主要声優が語る『コナン』が愛され続ける理由とは!? ――劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』高山みなみさん・山崎和佳奈さん・小山力也さんインタビュー
週刊少年サンデー(小学館)で連載中の青山剛昌先生による人気コミック『名探偵コナン』。今年でテレビアニメ&劇場版シリーズが20周年を突破! そんな記念すべき第20作目となる劇場版最新作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が2016年4月16日(土)より全国東宝系で公開中です!
映画公開前には赤井秀一役の池田秀一さんと安室透役の古谷徹さん、おふたりのインタビューをお届けしました。
本稿ではメインの声優であるお三方、江戸川コナン役の高山みなみさん、毛利蘭役の山崎和佳奈さん、毛利小五郎役の小山力也さんにインタビュー! 映画の見どころや『名探偵コナン』という作品の魅力、そして、みなさんのライフスタイルなど、といろいろとお話していただきました。
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■ 台本が20作の中で一番厚い!? 記念すべき劇場版20作目は、大人の魅力が爆発!
━━いよいよ『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が4/16(土)に公開されますね。脚本を読んだ時の印象や率直な感想をお聞かせください。
江戸川コナン役・高山みなみさん(以下、高山):台本を読んだ時、とてもわかりやすく、きっちり収まっていると感じました。でも、台本が20作の中で一番厚くて……(笑)。これはかなりカット割りが細かくなっていて、テンポのいいものになるんだろうなという、そんな感じの印象を受けましたね。
毛利蘭役・山崎和佳奈さん(以下、山崎):私も脚本を読んで、いい意味でわかりやすく、引き込まれていく1本の筋がありました。自分の役がどうなるというのは関係なく、1本の物語としてすごく面白いなと思って、最後まで一気に読破しました。
毛利小五郎役・小山力也さん(以下、小山):今回は女性がゲスト主役で参加しますが、彼女をめぐっての男性陣の熾烈な戦いがサスペンス溢れるものになっていて、とてもよかったです。小五郎も(女性ゲストを巡る争いに)参加したかったです!(笑)
━━記念すべき映画20作目となる今作ですが、映画の見どころや気になるシーンがあれば教えて下さい。
高山:今回は大人の魅力が爆発しているところが、最高の見どころですね。やっぱり、赤井秀一さん(かつて黒ずくめの組織に潜入していたFBI捜査官。CV:池田秀一)と安室透さん(黒ずくめの組織に潜入する公安警察官。CV:古谷徹)の格闘シーンですよね! 蘭姉ちゃんは別ですが(笑)、男性の肉弾戦というのは少ないので、とても新鮮でした。
しかも、池田さんと古谷さんがいつも以上に気合が入ってらして圧倒されました。何せ素敵な先輩たちなので、アフレコ中も食い入るようにその背中を見てしまいましたね。そして、おふたりがいてくださったために、今回の劇場版はとても気が楽というか……。いつもの劇場版では、なるべく人を巻き込まないようにひとりで突っ走ってしまうんですが、今回は助けてくれるとわかっている大人がいたので、安心感がありました。差し出せば、助けてくれる手そこにがあるんです。試写を観た時に気付いたんですけど、ところどころで、自分がとても安心した声を出しているんです。そこが、いつもとはちょっと違うところだと思いましたね。
山崎:今回、蘭的にはそんなに核心には触れず、暴れられなかったのは残念でしたけど、やっぱり先輩方の格闘シーンは、すごくかっこよくて……。でも、青山先生って男子なのに、なんで女の子がキャーキャー言うキャラクターを作り出せるんだろうって……。安室さんといい、赤井さんといい、そこはすごいなと思いました。
小山:僕は、謎の女性(黒ずくめの組織のメンバー。CV:天海祐希)をめぐる男性陣の戦いというのが大きかったです。やっぱり、強くて綺麗な女性に目がいってしまいますよね。ひとつひとつのアップのショットがとても美しくて……(笑)。これは素直な意見ですね。
