのこと。1問目のお題は「断絶の壁を越えたら何があった?」で、斎賀さんは更に壁がある。荒川さんは「徹子の部屋」、山本さんは越えた先にトランポリンがあって逆戻り、小倉さんはちくわ1年分、山根さんは団結の壁、生田さんはなぜか金髪美女パラダイス。生でセクシーボイスも。
2問目は「ユリ熊嵐 続編があるとしたらどんな話?」。斎賀さんは個人的な願望として「みるん王子がもっと見たい」のフリップを出すと会場から賛同の拍手。それに続いて「みんなで毎回たくさん笑えて幸せな話なら何でも」にも拍手。山本さんの「るる姫とみるん王子の作って遊ぼう」に一旦拍手が起きるが「天界に行ってしまった2人が人間を作る」にみんな、「?」状態。荒川さんは「熊の惑星」、小倉さんは「クマ側のお話」、生田さんは「そしてクマしかいなくなった。30分間、セリフはガウガウのみ」と3人はクマ寄り? 山根さんは「紅羽が純花と銀子に囲まれてゴージャスメルな感じ」と願望を。「みんな、いい答えだったね。だから1個ずつあげる」とギルティポイントを配る諏訪部さんのドSぶり。
●幾原監督を交えて生オーディオコメンタリー! ライブではOP曲&ED曲を披露!!
ここで幾原監督が入場。第一声から「今日は僕もクマになって頑張りたいと思います。ガウ!」とおちゃめな幾原監督。そのまま、幾原監督、荒川さん、生田さん、山根さんがステージに残って、12話の映像を見ながら生オーディオコメンタリーを収録。かつて見たことがない前代未聞の試み! シリーズを振り返りながらトークに花が咲く。
こだわって何度も録り直したセリフやキャラへの想いが次々にあふれ出す。緊迫したシーンになると映像に見入ってしまうキャストの3人とお客さん。キャスト陣からの疑問に答えたり、制作秘話を明かしてくれた幾原監督も終盤ではじっと見入ってしまい、生田さんから「監督!」と呼びかけられる場面も。ED映像で余韻に浸りながらも尺ピッタリと締めくくった。さすが! 最後は会場のお客さんと一緒に「ガウガウ」でこのコーナー終了。今回のオーディオコメンタリーは8月26日発売のブルーレイ&DVD第6巻に収録されるのでお楽しみに!
お待ちかねのライブコーナーはまずボンジュール鈴木さんがOP曲「あの森で待ってる」を披露。白いドレスに頭から腰まで伸びる長いベールが印象的な衣装で、ゆったりしたリズムと美しいメロディにのせ、ピアノを弾きながらウィスパーボイスで歌うと、会場には心地よい神秘的な空気感が広がった。
続いてそれぞれのキャラのイメージカラーのTシャツに着替えた荒川さん、生田さん、山根さんが登場。お客さんの前で歌うのが初めてのED曲「TERRITORY」。トランスサウンドに合わせて3人の歌声がハーモニーを奏でるとお客さんも立ち上がって盛り上がる。フォーメーションダンスでも魅せ、ラストに3人一緒にガウガウポーズもキメた。歌い終わった後、山根さんは感激しながら「皆さんのパワーに助けられました」。
●唯一無二の作品を見つけてくれてありがとう(幾原監督)
イベントもEDを迎え、まず冒頭からカウントしていた最多ギルティ獲得者の発表。8個の山本さんが罰ゲームに決定し、運ばれてきたのはワサビとカラシがサンドされたマカロン。見た瞬間、「規格外に具が多い」と言いながら会場に見せるとお客さんも驚いて悲鳴を上げるほど。ワサビのマカロンを手にした山本さんと、「俺もつきあおう!」とカラシのマカロンを手に取った諏訪部さんは同時に口に入れた。せき込む山本さん、諏訪部さんはダメージの大きさに思わず座り込む。「女性陣に当たらなくてよかった」と紳士的な諏訪部さんだった。
最後は出演者からのごあいさつ。「こんな素敵な作品に関わらせていただいてうれしかったです」(ボンジュール鈴木さん)、「絵本みたいに心温まる作品だなと思いました。今後もブルーレイなどで楽しんでいただけたら」(山本さん)、「不思議な見心地があって、最後に何か考えさせられたり、心に刺さる作品でした」(斎賀さん)、「本当に素敵な作品で、自分も楽しみながら演じさせていただきました。関われたことをうれしく思います」(諏訪部さん)、「今日のイベントでみんなに愛されている作品なのが改めてわかったし、純花というキャラに出会えてよかったなと思います」(小倉さん)。
山根さんの順番になると涙がこみ上げる。「この作品を愛してくださる方に直接お会いできる機会をいただいてうれしいです。皆さんの愛情をひしひし感じました。これからも『ユリ熊嵐』を愛してください」。感動の雰囲気の中、生田さんは「OPで小倉さんがかわいいと言われてうらやましくて、私も言ってほしいのに」とお客さんにおねだりした後、「本当に素敵な作品でいちファンみたいな気持ちで毎回アフレコを楽しみにしてました。見返すたびに発見があって、数年後に見方が変わってくると思うので末永く愛してください」。荒川さんは「収録やオンエアを毎回楽しみにしてましたが、自分が予想していた意味と違ったりするところもまた楽しくて。今日のイベントはとてもいい思い出になりました。大喜利で続編があったらというお題がありましたが私は妄想してます(笑)。また銀子を演じられたうれしいです」。
お客さんからの「かわいい!」に「ありがとう!」と笑顔で応えた幾原監督は「世の中にいろいろな作品はありますが、クマと女の子が戦う作品はこれだけです(笑)。自分でも思いのほか、ディープなところに突っ込んでいて、この作品のファンの方はお友達に作品の良さを伝えるのが難しかったのでは(笑)。皆さん、この作品を見つけてくれてありがとうございました!」。
ハンマーの音と共に諏訪部さんの「これにて、ユリ承認!」の一言、そして出演者一同の「ありがとうございました」でユリ裁判閉廷。作品の世界を十分に堪能し、また会いたいと思わせてくれたイベントだった。
◆ブルーレイ&DVD情報
ブルーレイ&DVD『ユリ熊嵐』第4巻
2015年6月24日発売
ブルーレイ 7,000円(税別)
DVD 6,000円(税別)
発売:フロンティアワークス
5巻は7月24日、6巻は8月26日発売
>>『ユリ熊嵐』公式サイト