単独インタビューあり! 小野大輔さん・近藤孝行さん原作漫画『ナヴァグラハ』1巻発売記念レポート
2016年3月5日(土)、アニメイト池袋本店アニメイトホールにて「『ナヴァグラハ -DefenD 9 Triggers-』1巻発売記念 小野大輔さん・近藤孝行さん サイン会&トークショー&抽選会」が開催されました。
『ナヴァグラハ』は、小野さんと近藤さんが原作を務める漫画で、講談社「月刊少年シリウス」にて2015年10月号から連載中。イベント当日現在で第7話までが掲載されています。2016年2月9日には単行本1巻が発売され、その帯ではドラマCD制作進行中の発表もされました。
今回は、その記念すべき単行本1巻の発売記念イベント。抽選で選ばれた100名が集まったアニメイト池袋本店のほか、アニメイト札幌・仙台・広島でもトークショーのライブビューイングが行われました。本稿では、このイベントの様子をレポートしていきます!
なお、アニメイトチャンネル(http://www.animatechannel.com/)で2016年4月10日(日)の23:59まで期間限定で無料配信されていますので、惜しくもイベントに参加できなかった方はこちらを要チェックです。
■ これが作家さんのイメージだ! イメージ衣装に注目
まずは会場が真っ暗に暗転。そして豪華なプレジデントチェアの用意されたステージが照らされ、期待が高まります。
ラジオでおなじみのOP曲、D.A.Tの「CHANGE THE WORLD」が流れ、ラジオと同じように「小野大輔・近藤孝行の夢冒険Dragon&Tiger」とタイトルコールがあった後、小野さんと近藤さんが入場・登壇されました。
注目は、事前にラジオでもネタ振りのあったお二人の服装。
小野さんは、白いタートルネックのセーターに黒系のジャケット、そしてベレー帽をかぶって口にはパイプ。近藤さんは、白いタートルネックのセーターに茶系のジャケットと大きめのサングラス、そしてポケットにはなぜか羽根ぼうきを挿しての登場。
まだ出てきただけなのに、会場は大爆笑です。
「みなさん、こんにちは。小野・D・大輔です」「どうもこんにちは。近藤・T・孝行です」と挨拶した小野さんと近藤さん。パイプを咥えたまま話そうとする小野さんに「しゃべりずらそうですね」とつっこみを入れた近藤さん。「そんなわけでですね……もういいよね?」とパイプをはずした小野さんが、あらためて「みなさま、本日は「『ナヴァグラハ -DefenD 9 Triggers-』第1巻発売記念のトークショーへ、ようこそおこしくださいました」と挨拶をすると、早速衣装トークに入ります。
「T(近藤)先生はサングラスは取らない方向ですか?」と尋ねられた近藤さんは、「漫画家さんのイメージがこうで、石ノ森章太郎先生感を出させていただいたんですけれども」と説明。「なんで!?」とつっこまれた近藤さんは、サングラスをかけることは打ち合わせで決まっていたことと、朝目がひどく充血してるのを見て「これは我が意を得たりと」と思ったのだと話されました。
小野さんのベレー帽とパイプは講談社の編集の方が用意してくださったのだそう。「ベレー帽とこれ(パイプ)を用意されたら、もう、藤子・F・不二雄先生」と話す小野さんに、近藤さんは小野さんが控え室で「締め切り落ちる、締め切り落ちる、トークとかしている場合じゃない」と遊んでいたエピソードを明かすと、小野さんも声色を変えて再現。会場の笑いを誘っていました。
近藤さんの衣装は全部自前。しかも、お二人の白タートルはまったく打ち合わせをしていなかったのに被ったのだとか。会場からは拍手も起こりました。
さらに近藤さんは、ポケットに挿していた羽根ぼうきと取り出して机の上を掃除。使い方はだいたい合っているものの、「なんか殺し屋みたいになってる」と小野さんがつっこみます。
つづいて、アニメイト札幌・仙台・広島ではライブビューイングもされていることに触れ、ライブビューイング用のカメラに向かってコメント。『ナヴァグラハ』と同じくラジオ番組から生まれたD.A.Tの1stライブが行われた広島へのコメントでは、懐かしの「ヒロシマックス!」が披露されました。
■ 5年温めた企画のスピード感がすごい
