言葉の壁を超えて友情の証をプレゼント!? ディズニーピクサー最新作『アーロと少年』記者会見レポート
世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』を始め『カーズ』や『Mr.インクレディブル』など、数多くの名作を生み出し続けてきたディズニー/ピクサー。老若男女と幅広い層から支持を得ている同スタジオですが、この度最新作『アーロと少年』が2016年3月12日(土)より全国ロードショー!
そして公開に先駆けて、2月4日(木)には監督のピーター・ソーン氏とプロデューサーのデニス・リーム氏を招いて来日記者会見が行われました! また日本語吹き替え版で声優を務めた、安田成美さん、松重豊さん、八嶋智人さん、片桐はいりさん、石川樹さんも出演し、監督とプロデューサーの来日を華やかに盛り上げました。本稿では、そんな来日記者会見をレポートしていきます。
■ ピーター・ソーン監督が懸けるアニメーションへの想いとは
まず始めにピーター・ソーン監督が登壇すると「今回の来日にあたり、日本・東京で経験したことが大きなインスピレーションとなり、日本の方には温かくおもてなししていただきました。I LOVE Japan!」と挨拶をします。
続いてデニス・リームプロデューサーも「私は今回が初来日となりますが、日本は本当に美しい国で、優しく迎えていただき光栄に思っています。この素晴らしい作品と共に、そして友人であるピーター・ソーン監督と共に日本へ訪れることができて非常に嬉しく思います」と笑顔で話し、会場からは拍手が沸き起こりました。
ピーター・ソーン監督は、本作が長編アニメーション初監督作品ということで、思い出と共にある想いを語ります。「私は韓国出身の両親の間に生まれ、ニューヨークで育ちました。商店を営んでいた母は、売上が良いときに幼い私を映画館へ連れて行ってくれました。しかし、母は英語があまり分からないため、私が内容を説明することもありましたが、そんな母でも分かる映画がありました。それがアニメーションです。アニメーションの素晴らしさというのは、言葉が分からなくてもジェスチャーやボディランゲージで気持ちが伝わるところです。言葉が分からなくとも、人を感動させることがアニメーションの好きなところでもありますし、ピクサーにいる全ての人間が抱いている愛でもあります」と、アニメーションへ懸ける情熱を力説します。
またデニス・リームプロデューサーは、素晴らしい作品を生み出すピクサーの秘訣を尋ねられると「ピクサーにいる人間は本当に映画を愛していて、作品に対する愛と情熱に溢れています。それ故に、情熱や愛情を映画に注ぎ込んでおり、シーン毎に説得力や真実味があるように心がけています。すると本物の絆や感情が作品に刻まれるので、それが秘訣だと思います」と語りました。
ちなみに初来日のデニス・リームプロデューサーですが、観光した際に明治神宮や日本庭園、居酒屋など日本ならではの名所を巡ったことを明かします。また「どの観光地も美を極限まで追求した美しいものばかりで、多くのインスピレーションを受けました。帰ったら自分の仕事にも取り入れたいです」と話したところ、ピーター・ソーン監督に「次回作は寿司ムービーとかもいいんじゃない? 喋る寿司、みたいな(笑)」と提案される一幕も見られました。
■ 八嶋さんとピーター・ソーン監督は気の合う仲間!?
