今年はいっぱい仕事した! 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の主題歌を担当するLiSAさんに、自身の2016年を振り返ってもらいました
2017年2月18日に公開を予定している『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』。かつてないスケールで描かれる本作の主題歌が、LiSAさんの「Catch the Moment」に決定したということで昂ぶった人も少なくないでしょう。
そんなLiSAさんにとって、今年は自身のデビューからちょうど5周年という節目にあたります。2016年は自分にとってどんな1年だったのか。主題歌「Catch the Moment」のことも伺いつつ、この1年をまるっと振り返ってもらいました。
─2016年を振り返ってみた率直な感想は?
LiSAさん(以下、LiSA):いやー、いっぱい仕事したなと(笑)! このエクセル年表(編集部:長谷が制作したLiSAさんの2016年活動年表、A3サイズ)を見るとすごく達成感がありますね。
─ライブもかなりたくさんされていましたね。やはり今年といえば全17公演の「Hi! FiVEツアー」がどどんときますが、このツアーを終えてみていかがでしたか?
LiSA:今回初めてのホールツアーだったんですよ。今までは「ライブハウス」で自分の身体とバンドだけでライブを作ってきたんですけど、今回のツアーはホールという大きな場所になったことで、関東でやるような大きなセットで魅せていた景色を、いろんなところに持って行ってあの景色を魅せられるようになったのがすごく嬉しかったです。
─演出的にはホールのほうが大胆に使えそうですね。そこはひとつライブハウスとはまた違った良さというか。
LiSA:そうですね。ライブハウスは基本スタンディングなので、少し後ろの方にいると「視覚的」というより「音」でその場を感じるようになって、周りの人の熱量を受けて、雰囲気を楽しんだり、音に浸ったりするじゃないですか。
でもホールって「視覚」でも楽しんでもらえるのが、特徴だなと思っているんです。ライブハウスはみんなが塊になって迫ってくる感じがあるんですけど、ホールだと一人一人が一生懸命に熱を伝えてくれようとしているのがあって、それぞれ全然違うライブができるなと思いました。
─ライブハウスとはまた違ったLiSAパフォーマンスを伝えられたと…。
LiSA:ホールならその場その場で遊んでもらえるセットリストや間の置き方、曲の配置なんかを工夫して、ホールでしか楽しめないことを楽しんでもらえるようにしてます。
ライブハウスはずっと立ってることになるから、その間でどれだけみんなの気持ちと集中力を途切れさせずに最後まで連れて行くかを考えてセットリストを組んでますね。
─セットリストからも構成的な違いがあるんですね。17公演のツアーで、最初と後半とでは感じ方も変わってきましたか?
LiSA:全然違いましたね。最初は自分も探り探りで、1公演ずつメンバーで集まって「次はこうしてみよう、あぁしてみよう」っていうことを重ねていきました。それを最後には全部自分のものにして、ファイナルを迎えられたなと。
─横浜アリーナはすごかったですね。空を飛ぶわでっかいモンスターは倒すわ……。
LiSA:盛り沢山でしたね(笑)。でもみんなと作ってきた5年間があったからだと思うし、「LiSA」っていうモノが固まって表現できるようになったのが横浜アリーナだった気がします。
─この5年の間で、LiSAさんとファンの距離がすごく近くなったなと思うんです。今年だったらLINEスタンプを発売したり、コラボグッズを作ったり、常に生活のどこかにLiSAさんがいると思うんですけど、そうした距離感なるものは意識されていますか?
LiSA:全部繋がってるんですよね。私が普段使ってるものとか、好きなものとか。「LiSA」が好きなものを皆が同じように、等身大で見てくれるんです。
例えば私が好きなブランドをみんな知っててくれるから、そのブランドが好きな子たちは、私が作るものも好きになってくれると思うんですよ(笑)。だからそういう意味では、一つ一つ大切に作ってきて良かったなって思います。
距離感で言えば、Twitterはずっとやってますし、ブログもずっとやってます。ファンレターもしっかり読んでますし…そうそう、instagramも始めましたしねぇ…(年表を読む)。
─11月にはInstagramのフォロワー6万人突破してますね。
LiSA:ほんとだ、すごい(笑)。あ、Facebook50万人突破とかも年表に書いてある。
─LiSAさんのファンって「LiSAが好きだッ!」っていうのがすごく溢れてるように見えるんですよ。そうした「好きを示したい」っていう思いを汲み取ってくれてるのは嬉しいなと思います。
LiSA:自分が好きなものを他の人が好きになってくれるって、すごく嬉しいことなんだなっていうのが去年わかったんです。それが象徴的だったのが去年幕張メッセでやった「LiVE is Smile Always〜メガスピーカー〜」です。このライブは好きなことを思いっきり叫ぶ、大事なものを自分で守るっていうタイトルだったんですよ。
それがこうして1年積み重なって、ついに爆発して、自分の認めてもらった“Sun”の部分と、誰にもわかってもらえず私自身も許してあげられない“Moon”の気持ち。その2つを表現できたのが今年の横浜アリーナだったなと思います。
─今年は今まで築き上げてきたLiSAブランドみたいなのを爆発させた年だなと感じました。
LiSA:そうですね(笑)。
─その中にも小さな挑戦はいくつもあったとおもうんですが、コレは特に新しい挑戦だなっていうのはありますか?
