鈴木このみさん、20歳の誕生日に幕張メッセで沸騰!新曲初披露にも5年間の成長感じる、全29曲の熱唱ライブをレポート
2016年11年5日(土)、千葉・幕張メッセ イベントホールにて、歌手の鈴木このみさんがワンマンライブ『鈴木このみ Birthday Live 2016 ~Cheers!!!』のステージに立ちました。ライブタイトルが示すとおり、この日は鈴木このみさんが20歳になる誕生日でもあります。
2016年1月11日の東京・新宿ReNYを皮切りに、「19歳ヒトリタビ!」と称して大阪、愛知、福岡などの7都市に加え、香港、台湾でもワンマンライブツアーを行なってきた鈴木このみさん。「20歳の誕生日までに20本のワンマンライブを開催する」を今年の目標に掲げ、その記念すべき20本目こそが、今回の幕張メッセのバースデーライブです。
2011年に「アニマックス第5回全日本アニソングランプリ」を当時14歳で受賞し、テレビアニメ『黄昏乙女×アムネジア』のOPテーマ「CHOIR JAIL」で15歳のプロデビュー。以降も『さくら荘のペットな彼女』『ノーゲーム・ノーライフ』『ブブキ・ブランキ』『Re:ゼロから始める異世界生活』など、数々のアニメタイアップソングを歌い上げてきました。
着実に実力を磨き、多くのライブステージを踏んできた鈴木このみさんは、この幕張メッセでもアンコールを含め堂々の29曲を歌唱。そのうち14曲がテレビアニメまたはゲームのタイアップ曲となり、これまでの総決算と呼ぶにふさわしい一夜となりました。
また、本レポートに先んじてアニメイトタイムズでも報じているように、自身初の年末カウントダウンライブに加えて、鈴木このみさんが主演声優を務めるアニメが制作されることが決まった発表も。会場に集ったファンは再三の告知に歓声を上げました。
熱気が冷めないままの幕張メッセより、本ライブのレポートをお贈りします。
衣装は成人式をイメージ!デビューシングルで幕開け
この日は階段を設けたメインステージに加え、アリーナに向けて長く花道が取られ、その中央にも十字型のステージが設置されたセット。開演前から鈴木このみさんが駆け巡る姿が浮かぶようです。
突然、暗転した会場に、オープニング映像としてこれまでのワンマンライブツアーのスライドが流れると、ファンは赤いサイリウムを振って応えます。ライブはデビューシングル『CHOIR JAIL』で幕開け。「成人式」の振り袖をイメージし、赤を基調にしたミニスカートの変形和装をまとった鈴木このみさんは、一曲目からフルスロットル!サビの「CHOIR JAIL」もハイトーンで響き渡らせます。
休みなく『DAYS of DASH』に突入すると、観客はピンクのサイリウムに切り替えて応戦。鈴木このみさんはステージを歩き回りながら、観客に手を降ったり、ハンドサインを贈りながら伸びやかに歌い上げました。続くのは、一転して「聴かせる」ナンバーの『「ごめんね」のシンデレラ』を、オレンジの照明に染められながら熱唱。
『Nice to Me CHU!!!』のイントロが流れると、花道を歩きながら「わたし、ハタチになりましたー!今日はガッツリ飛ばしていくけど、ついてこれますかー!」と煽ると、観客も歓声で応えます。曲中ではステージからアリーナへ降り、「この中からひとりのラッキーさんを選びます!」と観客を指名し、名前と出身地を聞く一幕も。楽しげな曲調と鈴木このみさんの笑顔も相まって、会場の一体感が瞬時に高まったようでした。
来冬放映のアニメ主題歌『カオスシンドローム』を初披露!
「本物の成人式も赤い振り袖にしたんですけど、今日は “縁起良く” ということ鶴の柄なんです!」など衣装の裏話を交えたMCをはさみ、『真聖輝のメタモルフォシス』『世界は疵を抱きしめる』で観客を沸かせます。
「『ブブキ・ブランキ』『Re:ゼロから始める異世界生活』『アンジュ・ヴィエルジュ』とアニメ主題歌を3クール連続で担当させていただいたのは、アニソンシンガーとしてとてもうれしい」と話した鈴木このみさん。続けた曲は、2017年1月放送スタートのテレビアニメ『CHAOS:CHILD』EDテーマである『カオスシンドローム』を最速で初披露!