高山:非常に、素直な意見(笑)。
━━今回の劇場版において、ご自身が演じられた役柄以外で、気になったキャラクターはいますか。
高山:気になったキャラクターはたくさんいるんですけど、やっぱり謎の女性に対して、すごく興味を持ちました。映画をご覧になったみなさんは、彼女とベルモット(黒ずくめの組織のメンバー。組織のボス「あの方」直属の部下。CV:小山茉美)とのやりとりで過去のいきさつなどを知ることが出来ますが、、お話上、江戸川コナンとしては彼女と組織のいきさつも謎のままなんです。だから、もっと知りたかったですね。
あとは、ウォッカ(黒ずくめの組織のメンバーで、組織幹部であるジンの弟分。CV:立木文彦)のとても人のいいところが見えちゃって……(笑)。もちろん、演じている立木さんはとってもいい方なんですけど、ウォッカというキャラクターに、立木さんの人のいいところがそのまま反映されてしまっていて、ウォッカの動きから目が離せなかったです(笑)。
山崎:私もやっぱり謎の女性が気になりました。絡めなかったのが残念で、探偵団の子供たちが羨ましいと感じたぐらいなんです。
小山:僕もずっと見てしまうのは、謎の女性です。夢の中で見るのも、謎の女性ですけど……。夢の中で見るって変ですね(笑)。他のキャラクターを見ようと思っても、やっぱり謎の女性を見てしまいます。あとは、あえて言うなら、コルン(黒組織のメンバーで、スナイパー。CV:木下浩之)とかね。
高山:寡黙な人ですよね(笑)。
小山:ああいう怖いんだか、面白いんだか、わからないような人がもしかしたら、本当に怖いのかもわかんないし、本当に小物かもわかんないし……。小物ってことはないですけどね。虐げられて、虐げられて……(笑)。
高山:そんなことはないない(笑)。コルンは凄腕ですよね。でも、不思議なキャラだから。
小山:そうなんですよね。だから本当に何かあるのかもしれないですよね。
■ 探さなくても、自分の場所がある! ここは、株式会社コナン!!
━━改めてですが、みなさんがキャラクターを演じる際に、特に意識したところや工夫した点などがありましたら、お聞かせください。
高山:あんまりこう演じているというイメージがないので、キャラクターという点では意識していることは無いです。同一人物である新一の山口勝平くんとも、一番初めに雰囲気合わせをしただけです。言葉の使い方や表現は意識しているかな。声になった言葉は、文字と印象が変わりますから。これはスタッフ全員で気をつけていることですが、「殺す」というワードは使わず、「殺害」という言葉に言い換えています。オリジナルのお話では、専門用語がわかりづらければ、監督と打ち合わせをして、別の言葉に変えたりしています。
━━以前、期間限定で放送された『CONAN RADIO』というラジオで、声優さんたちが「もうキャラクターも自分だよね」とお話していたのが印象的でした。
高山:そうですね。だから、記憶が混同することがたまにあるんです。行ったことがないところに行った気になっていたり、「ここ来たことあるんだけど、いつ来たんだっけな~」と思ったら、『名探偵コナン』のストーリーの中で訪れた場所だったり……。それだけ劇中の背景や地の物がリアルに描かれているんですけどね。
山崎:長年やっているうちに、スタジオでの雰囲気とかもあいまって、「園子(蘭の同級生で大親友。CV:松井菜桜子)としゃべる時にはこんな感じ」、「新一(蘭の幼なじみの高校生探偵。黒ずくめの組織によって開発中の毒薬「APTX4869」を飲まされ、コナンの姿に。CV:山口勝平)とたまに会えたらこんな感じ」、「お父さんとはこんな感じ」、「たまにお母さんと会えたらこんな感じ」、「コナン君との日常はこんな感じ」とか……。何となく、アフレコスタジオの雰囲気からどんどんできあがってきちゃうんです。あんまりこうしようとかっていう自分の意思ではなく、蘭というキャラクターが、自然にできたような感じはありますね。
高山:演じる意識ってあんまりないよね。みんな普通だもんね(笑)。
