このみなさんとだからこそ『牙狼 -紅蓮ノ月-』がある! アニメ・実写ともに黄金騎士を演じる中山麻聖さんインタビュー
平安時代を舞台に、黄金騎士ガロを中心とする魔戒騎士や魔戒法師と、人の魂を食らう魔物・火羅(ホラー)との戦いを描いたTVアニメ『牙狼 -紅蓮ノ月-』。2015年秋より連続2クールで放送中の本作も、年が明けて折り返し地点を迎えました!
2005年に実写TVドラマ第1作が放送されてから、昨年10周年を迎えた『牙狼<GARO>』シリーズ。TVアニメとしては、昨年放送の『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』に次ぐ2作目で、人気漫画家・桂正和氏がメインキャラクターデザインを担当していることでも話題を呼んでいます。
そんな『牙狼 -紅蓮ノ月-』で、主役の「雷吼」を演じる俳優・中山麻聖さんにインタビューを実施! 2014年の実写TVドラマ『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』に続いての主役、そして声優初挑戦の中山さんに、作品の魅力や初めての声の演技の感想、そして2クール目の見どころなども伺いました!
■ まさかもう一度、“黄金騎士”を演じるとは思わなかった!
──中山さんは俳優としてご活躍で、実写版の牙狼でも主役を演じられました。今回のTVアニメ『牙狼 -紅蓮ノ月-』への出演が決まったきっかけはどのようなことでしたか?
雷吼役・中山麻聖さん(以下、中山):牙狼シリーズの原作者でもある、雨宮(慶太)総監督からお話をいただいたのがきっかけです。2014年に主役を務めさせていただいた実写TVドラマ『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』からの流れで、雨宮さんに「次、アニメがあるんだけどどうだい?」と言っていただけて。うれしくて、すぐに「ぜひよろしくお願いします!」とお返事しましたね。
──実写での演技を雨宮総監督が気に入ってくださり、「アニメもいける!」と?
中山:後からうかがってドキッとしたんですが、僕の声質も気に入ってくださったみたいで……。まさかまた、しかも別の黄金騎士を演じられるとは思ってもいませんでした。
──歴史ある牙狼シリーズでも初めてのことですよね。牙狼シリーズ自体について、中山さんはどう思いますか?
中山:2015年で牙狼は10周年を迎えました。僕は途中からの参加でしたが、これだけ長く続けられているのは、携わるスタッフ・出演者一人ひとりの作品に対する愛がすごく深いからだと思っていて、現場でもその熱量を感じています。
同時に、視聴者のみなさんの作品愛に支えられていることも実感しています。イベントやSNSで「今日観ました!」「この話数のこのシーンがすごい好きです!」とお声をいただくことも多いです!
──牙狼シリーズは、ファンの熱量がとにかくすごいですよね。
中山:アフレコを経て出来上がった映像は、僕もオンエアで初めて観るんですが、そんなアツいファンのみなさんと一緒に見ていると思うとまた格別な思いで。今回の『紅蓮ノ月』が初めての牙狼という方もいらっしゃると思いますが、これを入り口にして、『魔戒ノ花』も含めていろんな牙狼に出逢っていただけたらうれしいです。
■ 騎士としても、人としても、男としても? 雷吼は“青さ”が魅力
──『牙狼 -紅蓮ノ月-』で中山さんが演じる雷吼には、どのような印象を持っていらっしゃいますか?
中山:“魔戒騎士”は『魔戒ノ花』の冴島雷牙のイメージが強いのですが、雷吼はまだ未完成な感じなんですね。一口に「魔戒騎士」といってもいろんな人がいますし。なんというか雷吼は……騎士でもあるのですがまだ自分の意識が先に行ってしまう部分もあるというか。
──“歴代最強”とも言われる完全無欠な印象の雷牙に対して、雷吼はちょっと隙があるのかもしれません。
中山:雷吼も、我を通す男らしい部分はあるんです。例えば星明(CV:朴璐美)から「無理だ」って言われても「いや、俺はやる!」って突っ込んで行ったり。
一方で、人としても騎士としても、男としても、たぶんまだ青い部分があるという……。演じていて、僕も一緒に成長していけたらなと思えるキャラクターですね。星明がいないと鎧の召還ができないというのも、その未熟さを象徴しているのかもしれません。青いからこそ熱量がにじみ出るところもあると思うんですが、僕はその男臭さがすごく好きですね。演じがいがあります。
──第8話『兄弟』では、雷吼の出自の秘密が明らかになりました。過酷な運命に向き合う雷吼の強さに、グッと来た視聴者も多かったと思います。
中山:内に秘めている強さがありますよね。雷牙だったらマユリやゴンザ、雷吼だったら星明や金時(CV:矢島晶子)というように、守りたい・守らなきゃいけない人たちがいる、という部分がすごく大きいんだと思います。この人たちがいるから自分は頑張れる、強く在ることができるんだという……。そういうところは、雷吼と雷牙で共通しているのかもしれません。
──雷吼にとって大切な存在の星明と金時ですが、キャラクターとしての印象はいかがですか?
