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のんさん登壇! 映画『この世界の片隅に』完成披露舞台挨拶レポ!!

すずさんの存在を映像のなかで捕まえたかった――のんさん登壇! 映画『この世界の片隅に』完成披露舞台挨拶レポート!

 2016年11月12日(土)より全国公開となる映画『この世界の片隅に』。その完成披露舞台挨拶が、9月9日(金)に開催されました。イベントに登壇したのは、戦時中である1944年の広島県・呉に住む、主役・すずを演じるのんさん。そして、本作の監督を務める片渕須直さんと原作者のこうの史代さんです。本稿では、作品に加えて制作時や収録時のエピソードで盛り上がった、この舞台挨拶の模様をお届けします!

■すずを存在の実感として映像のなかで捕まえたい

 司会の紹介で片渕須直監督が舞台に上がると、まず監督はこうの史代さんの原作漫画を読んで、「映像化するなら自分の手でぜひやりたい」と思ったことを明かしました。また、主人公の女性・すずに関しては「存在の実感として、映像のなかで捕まえたい」とも。

 そんな監督の想いから結実した本作ですが、クラウドファンディングによって多くの人からの支援があったそうで、監督がその方々に感謝を述べる一幕がありました。その後、主演ののんさんと原作者のこうの史代さんが登場しました。

▲のんさん

▲のんさん

 のんさんから監督へお花の贈呈を行ったところで、ここからは3人でのクロストークになりました。まずは本作の感想について、のんさんは作中で「戦争というものが、生活と隣り合わせになっている」ことに言及。そして、「だからこそ生活というものがすばらしくって」と日常の尊さについて言及しました。

 続いて原作者のこうのさんは、なんでもないシーンで泣けてしまったことを明かしました。悲しい場面よりも、幸せな場面やみんなに優しくされている場面でホロリと来てしまったんだとか。

 本作がアニメとして世に出るきっかけとなったエピソードに話題が移ると、こうのさんが監督に貰ったアニメ化をしたい旨を記したお手紙を大事にしていたこと。そして監督は、そのお返事でこうのさんから貰ったお手紙とすず役のオファーを送ったのんさんから貰った手紙を、財布の中にずっと大事に保管していることが明らかになりました!

▲片渕須直監督

▲片渕須直監督

■自分との共通点から探したすずのキャラクター性

 司会がのんさんにすずとの共通点を尋ねると、のんさんは「ぼーっとしてるけれど、気の強いパワフルなところ」を挙げ、その共感する部分からキャラクターを探っていったことを話しました。

 これを受けて監督は、収録時にのんさんから「なぜこういう風にすずが言うのかわからない」といった質問を受けたことを明かすと、その質問に答える過程で作品の本質をもう一度捉えなおせたと語りました。それがエンディングに反映されているそうなので、要チェックです!

▲こうの史代さん

▲こうの史代さん

 最後のメッセージで片渕監督は、再び「すずさんの実在を感じたかった」と語るとすずがどのようにしゃべるのかを考えると(演じて貰うのは)「のんさんしか思いつかなかった」とコメントしました。こうのさんも、すずに原作にはない素直さや芯の強さが出ていたと述べ、おふたりとものんさんが演じるすずを絶賛!

 いよいよ公開となる映画『この世界の片隅に』。片渕監督とこうのさんが太鼓判を押すのんさん演じるすずの声と、大戦中の広島・呉で生きる彼女に注目です!

[取材・文」/胃の上心臓]


拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。

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拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。

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■『この世界の片隅に』作品概要
2016年11月12日(土)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国ロードショー

【イントロダクション】
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。



【キャスト】
のん
細谷佳正
稲葉菜月
尾身美詞
小野大輔
潘めぐみ
岩井七世/澁谷天外

【スタッフ】
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル

劇場アニメ『この世界の片隅に』公式サイト

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