TVアニメ『SHOW BY ROCK!!♯』声優インタビュー! 野口瑠璃子さん・田中あいみさん・木戸衣吹さんが語る“BVLの絆回”と“兄弟愛の回”
TVアニメ第2期となる『SHOW BY ROCK!!♯(ショウバイロック!!)』が現在放送中! アプリゲームとして誕生した本作は、バンドをテーマにメンバー同士だけでなく、バンドの垣根を超えたさまざまな絆のかたちを私たちに見せてくれています。物語も佳境に入り、釘付けになっている人も多いはずです!
本作に関して、アニメイトタイムズでは稲川英里さん(プラズマジカ・シアン役)にはじまり、アルカレアファクトの筆村栄心さん&沢城千春さん(セレン役&アルゴン役)、小林裕介さん&八代 拓さん(チタン役&オリオン役)のインタビュー記事を公開してきましたが、それも今回が最後。ラスト飾るのは、「BUD VIRGIN LOGIC」(以下、BVL)のキャストのみなさんです。今回も、キャラクターのことや名シーンのこと、そして3人が好きな音楽のことまでじっくり聞きました♪
――まずは、キャストに決まったときのお気持ちから聞いてみたいです。
田中あいみさん(以下、田中):私は、事務所でマネージャーさんから「この前受けたオーディション、決まったよ」って教えてもらったんですけど、その場でめちゃめちゃ泣いちゃって。マネージャーさんを戸惑わせてしまいました(笑)。
――わあ……! それだけうれしかったってことですよね。
田中:私、高校のとき軽音楽部でバンドをやっていて、すごく楽しかったんです。それを作品として仕事としてできるんだって思って。本当にうれしかったですね。事務所に居たほかのスタッフさんも「よかったね!」と言ってくださって。余計にうれしくなりました。
木戸衣吹さん(以下、木戸):で、私は、受けてだいぶ経ってから連絡が来たんですよ。いつもよりも待ってる期間が長かったから「あー、ダメだったのかな?」って思ってたんですけど……決めていただいて。驚いたと同時にうれしくなりました。それに、サンリオさんの作品じゃないですか? 私、キティちゃん大好きなので。それもうれしかったです!
――では野口さんは?
野口瑠璃子さん(以下、野口):私の場合はトントントン!と決まっていった感じでした。セリフ録って歌録って、「決まりました!」みたいな。『SHOW BY ROCK!!』はもともと好きでゲームもやっていたので、純粋に「あ、出られるんだ……!」って思ったのをおぼえています。それに、アイレーンちゃんかわいいですし。こんなに魅力的なキャラクターを演じられるんだっていうよろこびもこみあげてきました。音楽も大好きなので、音楽が大事な作品に携われてうれしいです。
――しかも、アニメの中では特殊な立ち位置でしたよね。見た目はかわいいけど、ヒールというか。
田中:確かにギャップはありますよね。衣装はゴシックな感じでカッコいい雰囲気もありますし。そんな3人ということで、瑠璃ちゃんがよく言ってるのが「闇かわいい」で。あ!それだ!ってすごく思ったんです。
――いいフレーズですね! ひと言でBVLを言い表してる。
田中:プラズマジカのみなさんが光だとすると、BVLは闇にあたるのかなという印象を受けていました。
野口:それに、これまでアニメに出てきたガールズバンドの中では、楽曲もハードなものが多いので、かわいい面とハードな面とのギャップは、3人の魅力だなと思います。
木戸:そうそう、ロックでかっこいいんですよね。でも実は私、最初のオーディションでいただいた資料を見たとき、どちらかというとカッコいい印象を受けたんです。だからドスきかせたお芝居で臨もうと思ってたんですけど、その後いただいたアニメの資料は目が大きかったので。あ、可愛い感じのほうがいいのかな!?ってちょっと迷ったことがありました(笑)。結局、アフレコでは「力強い感じの低い声でお願いします」とディレクションがあったので、それ以降は迷わずに演じられました。
――印象によって演じ方も変わりますもんね。しかもハンドレッコは特殊な3人のなかでもさらに特殊です。
木戸:いわゆるアンドロイドですからね! なので、基本的には無機質な感じを出せればなと思っていました。ただ、アイレーン様のことになると怒鳴ったりして“心”がある感じに。「アイレーン様の命令は絶対守る!」という忠誠心があるので、メリハリをつけて演じました。あと、ペイペインとハンドレッコは、アイレーンの“お姉さん”的な立場でもあるので。声も落ち着いた感じを意識しました。
――ではペイペインはどうですか?
