声優・五十嵐裕美さんが体験した収録中の怪奇現象とは?TVアニメ『奇異太郎少年の妖怪絵日記』メインキャストインタビュー
マイクロマガジン社のWEBコミックサイト「マンガごっちゃ」で好評連載中の『奇異太郎少年の妖怪絵日記』(原作・影山理一)のTVアニメが、2016年10月より放送スタート! 本作は、主人公の奇異太郎と、妖怪たちによる“怖くない怪異コメディ”。メインキャストに五十嵐裕美さん、仲田ありささん、長縄まりあさん、喜多村英梨さん、大原さやかさんが起用され、原作とはひと味違う妖怪絵日記を彩ります。
そしてこの度、奇異太郎役の五十嵐さん、すず役の仲田ありささん、雪娘役の長縄まりあさんにインタビューを実施! アフレコについてはもちろん、キャストが体験した怪奇現象などもお伺いしました!
――原作を読んだ際の第一印象を教えて下さい。
奇異太郎役・五十嵐裕美さん(以下、五十嵐):タイトルが絵日記なだけあって、奇異太郎の一人称と振り返りで進行していく作風が本当に漫画という感じではなく、絵日記を読んでいる感覚に陥る新しい作品だと思いました。それと奇異太郎の独特な雰囲気が印象的でしたね。クールと言いますか、変わってると言いますか……。かと思いきや、一人でふざけているときもあって、彼の独特の空気感に驚きました。
すず役・仲田ありささん(以下、仲田):カラーの1コマで表現されている感じがまさに絵日記という感じでした。こういう形の漫画を初めて読んだので、私もすごく驚きました。あと妖怪が出てくると聞いていたので、怖かったり、おどろおどろしい雰囲気なのかと思っていましたが、奇異太郎君がそれを壊すような勢いで、歌ったり踊ったりしちゃう、面白いキャラクターだったんです。そういった独特の雰囲気が、とても魅力的な作品だなと思いました。
雪娘役・長縄まりあさん(以下、長縄):妖怪ということで、私も最初は怖くて、おどろおどろしいイメージがありました。でも蓋を開けてみると、1話ごとに奇異太郎と妖怪たちの楽しいやり取りがあったので、妖怪って実は怖いものじゃなくて、一緒に暮らしていける楽しい存在なんじゃないかなと思いました。こんな妖怪となら一緒に遊んだりしてみたいです。
――それぞれ演じられるキャラクターの紹介と魅力を教えて下さい。
五十嵐:奇異太郎君は登場キャラクター中で唯一の人間です。霊感が強いと自分で言っているだけあり、日常的に妖怪に出会っていて、「最近こんなに妖怪出てくるの?」という雰囲気はありつつも、分け隔てなく接します。でも、物事にはあまり興味がなさそうな感じの、クールな男の子ですね。
仲田:すずちゃんは、見た目は普通の女の子ですが、実際は何百年も生きている座敷童なんです。パッと見ると、すました感じのクールな性格かと思いきや、意外と皆のやり取りに対するツッコミ役だったり、少し子供っぽいところもあります。そういった見た目と中身のギャップが可愛い女の子です。
長縄:奇異太郎から見た唯一年下の女の子ということで、奇異太郎に甘える妹のようなピュアな雰囲気が雪娘の魅力だと思います。また初回のアフレコで教えていただきましたが“雪娘は常に死にそう”ということなので、儚い感じなのかなと思いました。なので、雪娘の魅力は年下で、妹感があって、ピュアで、死にそうなところです(笑)。
――そんなキャラクターとの共通点はありますか?
五十嵐:表向きでは興味なさそうにしちゃう部分ですかね。うまいことテンションが出せないんですよね。さすがに突然踊ったり、脱ぎたがりはしませんけど(笑)。奇異太郎は倒れた雪娘を助けたりする優しい面を持ちつつ、そこを感情に出さない部分があると言いますか。奇異太郎がそれらの感情を装っているかは分かりませんが、私は割と装います(笑)。
――相手に悟られないようにすると?
