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アニメ
TVアニメ『リゼロ』松岡禎丞さんがペテルギウスを演じるうえで意識したポイントとは
TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)の声優陣やテーマソング担当アーティストの特別インタビューを連続で掲載していく「Re:ゼロから始める取材生活」。アニメイトタイムズにて掲載中の本企画、第21回目にご登場いただくのは、ナツキ・スバル役の小林裕介さんとペテルギウス役の松岡禎丞さん!
最新の22話を振り返りつつ、15話でのスバルとペテルギウスの衝撃のファーストコンタクトやペテルギウスという役への取り組み方について語っていただきました。また前回登場のシリーズ構成&脚本を担当する横谷昌宏さんと脚本担当の中村能子さんと梅原英司さんからの質問にお答えいただいています。
――まず先日、放送された22話を振り返ってみての感想をお願いします。
ナツキ・スバル役 小林裕介さん(以下 小林):白鯨をなんとか倒して、ようやくまともな状態でペテルギウスと対峙することができました。もうちょっと感情的になるのかと思いきや、意外にもスバルは冷静。それだけ準備もしっかりしたし、勝てるという見込みがある分だけ、落ち着いていられたのかなと。しかもあっさりと倒せてしまって、「本当にこれでいいのかな」というのが率直な感想で。 でもそんな矢先に、ペテルギウスの指先(日笠陽子さん)……役名的には女狂人と書かれていましたが(笑)……が現れて。「あれ? ちょっとこれは不穏な空気が出てきたぞ」と思いつつ、それでこそ『リゼロ』だと思ったり。説明がなく、急によくわからない現象が起きるのは終盤に差し掛かってもまったくぬるくならないな、まだ素直に勝たせてくれないんだなという印象を持った22話でした。 ペテルギウス役 松岡禎丞さん(以下 松岡):ペテルギウスからすると、またはじめましてからなんですけど(笑)。今回は最初から「アナタ、『傲慢』ではありませんか?」と言っていますが、7つの大罪のうち、まだ『傲慢』だけが空席だったので、新たな信徒でラストピースが埋まるという喜びがあったのに、その希望も見事に打ち砕かれて。敗北を喫してしまいましたが、死を意味するわけではなく、指先さえいれば体なんていくらでも替えがきくというのは怖いですね。
あとスバルがこれまで繰り返してきた、未来を変えるということはこんなに大変なことなんだと。
――ペテルギウスはパックに氷漬けにされて粉々になって死んだと思ったら、何度も蘇ってきて。
松岡:そのたびにスバルも死んでしまうわけですけど。
小林:こんなところで運命共同体になるとは(笑)。
松岡:まずタイトルから妄想するのはやめましょうということですね(笑)。ある回の予告で「みんなでタイトル言ってみようか!」「せーの!」「異世界生活!」と、あの時のスバルが言っていた明るい印象が、僕の第一印象そのものでした。タイトルを見ると朗らかな印象を受けるけれど、まさかこれほど重い作品だとは思いもしなくて、衝撃でした。
――「死に戻り」も衝撃的ですよね。
松岡:我々がTVゲームをする時、死んでルートや攻略法を覚えるものもあって、その時はいかにゲームをクリアするかだけを考えられるけれど、スバルの場合はその世界で生きている。死ぬたびに大切な人を失ったり、痛みや恐怖などの記憶を引き継ぎつつリトライすることはこんなにもキツいことなんだなと。今後、ゲームをやる時の自分の視点が変わりそうです。ゲームでやられた時は気軽に「ああ、死んだ~!」と言っていたけど、これからはそのプレイヤーキャラの痛みや人生まで考えてしまいそうです(笑)。
松岡:どの作品でも台本を読んでチェックして、リハーサルビデオを見ながらブレス位置などを確認するというやり方をしていますが、この作品に関しては慎重にやらないとダメだなと。今までのどの作品よりも、感情ののせ具合が難しかったので、勢いだけではできないと思いました。久々に、初めての現場で台本チェックした感覚が蘇ってきたくらい、すごく綿密にチェックしました。
初めての現場なので、でき上がった空気感にでっかい岩を落とす感じだけど、波風が立たないように。でも最初に水面に落ちた時のどっぼーんという衝撃だけ大きくて、あとはサーっと落ち着くみたいな。正直、怖かったですね。久しぶりに現場に行くのが怖くなりました。直前まで「大丈夫だ」と思いながらも自信が持てなくて、何をしたらいいのかもわからなくて。