『CHAOS:CHILD』は5pb.(MAGES.)による「科学アドベンチャーシリーズ」だけあって、これまでのシリーズ主題歌の系譜を踏むような、“怪しさ”を含ませたサウンド。そこへ、歌声としてはローレンジをしっかり置きながらも、サビでは要所にハイレンジを挟んでいく、難度の高さを感じさせる一曲。「レコーディングしたのが1週間前」だったそうですが、危なげなく歌う鈴木このみさんの姿は、5年間のたしかな積み重ねを感じさせました。
生のコーラス隊で迫力倍増!熱いアコースティックタイム
フォレストグリーンのショートドレスに衣装替えした鈴木このみさんは、ダンスナンバーの『Don’t stop me now』、アリーナステージでブルーのサイリウムに包まれながらの『misss blue』を披露。
MCでは、2016年頭に単身上京し、「不安を感じることもあった」と話します。そんな時、気にかけてくれたスタッフや友人の存在が励みになったそう。鈴木このみさんは「感謝の気持ちを込めて」と『夢の続き』をアコースティックバージョンで贈り届けた後、4人からなるコーラス隊の歌声をまとっての『竜星鎮魂歌』『銀閃の風』と続けました。このコーラス隊による歌唱は、鈴木このみさんが「やりたかったことのひとつ」だったと言います。
「体、あったまってますよね?でも、こんなもんじゃないですよね?!」と観客へ煽りを一発入れてから、炎が吹き出す中での『AVENGE WORLD』、テレビアニメ『ノーゲーム・ノーライフ』のタイアップもあってキラーチューンの『This game』と、激しめのロックナンバーを立て続けに熱唱。全身でのパフォーマンス、手を天に伸ばす仕草、なにより歌声の力強さも合わさって、実存よりも大きな存在感を抱かせる圧巻のステージング。
バースデーケーキに乗って登場!特注ギターを手に熱狂の終盤戦へ
鍵盤のみのサウンドでアレンジした『Tears BREAKER』で再びアコースティックな雰囲気に。アリーナ中央に高くせり上がったステージからは、これまでもライブで歌いあげられてきた未収録音源の『MY SHINING RAY』を披露しました。
これまでのワンマンライブ19本のダイジェスト映像を挟むと、メインステージの大型ビジョンがゆっくりと回転していき……大きなバースデーケーキを模したセットが現れ、真っ赤なエレキギターを手にした鈴木このみさんの姿が!カラフルな水玉のスカートを揺らしつつ、自らギター(ESPで特注のネーム入り!)を弾きながら『Before too long』、未収録音源の『「わたし」をくれたみんなへ』、『約束の続き』を歌い上げました。
開演2時間を超え、いよいよ終盤戦ながらも勢いは止まらず。客席からUOのサイリウムが灯った『Fly to the stars』に続き、バックダンサーと共にライブグッズのタオルを頭上で回しながらの『LLL:CONNECTION』、会場に巨大がバルーンで舞う中で『I say “Happy day!”』とポップナンバーを届けると……ここで一瞬にして白いダンサブルな衣装に早替えしての『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』を放銃!
「ここからラストスパートになります!」とコールアンドレスポンスで場を暖めてから、噴き上がるスモークの先で熱唱した『アブソリュート・デュオ』のOPテーマ『Absolute soul』、開始早々にライブロゴ入りの銀テープが噴射された『ブブキ・ブランキ』1期OPテーマ『Beat your Heart』、Cサビ前には感極まっての涙を一瞬見せながらもパワフルにやり抜いた『Re:ゼロから始める異世界生活』前期OPテーマ『Redo』と、アニメタイアップ曲の3連発で客席は完全に沸騰。
スパークの一閃に包まれると、大きなお辞儀をしてから「今日はありがとうございました!鈴木このみでした!」と伝え、ステージを後にしました。
初解禁情報に沸く観客!そして、連発のサプライズに絶句!
