LiSA 横アリ公演「the Moon」ライブ詳細レポ

LiSA 横浜アリーナ公演、2日目「the Moon」ライブレポート――「君の曲たくさん歌うからね!」

 2016年11月26日(土)・27(日) 、LiSAさんが2Days ワンマンライブ『LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~in横浜アリーナ』を開催しました。“ストーリー型体験ライブ”というコンセピチュアルなライブで、1日目は「the Sun」、2日目は「the Moon」と名付けられ、趣向を凝らしたステージで超満員のLiSAッ子を魅了。ライブの後半には、今後のツアー、リリースにまつわる重大発表もありました。

 また、昨年の幕張メッセ公演にて大好評を博したフードメニュー専門の「里沙家」がアリーナ前に出店するなど、開演前からフェスのような賑わいに。アニメイトタイムズでは、2日目の「the Moon」公演の詳細をレポートします!


この日のために特別に用意された「the Moon」の物語

 OASIS、RadioheadなどのロックナンバーがBGMとして掛かる中、「もう間もなく開演です」というアナウンスが掛かれば、湧き上がる大歓声。LiSAッ子たちの期待が高まるなか、「the Moon」公演は、おとぎ話のようなSEとアニメーションからスタートしました。

 物語冒頭では、少し引っ込み思案で心配性のMoonと天真爛漫なSunという2人の姉妹が他愛のない会話からケンカしてしまい、声をそろえて「こんな家、出て行ってやるわ!」と自宅を後にしますが、Sunは突如暗闇のなかへと引き込まれてしまいます。そこに現れたモモコというピンクのカエルがキーパーソンとなり、「絶望の暗闇」なるものに立ち向かうことに──というオープニングムービが終わり、『crossing field』でライブが幕開けしました。

 「最高に楽しんでいきましょう、ピース! 一気にいくよ!」と、『ROCK-mode』『Bad Sweet Trap』で、フロアセンターに長く伸びた花道を掛け抜けながら激しく畳みかけ、ピンクに染まった客席をより濃くLiSA色に染めていきます。黒を基調としたロックテイストの衣装が、とても似合っていました。

 3曲歌い終わると、歓声を全身で受け止めるかのように、ニコニコと客席を眺めていたLiSAさん。「2日間も横浜アリーナを貸し切ってしまいました。昨日もたくさんの方がきてくれたんですが、今日もいっぱいだね、本当にどうもありがとう!」と、語尾に力を込めます。意気込みすぎたせいか「今日は、the Sunということで……」と間違えてしまうものの、手で顔を覆って照れる姿も可愛らしかったです。

 気を取り直して「いろんな不安もいっぱいあったんですけど、1日目で不安の魔物を倒してきました。もう横浜アリーナは私たちのものです」「今日は君の寂しさもワガママも大変さも、ぜんぶぜんぶ置いていっていいよ!君の曲たくさん歌うからね!ここにいるみんなで最高に楽しみましょう!」とアジテートし『アコガレ望遠鏡』を歌います。

 きらびやかなキーボードが今度は『ヒトリワラッテ』でダーティなムードへと引き込んでいき、LiSA自身もピンクのギターをかき鳴らしました。さらに『DOCTOR』『Psychedelic Drive』……と、孤独、不安のなかで生まれる複雑な感情、エゴイスティックながらも、それでもみんなと繋がりたいと求めるような歌を力強いパフォーマンスで届けたのがこの中盤戦。サポートメンバーの絶妙なコンビネーションもさすがです。

 そんななか、白いドレスのダンサーが舞うなか披露されたバラードの『シロイトイキ』は特に印象的でした。LiSA自身もMoonのような白いドレスをまとって、<白い吐息が 明日のお日様にも 笑いかけられるような 歌になればいいのになぁ>と歌います。物語につながる言葉を一つひとつ大切に歌うLiSAさんの姿がとても美しく、5年目ならではの表現力を改めて感じさせます。

「月の光がみんなに届きますように……」。

 後半ブロックに入る前にムービーへ。モモコの案内のもと、占い師・シャンウェイのもとに連れてこられたMoon。シャンウェイは、この世界はいま絶望の暗闇に包まれようとしていると前置きし、「メイ(明)を探しなさい」と助言する。メイとは人なのかモノなのかと戸惑うMoonだが、「それは分かっているはず」とも言われ、改めて自分の気持ち=「Sunに会いたい」と認識します。表においてある心の向くほうにワープできる自転車を使っていい、と言われたMoonは、「一人が気軽で好きだったのに、ね」とつぶやきながらも、殻を破って前に進むことに。Sun(日)とMoon(月)が合わさると、答えは──。

