ルル子誕生秘話から収録の裏話までぶっちゃけトーク! “『宇宙パトロールルル子』最終回先行&全13話一挙上映会”リポート
2016年6月24日(金)、TOHOシネマズ新宿にて“『宇宙パトロールルル子』最終回先行&全13話一挙上映会”が行われました。
このイベントでは、当日最終話を迎えた『宇宙パトロールルル子』の最終話が先行して上映されたほか、全13話を一挙に振り返るというもの。さらに、ルル子役のM・A・Oさん、AΩ・ノヴァ役の榎木淳弥さん、ミドリ役の新谷真弓さんと、今石洋之監督、雨宮哲第2監督、宇佐義大チーフプロデューサー、司会を務めた若林広海クリエイティブディレクターといった豪華なゲストたちによるトークもくり広げられました。今回はそのトークの模様を中心に、みなさんにお伝えしていきます。
■まさかの『インフェルノコップ』最新作も上映!?
イベントがスタートするとまずはそれぞれ登壇者たちが、オーバージャスティス本部長の仮面を付けてのご挨拶(笑)。中でも新谷さんは「クソが!」と、ミドリの口ぐせを披露し、開幕から会場の笑いを誘っていました。そして挨拶が終わると、みなさんも観客席へ移動。キャスト陣&スタッフ陣といっしょに見れるという、貴重な上映会が始まります。
上映が始まり『宇宙パトロールルル子』……と、思いきや、突然『インフェルノコップ』の上映が開始され、会場全体が困惑! シュールに展開されるお話にクスクスと笑いが起きますが、最後には『宇宙パトロールルル子』第11話にて、なぜインフェルノコップがあそこに居たのか? なぜ銃を持っていないのか? という、謎が明かされる特別篇だったのです!
会場全体から「あぁ~!」と、なるほどというような歓声と笑い声が挙がる中、『宇宙パトロールルル子』の一挙上映がスタートします。この一挙上映は“初恋BIG版”というもので、全話がシームレスに繋がった1本の作品として楽しむことができました。(「つづく!」という、あのセリフもないんです!)今石監督曰く、ひとつの作品として纏めるのは初期からあった構想だったそうで、さらに劇場に合わせて音響も5.1chにしっかり編集したとのこと。これにより、アドリブ満載の本作のセリフがより聞き取りやすくなっていました。こちらの特別編集版は、9月14日に発売されるブルーレイディスクにも収録されていますよ! そしてラストにルル子が『リトルウィッチアカデミア』の主人公・アッコにハイタッチ! 『リトルウィッチアカデミア』TVシリーズの制作決定が発表されると、会場からも大きな歓声が挙がっていました。
■正義の海賊の心を持ったM・A・Oさんの念願が叶う!
上映後には休憩を挟んだあとに、再度キャスト陣&スタッフ陣が登壇。まずは全話を鑑賞した感想をみなさんが語ります。とにかく感動したというM・A・Oさんは、最後のノヴァのセリフにキュンとしたとのこと。そんなノヴァを演じる榎木さんも感動したそうですが、本作を見て涙を流したら悔しいと、自身の“ナッシング星人”ぶりをアピール(笑)。新谷さんは1本に繋がった特別編集版に驚きつつも、やはり困惑したという『インフェルノコップ』特別篇に言及。それについて若林クリエイティブディレクターは「僕らもこんな大画面で上映するつもりはなかったんですよ(笑)」と、スタッフ陣ですら困惑していたことを暴露していました。
続いては出演するにあたってのエピソードについて。榎木さんはつかみどころの無いふんわりとした演技でオーディションに臨んだとのことで、「そのミステリアスな雰囲気がポイントでした」と、宇佐チーフプロデューサーの心をガッチリ掴んだようです。また、○○○キル星人も演じた榎木さんですが、○○○キル星人が最後に燃え尽きる1分間は、すべてアドリブだったんだとか! 新谷さんもアドリブについてさまざまなエピソードを語りつつ、とにかくアドリブたくさん入れられたことが楽しかったそうで、オーバージャスティス本部長役の稲田徹さんといっしょに、アドリブをガンガン入れていたそうです。物語の後半にはセリフを早口でしゃべることで、アドリブの時間を捻出していたという驚きのエピソードも飛び出していました(笑)。
ちなみにあの「ジャスティースッ!」という掛け声も、稲田さんのアドリブで生まれたセリフなんだとか! ほかにも、本編ラストのセリフは本来「ジャスティースッ!」だったそうなのですが、稲田さんのアドリブで「ジャ……」になったことや、ルル子が死んでしまったときに唱える念仏も、アドリブなのに紆余曲折あって“ジャスティスお経”に決めたことなど、とにかくアドリブ満載だったことを暴露! ちなみに雨宮第2監督は、キャラクターを作り上げた最初から稲田さんの声にしようと決めていたそうです。
M・A・Oさんは、とにかく“普通”の女の子を演じることを心がけていたそうですが、今石監督もとにかく「うまいんです!」と、その演技力を評価。宇佐チーフプロデューサーも、バトルシーンのセリフが素晴らしいと褒めたたえると同時に、「やはり正義と海賊の心を持つ人は違うなと思いました(笑)」と、ルル子の両親のことと、某海賊戦隊に出演されていたM・A・Oさんを引っ掛けて冗談を飛ばします。そのことについてM・A・Oさんは、『リトルウィッチアカデミア』の某戦隊が最終回を迎えるときにあるお約束が経験できなかったので、アッコと最後にバトンタッチできたことが、実はうれしかったという気持ちを明かしていました。
■今石監督が明かす『宇宙パトロールルル子』誕生秘話!