小山:もうその通りですね(笑)。最初はやっぱり、「先輩に失礼があっちゃいかんということ」と、「お客さんにできるだけ違和感を持たれないようにすること」、「長いこと続いてきた作品を成り立たせるようにということ」を、考えていたんです。けど、あんまり外面的なことよりも、同じスタジオで同じ空気を吸うということを自然と受け入れ、楽しめるのが一番と気付きました。幸い、コナンのアフレコ現場には、みんなで一緒にお芝居を楽しめる空間が作られていますね。
高山:みんなスタジオに入ると、そのまんまキャラクターの立ち居振る舞いというか、たたずまいになりますね。絶対、阿笠博士(灰原哀を保護するコナンの良き理解者。CV:緒方賢一)の隣には、灰原(黒ずくめの組織の元メンバーで、毒薬「APTX4869」の開発者。CV:林原めぐみ)が座っているとか……(笑)。
━━スタジオに入ったら、アフレコ収録前に、自然とムードができている感じですね。
高山:そうですね。スタジオの中と外では雰囲気も違うと思います。話す声もキャラクターだったり(笑)この3人は(アフレコ収録の時)絶対、並んで座ってるし……。
小山:それはいつもね。場所はとっておいてもらってね。
山崎:お茶の間みたいな感じ。
高山:そうそう。ここは我が家みたい(笑)。
━━先日、池田秀一さん(赤井秀一役)と古谷徹さん(安室透役)にインタビューした時にも、『名探偵コナン』の魅力についてお聞きしたのですが、高山さんを座長としたチームワークの良さが魅力のひとつだとお話されていました。みなさんから見て、チームワークとはどのようなものでしょうか。
高山:それは嬉しいですね! ありがとうございます。チームワークって、そうですね……。探さなくても、自分の場所があるってことかな。キャストのみならず、スタッフも含め、コナンチームはとても仲がいいんですよ。
例えば、画や動きに関してわからないことがあった時、聞くべき相手がわかっている。キャラクターのことも皆がわかっているから、セリフや表現の相談もすぐに対応できます。毎週アフレコ収録後には、みんなでご飯を食べに行っているので、「これさぁ……」とひとつのことを言ったら、みんなが同じ時に同じ情報として手に入れることができる。そういう空間があるから、チームワークが良いんだと思うんです。
山崎:そうですね。やっぱり家庭的な、自分の居場所があるっていう感じは、みんなが持てているから、ほっとできる。たまに、作品へ出るキャストの方が久しぶりに来ても、何か安心できるような空気があるんじゃないかな……。
小山:本当にそうなんですよね。とにかく、スタッフ同士も本当に仲がいいんですよ。読売テレビの方も、制作のトムス・エンタテインメントの方も、音響のAPUの方も、東宝の方もそうですけど……。あとね、いろんな方も……。
高山:小学館も小集プロの方もそうですし……。
小山:みんな仲がよくて、友達同士で作品ができた!
高山:そうそう(笑)。
小山:いろんな会社の方、いろんな組織の方が関わってくださっているんですけど、そのままここに来たら、株式会社コナンみたいな……(笑)。
高山:すごい! それいい(笑)。
小山:そんな感じなんですよね。だから本当に仲がいいんですよ。仕事上の付き合いとかじゃなくて、みなさんいつも笑顔が絶えないし、僕らよりスタッフの方がもっと笑っているんじゃないかっていうぐらいです。実際、みんなで楽しくお酒を飲んで食事をしていますからね。そういう空気がやっぱり作品にとても影響していると思います。
━━それは作品を観ていても、伝わってきますね。
小山:僕は途中参加ですから、「仲の良さ」は余計に感じますね。だから作品の中にも、「仲の良さ」がたくさん含まれていると思います。
高山:うんうん(笑)。伝わると思います。
━━お仕事が終わった後に、楽しみにしていることはありますか。
高山:みんなで美味しいご飯を食べに行くのがご褒美だよね! 多い時は、スタッフとキャストで20人ぐらい参加します。私はお酒が飲めないので、お酒はふたりに任せますけど……(笑)。
山崎:(高山さんにむけて、指をコの字にしながら)ちょっとだけ、ちょっとだけ!