羽根ぼうきで椅子を掃除してから座ろうとする近藤さんに「あのさあ、これはたぶん原稿にのみ使うやつなんだよ?」と小野さんがつっこみつつ、着席して作家さんのイメージについて再トーク。正面上部に描かれた漫画家イメージの小野さん・近藤さんのイラストに注目した小野さんは「僕らこれ知らなかったんです。頼んでねえのにアニメイトのスタッフさんたちが作ってくれたんですよ。やっぱ白タートル着てんのね」とコメント。「共通なのかもしれないね。固定観念というか、やっぱ漫画家さん=白いとっくりセーターっていうね」と近藤さんがつづけ、笑いを誘いました。
ここでようやく『ナヴァグラハ』のお話に。
講談社「月刊少年シリウス」にて2015年10月号から連載がスタートした『ナヴァグラハ』は、連載開始から約半年。今の率直な感想を尋ねられた近藤さんは「準備期間が長かった分、連載が決定しました、となってからのスピード感はちょっと自分たちでもびっくりするくらい」と感慨深げでした。
また、この企画は別の現場で出た漫画原作の話からずっと温めていたのだそう。その企画自体はなくなってしまったものの、その頃から5年も温めていたことも明かされました。「僕たちがこの『ナヴァグラハ』のもとになる企画を立てた時に、男同士、熱い奴とクールな奴とが二人で喧嘩をしながら高め合っていこうっていう話になって、その直後辺りで『タイバニ』がブレイクしたんです。『お、ヤバくね!?』って」「本当、ショック受けましたよね。『俺らの方が先だし!』ってすごい言ってました」と小野さんと近藤さん。さらに近藤さんは「あの当時話していたことってなかなか面白いものがあって、最初ご当地ヒーローにしようみたいなことを言ってたよね。ご当地ヒーローが好きだからって言って。調べて、鳥取にはイナバスターっていうご当地ヒーローがいるぞって」とボツネタについても披露。「うさぎなんだよね、あれ」と小野さんも笑いながら思い出を語っていらっしゃいました。
■ 毎号のキャッチコピーがおかしい
「そんなこんなでですよ。僕ら原作者なんですけれども、」と切り出した小野さんに「ああ、そうですか」と近藤さんが相槌を打つと、会場からは笑いが。「聞き慣れない(笑)」という近藤さんに「今、俺もはたと気付いた。みんなの笑い声で」と小野さん。小野さんは続けて、「原作者なんですよ? 原作者なんですけれど、いつも、みなさんもシリウスの連載読まれていてわかると思うんですけど、キャッチコピーがどうかしてるんだよね。原作者は知らないんですよ、あれ」と語気を強めてお話。他は綿密に会議を重ねているにもかかわらず、キャッチコピーだけはまったく相談がないとのこと。なぜか「ああそう」と他人事のような相槌を打つ近藤さんに、「お前聞いてたの?」とつっこんだ小野さん。「いやいや僕も聞いてない聞いてない」「『涅槃(ニルヴァーナ)まで仏智義理(ブッチギリ)だぜ!!!』とか」「聞いてたら止めるさ!」とのやり取りにお二人も会場も大笑いでした。
「なんで原作者がそこ(本誌のキャッチコピー)に関われないのか、僕はご立腹なんですけど」と言いながらも、小野さんは「僕らが思ったことと、思ってもみないぐらい盛ってくれる。いろんなプロフェッショナルの力が集結して連載させてもらっています」とコメントしました。
つづいて、台本で聞かれた“原作者として難しい部分”について考えたお二人は、難しい部分はないのだとお話。「(脚本の小林先生が)同世代というのもあり、言ったことを全部叶えてくれるんで」「極力ね、盛り込んでくださるのでね」「たとえば、アキラ(CV近藤孝行)は剣とかこぶし主体の戦い方をする。じゃあ、サクヤ(CV小野大輔)はどういう戦い方をするってなったときに『守備と脚担当どうですかね』って言ったら、きれいに盛り込んでくださってて」と感慨深げな小野さん。
サクヤの必殺技“白蓮華(びゃくれんげ/盾防御)”“青蓮華(しょうれんげ)”について「かっこいい」と話す近藤さん。小野さんが「いろんな色あるんだろうね、きっとね。赤蓮華とか」と話すと、どどめ蓮華、ビリジオンブルー蓮華、エメラルドブルー蓮華、ターコイズ蓮華、と様々な色の話に。小野さんが「原作者だから、俺たち! 言ったらそうなっちゃうから!」と自らつっこむ場面もありました。
■ ドラマCDのキャストは……?