五十嵐:たぶんバレているんですけどね。基本的に人のことを構いたがる性格なんですが、構いつつも、構っている雰囲気を出さないようにしています(笑)。なので、奇異太郎の「へー、興味ないけど?」みたいに振る舞うところは似ているかもしれないです。
仲田:性格的な部分ではなく、普通の少女だけどおばあちゃんっぽいところですかね。自分は20歳なんですけど、よく20後半くらいに見られたりするんです。小学生の頃も訪問販売の人が来て、出てみたら「お母さまですか?」と言われたり(笑)。そういう見た目と年齢が一致しないところが似ていると思いました。
五十嵐:たしかに、しっかりして大人っぽいから「20歳なんだ!?」とは思いました(笑)。
――長縄さんはいかがでしょう?
長縄:死にそうなところです……(笑)。
一同:(笑)。
長縄:あとは雪娘ちゃんと同じく冬も好きです! ラーメンとか熱い食べ物も大好きなんですけどね。また家族も好きなので、雪娘とはお母さんが好きなところが似ています。
――実際にアフレコしてみた感想をお聞かせください。また演じる上で工夫した点や大変だった点はありますか?
五十嵐:絵日記ということもあり、漫画で読むと事後の話を描いているので、アニメになるとすごく達観して見えるんですよ。でも、アニメはエピソードが起きた当時の話として描かれているので、漫画とは異なり奇異太郎のイメージもだいぶ違うんです。なので、最初は漫画のイメージに合わせていたんですけど、「もっとダウナーな感じで」と指示がありました。ただ、全然ダウナーなシーンがないんですよ。だから、すり合わせが上手くいかなくて、「このシーンをやる気ない感じで演じるんですね……え? でもすごい顔してるんですけど!?」みたいな(笑)。
――漫画とアニメで表現の仕方が異なると、そういった問題があるわけですね。
五十嵐:アニメは日記というよりも、起きた時の映像と言いますか。現在進行形で見られるので、お話もキャラクターも奇異太郎のモノローグ中心で進行します。なので、漫画とは少し違った印象になっていると思います。あとはショートということもあってテンポが速く、奇異太郎のゆるい感じを出すのが難しくて、どこまでテンションを上げるか苦労しました。
――ダウナーな雰囲気なのに会話のテンポが速いと。
五十嵐:そうですね。最初にテンション上げると、もう少しやる気のない感じを出してほしいと言われて、他の部分をダウナーに演じると、もう少しテンションを上げてほしいと言われたので、その塩梅が難しかったですね。
仲田:私がアフレコで一番印象に残っているのは、やっぱり奇異太郎が踊ったり歌ったり、服を脱いだりしているシーンですね(笑)。原作でもノリノリで脱いでる印象だったんですが、アニメではさらにノリノリな感じで、奇異太郎のちょっと、とびぬけて変な感じが面白かったです。また演じる上で、すずは家で練習していたときより大きくツッコミを入れるように工夫しました。やっぱり大きいツッコミの方が、すずの元気なところが出せて良いなと感じたので。
長縄:オーディションの時は、もう少し元気な雰囲気で演じさせていただきましたが、初回アフレコ時に「死にそうな感じで」と言われたので、オーディションの時よりは、もう少し死にそうな、儚い雰囲気で演じました(笑)。あとは、周りに他のキャラクターを演じる皆さんがいるアフレコ現場だと、雪娘の幼い感じがより目立つと感じたので、これからもっと子供感を出していきたいなと思いました。
――妖怪が多数登場する本作ですが、皆さんが実際に遭遇した怪奇現象はありますか? また本作で会ってみたい妖怪はいますか?
五十嵐:歌のレコーディングをしている時に、猫の声が入っていたことがあるんです。そのスタジオは犬を飼っていたんですが、猫は飼ってなくて(笑)。ただ、スタジオの外に出たらめっちゃ猫が溜まっていたんですよね。ご自宅の中にあるスタジオだったんですが、さすがに外の音が入りはしないので。しかも、「ニ゛ャー」という感じの太くてあまり可愛くない鳴き声だったんです。恐らく普通にノイズだとは思うんですが……まさに不思議体験でした。
――お二人は実際に体験した怪奇現象や、遭遇してみたい妖怪はいますか?