LiSA:サマソニですね。私はアニメの世界に入る前からアヴリル・ラヴィーンやグリーン・デイが好きで、そういう大好きな人たちが全部出ているのがサマソニだったんです。
私自身、サマソニにずっと出たいと思ってバンドやライブもやってたんですけど、その間に好きなものがたくさん増えていって、アニメにも関わらせてもらって、そうしてどんどん好きが広がって今の音楽になってるんですけど。
それがサマソニに繋がったっていうのは私の中では大きな出来事でしたね。自分の中の好きなものが他の多くの人に認めてもらえて、そこに行けたっていうのはすごいことだなと思います。
─では一方で、今年1年のなかでプライベートでの変化や発見などはありましたか?
LiSA:そうですね……。LiSAの活動で伝えてるメッセージとちょっと似通ってくるんですけど、許せるようになりました。いろいろなものを。
─許せる、ですか。
LiSA:お休みの日にただただ寝るだけの1日を許せるようになりました(笑)。
今までは朝から自分でスケジュールを詰め込んだり、時間があるんだったら歌詞作りのために映画とか見て視野を広げてみたりしようとか、考えてましたね。でも、今年は頑張れない自分も許してあげられるようになった気がします。お休みした分だけ頑張ろうって思えるようになりましたね。
─余裕やゆとりを許せるようになった5年目ということですね。そのゆとりを受け入れるようになって、今まで興味はあったけどできなかったみたいなことに挑戦したことはありました?
LiSA:あー、料理ですね。料理って「買い物をしなくちゃいけない時間」とか、「料理をする時間」があるじゃないですか。その時間がもったいなくて、今まではやらなかったんです。
─ストイックの極みですねもはや…。
LiSA:そんなタイプだったんですけど、最近は「なんか煮てみようかな」とか、「カレー作ってみちゃおうかな」みたいな(笑)。そういう気持ちになってます。
─でもそういうストイックな姿勢って、LiSAさんのパーソナルにうっすら見えてはいるんですよ。それが、来年からは少し違ったかたちになるかもしれないし、もしかすると曲や詞に影響するかもしれませんね。
LiSA:そうですね。今年は許しの年でした。そのテーマの最終系が“Moon”の日だったなと。その気持ちも許すっていう。
─そうした内面の変化は、聞けば小さなことかもしれませんが非常に大きな転換点だったように感じます。
LiSA:今までは「私自身」と「LiSA」は別物だと思ってたんですけど、5年かけて2人がリンクしてきたなと感じてます。自分の中にある思いや、普段生活してる中で考えたりすることが音楽に繋がる、そこで感じたことはライブに繋がる、それが「LiSA」としての表現に繋がっている。そこってやっぱりイコールなんだなって、5年目でやっと感じてます。
─決して2016年だけがLiSAさんにとって特別というわけではないとは思うんですけど、こうしてお話を聞いていると「2017年のLiSAは何かが変わる!」と強く感じました。
LiSA:やったぁ(笑)。
─それでは来年の像もチラっと見えたところで、新曲「Catch the Moment」のお話もうかがっていこうかなと思います。初めて聞いた時の感想はいかがでしたか?
LiSA:「ソードアート・オンライン」という作品に関わらせてもらって、開けた道ってすごく多かったんです。
最初の「crossing field」からはじまって、それが続いて2期EDの「シルシ」では自分の気持ちと重ねることができて。
海外でライブをしているときにMCで「Next song is Sword Art〜」と言った瞬間にお客さんが大盛り上がりしてくれるんです。海外の人も巻き込んじゃうくらい「ソードアート・オンライン」という作品が私を引っ張っていてくれる気がしてて。
密に関わってきた作品が長く愛されて、そこから映画になって全世界に行き届いていくっていうのは、私はSAOと一緒に成長してきたな、この作品と一緒に大人になってきたなって思ってるんです。
─一緒に成長という言葉がすごくしっくりきますね。
LiSA:なので、今回劇場版の主題歌を任せてもらえるっていうのは、みんなの信頼も含めて、作品と一緒に成長してきた私自身もすごく嬉しいなって思っています。
─LiSAさん的に「Catch the Moment」の特にここを届けたいという部分はありますか? 本音は全部そうなんだとは思いますが!