中山:星明は、雷吼に鋭く意見をして行動に制止をかけたりすることもありますが、本当に頼りがいのある仲間だと感じます。雷吼の中には、そんな星明を疎ましいなと思う部分も多少あるんですけど、やはりなくてはならない存在のひとりだと思います。
金時は主要キャラの中で一番見た目が若いですが、3人の中で一番大人なんじゃないかなと思います。常に落ち着きがありますよね。
──星明や金時からパワーをもらいつつ、3人で支え合っている姿も印象的です。
中山:3人が集まると、家族みたいな温かさがあるなと感じています。星明や金時と一緒にいると、雷吼の人間らしさもにじみ出てますよね。これから雷吼が成長していくにつれて、まわりとの関係性にも変化が出てきますが、そうしたところも今後の楽しみなポイントですね。
■ 「声優」という仕事で得たものを、今後の芝居でも役立たせたい!
──中山さんは普段俳優としてご活躍ですが、TVアニメの声優は今回が初挑戦でした。やってみていかがでしたか?
中山:いや~、難しいです……(笑)。本当に難しいですね! 実写では目の前に相手がいて、基本的にはキャッチボールのように目を見てお芝居をしますが、アフレコで目の前にあるのは画面で、相手は横にいますよね。この「横の人とのキャッチボール」に慣れるのがとても大変でした。どうやって相手との距離感を作って、絵の中のキャラクターになってセリフを飛ばせば良いのかという……。実写の牙狼でもVFXシーンのアフレコはあったんですが、アニメでしっかりやるにあたって、かなり試行錯誤が必要でした。
──声の演技に慣れるために、どういったことを心がけたり意識したりしましたか?
中山:画面の中のキャラクターになるためには、脳をフル活用しなきゃいけないんだなと思いましたね。実写の芝居では、表情・言葉・動きなどでナチュラルに伝えていますが、アニメでは余計な音が録音されてしまうといけないので、芝居する時にあまり身体を動かせません。なのでキャラクターを演じる上で、自分の芝居を脳内で演じているというか……。絵ができあがっていない段階でのアフレコもありますが、キャラクターの身体の微妙な向きとかも意識の中で補おうと考えたりしました。
──かなりデリケートな部分まで気を使わないといけないんですね……。
中山:本番前に何度かテストをした後、調整室で聴かせていただいたり、自分の中で距離感の微調整をしてみたり、絵と意識をどうリンクさせるか考えてたり。自分の中でいろいろ試しながらやらせていただけて良かったです。
──他のキャストの方から刺激をもらうことなどもありましたか?
中山:みなさんが言葉を本当に大事にしているという事がとても刺激になっています。イントネーションもしかり、一番伝えたい言葉とはという部分だったり。やっぱり言葉だけで勝負しているので、とても勉強になりました。
──特にこの方に影響を受けた、ということはありますか?
中山:いや~、みなさんからですね! 本当にいろんな刺激をいただいています。例えば朴(璐美)さんとのやり取りは、朴さんとだからこそ、星明と雷吼のあの感じが実現できたと思いますし。みなさんとだからこそ『牙狼 -紅蓮ノ月-』がある、というのをすごく感じています。
──アフレコの現場の様子はいかがですか?
中山:もう……あったかいですね(笑)。家族のような、家のような温かさで、笑いが常に絶えない現場です。アニメ声優初挑戦でしたが、良い意味であまり距離感や壁もなく、受け入れていただけた……のかなと思います(笑)。みなさんすごく優しく接してくださいますね。
──今後もチャンスがあれば声優は続けていきたいですか?