話は、単行本1巻の帯で発表されたドラマCDの話へ。
「発表します。アキラ役を近藤孝行、サクヤ役を小野大輔がそれぞれ演じることが決定致しました!」とみんなが分かっている情報を朗々と述べた小野さんに、会場は大きな拍手。「ありがとね、拍手とかしてくれて」と照れた様子で答えていらっしゃいました。
ここで、原作者としてキャスティング権があるだろうと、他のキャラクターのキャストを考え始めるお二人。重要な鍵をにぎる少女リタ役に立木文彦さんを挙げた小野さんに会場は大笑い。「性別ね、まずね」とつっこまれた小野さんは、さらにくじらさんと斉藤貴美子さんを挙げて笑いを誘いました。さらに、アキラの妹でサクヤの彼女である美南役について振られた近藤さんは、「美南といえば、罵詈雑言ですもんね。釘宮ちゃんとかじゃん?」と釘宮理恵さんを挙げて釘宮さんのものまねまで披露。さらに三ツ矢雄二さんの名前まで飛び出しました。
結局アキラとサクヤ以外のキャストについての情報はわからなかったものの、楽しいトークの時間になりました。
■ 九曜メンバーの名前の由来はサンスクリット語
ここで、初出し情報が。作中で化身化(アヴァターラ化)する九曜メンバーの名前の由来について、9名全員についての情報が公開されました。
名前を考えたのは、脚本を担当されている小林裕和先生。それぞれ、化身体となっている仏のサンスクリット語からヒントを得ているのだと明かされました。
それぞれの由来は、以下のとおり。
向日明(むかい・あきら) 不動明王“アチャラ・ナータ”のアチャラからあきら(日明)。ナータからひなた(日向)でむかい(向)。
紫垣屋朔夜(しがきや・さくや) 釈迦如来“ガウタマ・シッダールタ”のシッダールタからしがきや(紫垣屋)。また、日明と対をなすように逆の意味の朔夜。
蓮愛作(はちす・あいさく) 千手観音“サハスラブジャ・アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ”のサハスから蓮(はちす)。ラブからlove(愛)で愛作。
赤車駆馬(あかしや・かるま) 虚空蔵菩薩“アーカーシャ・ガルバ”のアカーシャからあかしや(赤車)。ガルバからかるま(駆馬)。
秦宮京(はたみや・きょう) 阿弥陀如来“アミターバ”を逆さに読んだバータミアから、はたみや(秦宮)。
舞祷院礼安(ぶとういん・れいあん) 弥勒菩薩“マイトレーヤ”のマイトから舞(まい)祷(とう)で舞祷院。レーヤから礼安。
錦野ハマー(にしきの・はまー) 大勢至菩薩“マハースターマプラープタ”のマハーを逆さにしてハマー。スターから歌手の錦野旦さんをイメージして錦野。
拝社充鈴(はやしろ・みすず) 薬師如来“バーイシャジヤグル”のバーイシャから拝(はい)社(しゃ)で拝社。ジヤグルからジャングルで密林、密林の音からみすずに。
安波六姫(あなみ・ろっき) 聖観音“アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ”のアヴァから安波。ローキからろっき(六姫)。
楽しいトークを交えながらの新情報に、会場は終始笑いと感嘆の声に包まれました。
■ 朗読コーナー再び!