小林:アフレコの前日か、前々日くらいの香盤表を見て、「えっ!?」って。原作を読んでいたので、こんな声かなというイメージはありましたが、すごく意外でした。とはいえ、楽しみで仕方無かったです。際立ったキャラで、掛け合いもする相手ですし、収録が楽しみ過ぎて「脳が震え」てましたね(笑)。
いざ松岡さんが演じたのを聞いたら圧倒されちゃって。ネジが飛んでいるようで、意外と冷静で感情もあって、会話のやり取りもちゃんとしているし、絵の動きにもこれでもかというくらい合わせてきていて。「はあ」とため息と感動に近い感情が湧いてきて、すごいなと思いました。最初こそ笑ってはしまったんですけど……。
松岡:笑ってたんだ(笑)。 小林:でも、それ以降、笑ったことはないですよ! ペテルギウスと掛け合いをした時に他のキャストさんから「小林さん、どうして笑わないんですか?」と言われたんですけど……。
松岡:なんか小林さんが質問されていたのを見た記憶が(笑)。
小林:憎いカタキという気持ちで臨むと、ペテルギウスの言葉一つひとつに怒りを覚えるというか、ふざけた言い回しに「こんなヤツにエミリアを……」と憎悪しかなくて。そんな気持ちだったから冷静だったスバルを意外に感じたんです。
松岡:僕もパッと見た感覚では演じられないキャラだなと。ペテルギウスという人物の過去や生い立ちをしっかり理解しなければ作れないと思ってバックボーンを固めるところから始めました。でも先のことを知り過ぎると感情移入してしまうのでそこは注意して。つい最近、WEB版も読み始めていたんですけど、これを先に読まなくてよかったと思いました(笑)。
ペテルギウスのキャラを紹介しているサイトもあったので見てみたら、どんどん感情移入してしまって。もしかしたら●●●●の●●の●になるかもしれない(ネタバレにつき伏せ字)キャラだったと知って、「なんてひどいことを!」と(笑)。
――スバルと掛け合いをしてみた印象は?
松岡:小林さんがどんなお芝居でくるのかわからなかったので、自分がパッと出してみて、小林さんの言葉をじっくり聞きながらやろうと思ったんですけど、小林さんがそれ以上にやってくれていたので、自分は精一杯やるだけでした。小林さんには感謝しかありません。
小林:恐縮です(汗)
松岡:どうですか?
小林:う~ん…………ウツウツとはしますね(笑)だいたい台本をいただいても、リハーサルビデオと一緒に収録前日にチェックすることが多いんですが、この作品だけはもらってすぐに台本を読んで、そこから作っていかないと間に合わないと思って。早くいただけばいただくほど、収録までの時間が長くなり、ウツウツしなくてはいけないという期間が。
松岡:それ、わかります。
小林:読んでしまうと意識せざるを得ないし、他の現場にいても、「あのシーン、どうするかな?」とふと考えてしまったり。
松岡:そう思っちゃうんですよね。
小林:それがイヤで前日チェックがいいけど、この作品は例外。収録が始まってしまえば、そこまでウツウツとしないけど、始まるまではそういう時間が多かったかも。でもそれで他の現場でウツウツしてるかといえばそうではないのでご安心ください(笑)。
松岡:僕も同じような考え方で、実は『リゼロ』の収録の前に別の現場があるんですけど、テストが終わって、本番が終わって、休憩に入ったら、「今日の『リゼロ』の収録どうしよう?」という感じで(笑)。収録が遅めの時間で良かったなとは思います。朝からだったら午後からの仕事に確実にダメージが出ると思うので(笑)。僕はノドが強いほうだと思っていましたが、先日の収録が終わった後、久々にノドの調子が戻らなくなってしまって。
松岡:18話が僕的には二度おいしかったですね。ペテルギウスが死んだシーンの時には「パックいいぞ、もっとやれ!」と思ったけど、「あれ、スバルもやるんだ」って(笑)。その後、死に戻ってボロボロになっていたスバルの心を、レムが引き戻してくれるシーンを見て、「はあ!? 何でエミリアなの!?」って。「レムと行けよ」と。
一同: (爆笑)
小林:本当にすみません。
松岡:でもスバルも復活したし、ペテルギウスもパックにつぶされたし、よかったなと。 ――ペテルギウスが粉々になった後も笑っていて、パックが勝ち逃げされたと言ってましたからそこも気分的には悪くないのでは(笑)。小林さんが気持ちよかった回は?