中山:そうですね! 呼んでいただけるように勉強しておかないといけませんが(笑)。俳優としても、今この時間はかなり貴重です。声だけの表現でお芝居をすることで、これまで気付けなかった部分にいろいろ気づくことができたかと思っています。こういった表現の方法もあったりするとか。それはきっとこれからの芝居に役立つ……というより、役立たせなきゃいけないなと思っています。
──第9話『光滅』では、火羅(ホラー)の影響で、雷吼がイケイケの性格になってしまうということがありました。お芝居、すごかったです!
中山:あの回の雷吼は、これでもか! というくらい性格変わりましたね。チャラい雷吼ということで、一部では「チャ雷吼」と呼ばれています(笑)。これまでまったくああいった芝居をしてこなかったので、色々と指導していただきながらやりました。音響監督の久保さんから、「もっと荒く! もっと荒く!」と指示を飛ばしていただいて。やり直すと、「もっといいんだよ!」と(笑)。かなり自由にやらせていただきました。
──中山さんのキャリアの中でも、あそこまでチャラい役はなかったですか?
中山:ないです(笑)。新しい引き出しを作らせていただきました(笑)
■ 桂正和さんデザインの新しい黄金の鎧を得て、物語は後半戦に突入!
──『牙狼 -紅蓮ノ月-』も後半戦を迎えました。魔戒騎士も2人になりましたが、これから物語が大きく動いていくのでしょうか?
中山:実は僕もこの先の展開を知らないんです! 雷吼の過去は色々と明らかになりましたが、どんな経緯で鎧を受け継いだのかという部分はまだベールに包まれているので、僕もその部分は楽しみにして、毎回収録に挑んでいます。
──中山さんが思う、後半戦の見どころはいかがでしょうか?
中山:袴垂(CV:浪川大輔)が白蓮騎士ザンガの鎧を得て、これから二人の魔戒騎士が共闘していくのか!? といったところも見どころの一つですが、個人的には桂正和さんがデザインした新しいガロのかっこよさに尽きますね! シリーズで初めて、ガロの鎧がパワーアップすることになります。平安時代が舞台であるという部分を全面に押し出した、新しいテイストのガロが動きまわる姿をぜひ見ていただきたいです。
──最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします!
中山:『紅蓮ノ月』は、雨宮慶太総監督の牙狼シリーズと、桂正和先生のキャラクターデザイン、そして平安テイストが融合したまったく新しい『牙狼』ですが、後半戦に入ってますます盛り上がっていきます。僕自身もこの先の展開を知らないので、みなさんと一緒にオンエアを観ていきます! ぜひ最後まで観ていただけたらうれしいです!
──ありがとうございました!
◆ TVアニメーション『牙狼 -紅蓮ノ月-』作品概要
毎週金曜日 深夜1:23~テレビ東京 ほかにて連続2クールで好評放送中
<放送情報>
テレビ東京 毎週金曜 深夜1:23~
テレビ大阪 毎週金曜 深夜2:10~
テレビ愛知 毎週金曜 深夜2:05~
テレビ北海道 毎週金曜 深夜1:23~
テレビせとうち 毎週金曜 深夜1:53~
TVQ九州放送 毎週土曜 深夜1:55~
スターチャンネル(BS10ch)【無料放送】 毎週金曜 20:15~
CSチャンネル・ファミリー劇場 毎週土曜 20:25~
<STAFF>
原作:雨宮慶太
監督:若林厚史
メインキャラクターデザイン:桂正和
シリーズ構成:會川昇/井上敏樹
脚本:吉岡たかを/水上清資/和智正喜/猪爪慎一/村越繁
アニメーションキャラクターデザイン:海老原雅夫
プロップデザイン:新妻大輔
ホラーデザイン:後藤伸正/久保亨
美術監督:滝口勝久
美術設定:高橋麻穂
撮影監督:浅川茂輝
色彩設計:中村千穂
CG監督:難波克毅
編集:廣瀬清志
音楽:MONACA
音響監督:久保宗一郎