さらに、昨年の「こうちまんがフェスティバル」でも披露された朗読コーナーが再び設けられました。
今回演じてくださったのは、第2話の冒頭「変態ロリコン談義」、第3話のサクヤと水天ヴィーダとの戦闘、第2話のアキラと摩?羅王との戦闘シーンの3つ。
熱演の後、「(アニメ化された原作の)先生のご感想を聞くと、僕らが命を吹き込んだことに感動してくださるということをよく聞くんですよね。僕らは今、両方やれたんですよ」と小野さん。ネタをはさみつつ、近藤さんも「ドラマCDでいろんなキャストさんと声をあてるのが楽しみ」だと嬉しそうでした。
さらに、「どういう風に表現するんだろうね、アニメになったら」とアニメ化についても期待をのぞかせ、「主題歌はD.A.Tかな」とつづけると会場からは歓声と大きな拍手が巻き起こりました。
再び着席したお二人。近藤さんが「ここで重大な発表がございます。ドラムロールカモン」とドラムロールが。会場が期待を込めた静寂に包まれる中、小野さんが白目をむいて会場は爆笑です。気を取り直してもう一度ドラムロールから再開しますが、小野さんは再び白目。三度目の正直で重大発表です。「漫画『ナヴァグラハ-Defend 9 Triggers-』、単行本2巻が8月に発売されます!」と近藤さんが発表すると、盛大な拍手が起こりました。
■ 質疑応答コーナー
ここまでで、ライブビューイングは終了。
プレス関係者を最前列に招いての質疑応答コーナーが設けられました。
──声優として原作を作る上で役立ったところは?
小野さん(以下、小野):「声優だからこの原作にする」というところを逆に取っ払っています。自分たちが好きな漫画であったり、好きな作品であったり、好きな仏像であったり、自分たちの「好き」を詰め込むことを第一に考えて原作に携わっています。
近藤さん(以下、近藤):小野くんとは逆で、声優だからできることもあると思って。やっぱり声をあててなんぼだと思うので、早い段階からドラマCDの構想もありましたし、この先にはアニメ化っていうところも視野に入れて頑張っていこうっていうところは最初のうちからあった思うので。それがあるのとないのとでは推進力が違うと思うので、力強くというか、グイグイと自分たちでも動けるところは動いているっていう感じですね。
小野:ここで言っておくと叶うかもしれないからね。
──1巻でお気に入りのシーンは?
小野:たくさんあるんですけど、僕は背景に曼荼羅が出てきて、最初の化身化をするシーンがすごく好きですね。仏像を観に行った時、たとえば東寺の立体曼荼羅とかを観た時に感じる荘厳な気持ちっていうか。僕たちがなぜ仏像が好きなのか、なぜお寺、神社仏閣が好きなのかというと、すっとする気持ちというか、身が引き締まる思いがするっていう、その瞬間が好きなんですね。あそこのシーンを見た時に、同じような感覚を感じて、すごく感動して、鳥肌が立つような衝撃を受けたので、あのシーンがすごく印象に残っています。
近藤:僕は率直に、まず扉絵に感動しました。非常に美しくて、すごく感動したのを覚えています。
近藤:あとは、日常的なシーンがすごく好きでして、(第2話で)リタちゃんがアキラたちのために手料理を作ってくれるとことかも和むんですけど、あそこのなめこ汁っていうのは僕の好物で。
小野:実際ね、近藤くんの好物を。
近藤:僕は「アワビの姿煮」って言ったんですけど。それはどうだろうってことでストップかかりまして。
小野:そうだね、幼女が家庭料理でアワビの姿煮を作ってくれるっていうのはパンチがききすぎてる。
近藤:で、なめこ汁。そういうところも入れ込んでいただきまして、リタちゃんの健気なところも表れていて僕は好きですね。
──仏像が気になってきたファンにおすすめの仏像は?