小林:気持ちよかったのは7話かな。最初にレムにすごい仕打ちを受けて、何も信じられなくなったところからスバルが復活するお話で、どん底からまたいつものところにぱっと戻れるスバルを演じたら意外と爽快で。最後は自分で崖から飛び降りるけど、すがすがしいまでの決意が感じられたし、やっていて一番解放された感がありました。
18話は復活というより、生まれ変わりだと思っていて。爽快というより、ここから始めようという気が引き締まる感じがして。 ――最後に中村さんから「役者さん的に『こんな脚本困るな』と思うのはどんな時ですか?」
松岡:基本的にキャラの心情で読んでいくと、違和感を感じることはほとんどないですね。想像ですが、まったく話が通じないのは困りますね。あと「この人、原作を読んでないな」とわかる脚本も困るかも。今までやってきた現場ではそんな脚本は一度もないですけどね。
小林:脚本ではないですが…………独特の言い回しをするキャラはどういうふうにそのセリフを自然に言えばいいのか、悩むことはあります。スバルが最たるもので、人に言っているんだけど、自分だけでただ4行分しゃべったり、会話をしてるようでしてないようなセリフは結構考えて言わないと、でも本人は深く考えて言ってるわけじゃないし……という難しさは感じますね。
松岡:読み言葉と書き言葉がありますが、書き言葉を読むのが難しいんですよね。
小林:だから今回は色々と鍛えられました!
最新の22話を振り返りつつ、15話でのスバルとペテルギウスの衝撃のファーストコンタクトやペテルギウスという役への取り組み方について語っていただきました。また前回登場のシリーズ構成&脚本を担当する横谷昌宏さんと脚本担当の中村能子さんと梅原英司さんからの質問にお答えいただいています。
目次
- 白鯨とペテルギウスを倒した後のまさかの敵に驚きだった22話
- タイトルと内容のギャップに衝撃! リトライを考えさせられるきっかけに
- 久々に初めての現場の感覚を思い出し、怖いと思った作品
- 松岡さんの演じるペテルギウスが楽しみでワクワクしながら迎えた15話の収録
- ペテルギウスのバックボーンを固めつつ、感情移入しないように
- キャラに入り込むあまり支障を来したことは?
- 2人が演じて一番気持ちよかった回
- 次回登場するユリウス役の江口拓也さんへの質問!
- ペテルギウス祭りの第23話をお楽しみに!
白鯨とペテルギウスを倒した後のまさかの敵に驚きだった22話
――まず先日、放送された22話を振り返ってみての感想をお願いします。
ナツキ・スバル役 小林裕介さん(以下 小林):白鯨をなんとか倒して、ようやくまともな状態でペテルギウスと対峙することができました。もうちょっと感情的になるのかと思いきや、意外にもスバルは冷静。それだけ準備もしっかりしたし、勝てるという見込みがある分だけ、落ち着いていられたのかなと。しかもあっさりと倒せてしまって、「本当にこれでいいのかな」というのが率直な感想で。 でもそんな矢先に、ペテルギウスの指先(日笠陽子さん)……役名的には女狂人と書かれていましたが(笑)……が現れて。「あれ? ちょっとこれは不穏な空気が出てきたぞ」と思いつつ、それでこそ『リゼロ』だと思ったり。説明がなく、急によくわからない現象が起きるのは終盤に差し掛かってもまったくぬるくならないな、まだ素直に勝たせてくれないんだなという印象を持った22話でした。 ペテルギウス役 松岡禎丞さん(以下 松岡):ペテルギウスからすると、またはじめましてからなんですけど(笑)。今回は最初から「アナタ、『傲慢』ではありませんか?」と言っていますが、7つの大罪のうち、まだ『傲慢』だけが空席だったので、新たな信徒でラストピースが埋まるという喜びがあったのに、その希望も見事に打ち砕かれて。敗北を喫してしまいましたが、死を意味するわけではなく、指先さえいれば体なんていくらでも替えがきくというのは怖いですね。
あとスバルがこれまで繰り返してきた、未来を変えるということはこんなに大変なことなんだと。
――ペテルギウスはパックに氷漬けにされて粉々になって死んだと思ったら、何度も蘇ってきて。
松岡:そのたびにスバルも死んでしまうわけですけど。
小林:こんなところで運命共同体になるとは(笑)。
タイトルと内容のギャップに衝撃! リトライを考えさせられるきっかけに
