原点と成長のステージは次へ向かってタチアガル証！Wake Up, Girls！3rdライブツアー初日夜の部レポート

　アニメ『Wake Up,Girls！』に登場するアイドルグループを演じるキャスト7人(吉岡茉祐さん、永野愛理さん、田中美海さん、青山吉能さん、山下七海さん、奥野香耶さん、高木美佑さん)によって結成されたユニット“Wake Up, Girls！”(以下、WUG！)の3rd Live Tour「あっちこっち行くけど、ごめんね！」。

　全国7都市をまわるツアーの初日となった千葉公演が、2016年7月17日(日)に舞浜アンフィシアターで開催。ここでは夜の部の模様をお伝えします。

初日のプリンセスは高木美佑！

　開演前には、お馴染みとなったメンバーによる映像やナレーションで会場を温めます。芋ジャージ姿の田中さんとジャージ＋サングラス姿の青山さんによる『お約束たいそう2』と題した映像や、第1回で最終回となった“みゅーちゃん”こと高木さんのラジオ番組(ゲスト：奥野さん)など、今回も遊び心がたっぷり。

　期待の空気が充満した会場に、ツアーをイメージして作られた衣装に身を包んだ7人が登場。オープニングナンバーは「Beyond the Bottom」。歌、表情、振り付けのすべてを使って気持ちを表現する壮大なステージで、ライブの幕を開けました。

　
　さらに、「少女交響曲」「素顔でKISS ME」と冒頭からヒートアップ。詰めかけたワグナー(WUG！のファン)のコールも響き渡ります。7人でのハーモニー、複数人の組み合わせ、ソロパートそれぞれに聴き応えがあるのもWUG！の魅力。曲に合わせた可愛いダンスや格好良い表情など、目でも耳でも楽しませてくれました。

　
　自己紹介後、ここからは新曲を立て続けに披露。まずは全員曲の「HIGAWARI PRINCES」。今回のツアーは会場ごとにプリンセスが選ばれる『プリンセス制度』が採用されており、千葉公演のプリンセスである高木さんは他の人より少し豪華仕様の衣装に黄金のステッキという出で立ち。青山さんの「素敵なステッキ」というダジャレもご愛嬌です。曲中にはメンバーが順番にステッキを手にしてくるくる回す場面もあり、楽しい空間を創造しました。

　
　永野さん・田中さん・高木さんによる「タイトロープラナウェイ」は2000年代の雰囲気漂うミドルテンポのナンバー。吉岡さん・青山さん・山下さん・奥野さんによる「outlander rhapsody」は冒険に出かけるような高揚感がたまりません。この2曲はどちらも永野さんが振り付けをしたとのことで、「自分が踊らない曲の振り付けは初めて」と話していました。

　
　続いては、プリンセス・高木さんの「WOO YEAH!」と新曲「it's amazing show time」。彼女を中心とした過去のライブやリハーサルなどの写真がスクリーンに映しだされ、軽快かつキュートに歌い上げます。ラストはプリンセスからの投げキッスでみんなの心をギュッと掴んでいました。

　
WUG！の原点と成長を感じられるステージ！

　幕間のグッズ紹介映像をはさみ、再登場した7人はライバルユニットであるI-1 clubの楽曲「止まらない未来」「運命の女神」を披露。衣装も「運命の女神」のトランプをイメージしたもので、楽曲と合わせて新鮮な印象と新たな魅力を感じさせるステージに。

「止まらない未来」は弾むようにステージを大きく使うパフォーマンスや、間奏でのジャジーなメロディが格好良く、「運命の女神」は彼女たちの歌声を堪能できるオシャレな楽曲。曲後のMCでは、田中さんの決めポイントで隣の永野さんがニヤニヤしていたことを明かす場面もありました。

　
　次は公演ごとに異なる楽曲として、千葉公演では永野さん・青山さん・山下さん・高木さんの4人で「レザレクション」を熱唱。会場が真っ赤に染まったメタルの激アツなステージは、激しさの中にセクシーでちょっぴり切ない表情も見せていました。

　
　スクリーンには続･劇場版『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』『青春の影』……とWUG！の作品や活動を遡っていく映像が映し出されます。そして「Beyond the Bottom」の衣装で7人が再びステージに登場。「言の葉青葉」で美しいハーモニーを響かせると、映像と相まって当時の思い出が蘇ります。

　さらに、「16歳のアカベー」へ。オーディションの時はそのぐらいの年代だった彼女たちが着実に成長してきてきたことはステージの完成度が物語っており、作品やキャラの歩みとのリンクが感動を呼びます。7人全員が晴れやかな笑顔でこの瞬間を楽しんでいました。

　
　舞台化決定などの告知を行った後、それぞれが感想を述べます。プリンセスを担当した高木さんは「(これからも)力いっぱい頑張っていくので、どんどん先へ進んでいけたらなと思っています！」と意気込んでいました。

　本編ラストは、吉岡さんの「灰になる準備はできてますか！」の掛け声から、WUG！の原点と言える「タチアガレ！」。「初心を忘れることなく、この気持ちを7人で共有してお届けしたい」との言葉通り、初心を忘れずにさらに上を目指す気持ちがステージにあふれており、同時にそれを期待させるだけの盛り上がりとなりました。

アンコールでまさかのサプライズ!?

　アンコールを求める「Wake Up, Girls！」の声に応えて登場したメンバーは、TVシリーズのオープニングテーマ「7 Girls War」を元気いっぱいに披露。「アンコールで歌うとは思わなかったでしょ」と笑うように、今回のツアーではセットリスト面でもいろいろ挑戦したそうです。

　
　そして、「歌ってない曲があるじゃないですか！」とラストの曲に行くと見せかけて……流れてきたのはバースデーソング。21歳を迎えた山下さんをサプライズでお祝いしました。驚きを隠しきれない山下さんでしたが、抱負を聞かれて「これからは6人を引っ張っていけるように頑張りたいです。いろんなところから(ファンを)引っ張ってきて、WUG！を大きくするのが私の役目だと思っています！」と力強く宣言。

　その山下さんをセンターに据えて、ラストは「極上スマイル」でみんな最高の笑顔を見せてくれました。今回のライブは原点へ戻ることを思わせた演出もありましたが、それは後ろ向きな意味合いではなく、原点・初心を忘れずにユニットとしても個人としてもひとつ上のステージへ向かう決意なのでしょう。そんな彼女たちの気持ちと笑顔が溢れる中でライブの幕は閉じました。

　
■ Wake Up, Girls！ 3rd Live Tour 「あっちこっち行くけど、ごめんね！」
2016年7月17日(日) 千葉・舞浜アンフィシアター
夜の部セットリスト
01. Beyond the Bottom
02. 少女交響曲
03. 素顔でKISS ME
04. HIGAWARI PRINCES
05. タイトロープラナウェイ
06. outlander rhapsody
07. WOO YEAH!
08. it's amazing show time
09. 止まらない未来
10. 運命の女神
11. レザレクション
12. 言の葉青葉
13. 16歳のアカベー
14. タチアガレ！

＜ENCORE＞
15. 7 Girls War
16. 極上スマイル