 
自転車で空中飛行!? 驚きの後半戦

 演出面により力が入っていく後半戦。ステージに登場したLiSAさんは『No More Time Machine』で、特製カメラを片手に元気いっぱいにパフォーム。さらに『WiLD CANDY』で自転車に飛び乗り、虹色に変化した花道の真上を空中飛行(!)。LiSAコールで場内をさらに盛り上げ、後方ステージで仲良く待つダンサー2人=SunとMoonのもとへと到着します。

 そして、はじけるようなピアノとサウンドで、久しぶりの『アシアトコンパス』を。近くにいるLiSAッ子と一人一人手を繋ぐようにリズムを刻みながら、「いいね!」「カモン!」と曲中にも関わらずどんどんと語り掛け、曲が終わったあとは「今日どっから来たの?」と話しかける場面もありました(ちなみに、江戸川区と千葉県から来られたとのこと)。

 後方ステージの色=水色(Moon)、白(明)、赤(Sun)の3色。それにちなんで、アリーナ客席半分をMoonとSunとチーム分けをして、LiSAさんの掛け声のもと「Moon!」「Sun!」とコール合戦。「ゲームをします」と、そのまま雪崩れ込むように『エスケープゲーム』に。誰も指示していないのに、自然と会場半分が水色と赤のペンライトで染まったことも凄かったですが、「男子!」「女子!」のコール合戦のときの後者の声の大きさにも圧倒されました。

 唐突に「江戸川区!」「千葉県!」コールも登場(笑)。この公演はキャリア最大規模のワンマンとのことですが、あまりに濃密な空間とコミュニケーションに、もはや会場がライブハウスのように見えてくるから不思議です。

 ゲームは「Moonの勝ち」でしたが「落ち込んでるヒマはないよ!」と、『Rally Go Round』へ。場内をカラフルに染め上げながら、「しゅっぱーつ!」と今度はゴンドラに乗って客席センターを移動。メインステージに戻ると「横アリ、そろそろ本気見せてよねー!」と、8月に発表した『Brave Freak Out』を届けます。

 さらに『She』で花道中央のリフトに乗り、枠に足を掛けながらダイナミックに熱演。その間ステージでは、ダンサーの2人が初の殺陣に挑戦し(美しい!)、突如ステージに現れた巨大な生き物=絶望の暗闇の正体であるディスペアーを倒すために戦い、そこにLiSAさんも参戦! 無事、ディスペアーを倒しました。

「君はいま、君だけの物語の途中です!その物語を最高にするのは君自身です!最高の物語の続きをここからも作るよ~!」

 そのメッセージを体現したかのようなラストスパートに、LiSAッ子たちの掛け声はさらに熱を増していきます。『Hi FiVE!』の後に流れたエンディングムービーでは、語り部が「2人が再会したとき、世界はやっと明るさを取り戻すことができました。二人は希望の光を手に絶望の暗闇に立ち向かい、未来に立ち去ることができたのです。明るい気持ちも、時に暗い気持ちも、誰の心にもあるもの。どちらもが自分らしさのひとつひとつだと認め、受け入れて、そうして愛していくことが大切なこと」と伝えます。そして、この2人の物語は、<NEVER ENDiNG GLORY>と呼ばれ語り継がれていったと──。

 本編ラストに歌われたのは、『終わらない冒険』。淡い色のドレスを身にまとい、ファンと一緒に歌います。

「最初は一人で歌が好きだったはずなのに、みんなに出会って、叶えたい夢がたくさん生まれました。こうやって横浜アリーナを2日間も大好きな歌を歌ってみんなで過ごせてるとは思いませんでした。そんな未来が先にあると思わなかった!でもみんなに出会って、もっと行きたい場所も、もっともっと見たい景色も、たくさんできました! 本当にどうもありがとう!」。

 別れを惜しむかのように、「もう1回だけ!」とシンンガロングを客席に求めるLiSAさん。「どんな未来も一緒に作っていこうね! そうやって終わらない冒険をみんなで続けよう!」。と大きく手を振り、ひときわ大きくなった歓声を受け止めながら「ばいち!」とステージを後にしました。


アンコールでは今後にまつわる重大発表!

