アルカレアファクトを激励!シンガンクリムゾンズに共感! TVアニメ『SHOW BY ROCK!!#』筆村栄心さん&沢城千春さんインタビュー
サンリオ発の同名ゲームアプリを原作とする、TVアニメ『SHOW BY ROCK!!#』が現在放送中! 迫力のライブ、仲間との絆、明かされていく謎……など、毎回見どころたっぷりですよね。とくに、最新回(第8話)で描かれたシンガンクリムゾンズとアルカレアファクトのリベンジ対バンは白熱!! 勝負の行方を固唾をのんで見守った人も多いのではないでしょうか?
というわけで、アニメイトタイムズでは「アルカレアファクト」のキャスト陣にインタビューを敢行! 2回にわけて公開していきます。第1弾で登場するのは、セレン役・筆村栄心さんとアルゴン役・沢城千春さんです。ここまでのストーリーの感想やキャラクターの印象、さらにご自身の身近にある音楽についてまで語っていただきました。
――いろいろ聞きたいことはありますが……まずは、キャストに決まったときのお気持ちからうかがいましょう。
沢城千春さん(以下、沢城):僕は随分前にオーディションに参加していたので、「もうダメだったのかな」と思っていたんですよね。だから、マネージャーに「アルゴンに決まったよ」って言われたとき、実感がなかったんです(笑)。
しばらく進展がなかった時「候補として残ってる」と聞いて、そこからまたしばらくずっと結果を待っている状態が続いていました。だから決まったと知った瞬間は「何が起こったのかわからないけど、でもうれしい!」っていうのが率直な気持ちでしたね。
筆村栄心さん(以下、筆村):僕もオーディションを受けさせていただいてから決まるまでが長かったです。もともとこの作品は第1期から観ていたので、「こんなに豪華なキャストさんがいらっしゃる作品のオーディションを受けられるんだ!」って、受けられること自体すごくワクワクしてたんですけども 「落ちてしまったのかなあ」って思ってたとき、「決まったみたいです」と連絡があって(笑)。だから、徐々にセレンくんに近づいていった感じがしましたね。なかなかドキドキしました。
――はじめてセレンを見たときはどうでした?
筆村:見た目だけだとすごくかわいいんですけど、セリフには毒があったりするので、最初は「腹黒くてあざとい感じの子なのかな」っていう印象でした。でも、演じていくうちに腹黒いと言えば腹黒いんだけど、メンバーのことを想っていて純粋な気持ちでバンドをしている姿勢が見えたんですよ。ほかのバンドに向ける気持ちとのギャップで、性格が悪そうに見えちゃうだけなんじゃないかなって。アフレコがはじまってからは、どんどんそう思うようになっていきましたね。
――そして沢城さんは、役に決まってからアルゴンを知ったと。
沢城:ですね。僕もこの作品自体は知っていて拝見していたんですけど、アルゴンのことはそのタイミングではじめて知りました。僕にとってははじめてのタイプのマッチョキャラなんで、まずは『キン肉マン』を読んでみたり(笑)、アニメに筋肉質のキャラクターが出てきたら注意して観るようにしたりしていましたね。
――そんなおふたりの役作りもあり、アルカレアファクトはとても魅力的なバンドとなっていますね。
筆村:ただ、最初はアプリとかで見ている限り、メンバー間がそんなに仲良くないのかな?って思ってたんですよね。
沢城:そうそう! 僕もアプリのセリフを見たんですけど、仲良いのかな?って雰囲気だったんですよ。一人ひとりがぶつかり合っている感じというか。でも、初回の収録で音響監督さんが「この4人は仲がいいから」っておっしゃって。あ、そうなんですね!と。はじめてそこで知ったっていう。
筆村:そうでしたよね! TVアニメは、4人の関係が進んでいるというか。アプリとはまた違う感じがします。演じるときも、そのへんは念頭に置くようにしていますね。
――そういった解釈や理解があるからこそ、魅力的に映っていたということなんですね!
沢城:まあでも、アルゴン個人に関しては「もしかしたらただの変態の人なのかなあ?」って頭をよぎったりしましたけどね(笑)。ずっと「ハッ、セーイッ! ハッ、セーイッ!!」って言ってるんで。実は普通の人でよかったですよ(笑)。
――(笑)。しかもアルゴンとセレンはかけあいが多いのも印象的です。
沢城:そうなんですよ。実際に会話をしてると、アルゴンはセレンのことラブなんじゃないの?思う瞬間があったりします(笑)。何を言われても「そんなこというなよ〜!」ってうれしそうにしてるんで。
筆村:確かに。セレンはセレンで、「セーイ」「ハッ!」っていうのを言葉として理解してるのかなって思いますね。意思疎通できているというか。
沢城:あはは! すごいよね。きっと、それだけ信頼してるんでしょうね。
泥臭くて熱いシンガンクリムゾンズに、沢城さん共感!