お次は思い出に残るシーンについて、その場面をスクリーンに映しながらトークします。M・A・Oさんはノヴァにルル子が恋をしてビックバンが広がるシーンが心に残っているとのことで、そのシーンを演出をされた雨宮第2監督も今までにないようなビックバンのイメージができたことに満足していることを明かします。榎木さんは「ノヴァ君、逮捕します!」という、ルル子の告白とも言えるシーンが思い出に残っているそうで、そのセリフのかわいさにハートを射抜かれた模様です。新谷さんは、第1話にてルル子がドン引きするシーン……というより、そのときのルル子の顔がお気に入りとのことで、この顔をTシャツにしてもらいたいくらい大好きなんだそうです!
続いては今石監督が、本作の制作秘話を語ります。『宇宙パトロールルル子』は以前から温めていた企画で、最初に原型が企画会議に出たのが、なんと2010年のころ。中島かずき監督と企画を持ち寄ってテレビアニメを作ろうということで作った企画のひとつだったのですが、そのときに制作が決まったのはあの『キルラキル』だったそうです。次にウェブアニメを作ろうという企画会議のときにも『宇宙パトロールルル子』の原型を提出されたそうなのですが、そこで作ることになったのが『インフェルノコップ』だったのです。そしてショートのテレビアニメの作ろうというお話になり、今石監督は会議では通らないと分かっていたので「やりたいので、やります!」と、『宇宙パトロールルル子』の企画を通したことを明かしていました。
“ジャッジメントガンモーフィン”する女の子の宇宙パトロールもの、という設定は変わらずに、初期は壮大なスペースオペラのようなストーリーだったそうで、ショートアニメではなく30分の4クールアニメの構想だったとのこと。そのときから、3クール目ではTRIGGERの制作したアニメ作品の世界に行くという構想も決まっていたらしく、『宇宙パトロールルル子』はその壮大な構想を5分×13話に圧縮したテレビアニメだったことを明かしていました。サブタイトルに“SEASON 1”と入っていたりするのはそういう理由だったわけですね! ほかにも初期の黒幕はルル子の母親であるララ子・ゴッドスピードで、ノヴァくんは海賊の手下だったという設定で始まったという裏話や、TRIGGERちゃんになったルル子が今後ほかの作品にも出てくるかも!? という驚きのお話など裏話もたっぷり飛び出しました。
いよいよイベントの終わりも近づき、お別れの前にグッズやイベントの告知タイム。9月14日に発売されるブルーレイディスクの購入者へ向けて、10月22日に“宇宙パトロール荻窪支部 '16年度上期「納会」”が行われるそうです! このイベントには稲田さん、新谷さん、今石監督、若林クリエイティブディレクター、などが出演される予定とのこと。最後には、全員で「ジャスティース!」をポーズをし、イベントは終了となりました。
そしてイベント終了後には、うーさーが会場に乱入! みなさん記念撮影をして楽しんでいる様子でした。また、会場前にはルル子のフィギュアも展示されていましたよ~! それではみなさん、ジャスティースッ!(ビシッ!)
[取材・写真・文/西川くん]
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