 止まらないアンコールに応え再び登場したLiSAさんは、改めて「ありがとう!」と感謝の気持ちを言葉にします。そして、昨日発表した全国3都市で行われるアリーナツアー『LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~』、2017年2月18日に公開されるアニメーション映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の主題歌を担当すること、そのシングルが2月15日に発売されることをおなじみのカンペノートを見ながら伝え、一つ一つのニュースに大きな歓声が沸き起こりました。

 その興奮冷めやらぬなか、新曲『Catch the Moment』を昨日に続き披露。この日のライブにも似合う、少しの切なさを含んだ爽やかな希望の曲です。

「カッコいいでしょ?」とチャーミングな声色で問いかけると「最高!」と大歓声が起こりました。

「ずーっとこの時が続けばいいのにって大事な時間が増えると思ってしまって。だったら最初から大事なものなんてないほうがいいのになってずっと思ってました。だから大好きなモノも大切なものも誰にもわかってもらえなくていいって思ったし、むしろ誰も触れないでって。そんな気持ちを思っていたら、Moonのような曲がたくさんできて。今日やった曲たちは、ひとりぼっちだったり、ワガママな気持ちだったり、本当は思っちゃいけないんじゃないかって汚い気持ちだったりだけど……みんなに出会って、叶えたいことがたくさん増えました。見たい景色が増えました。喜んでもらったり、好きだって言ってもらえたりするのって凄く嬉しいんだなって……」。時折声を震わせながら、いまこの瞬間に感じている素直な気持ちを一気に吐き出し、「ふぅ」と息をつきます。

「胸を張って好きだって言ってもらえたり、遊びにきてもらって一緒に歌を歌ってもらえることって凄くすごく嬉しいんだなって思いました。そうやって一個一個重ねてきた時間がずーっと続けばいいのにって曲が『Catch the Moment』です」。

 「大好きだー!」という声が響くなか「大事な時間を一個重ねたら、次も会えるんじゃないかって期待してもいいよね? さよならは悲しいけど、その先に何かあるんじゃないかってちょっとだけ前を向いて、強がった曲をみんなで歌いたいと思います」と、『ツヨガリ・ファンファーレ』を観客と共に大合唱。「いい感じ!もっともっと歌って!」「もっともっと!」とひとつにしていきます。ライブが終わってしまうという寂しい感覚よりも、いまみんなで気持ちを共有している充実感が勝ってしまう、最高の瞬間でした。

 そして「全部置いてくよー!ホントにラスト!」と、ステージを降りて、再びピンクの自転車で客席を一周しながら『best day, best way』を熱唱。<自分だけのストーリー 描いていくからね>という歌詞が、胸に染みます。

 「ほんとにほんとにほんとに……どうもありがとう!」。初の殺陣もあったダンサー・ドーナッツの2人、たくさんの曲を演奏してくれたサポートメンバー、協力してくれたスタッフ、なにより「ここにいる」みんなに、とびきりの笑顔で感謝の気持ちを伝えたLiSAさん。気持ちを伝え終えると、感極まって涙を流した顔を思わず手で隠していました。

「(今回のライブは)みんなの毎日が全部栄光に続いていますように、という願いを込めて作りました。前を向きたいSunの気持ち、後ろめたいMoonの気持ち、みんなのなかにもたくさんの感情があると思います。でも、全部、ぜんぶ愛してあげて下さい!それはとても難しいことです。だけど、私がこれからも嬉しい気持ちも大変な気持ちも、ちょっと後ろめたい気持ちも、ぜんぶ音楽にしていきます。だからまた、音楽で遊ぼうね!」

 MoonとSunと、そして<メイ>につながるまでの物語は、彼女の生き様そのものでもあるのだと私は感じました。「物語」というエンターテインメントな表現のなかで、「君が君自身の物語の主人公なんだよ!」というメッセージ、そしてその先の希望の歌を全力で届けたロックヒロイン・LiSAさんの姿も、LiSAッ子たちの笑顔も、一段と眩しかったです。今日も、きっと明日もいい日だ。

[文/逆井マリ]

 

CD情報
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌
LiSA「Catch the Moment」

11th Single
2017年2月15日(水)リリース

【初回生産限定盤(CD+DVD)】価格:¥1,800(+税) 品番:svwc70233-70234
【期間生産限定盤(CD)】価格:¥1,300(+税) 品番:svwc70235
【通常盤(CD)】価格:¥1,200(+税) 品番:svwc70236

 
>>LiSA公式サイト
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