引き続き記者会見では、日本語吹き替え版の声優陣である安田成美さん、松重豊さん、八嶋智人さん、片桐はいりさん、石川樹さんを招いて進行していきます。
作品に参加するにあたり、ピーター・ソーン監督と会ったときの印象や質問などをキャスト陣が回答していく中で、八嶋さんは「僕は『カールじいさんの空飛ぶ家』が大好きなんですが、少年・ラッセルのモデルが監督ということを聞いて最初は驚きました。また本作では、ミステリアスな恐竜・フォレストが好きだと話したら、監督が声優を務めているとのことで、意外と僕たちは気が合うなと思いました(笑)」と話すと、ピーター・ソーン監督と力強い握手を交わし、会場の笑いを誘いました。
また片桐さんは「子供の頃に『アルプスの少女ハイジ』が放送されていたことがきっかけで、昔から“はいり”と呼ばれていて、以来40年程その名前を名乗っているんです。そして今回の収録をした際、作中に登場する山を見たときにアルプス山脈を思い出したんですが、監督の中にそういったイメージはあったのでしょうか?」と、自身の名前にちなんだ質問を投げかけます。
すると監督は「まさに『アルプスの少女ハイリ』だね(笑)」と冗談を口にした後「地形の造形という意味では、アメリカで恐竜が活躍していた北西部の地域を参考に作っていますが、作中では山の頂上が少し尖るように描いているんです。また頂上には雪を積もらせていて、アルプス山脈をイメージさせる印象もありますね」と回答すると、片桐さんも喜びを露わにしました。
そして本作にちなんで、キャスト陣が考える“友情のために必要なこと”について松重さんは「本作のテーマの友情には、大前提として許し合う気持ちが入っており、僕も作品を観て止めどなく涙が出てしまいました。友情というものは許すこと、国同士や民族同士の友情も許し合うことから始まるのではないかと、僕の心に訴えてくるものがありましたね。色々な形の友情もあると思いますが、僕はそういったことに友情があると思います」と、心が温まるようなコメントを残します。
■ 言葉の壁を超えた友情の証をプレゼント!
ここで言葉を超えた友情の証として、キャスト陣から素敵なサプライズプレゼントが送られました。恐竜のアーロが活躍する本作にちなみ、巨大な卵を模したチョコレートがピーター・ソーン監督とデニス・リームプロデューサーのために用意されます。キャスト陣を代表して石川さんが卵をオープンすると、中からチョコレートで形作られたアーロと少年が登場。このサプライズにピーター・ソーン監督も大興奮の様子で、キャスト全員と友情の握手を交わしました。
改めてキャスト陣を代表して安田さんが「こんな素晴らしい作品に私達を参加させていただき、本当に感謝しています」と率直な想いを英語で監督に直接伝え、会場からは盛大な拍手が起こりました。すると制作陣の2人も感極まり「ぜひ皆さんもピクサーに遊びに来てください! 特別に招待します!」とキャスト陣へ深く感謝する場面も。
最後はピーター・ソーン監督から「本作はピクサー皆の努力で作られており、心と愛が詰まっています。テーマの“家族・勇気・友情”は、皆さんの中にある愛と友情を通して、全ての方が見つけてくれると嬉しいです。また、多くのスタッフ・キャスト、そして皆さんに支えられて作ることができた誇らい作品です、よろしくお願いします」と締めの挨拶が言い渡されたところで、記者会見は終了しました。
◆公開情報
ディズニー/ピクサー最新作『アーロと少年』
同時上映:短編アニメーション「ボクのスーパーチーム」
2016年3月12日(土)ロードショー
監督:ピーター・ソーン
製作:デニス・リーム
製作総指揮:ジョン・ラセター
原題:The Good Dinosaur
全米公開:2015年11月25日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
【日本語吹き替え版キャスト】
アーロのママ:安田成美
ブッチ:松重豊
ナッシュ:八嶋智人
ラムジー:片桐はいり
アーロ:石川樹
【イントロダクション】
『モンスターズ・インク』『トイ・ストーリー』のディズニー/ピクサーが描く感動のアドベンチャー・ファンタジー。もしも地球に隕石が衝突せず、恐竜が絶滅しなかったら…そこは恐竜だけが言葉を持つ世界!大きいけれど弱虫な恐竜アーロと、小さいけれど勇敢な人間の少年スポット。すべてが正反対で、言葉も通じない二人のたった一つの共通点は、どちらも“ひとりぼっち”。初めての友情が、永遠に続くことを願う二人だったが…。