小野:これはもう、一択ですね。五百羅漢寺さん。文字通り五百体いらっしゃいます。僕らはこの『ナヴァグラハ』という作品をきっかけに五百羅漢寺さんと仲良くさせていただいていて、お参りさせていただいたり、取材に協力いただいたり、文字通り心を遣ってくださっていて。声優をやっていて、お寺とコラボするというのはあまりないことで、「こんなこともできるんだ」「あんなこともできるんだ」って夢が具現化した瞬間だったんで。さっき言っていた仏像を見た時、お寺に入った時の荘厳な気持ちっていうか、身が引き締まる思いっていうのを毎回感じているので、五百羅漢寺に行っていただけると僕たちと同じ気持ちを味わっていただけるのではないかと思います。
近藤:小野くんが言ったとおり、お坊さんのお友だちが異常に増えてて。今年37歳で、もうすぐ38歳になりますけど、お坊さんの友だちが爆発的に増えていて。先程も「がんばってください」っていうメールをいただきましたし、すごく嬉しい体験をさせていただいております。
おすすめといいますと、東京でもたまに博物館などで阿修羅展とかいろいろありますけど、ああいう機会は有名な仏像が一堂に会していますのでいいのかなと思うんですけれども、それもかなわない場合には、たとえば、京都の東寺さんとか、三十三間堂さんなんかは、あまり仏像に今までそんなに興味を持たないできた方でもアトラクションのような感じで楽しめるんじゃないかなと。いろんな仏像さん、かっこいい仏像さんとか、あと、数がいっぱいあったりとかするので、おすすめです。
──今後のグッズ展開は?
小野:最初にグッズを作りましょうっていうのは、さすがに原作者サイドではなくて、それこそアニメイトさんとかだと思うんですよね、最初のきっかけを作ってくださるのって。まんさい(こうちまんがフェスティバル2015)で最初に作ったのが下敷きっていう……なかなか最初のグッズで下敷きってないと思うんですけど(笑)。でも、これがまた功を奏したといいますか、あの、塩沢(天人志)先生が描いてくださるすごい美麗なイラストと、裏側にするとデフォルメキャラが描かれているんですよね。だから、『ナヴァグラハ』の魅力のひとつである絵の美麗さとキャッチーなデザインが両方堪能できる。良いグッズじゃないかこれは、と。俺たちは下敷きを使う機会はあまりないけれども(笑)。だから、僕たちがこのグッズを作りたいというよりも、周りの大人たちがこれ作ろう、あれ作ろう、ってこれから盛り上がっていくんじゃないかなって。
あ、でもありました! フィギュアね! フィギュアは作りたいですね。アクションフィギュア。
──やっぱり可動式で?
小野:可動式で作りたいですね。アーマーが着脱できたりですよ。敵も欲しいですね。
近藤:戦わせたいよね。
小野:(口で効果音をつけながら戦わせるジェスチャーをして)「青蓮華!」やりたいですね。
近藤くんはどんなの作りたいですか?
近藤:変身アイテムとかをグッズにして売り出せたらいいなんて話もして、最初はそういうイメージもあったので、サクヤだと蓮のペンダント、赤車だと懐中時計、アキラだとバングル、って作っていたんですけど、途中から(舞祷院の)錫杖とか、(錦野の)腕のリングとかになってきたので、生産ラインがね……。
小野:錫杖をグッズとして(笑)。
近藤:舞祷院推しの人はこれをイベントにね。
小野:錫杖を持って現れる、と。
二人:シャン、シャン、って(笑)
近藤:まあ、たとえば女性の敵の何かとか、手軽に女性も手に取れるような……コンパクトで変身しちゃうとラミパス(ひみつのア●コちゃん)になっちゃいますけど(笑)。そんなことも考えつつ。
小野:この子本当にアイデアマンなんで、いろいろね、グッズの妄想が膨らんでおりますので、この中でいくつ作れるのかお楽しみにということで。
──朗読劇でお互いの演技の素晴らしかったところは?