会場から巻き起こる「このみ!」コールを受け、“チョコミント”カラーのライブTシャツに着替えて鈴木このみさんが再登場。バンドメンバーやスタッフへの感謝、盛り上がってくれた観客へのお礼を述べた後、今の素直な気持ちを口にしました。
「歌が大好きなんだ!という気持ちと、来てくださるみなさんが大好きなんだ!と感じた一日でした。まだまだ足りないところはたくさんあるけれど、20歳の初日をこうして盛り上げることができて、ますます全力で掛けていきたいと思っています。“大好きの気持ち”を胸に歌っていくので、これからもその気持ちを受け止めてくれるとうれしいです!」
ここで鈴木このみさんから「初解禁情報がありまーす!」と2つの特報がオープン。2016年12月31日にZeppブルーシアター六本木で初めてのカウントダウンライブ開催、2017年1月7日に新宿 ReNYで「成人式パーティー&ライブ」の二部制イベント開催と、次なるライブ情報が明かされました。
アンコール1曲目は、客席がオレンジのサイリウムに染まる中での『Love is MY RAIL』。アリーナステージで踊るように歌い、花道を掛けて戻ると、メインステージで熱唱。「私にとって歌は、話すよりも素直な気持ちが伝わる、いちばんのコミュニケーション。だから、これからも歌い続けていきたいと思います」と決意を新たにすると……ここで、鈴木このみさんも知らされていかったサプライズ特報が発表。
「主演アニメーション制作決定!」として、キャラクタービジュアルとティザーサイトのURLが後方ビジョンに映されると、鈴木このみさんはしばし絶句。「声優さんもやらせていただけるって、ことですか……マジかー!」と思わず笑い出しながらも、「本当にびっくりしているんですけども…決まったからには全力でやらせていただこうと思います!」と、歌いての決意に、観客は大きな声援を贈りました。
再度の『Nice to Me CHU!!!』は2階席をゴンドラでめぐりながら、観客を選んで特製カードを手渡したり、ライブメンバーや観客にコメントを伝えたりしながら、ハンドクラップが満ちる中で終始楽しげな様子で盛り上がりました。
曲の最後にはまたもサプライズで『ハッピーバースデートゥーユー』の歌声に合わせて、バースデーケーキが登場。一緒に踊っていたダンサーが一列に並んで振り向くと、背中の文字が「KONOMI★HAPPY BIRTHDAY」になっているのを見て、驚きの声を上げる鈴木このみさん。最後は全員で一緒になっての大ジャンプで締めくくりました。ダンサーひとりずつの名前を呼び上げて紹介し、会場との記念写真を撮って、メンバーはステージを後にしました。
アカペラで気持ちを伝えたダブルアンコール
暗転したままの会場から、再びの「このみ!」コールが起きると、ダブルアンコールへ。
「ありったけの思いを乗せて」と、鈴木このみさんは単独アカペラで『あなたに』を熱唱。途中にはマイクを外し、肉声を会場に響かせる姿も。歌い上げると、水を打ったような一瞬の静寂を経て、会場からは割れんばかりの拍手が鳴りました。
ライブ中のMCでは「ダメ元でやりたいことを言ったら全部叶っちゃったんです!」という今回のバースデーライブ。これまで駆け抜けた5年間へのプレゼントの意味合いもあったのでしょうか。スタッフ全員、そして観客全員が、祝福の思いを抱きながら見つめるステージには、20歳を迎えてなお進化する「アニソンシンガー・鈴木このみ」の姿がありました。
初のカウントダウンライブ、そして「初主演アニメ」を次なるステージに見据えながら、2017年も鈴木このみさんは宣言通りに駆け抜けていくことでしょう。
[文/松本塩梅]
「鈴木このみ Birthday Live 2016 ~Cheers!!!」
[セットリスト]
M1.CHOIR JAIL
M2.DAYS of DASH
M3.「ごめんね」のシンデレラ
M4.Nice to Me CHU!!!
M5.真聖輝のメタモルフォシス
M6.世界は疵を抱きしめる
M7.カオスシンドローム
M8.Don’t stop me now
M9.misss blue
M10.夢の続き(Acoustic ver.)
M11.竜星鎮魂歌
M12.銀閃の風
M13.AVENGE WORLD
M14.This game
M15.Tears BREAKER(with piano.)
M16.MY SHINING RAY
M17.Before too long
M18.「わたし」をくれたみんなへ
M19.約束の続き
M20.Fly to the stars
M21.LLL:CONNECTION
M22.I say “Happy day!”
M23.私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い
M24.Absolute soul
M25.Beat your Heart
M26.Redo
En1.Love is MY RAIL
En2.Nice to Me CHU!!!
WEn1.あなたに(アカペラ Ver.)
>>公式サイト
>>公式Twitter(@Suzuki_Konomin)