田中:最初は、アイレーン様しか信用してないと思ってたんです。でも、音響監督の三間さんから「ハンドレッコとペイペインはニコイチで、アイレーンを守るふたりのナイトだよ」と聞いて。そこで「ペイペインはハンドレッコのことを結構信用してるんだ!」ってはじめてわかったんです。ハンドレッコと2人で協力して相談して、アイレーン様を止めないとっていう葛藤も共有していたというか。
――第9話でようやくハッキリ見えてきたところですもんね。最初にそこが見えているのといないのとでは、やはり声の雰囲気も変わりそう。
田中:なのでアフレコでは、アイレーン様に対してとハンドレッコに対してと、それ以外!みたいな感じで“態度の差”を意識しました。あと、三間さんからは「30歳のくの一みたいな感じで」っていうディレクションも(笑)。要は声にセクシーな感じを入れて欲しいということで。はじめは戸惑いましたが回を追うごとに戸惑いもなくなってきて、セクシーっていう部分をそこまで意識しなくても自然に演じられるようになったので、だんだんペイペインとシンクロしてきたのかなって思います。
――そして、ペイペインとハンドレッコから一目も二目も置かれているのがアイレーンです。
野口:アイレーンは上から目線のキャラだから、自分から偉いんだぞって一生懸命演じてしまうと、逆に小物に見えてしまうので、難しいんですけど、ナチュラルに、がんばりすぎないように王者の風格をかもしだすようにしてます。それこそドスを利かせる感じで低い声を意識しました。音響監督の三間さんと細かく打合せをしてアイレーンを作っていきました。
――アイレーンにはかわいらしさもありますよね。
野口:演じる上ではかわいさは捨ててますね。アイレーンはきっと意識していないと思うので。本気の怒鳴りとか本気の悔しさとかを気持ちの動きを強く意識していました。
――なるほど! アイレーン様のかわいらしさはにじみ出るものだったんですね……!
3人が見たいと望むのは「BVLの穏やかな日常」♪
――では、ここまでで印象に残っているシーンも聞きましょう。BVLにとっては、第9話を語らずして……ということもあるかもしれませんが?
田中:ですね。ペイペインは、あの回でアイレーン様に対してはじめて意見をしたんです。お願いだから教えてください、頼ってくださいって。しかも、プラズマジカのみなさんの曲が演奏されているなかでそのシーンがはじまるんですよ。その曲と相まって、私も感情をのせやすかったんです。見ごたえのあるシーンになっていたらいいなって思います。みなさんにも注目してもらえてたら嬉しいです。
――確か、リハVの段階で曲が入ってるんですよね?
田中:そうなんです。アフレコ本番の現場では流れないんですけど、家で練習しているときはイメージしやすかったですね。
――私もあのシーンでBVLの絆を感じました。
木戸:ハンドレッコは、そこのシーンではあまり自分の思っていることを言えてなかったんですけど、アイレーン様に告白して、アイレーン様との距離がさらにグッと縮まったと思います。アンドロイドですけど、そのときはじめて涙を流したりしていて……うん、いいシーンだなあって思いますね。
野口:それまではアイレーンが“絶対”で、ふたりは後ろをついて歩いてるだけっていう感じもあったじゃないですか。でも、第9話でふたりがはじめて意見を言って。「あ、3人は仲間なんだ」ってそのとき私自身も気付きましたし、たぶんアイレーンも改めて二人の大切さに気づいたと思うんです。第9話はBVLの絆の回ですね。
――そして、アイレーンは第10話も印象的でした。
野口:アイレーンの生い立ちや家族の謎が見えてきましたよね。それに“お兄ちゃん”も出てきたりして。私自身も「ああこんなことがあったんだね」「お兄ちゃんのことが本当に好きだったんだね」って、新しく知ることが多くて。皆さんにどんな風に受け止めていただけたのか、ドキドキしていますが、 楽しみでもあります。
――電車のシーンもとっても感動的でしたね!
野口:あ、そうですよね! ちょっと泣きそうになっちゃいましたもん私(笑)。お兄ちゃんへの恨みももちろんあったんでしょうけど、アイオーンがちゃんと向き合ってくれたからアイレーンも素直になれたのかなって思います。
――直接的ではないにしろ、BVLの絆が深まったのはプラズマジカの影響も大きかったと思います。
野口:キラキラしてますよね、彼女たちは。
田中:仲良し! 元気!っていうか。
野口:それに絆が強いんですよね。第1期で固まって、第2期でさらにパワーアップしてさらに仲良しになったっていうか。憧れの絆のかたちです。いいないいなーって思いますもん。
木戸:確かに! お互いを思い合ってますからね。
野口:プラズマジカみたいなほっこりした回、BVLでも観たいですよね。今まで私たちって、葛藤とメラメラした感じばかりだったんで。
田中:わー本当だ! 葛藤と憎しみと……
野口:葛藤と憎しみと「お前を倒す!」みたいな(笑)。そういう感じだったので、和やかでほっこりした、マンガで連載されてるような日常を見てみたいです。
――演じるときも、また違った楽しさがありそうですね。実現してほしいです……!
「ロックがもっと好きになりました」(野口さん)
――『SHOW BY ROCK!!♯』のキャストインタビューでは毎回伺っているんですが、みなさんにとって身近な音楽は?