近藤:「三度目だぞ」っていうところですね。
小野:僕もですね、「三度目だぞ」がよかったです。
近藤さんですか? 作品で一緒になることもありますし、近藤くんの作品を観て感動したり泣かされたりしてきました、これまで。でもやっぱり、今日ほど心を動かされたことはないですよね。近藤くんの叫びは最高です。ただ、喉が張り裂けるんじゃないかという心配もありつつ横で聞いていましたけれど。本当に骨に響く感じの叫びだなって。
近藤:抑えたんですけどね。
小野:あれで抑えてたのか。
近藤:最近、ミキサーさんに言われるんです。若い女の子たちが多い現場にぽんと入っちゃうと、うるさいんだよね、たぶん。
小野:あー、うるさかった。うるさかったです。今日の近藤くんは、これまででいちばんうるさかったです。(笑)
──力がこもっていたということで。
近藤:ありがとうございます。
小野:震えました。
──お互いに見えた新しい一面、再確認した点は?
小野:近藤くんはすごくまっすぐですね。まっすぐでもあり、一度決めたことを曲げないという意志の強さを感じました。
近藤:『ナヴァグラハ』に関してはね。
小野:『ナヴァグラハ』に関しては。基本、柔らかくて優しくて、人の前にそんなに出ない人なんですよ。でも、漫画原作をするにあたっては、「僕はこういうふうにしたい」「僕はこれがやりたいんだ」っていう気持ちを全面に押し出していて、いい意味でそれを頑なに守り続けるっていう部分があって。そこは、これまで友だちとして、役者仲間として接している中でもあまり見なかった面なので、「ああ、すごいな、くるな」って思いました。
近藤:小野くんは普段明るい人なんで……「ザ・O型」なんですよ。場の空気を明るくしようとする方なんですけれども、『ナヴァグラハ』の打ち合わせでは、僕がアイディアを出して熱く語って、それを小野くんは静かに聞いて、重みのある言葉で「僕もそう思います」とか、背中を押してくれるというところが。明るい人なんですけど、すごく冷静なところがより強調される、会議の時は俯瞰で見ている人なんだと思います。
小野:だから、作中の(アキラとサクヤの)関係性がすごく似てるんですよね。前にどんどんどんどん進んでいく近藤くんと、僕はそれを俯瞰で見るというか、後ろで見つつ、何か思ったこととか、「今ここをこうしたら、もっとバランスが取れる」って(近藤さんの意見の)後に出していったりだとか。そういう風な関係性になっていますね。とにかく本当に頼りになる相棒だなって思いますね。
近藤:それはお互いですけどね。
■ 抽選会&サイン会へ
プレス関係者の質疑応答コーナーを終え、会場はサイン入り複製原画の抽選会に。6名の方に複製原画がプレゼントされました。
「自分たちがしたいこと、好きなことをやらせてもらうというのは、本当に幸せなことだとあらためて思っております。僕たちはこのまんまです。ただ、『ナヴァグラハ』はね、これからもどんどん続けていってですね、ドラマCDにもなりますから。アニメにもしたいし、歌も歌いたいですしね、D.A.Tでね。僕らは変わらないままで走り続けますので、みなさんぜひ『ナヴァグラハ』という作品を一緒に追いかけて、一緒に夢をみましょう。よろしくお願いします」と挨拶し、盛大な拍手の中トークパートはすべて終了しました。
そして、お待ちかねのサイン会。
100名のみなさんひとりひとりにサインを書いてくださいました。
■ さらにアニメイトTVにコメントをいただきました!