LiSA:えぇー、うーん……(長考)。そうだなぁ…。サビ後半の「あと何回キミと笑えるの?」かな。そこには良い意味も悪い意味も含んでいて、一番わかりやすいのかなとは思います。
あと私的には「集めた1秒を、永遠にして行けるかな」という歌詞にも注目してほしいかも。今までの私だったらこの歌の様に「永遠」をとらえてはなかったし、なんなら「永遠」なんてねーよとか思ってましたし(笑)。
─なんだかとてもしっくりです、そのスタンスは。
LiSA:でも、この5年間でみんなに出会って、どんどん輪が大きくなっていって、自分が想像もしていなかった出来事がどんどん増えていって、このまま進んでいったら、おじいちゃんおばあちゃんになっても今みたいなライブができてるかもしれないという希望みたいなのをみんなからもらったと思うんです。
そういうのが歌えるようになったのは、みんなと歩いてきた「今」があるからだと思ってます。だからみんなと一緒に年をとっていきたいですねぇ。
─「Catch the Moment」の発売は2017年の2月15日を予定されていますが、もうその頃には2017年のライブやイベントも始まっていると思うんです。そんな2017年に向けて思うところは?
LiSA:んー……、正直ないですね! そりゃ、やりたいことといったらドームやりたいとかどこどこ行きたいとか、そういうのはたくさんありますけど。
「Catch the Moment」の歌詞の様に、今まで想像していないことばかり起きてきたし、自分が一個一個大事に作ってきたことが今に繋がっているので、やりたいことはいっぱいあるけど、「今日もいい日だ」を毎日重ねていって、2017年を振り返ったときに「今年もやべぇな! 超最高だったな!」って思えたら、それが一番良いなと思っています。
─一年の感想がヤバかったっていうの、良いですね(笑)。その時はまた年表用意しておきますね。ところで来年は6月からツアーが始まりますが、さいたまスーパーアリーナの初日、6月24日。この日は誕生日ですよね?
LiSA:ハイ。来年は私の人生においてもとても節目な年なので…(笑)。それを楽しく迎えるための6ヶ月を過ごせたらいいなと思っています。あとは子供たちが「こんな30歳になりたいな」って思えるような人になりたいですね。
日付的にはさいたまスーパーアリーナの1日目、2日目の間で切り替わるわけですけど、その瞬間を「Catch the Moment」したいですねっ。
─楽しみにさせて頂きます! では最後に、これまでもそしてこれからもLiSAさんを応援し続ける、ファンや読者の方に一言を。
LiSA:これからも楽しいコトしかしないので、期待しかしないでねっ!
─今日はありがとうございました。
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>>劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール- 公式サイト
[文=ヤマダユウス型 編集=長谷憲]
■『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌
LiSA「Catch the Moment」
11th Single
2017年2月15日(水)リリース
【初回生産限定盤(CD+DVD)】価格:¥1,800(+税) 品番:svwc70233-70234
【期間生産限定盤(CD)】価格:¥1,300(+税) 品番:svwc70235
【通常盤(CD)】価格:¥1,200(+税) 品番:svwc70236
■『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』作品情報
2017年2月18日(土) 全国ロードショー
ストーリー
2022年、 天才プログラマー・茅場晶彦が開発した世界初のフルダイブ専用デバイス≪ナーヴギア≫。 その革新的マシンはVR(仮想現実)世界に無限の可能性をもたらした。 それから4年……。
≪ナーヴギア≫の後継VRマシン≪アミュスフィア≫に対抗するように、 一つの次世代ウェアラブル・マルチデバイスが発売された。 ≪オーグマー≫。
フルダイブ機能を排除した代わりに、 AR(拡張現実)機能を最大限に広げた最先端マシン。 ≪オーグマー≫は覚醒状態で使用することが出来る安全性と利便性から瞬く間にユーザーへ広がっていった。 そのキラーコンテンツは、 ≪オーディナル・スケール(OS)≫と呼ばれる≪オーグマー≫専用ARMMO RPGだった。 アスナたちもプレイするそのゲーム に、 キリトも参戦しようとするが……。
スタッフ
原作:川原 礫(「電撃文庫」刊)/キャラクターデザイン原案:abec/監督:伊藤智彦/キャラクターデザイン・総作画監督:足立慎吾/モンスターデザイン:柳 隆太/プロップデザイン:西口智也/UIデザイン:ワツジサトシ/美術監督:長島孝幸/美術監修:竹田悠介/美術設定:塩澤良憲/色彩設計:橋本 賢/コンセプトアート:堀 壮太郎/撮影監督:脇 顯太朗/CG監督:雲藤隆太/編集:西山 茂/音響監督:岩浪美和/音楽:梶浦由記/制作:A-1 Pictures/配給:アニプレックス/製作:SAO MOVIE Project
キャスト
キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞/アスナ(結城明日奈):戸松遥/ユイ:伊藤かな恵/リーファ(桐ヶ谷直葉):竹達彩奈/シリカ(綾野珪子):日高里菜/リズベット(篠崎里香):高垣彩陽/シノン(朝田詩乃):沢城みゆき/クライン(壷井遼太郎):平田広明/エギル(アンドリュー・ギルバート・ミルズ):安元洋貴/茅場晶彦:山寺宏一
ユナ:神田沙也加/エイジ:井上芳雄/重村:鹿賀丈史