田中:私はバンドをやっていたというのもあって、ロックバンドが好きです。アプリでタイアップされている04 Limited SazabysさんとかBIGMAMAさんとかは、ライブDVDも持っていて観ています。だからこの作品に出られるって決まってアプリをやってみたら、知ってる曲がたくさんある!って思ったんですよ(笑)。好きなバンドの方々がアプリとタイアップされていると知ってテンションが上がりました。
――ちなみに、軽音楽部時代のパートは?
田中:ギターとボーカルです。そもそも、中学の時にYUIさんにハマってギターをはじめたのがキッカケなんですよ。バンドでもギターを弾きたくて入ったんですけど、いざ組んでみたらみんな「歌はちょっと……」ってなっちゃって、私がボーカルになりました(笑)。
――そんな事態が(笑)。ともあれ、好きからはじめたバンドだからこそ、ずっと好きで聴いているんでしょうね。
田中:家でも、ライブDVDをつけっぱなしにしておくと心地良いんです。なかでも、お客さんとやり取りしてるのがすごく好きですね。「もっと声出んだろ!」みたいな。そういう盛り上がる曲っていうのが、自分の中で身近な音楽です。アツくなれます!
木戸:私も、ロックバンドか洋楽を聴きますね。とくに洋楽は最近耳にする機会が多くて、よく聴くようになりました。ジャスティン・ビーバーさんとかアリアナ・グランデさんとが好きですね。
――聴くときは歌詞も見たり?
木戸:いや、聴いてるときは歌詞の意味は理解してなくて (笑)、あとで調べてまた聴き返したりしています。あとはやっぱりメロディがカッコいいんですよ。全体の雰囲気とか。日本にはない特有のものがあるなって思って、惹かれます。
野口:私はなんでも聴きますね。アイドルも洋楽も80年代の歌謡曲も。最近だと、星野源さんの『恋』をよく聴いてます。かわいくて癒やされるんですよ。主題歌になっているドラマも大好きで観ているんですけど、曲を聴いてるだけで、ハッピーな気持ちになるんですよね。
――それぞれ、いろんなかたちで音楽を楽しんでいるようですが、『SHOW BY ROCK!!♯』ではBVLとしての楽曲もありますよね。野口さんは実際に歌ってみてどうです?
野口:うーん、すごく難しかったですね! 難しかった……!! とにかくキーが高かったんですよね。それでなおかつ感情を入れてなので、本っ当に難しかったです。
――感情がこもってます(笑)。とくに難しかった曲は?
野口:『断罪のソリテュード』ですね。サビの最後のフレーズが高かった……! レコーディングでは何回も何回も録ったのをおぼえています。あとで自分で聴いたときも、「あ、絞り出してるなあ」って思いましたし。そこも楽しんで聴いてもらいたいですね(笑)。ともあれ、どの曲にもいえますけど最終的にすごくきれいに仕上げてくださるので完成したものを聴くと「あぁ、頑張った甲斐があったな」って思えます。ロックがもっと好きになりましたね。
――BVLの曲って、ロックとして世界観が確立されてますからね。
木戸:闇かわいい!ですよね!
野口:それにカッコかわいい!
田中:あとは、凛としている印象もありますね。 透き通っているというか、パーン!と力強く、クリアなイメージ。
野口:歌詞も、アニメとアプリでは結構違いがあるんですよ。アプリでは内面を切なく歌っているものが多いんですが、アニメではもっと攻めている感じ。その違いを楽しむのもいいと思いますね。
――では最後に。最終回に向けてBVLの3人にそれぞれメッセージを送れるとしたら、なんと伝えたいですか?
木戸:いつまでもアイレーン様を守れるように、頻繁に充電するんだぞっ!ですかね。
――あ、それは確かに大事ですね!
田中:ペイペインの話聴いてないときあるもんね?
木戸:そうですそうです(笑)。充電切れちゃうと寝ちゃって何もできないアンドロイドなので。そこはちゃんとしてねって言いたいです! しっかり充電充電!
――(笑)。では田中さんもお願いします。
田中:私が伝えたいのはこれからもアイレーンを支えてあげてね、ですかね。アイレーン様って、強いと思いきや多分そんなに強い子じゃないし、妹感があるんですよ。守ってあげなきゃいけない儚さがあるというか。なので、しっかりとペイペインとハンドレッコが支えてあげないとなって思います。また同じこと繰り返したくないですからね!
野口:で、アイレーンは……兄父母、そしてアイレーンの中ではペイペインとハンドレッコも家族だと思ってると思うんですけど、そんな“家族”と仲良く、これからもすばらしい音楽を作って歌っていただきたいなって思います。
ハードロックを奏で、つい先日までMIDI CITYの平和を脅かす存在だったBVL。そんな彼女たちを演じていたとは思えないほど、明るく和やかに語り合ってくれました♪ アルカレアファクト同様、BVLの今後も見てみたいですね……!!
クライマックスに向けて目まぐるしく展開している『SHOW BY ROCK!!♯』。それぞれのインタビュー記事も見ていただきつつ、今後のストーリーを見守っていきましょう!
[取材&文・松本まゆげ]
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