――松岡さんは『リゼロ』という作品にどんな印象をお持ちですか?松岡:まずタイトルから妄想するのはやめましょうということですね(笑)。ある回の予告で「みんなでタイトル言ってみようか!」「せーの!」「異世界生活!」と、あの時のスバルが言っていた明るい印象が、僕の第一印象そのものでした。タイトルを見ると朗らかな印象を受けるけれど、まさかこれほど重い作品だとは思いもしなくて、衝撃でした。
――「死に戻り」も衝撃的ですよね。
松岡:我々がTVゲームをする時、死んでルートや攻略法を覚えるものもあって、その時はいかにゲームをクリアするかだけを考えられるけれど、スバルの場合はその世界で生きている。死ぬたびに大切な人を失ったり、痛みや恐怖などの記憶を引き継ぎつつリトライすることはこんなにもキツいことなんだなと。今後、ゲームをやる時の自分の視点が変わりそうです。ゲームでやられた時は気軽に「ああ、死んだ~!」と言っていたけど、これからはそのプレイヤーキャラの痛みや人生まで考えてしまいそうです(笑)。
久々に初めての現場の感覚を思い出し、怖いと思った作品
――松岡さんはこんなに行ききったキャラは初めてとおっしゃっていたそうですが、そんなペテルギウスをどのように演じようと思われたのでしょうか?松岡:どの作品でも台本を読んでチェックして、リハーサルビデオを見ながらブレス位置などを確認するというやり方をしていますが、この作品に関しては慎重にやらないとダメだなと。今までのどの作品よりも、感情ののせ具合が難しかったので、勢いだけではできないと思いました。久々に、初めての現場で台本チェックした感覚が蘇ってきたくらい、すごく綿密にチェックしました。
初めての現場なので、でき上がった空気感にでっかい岩を落とす感じだけど、波風が立たないように。でも最初に水面に落ちた時のどっぼーんという衝撃だけ大きくて、あとはサーっと落ち着くみたいな。正直、怖かったですね。久しぶりに現場に行くのが怖くなりました。直前まで「大丈夫だ」と思いながらも自信が持てなくて、何をしたらいいのかもわからなくて。
松岡さんの演じるペテルギウスが楽しみでワクワクしながら迎えた15話の収録
――小林さんが、ペテルギウス役を松岡さんが演じると知ったのはいつ頃ですか?小林:アフレコの前日か、前々日くらいの香盤表を見て、「えっ!?」って。原作を読んでいたので、こんな声かなというイメージはありましたが、すごく意外でした。とはいえ、楽しみで仕方無かったです。際立ったキャラで、掛け合いもする相手ですし、収録が楽しみ過ぎて「脳が震え」てましたね(笑)。
いざ松岡さんが演じたのを聞いたら圧倒されちゃって。ネジが飛んでいるようで、意外と冷静で感情もあって、会話のやり取りもちゃんとしているし、絵の動きにもこれでもかというくらい合わせてきていて。「はあ」とため息と感動に近い感情が湧いてきて、すごいなと思いました。最初こそ笑ってはしまったんですけど……。
松岡:笑ってたんだ(笑)。 小林:でも、それ以降、笑ったことはないですよ! ペテルギウスと掛け合いをした時に他のキャストさんから「小林さん、どうして笑わないんですか?」と言われたんですけど……。
松岡:なんか小林さんが質問されていたのを見た記憶が(笑)。
小林:憎いカタキという気持ちで臨むと、ペテルギウスの言葉一つひとつに怒りを覚えるというか、ふざけた言い回しに「こんなヤツにエミリアを……」と憎悪しかなくて。そんな気持ちだったから冷静だったスバルを意外に感じたんです。
ペテルギウスのバックボーンを固めつつ、感情移入しないように
――ペテルギウスは狂人のようで、しっかり状況を見ていたり、魔女教への信心は一途だったりとひと言で言い表すには難しいキャラだと思いますが、松岡さんはペテルギウスについてどう感じましたか?松岡:僕もパッと見た感覚では演じられないキャラだなと。ペテルギウスという人物の過去や生い立ちをしっかり理解しなければ作れないと思ってバックボーンを固めるところから始めました。でも先のことを知り過ぎると感情移入してしまうのでそこは注意して。つい最近、WEB版も読み始めていたんですけど、これを先に読まなくてよかったと思いました(笑)。
ペテルギウスのキャラを紹介しているサイトもあったので見てみたら、どんどん感情移入してしまって。もしかしたら●●●●の●●の●になるかもしれない(ネタバレにつき伏せ字)キャラだったと知って、「なんてひどいことを!」と(笑)。
――スバルと掛け合いをしてみた印象は?