仲田:あまり妖怪というものを意識したことがなかったので、これから「妖怪のせいだったのかな?」ということを感じられたらいいなと思います。また、作中に“たんたんころりん”という、木になっている柿が変化した妖怪が出てきたんですが、柿に顔がついている状況を経験したことがないので、ぜひ遭遇してみたいです。
五十嵐:でも食べたら美味しいんだよね。すごく食べづらいけど……。
仲田:なので、いい顔なら食べてみたいなと思います!
――なかなか勇気がありますね……。長縄さんはいかがでしょう?
長縄:私は霊感がないので遭遇したことはないんですが、小さいころおばあちゃんの家に泊まりに行ったりすると、おばあちゃんが体験したお話をしてくれました。それがひとだまの話と化け狐の話なので、本作に登場する妖狐(狐面の女)にも少し親しみがあります。
――ちなみに作中で印象的な妖怪はいましたか?
長縄:第5話に登場する、すずちゃんペロペロですかね。
――天井嘗と垢嘗ですね。
五十嵐:ちゃんと流さないといけないけど、お風呂掃除が楽になるかも(笑)。雪娘とか居ても可愛いし、座敷童は家に居ると幸せになるんだよね。そういう可愛い妖怪なら居てほしいよね。
――最後に視聴者の皆さんへ向けて一言お願いします。
五十嵐:原作ファンの方には、新しい『奇異太郎少年の妖怪絵日記』をお届けできるのではないかなと思っています。私のあだ名が“ゆきんこ”なばっかりに、皆さんが混乱しているのを見ているので「五十嵐は奇異太郎役だぞ」と覚えていただければと思います(笑)。ぜひアニメを楽しみにしていてください。
仲田:原作で描かれている妖怪も好きですが、アニメで動いて、喋って、奇異太郎たちと絡んでいる様子を見ると、さらに愛着が沸くと思います。原作の漫画を見ているときに「こういう動きしていたよな」と思い出しながら楽しめる作品になっているので、奇異太郎のダンスや妖怪たちのペロペロっぷりを楽しんでいただければと思います。
長縄:メインキャラクターの掛け合いも魅力的ですが、お話ごとに登場する妖怪たちも、笑いを誘うような妖怪だったり、可愛くて癒される妖怪だったりと個性的なので、そこにも注目してほしいです。アニメの最後には妖怪紹介もあるので、見て笑いながら、妖怪の勉強もできる作品になっています。ぜひ、妖怪が好きな人は見てみてください!
――ありがとうございました。
TVアニメ『奇異太郎少年の妖怪絵日記』作品情報
<STORY>
立ち入り禁止の蔵に入ったことから本宅を追い出され、離れに住むように命じられた「奇異太郎」。そこで座敷童子の「すず」と出会い、同棲生活?がスタート。妖狐、雪女、雪娘など、離れには様々な怪異がやってくる。奇異太郎とすずを、時には笑わせ、時には困らせ、時には絆を深める手伝いを。怖くない怪異たちとの日常が、今はじまる。
<STAFF>
原作:影山理一『奇異太郎少年の妖怪絵日記』(マイクロマガジン社)
総監督:ひらさわひさよし
シナリオ:WORDS in STEREO
キャラクターデザイン: 今岡律之
アニメーション制作:Creators in Pack
「OZMAFIA!!」「おじさんとマシュマロ」「だんちがい」「ハッカドール」など
<CAST>
奇異太郎:五十嵐裕美
すず:仲田ありさ
雪娘:長縄まりあ
狐面の女:喜多村英梨
雪母:大原さやか
◆原作情報
マイクロマガジン社のWEBコミックサイト「マンガごっちゃ」にて、好評連載中。
原作コミックスは、1巻~8巻が好評発売中!