音響効果:山谷尚人
音響製作:東北新社
特別協力:サンセイアールアンドディ
制作:MAPPA/東北新社
製作:東北新社
<CAST>
雷吼:中山麻聖
星明:朴璐美
金時:矢島晶子
袴垂保輔:浪川大輔
藤原道長:堀内賢雄
蘆屋道満:関智一
稲荷(三狐神):鵜殿麻由/佐咲紗花/佐藤依莉子
ほか
<THEME SONG>
●オープニング主題歌「月華」
JAM Project
●エンディング主題歌「花蓮」
三狐神囃子(大橋彩香・佐咲紗花・鵜殿麻由・佐藤依莉子)
<STORY>
豪華絢爛、雅な貴族文化が花開き、
霊的結界によって厳重に守護されし都──平安京。
しかし、その栄華の様相は日暮れとともに変貌を遂げる。都に結界を張る呪術集団・陰陽師が実際に護るのは、都市の北端中央に位置する中枢部“光宮”のみ。市井の陰には、人の魂を喰らう物の怪“火羅(ホラー)”が住み着き、平安京の夜闇を跋扈していた。
光宮の護り手が陰陽師であるように、民の護り手となる者も存在する。
闇の世界で火羅を討滅せし者──それが“魔戒騎士”と“魔戒法師”。魔戒騎士は、鎧を召還して手にする圧倒的な戦闘能力で火羅と戦い、魔戒法師は、魔導力による法術を駆使し魔戒騎士をサポートする。
魔戒法師・星明(セイメイ)に拾われ、魔戒騎士として育てられた青年・雷吼(ライコウ)は、従者の金時(キントキ)とともに、都に暮らす人々を護るため日々奔走していた。
平安京に渦巻く闇から、次々と生まれ出でる火羅。はたして、雷吼たちが立ち向かう先にあるものとは──
<OUTLINE>
【『牙狼 -紅蓮ノ月-』とは】
牙狼新生。業界の奇才たちが創生する、幻想平安絵巻、ここに始まる──。
本作は、唯一無二の独創性を様々な分野で発揮するクリエイター・雨宮慶太が生み出し、10年の歴史と独自の幻想世界観を持つ実写ドラマ『牙狼<GARO>』シリーズのアニメーション作品第二弾。前作『牙狼<GARO>-炎の刻印-』の制作中に、続編ではなく、全く新しいアニメーションとして物語を創り出そうと企画がスタートした。時代も登場人物も一新し、黄金騎士が活躍する新たな舞台は──平安の都。
メインキャラクターデザインは、雨宮と旧知の仲であり、「ZETMAN」ほか数々の話題作を生み出す人気漫画家・桂正和。美麗かつ魅力的なキャラクターデザインが作品世界を彩る。脚本陣は、歴戦&実力派の面々が集結。その中心となるシリーズ構成として、アニメーション作品だけでなく特撮作品の脚本も数多く手がける會川昇と井上敏樹が参加。監督は、作画ファンに高い評価を得る注目アニメーターであり、「グイン・サーガ」で監督を務めたアニメーション演出家・若林厚史。そして、「うしおととら」「神撃のバハムート GENESIS」など圧倒的なクオリティを誇る新鋭のスタジオ・MAPPAと東北新社が前作に引き続きアニメーションを担当する。
【『牙狼<GARO>』プロジェクトとは】
古より闇に潜み、人の陰我を喰らう魔獣“ホラー”を討滅する使命を帯び、代々受け継がれし鎧を魔界より召還して戦う者を“魔戒騎士”、そして彼らをサポートする者を“魔戒法師”と呼ぶ。魔戒騎士の中でも最高位の称号“牙狼”の鎧を召還できるのは一子相伝。血のつながりのある男性しか受け継ぐことができない――
2005年にスタートし、黄金騎士ガロを中心とする魔戒騎士や魔戒法師たちと、さまざまなホラーとの戦いを描いてきた『牙狼<GARO>』シリーズ。これまでにテレビドラマ5作、劇場版5作のほか、スペシャルドラマやスピンオフ作品なども製作され、今世紀に入って誕生した実写ヒーロー作品として人気を集めている。2014年には、シリーズ初のテレビアニメーション作品として「牙狼<GARO>-炎の刻印-」が製作された。
>>TVアニメ『牙狼 -紅蓮ノ月-』公式サイト
>>アニメ牙狼公式【炎の刻印/紅蓮ノ月】 Twitterアカウント