――第2期放送も折返し。クライマックスへと突き進んでいく時期ですが、ここまでのストーリーで、おふたりの印象に残っているシーンってありますか?
沢城:具体的に何話のどこっていうよりは、全体を通してなんですけど、僕はシンガンクリムゾンズさんたちの食事シーンがすごい好きなんですよ。あのシーンのアフレコって、シンガンのキャストのみなさんがアドリブでやってるんですけど、それに毎回「おお……!!」ってなってるんです。で、オンエアでも確認して「やっぱおもしろいなあ」みたいな。
――シンガンの仲の良さがわかるシーンですよね。
沢城:それに、共感できる部分もあるんです。僕自身、声優をやる前に劇団で舞台をやっていたんですけど、当時は芝居のことだけじゃなくて、小道具とか大道具とかスタッフ業務をこなしながらやっていかなきゃいけなくてすごく大変だったんですよ! そういう下積みを経ているから、シンガンさんの泥臭さというか、ザ・バンドマンな雰囲気にすごく胸打たれるんですよね。
――確かに、シンガンってちゃんと自分たちで楽器運んでライブハウスに行ってそうですよね。アルカレはお金持ちすぎてそんなイメージ一切ないんですけど。
沢城:そう。だから、負けないぞ!っていう気持ちが心の奥底からわき上がってるシンガンさんに惹かれるんです。どうしても自分と照らし合わせちゃいますね。
筆村:あと、ザ・中二病なところもいいですよね。演奏も歌も実力があるんだけど、中二らしい子どもっぽさとか無邪気さとかも兼ね備えてて、ステキだなって思います。
――アニメでは敵対していましたけど、キャストさん側から見るとやっぱりシンガンも魅力的なバンドだったんですね。
筆村:そうですね。あとはライブシーンのガヤが特殊なのも印象的です。シンガンのファンって「家畜」って呼ばれてるじゃないですか。だから、ガヤもキャストのみなさんでブヒブヒ鼻を鳴らしながら録るんですよ。それに圧倒されてました。自分も一緒にやってるんですけど、鼻を鳴らすガヤなんてはじめてだったから、みなさんどうやって声出してるんだろう?って見ながらやってましたね(笑)。
――では、筆村さんもシンガンのシーンが印象的?
筆村:それもありますけど、でもやっぱり僕はアルカレの演奏シーンが一番心に残ってますね。アフレコ前にいただいたVTRではじめて『ジャスタウェイク』の演奏シーンを観たんですけど、感動したんですよ。バンドの中では音の土台を担うベーシストのセレンが、軽やかにくるくる回ったりウインクしたりしていて、ギャップにやられたというか。そういうところがセレンくんらしいなって思ったんですよね。
――曲もステキですもんね!
筆村:本当に! VTRの段階ではまだ仮歌だったんですけど、繊細でおしゃれで……。小林さん、こんなに難しい曲歌うんだって思いつつ聴いてました。
沢城:聴いてるだけでテンションあがってくるんだよね! いいな〜って。
――そんな曲をひっさげて、アルカレは第8話でシンガンと二度目の対バンをして破れました。
沢城:いやあ〜、シンガンさんの底力といいますか、泥臭くやってきたからこその勝利!って感じでしたね!!
――沢城さんご自身からすると、やっぱりそっちにも気持ちが向いちゃいますよね。
沢城:そうですね。僕が演じるアルゴンはアルカレの一員ですけど、心の中ではシンガンが負けるのは嫌だなあ、でもアルカレが負けるのも嫌だなあって葛藤がありました(笑)。結果、アルカレは負けてしまったんですけど、物語としてはスカッとしたというか。泥臭くやってきたほうが勝つんだ!!という方が教育上いいですよね(笑)!