サイン会終了後、なんとアニメイトTVにコメントをいただくことができました。
──初のサイン会を終えての感想をお願いします。
小野:作家としてこういうイベントは初めてだったので、どんなイベントになるんだろう、どんなサイン会になるんだろう、っていうのは未知数で、緊張していました、最初は。ただ、トークしてみると、いつものとおりのDDT(ラジオ)であり、僕たち小野大輔と近藤孝行のわちゃわちゃしたトークであり、いつもの関係性だったので、いつもどおり和やかに、ずっと笑っている感じで、終始にこにこで終わることができてよかったです。
近藤:一生懸命作ってきたものが発売されて、しかもこういう風にみなさんの前でイベントができて、かつ、第2巻発売というお知らせも自分の口でみなさんにお伝えすることができて、いろいろ夢が叶っているなとありがたく思っております。これからも頑張っていきたいなと思います。
──連載7回を終えて、最初の想定と変わってきたことや深くなってきたことなどはありますか?
小野:僕らが思った以上に、九曜のメンバーのキャラクター性が強くて、濃くて、さらにいうと、化身化したときのフォルムがかっこいいっていう。僕らが会議をしている中で、塩沢先生があげてくださる設定画、イラストのかっこよさであったり、個性の強さであったりを見ると、「やばい、食われる」と。俺たちは主役然として今いるけれど、これはまずいな、という話をするぐらい、想定以上にすべてのキャラクターが描かれているなと、原作者だけど思っています。
近藤:資料をつくりながら、ああでもないこうでもないとやっていたキャラクターが、実際にストーリー上で動くと、「ああ、こんな魅力的になるんだ」と思って、毎回楽しみにしています。読者さんと同じ気持で。
──最後に、読者のみなさまにひとことお願いいたします。
小野:あらためまして、原作の小野・D・大輔です。声優として本業をやっていて、さらにそれに付随して、作家としてこうしてみなさんの前に出られる、自分たちが作ったものをお披露目できる、そして、ありがとうと伝えられるっていうことは、本当に幸せなことだなと思っています。「役者冥利につきる」という言葉がありますけど、「作家冥利につきる」なぁって思います。作家さんって、こんな幸せな気持ちになってたんだなって、僕ら37年生きてきて、十年以上役者の道を進んできたけれど、また新しい喜びを感じているので、これからも、こんな新しい、感じたことのない喜びを、『ナヴァグラハ』で感じていければいいなという風に思っています。これからも、ドラマCD、アニメと続いていきますので。
──アニメもですか?
小野:はい。原作なんで。言ったら叶うって思い込んでいます。よろしくお願いします。
近藤:原作の近藤・T・孝行です。ものづくりって、何にしても共通して大変だと思うんですけど、こうやってひとつひとつ成果として目に見えてくると、非常に毎回力をもらいます。本当に楽しみです。これから先、いろんなものを生み出していけるっていうことを、自分たちでも期待しながら頑張っていきたいですし、スタートダッシュって大事だと思うんですけど、みなさんのおかげでいいスタートも切れていると思うので、引き続き応援していただきたいなと思います。
『ナヴァグラハ -DefenD 9 Triggers-』
講談社「月刊少年シリウス」連載中
【あらすじ】
仏の力を招来し、悪と対決とする九人の武僧がいた。その名は「九曜」。世界最強の能力者たちである。 元・九曜のアキラとサクヤは力を喪い、失意の日々を過ごしていた。だが大事な者を守るために、彼らは立ち上がる。 果たして再び仏の化身となれるのか!? そして秘仏を狙い、世界の破滅を目論む組織「ヴィシュダ」を、 打ち倒せるのか!?
小野大輔×近藤孝行の人気声優が原作を務める、ド王道バディヒーローアクション!!
【単行本 1巻】
2016年2月9日発売
講談社 シリウスKC
原作:小野大輔・近藤孝行
脚本:小林裕和
作画:塩沢天人志
定価:600円+税
ISBN:9784063906066
【単行本 2巻】
2016年8月発売予定
【ドラマCD】
製作進行中
[文・笈川 采女]
>>ナヴァグラハ公式サイト「ナユタサンガ」
>>ラジオ「小野大輔・近藤孝行の夢冒険Dragon&Tiger」
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