松岡:小林さんがどんなお芝居でくるのかわからなかったので、自分がパッと出してみて、小林さんの言葉をじっくり聞きながらやろうと思ったんですけど、小林さんがそれ以上にやってくれていたので、自分は精一杯やるだけでした。小林さんには感謝しかありません。
小林:恐縮です(汗)
キャラに入り込むあまり支障を来したことは?
――恒例のリレー質問企画です。前回登場された脚本担当の横谷昌宏さん・中村能子さん・梅原英司さんから質問をいただきました。まず横谷さんから「役に入り込む方も多いそうなので日常生活に支障を来たしたりすることはないですか?」という質問です。松岡:どうですか?
小林:う~ん…………ウツウツとはしますね(笑)だいたい台本をいただいても、リハーサルビデオと一緒に収録前日にチェックすることが多いんですが、この作品だけはもらってすぐに台本を読んで、そこから作っていかないと間に合わないと思って。早くいただけばいただくほど、収録までの時間が長くなり、ウツウツしなくてはいけないという期間が。
松岡:それ、わかります。
小林:読んでしまうと意識せざるを得ないし、他の現場にいても、「あのシーン、どうするかな?」とふと考えてしまったり。
松岡:そう思っちゃうんですよね。
小林:それがイヤで前日チェックがいいけど、この作品は例外。収録が始まってしまえば、そこまでウツウツとしないけど、始まるまではそういう時間が多かったかも。でもそれで他の現場でウツウツしてるかといえばそうではないのでご安心ください(笑)。
松岡:僕も同じような考え方で、実は『リゼロ』の収録の前に別の現場があるんですけど、テストが終わって、本番が終わって、休憩に入ったら、「今日の『リゼロ』の収録どうしよう?」という感じで(笑)。収録が遅めの時間で良かったなとは思います。朝からだったら午後からの仕事に確実にダメージが出ると思うので(笑)。僕はノドが強いほうだと思っていましたが、先日の収録が終わった後、久々にノドの調子が戻らなくなってしまって。
2人が演じて一番気持ちよかった回
――次は梅原さんからの質問で「1番気持ちよかった話数を教えてください」。松岡:18話が僕的には二度おいしかったですね。ペテルギウスが死んだシーンの時には「パックいいぞ、もっとやれ!」と思ったけど、「あれ、スバルもやるんだ」って(笑)。その後、死に戻ってボロボロになっていたスバルの心を、レムが引き戻してくれるシーンを見て、「はあ!? 何でエミリアなの!?」って。「レムと行けよ」と。
一同: (爆笑)
小林:本当にすみません。
松岡:でもスバルも復活したし、ペテルギウスもパックにつぶされたし、よかったなと。 ――ペテルギウスが粉々になった後も笑っていて、パックが勝ち逃げされたと言ってましたからそこも気分的には悪くないのでは(笑)。小林さんが気持ちよかった回は?
小林:気持ちよかったのは7話かな。最初にレムにすごい仕打ちを受けて、何も信じられなくなったところからスバルが復活するお話で、どん底からまたいつものところにぱっと戻れるスバルを演じたら意外と爽快で。最後は自分で崖から飛び降りるけど、すがすがしいまでの決意が感じられたし、やっていて一番解放された感がありました。
18話は復活というより、生まれ変わりだと思っていて。爽快というより、ここから始めようという気が引き締まる感じがして。 ――最後に中村さんから「役者さん的に『こんな脚本困るな』と思うのはどんな時ですか?」
松岡:基本的にキャラの心情で読んでいくと、違和感を感じることはほとんどないですね。想像ですが、まったく話が通じないのは困りますね。あと「この人、原作を読んでないな」とわかる脚本も困るかも。今までやってきた現場ではそんな脚本は一度もないですけどね。
小林:脚本ではないですが…………独特の言い回しをするキャラはどういうふうにそのセリフを自然に言えばいいのか、悩むことはあります。スバルが最たるもので、人に言っているんだけど、自分だけでただ4行分しゃべったり、会話をしてるようでしてないようなセリフは結構考えて言わないと、でも本人は深く考えて言ってるわけじゃないし……という難しさは感じますね。
松岡:読み言葉と書き言葉がありますが、書き言葉を読むのが難しいんですよね。
小林:だから今回は色々と鍛えられました!
<次ページ:次回登場するユリウス役の江口拓也さんへの質問!>
(C) 長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会