――感情こもってますね!(笑)
筆村:(笑)。一度目の対バンのとき(第5話)も、お金と一緒に空から降りてきて「お金」っていうインパクトがどうしてもついていましたからね! ただ、二度目の対バンで負けたとき、チタンをはじめアルカレのメンバー間でお互いの本心を知ることができたので。すごく結束が固まったと思います。
――あ、そうですよね! 負けてしまったあとの展開はすごく温かかったです。
筆村:最後に、チタンの弟2人が「うちに来ればいいじゃん」っていうのも印象深いです。今の時点(※インタビュー時)では、僕らはこの先の展開がわからないんですけど、実際に一緒に住みはじめることになったらどうなるんだろうなあって思ったりします(笑)。
沢城:とりあえず一文無しになったからね。
筆村:はい。みんなお金持ちだから貧乏な暮らしに慣れてないでしょうし、みんな生活スタイルは違うでしょうし、こだわりも強そうなので。そういう風景も含めて、ひとつ屋根の下で暮らす4人を観てみたいですね。
「声優を辞めないでよかったと思える」(筆村さん) ふたりの身近にある音楽
――放送前のタイミングで稲川英里さん(シアン役)にインタビューさせてもらったときにも聞いたんですが、ふたりは普段どんな音楽を聴いているんですか?
沢城:いろいろ聴きますけど、よく聴くのは友だちのバンドの曲とかONE OK ROCKさんとかですかね。あとELLEGARDENさん! 英詞のロックが好きなんですよ。で、メロディはさわやかよりはダーティな感じが好き。全身黒の服で「てめえらついてこい!」みたいな。
――それこそシンガンっぽいですね!
沢城:あははは! もう根っから好きなんでしょうね。あと、ベースが強い曲ってテンションあがるんですよ。結構詞よりもメロディ重視派なんです。だから洋楽もよく聴きますね。洋邦共通してるのは、バンドが好きってことかな。やっぱり、バンドで下積みを知っている人たちが好きですね。
――やっぱりそこに繋がってくると(笑)。しかも沢城さんは楽器が演奏できますもんね。
沢城:ですね。そういうのもあって、自分たちで作った曲を自分たちで歌って届ける!っていうのが刺さるんですよきっと。とくに思い出深いのは、ELLEGARDENさんの『Salamander』。友だちの車の中でかかってて「この洋楽いいな」って思ったら、実はELLEGARDENさんだったっていう。衝撃的な出会いでした。
それからずーっと聴いていて、ギターでもコピーした思い出があります。で、今僕ニコ生やってるんですけど、そこに一緒に出てくださってるのが、ELLEGARDENのベースの方なんですよ! だからもう、すごい興奮してます(笑)。
――図らずも、沢城さんご自身の成り上がりエピソードまで聞けてしまった気がします……! では筆村さんは?
筆村:僕はギターは3日でやめちゃったタイプなんですけど(笑)、一応、ダンスや歌はライブとかでもやってたりするので、それもあって男女問わずアイドルソングが好きですね。
――そうなんですね! 例えばどなたが好きなんですか?
筆村:Hey! Say! JUMPさんやNEWSさんを聴くことが多いです。とくに、NEWSさんは僕が小学校の時から活動されてるので、昔から耳馴染みがありますね。なかでも『フルスイング』っていう曲は、「いろんなことがあったけど、今このステージにみんなで立ててる」っていう内容の曲で大好き。僕、声優を何度も挫折しそうになってるんですけど、ようやく『SHOW BY ROCK!!#』はじめいろんな作品に出会えるようになったので。そういう気持ちとリンクするんですよ。辞めないでよかったなって思えるというか。
――そういうお話を聞くと、音楽の力って偉大だなって思いますね。『SHOW BY ROCK!!#』も、音楽の力がキーになっています。クライマックスに向けてますますアツい展開になっていきそうですが……今ご自身が演じたセレンとアルゴンに伝えたいことを教えてください。
筆村:うーんそうだなあ……。セレンは、見た目と発言にギャップがあって、性格が悪い子なのかなって思われると思うんですけど、アルカレのメンバーのことを尊敬していて大好きなんだなって思うんです。アルカレが好きだからこそ、まわりのバンドに敵意を見せてしまうというか。実は純粋な子なんですよ。
なので、そういう純粋に打ち込む気持ちとかをずっと持ち続けてほしいですね。お金はなくなっちゃいましたけど、これを機に、アルカレのメンバーとさらに結束を固めて上に登っていくことを願っています。
沢城:セレンたちと違って、アルゴンは自分一代で築き上げた富をなくしてしまいました。貯金通帳も、いつも使っていた結構お高い筋トレ器具もなくしてしました……。でも! ここで一度挫折を味わって、今度は企業買収や投資じゃなくて自分たちのバンドで大稼ぎしていただければ、アルゴンの心は完全に満たされると思います。なので、バンドの活動がんばってください!……と、言いたいですね(笑)。
ときにアツく、ときに真摯に、役や作品と向き合い語ってくれました♪ 第2弾は、チタン役・小林裕介さん、オリオン役・八代 拓さんが登場します。そちらもお楽しみに!
[取材&文・松本まゆげ]
作品概要
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