高山:(山崎さんにむけて、指をコの字にしながら)日本酒、ちょっとだけね。
小山:日本酒の冷たいのだと(高山さんは)少し召し上がるので、お猪口にちょっと入れて、余ったら、僕が飲むからねって……(笑)。
■ これぞ役者のライフスタイル! コナン収録の朝、高山さんは探偵の顔になる!
━━『名探偵コナン』に登場するキャラクターは、自分のポリシーや信念を持って行動しています。みなさんがお仕事をする上で、何か心がけていることやルーティーンはありますか。
高山:そうですね。朝起きてから出かけるまでは、ほぼルーティーンで同じことをしていますね。
━━例えば、コナンのアフレコ収録前には、必ずこれをするといったことはありますか。
高山:コナンに関わらず、必ず毎朝同じ動きをします。それがたぶん自分の生活のリズムになっているんですね。朝起きて、カーテン開けて、窓開けて、神棚のお水を替えて、愛猫のご飯を用意して、コーヒーを淹れて飲む。よほどの事が無い限り毎日同じですね。たまに寝過ごしていくつか飛ばすこともありますけど(笑)
出かける準備の時に、今日の仕事のスイッチが入ります。着替えるまではニュートラルですが、服のチョイスが変わります。コナンの時は、彼の着ている感じの服が多いですね。でも、コナンのアフレコ日は、顔がやっぱり違いますね。ちょっと、とんがった感じになるかな(笑)。
山崎:探偵の顔になるんだ!
高山:テレビも、ニュースだけにアンテナが合っちゃう感じかな。
山崎:私はあんまり、ルーティーンってないです。でも似たような感じですよね。とりあえず、朝起きて、猫に餌をあげて、コーヒーを飲むっていう……。
高山:そうなるよね(笑)。
山崎:どんな仕事でも、悪い意味で慣れちゃうとパターンに陥りやすいため、新鮮な気持ちでニュートラルな気持ちになるよう心がけています。アニメにしてもナレーションにしても、自分と向き合いながら、そこにスッと入っていけたらいいなと思っています。パターンやテクニックでやりたくないので「そうなってない? 大丈夫?」って、いつも自分自身で思うようにはしています。そんなにテクニックはないですけどね……(笑)。
━━蘭ちゃんの格闘シーンを収録する時は、何か気持ちは違うのでしょうか。
山崎:テレビシリーズだと、アクションシーンはそんなに長くはないんですが、映画の時には長めにあったりして。そうすると、がんばってって……。
高山:和佳奈ちゃん(山崎さん)、お家でアクションやってみるそうですよ。スゴイよね!
山崎:でも最近、ついていけないようになって、上手にできないんです。でも、でもそこは画の分かる範囲でがんばってみて……。
高山:十分です!!
━━確か、山崎さんも格闘技をされていましたよね。
山崎:アクション的なことは、習ったりはしています。
小山:殺陣をやったりね。
高山:殺陣、やってるね。
山崎:チャンバラとか……。
小山:弓をなさったりとか……。
山崎:弓はやってないです。
小山:弓はやってないか! そうでした(笑)。
山崎:いろんなもの増えてる~! どうしよう……(笑)。
小山:いろいろと、やっているでしょう! ダンスもやってるし、殺陣もやってるし……。
高山:南拳もやってるでしょう!
山崎:中国拳法ね。
小山:あっ、拳法!
━━そういうものも、やっぱりお芝居に活きたりするんですか。
山崎:どうですかね。でも、ただ画に合わせて声を出すよりも、アクションを習った方がイメージしやすいので、自分では役に立っていると思います。それに、アニメーターの方も色々研究されて描いていらっしゃるので、演じる私もできるだけ研究しようという気持ちはあります。
━━小山さんはいかがですか。
小山:えっ? 私も言うんですか?
高山:朝起きて~(笑)。
山崎:朝起きて~(笑)。
高山:秘密の力也ちゃん!
小山:私は神様じゃなくて、ご先祖様をおまつりしているので、仏様があって、これぞと思う台本はお供えします。それから、お茶を午前中までには必ずお供えして、お灯篭とお線香を立てます。そして、般若心経を唱えて、「どうぞうまくいきますように、どうぞ無事にいきますように、どうぞいいものになりますように」と願います……。
高山:ルーティーンですか?
小山:手を合わせますね。
山崎:何でそんなに偉いんでしょう!
小山:あとは、台本と一緒に寝る!
高山:台本と寝るんですか? そうなんだ~!
小山:グチャグチャになることもありますけどね(笑)。
高山:マジか~(笑)。
小山:ヨダレがついていることもありますけどね(笑)。
━━名探偵“眠りの小五郎(眠っている小五郎を利用し、コナンが推理を導き出す作品の名物シーン)”として有名になっているわけですが、小五郎が活躍するお話を収録する時、気持ちは何か違うのでしょうか。
小山:それはやっぱりセリフがたくさんある時は、それだけ準備がいりますからね。自分で台本を読みこみます……。
ただ、小五郎が活躍する時は、コナンが活躍する時でもありますから、コナンの存在を意識して、セリフを言うようにしています。もちろん、本来の小五郎自身が柔道の技を披露する時もありましたし、トラブルに巻き込まれた蘭のことを本気で心配することもありました。また、いなくなったコナンのことを本気で心配して捜しまわることもありました。でも、基本的には、眠りの小五郎として名推理を披露する長ゼリフの時は、コナンとして、しゃべっていますからね。
コナン君の心理。コナン君だったら、どういうふうにしゃべるんだろうとか、小五郎の声や口調であっても、コナン君だったら、どういう展開をするんだろうとか、そういったことが頭から抜けないようにと心がけています。
━━小五郎と妃英理(小五郎の妻であり、蘭の母。CV:高島雅羅)夫婦のシーンが面白くて、また観たいです。
小山:そうなんです! それがなかなかなくてね。みなさんから「もっと観たい!」とお声をあげていただければね。本当に数えるぐらいしか(高島雅羅さんと)ご一緒していないんです。
高山:なかなか登場されないですもんね(笑)。
■ 『名探偵コナン』ならではのスペシャルな魅力とは?
━━『名探偵コナン』という作品が長く、愛される理由やその魅力について、演じる側から見て、どのように感じていますか。
高山:きっとみんなが思っていることでしょう。やっぱり「原作がしっかりしている」ということですね。きっちり縦糸、横糸があり、付随することがどんどん増えても、決してキャラクターがブレない。そして、それぞれのキャラクターにとても魅力がある。隙のない原作があるから、その世界観を崩すことなくオリジナルストーリーも作れる。これは大きいですね。
山崎:いろんなキャラクターがいっぱい出てきて、増えてはいますけど、最初からいるメンバー、途中から出てくるメンバーひとりひとりがかっこ良かったり、かっこ悪かったり……(笑)。みんな魅力的なんですよね。どこか人間的なところがあって、そこが人を惹きつける魅力になっているなというのは感じます。
小山:あとはですね。もう何と申しましても、キャスト陣が完璧です! 私を除いて(笑)。
高山:何を言ってるの! 除かない、除かない!
小山:世の中にいる声優さんは2000人ほどで、実際に稼働している人は100人とか150人くらいらしいんです。そんな状況の中で、ある方が「コナンのキャストは、声優界のトップ中のトップが揃っている。とても誇りに思うよ」と言ってくださってね。嬉しかったですね。僕はまだ入ってないと思いますけどね。
高山:入ってるでしょ(笑)。家族なんだから!
山崎:入ってますよ!
小山:ゲストの方にしても、『コナン』でないと、会えない先輩がいらっしゃる!
高山:それはありますね……。
小山:コナンで初めてお目にかかる先輩がいらっしゃる。最初は気づけなくても、声と演技から「あぁ、この方だったんだ!」とわかる。『コナン』の現場には、そんな発見が一杯あったりします。『コナン』は、若い命が躍動する作品でありますけど、演じるキャスト側も若ければいいってもんじゃないんだなと感じます。これはいい意味でね。
高山:うんうん(笑)。
小山:例えば、20代の人が20歳のキャラクターを演じるよりも、40代、50代の人がご自分の経験とテクニックと情熱を持って、20歳のキャラクターを演じる方が絶対、魅力的になる。「それが声優という仕事だ」と、僕は思います! もちろん、若い方でも素敵な方はいらっしゃいますけどね。それでも、いろんな人生経験と仕事上の経験を積んで、さらに20代のような瑞々しい笑顔を持ち続けたまま躍動している先輩方が『コナン』の現場ではお会いできるんです。それこそ、キャラクターに命を吹き込むという演技の真髄を目の当たりにできるんです。
高山:そうですねぇ……。
━━観ている側としても思いますが、『名探偵コナン』は何年経っても新鮮ですよね。
高山:ありがとうございます。それはきっと、固定化されたメンバーで毎週のお話が動いているわけではないからだと思います。実はテレビシリーズ全話を通して出ているのは、コナンだけなんです。
毎回蘭姉ちゃんがいるかというと、そうでもなく……。探偵団メインの話になってしまうと、小五郎おじさんもいなくなっちゃうし……。蘭姉ちゃん、ここのところずっと会ってなかったもんね。隣が空席だと淋しいんです(笑)。先日、「劇場の舞台挨拶の時期に、蘭姉ちゃんやおじさんがテレビシリーズに出てないと打ち合わせできないよ~」」とスタッフに言ったら、「この時期のお話は考えた方がいいねぇ。」と言ってくれました(笑)。そんな話も出来る最高のチームなんです。
だから、アフレコ収録が何週かお休みになってしまう時は、本当に寂しくなっちゃう。そういう時は、みんなと会うために「いつなら大丈夫? どこ行く?」とレクリエーションを考えて実行しちゃいます(笑)。
━━楽しいお話もたくさん聞けましたので、最後に、映画を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
山崎:本当にマジかっこいいです! 期待して観てください!
高山:マジかっこいい(笑)。
小山:この作品に限らずですけど、エンタテインメントの原点が全て詰まっています。本当にもうハラハラ! ドキドキ! ワクワク! そしてウルウル! それが詰まっていますから、もう存分に心を開いて、楽しんでいただければと思います!
高山:映画をご覧になった方はもうおわかりですよね。今回は全員に、映画館にいるあなた自身にさえ危機が訪れるような迫力あるストーリーです。とにかく正に「悪夢(ナイトメア)」のような作品になりました。ぜひ劇場の大スクリーンでご覧いただければと思います。そして、皆様の熱い「コナン愛」、どうもありがとうございます! 20周年というひとつの節目を超えたところで、『名探偵コナン』はまだまだ続いていきます!これからも応援よろしくお願いいたします。
━━ありがとうございました!
■作品概要
2016年4月16日全国東宝系より公開中!
【イントロダクション】
暴かれるダブルフェイス!
純黒に染まる記憶が解き放たれる時、頂上決戦が始まる!
リニューアルされた東都水族館にやってきたコナンたちは、謎の記憶喪失の女性と出会う。彼女は、左右の瞳の色が異なる“オッドアイ”の持ち主だった。瞳の特徴から、その正体が組織のNO.2=ラムかもしれないと恐れる灰原。一方、宿敵に迫るチャンスを探るコナン。時を同じくして、世界各国で黒ずくめの組織による暗殺事件が発生!組織の目的とは? 謎の女性との関係とは?
やがて、FBI・赤井秀一の捜査により、日本警察から各国のスパイのリスト「ノックリスト」が盗まれた事が判明する。このデータが組織に渡ると、組織に潜入している公安・安室透とCIA・水無怜奈の命も危険にさらされてしまう。コナンは赤井と共に事件を追うが、時を同じくしてジンが安室と水無を拘束。その時、傍にいたベルモットの携帯が鳴り響く。その指示を出していたのは―。
【キャスト】
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:小山力也
【スタッフ】
原作:青山剛昌(小学館・週刊少年サンデー連載中/読売テレビ・日本テレビ系放送中)
監督:静野孔文
脚本:櫻井武晴
音楽:大野克夫
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