涙ではなく笑顔で――中島愛さん、感動の復帰ライブでみんなに「ありがとう」
声優・中島 愛さんが復帰ライブ(2016年12月11日)として選んだ場所。それはかつて、『マクロスF(フロンティア)』の“ランカ・リー=中島 愛”として初めてステージに立った場所、お台場・ヴィーナスフォート2F 教会広場でした。自分を見つめ直す充電期間を経てステージに立った彼女は本当に堂々としていました。
本稿では、これから先の活動が楽しみになる、そんな復帰ライブの模様をお届けします。
ステージ後方の扉が静かに開くと、静かに歩を進める――
本当に久しぶりのステージで最初に歌った歌は、活動休止前のラスト・シングル「ありがとう」。優しく、そして温かいこの曲は、彼女の再スタートにぴったりでした。以前とまったく変わらない歌声、表情……そのどれもが懐かしい。歌い終わったあと、小さく“ありがとう”と言うと、噴水広場に「ありがとう!」「おかえり!」という大きな歓声が響き渡ります。
「ただいま! 帰ってきました中島 愛です。単独でライブ活動を行うのは、音楽活動を休止した2014年3月以来なので、約2年半くらいの久しぶりのライブになります。短い時間ですけど楽しんでいってください」
鳴り止まない拍手を受け止めて「念のため、お水を飲みますね……」と笑顔を誘うと「ヴィーナスフォート教会広場は私にとって思い出深い場所で……。2008年にランカ・リー=中島 愛としてデビューライブをしたところです。そのときは出てきた瞬間に泣いてしまいまして(笑)。8年経って戻って来られて本当に嬉しく思っています。ランカ・リーは私の原点です。その原点の場所に戻ってきたということで、(ランカの)デビュー曲を聴いてほしいと思います」と言って「星間飛行」のイントロが流れ始めます。
久々の“キラッ!”の掛け声。この掛け声を聴くと、中島 愛のライブだなぁという思いがよみがえります。そしてやはり歌はいつまで経っても色褪せない、と感じていると、間髪入れずに「TRY UNITE!」へ。ハウスチューンで踊れるナンバーなので、観客も体を揺らしながらも、コールを入れ、久々のライブを楽しんでいました。
「2013年に活動休止の報告をしてから丸3年が経ったんですけれど、デビューからいろんな楽曲を歌わせていただいたり、いろんな作品と出会ったり、すごく充実した楽しい時間でした。けれどもどうしても自分の中で気持ちだったり、体のキャパシティを超えてしまったと思うところもあって。それは活動しながら克服して前へ進んでいくべきところだったんですけど、私のわがままで活動を休止したいと決めました。
一生懸命活動した中でそういうことになったので、戻ってきたいと思いつつ、そんな甘い話はないんじゃないかと思っていたんですけど、皆さんだったり、スタッフの皆さんだったり、家族や友達だったり。周りにいるたくさんの方の支えがあって、ステージに戻ってこられました。夢じゃ、ないんですよね……お休みしてしまったぶん、今でも中島 愛という存在を忘れずにいてくれる、見続けてくれる、想い続けてくれる方のために今まで以上の気合いを入れた活動をしていきたいと思っています。今日その決意が皆さんの顔を見て、さらに高まりました」
彼女の活動休止を寂しく思っていた人はたくさんいたと思いますが、彼女のこの言葉に、待っていて良かったというか、また一緒に前へ進んでいけると思った人は多いはずです。
そして、2009年に自分の名前でソロデビューしたときのもう一つの原点とも言うべき曲「天使になりたい」を、その決意を込めて歌唱。あらためて、歌詞の一つ一つが今の彼女とも重なり、また当時とは違った意味を持って響いてくるのが印象的でした。
「復帰まで忘れずに待ってくれた皆さん、新しく私に興味を持ってくれた皆さんありがとうございます。大切な一日になりました。ここからが新しいスタートということで来年以降もどんどん活動していきます」
と、最後は、最新シングルとなるTVアニメ『風夏』(2017年1月より放送)のEDテーマ、「ワタシノセカイ」を初披露!
疾走感のあるバンドサウンドのロックナンバーで、初披露にも関わらず最初からクラップが起こる、そんなポップさを兼ね備えていて、発売がとても楽しみになりました。歌い終わったあとは、笑顔に溢れた会場を見て「今日見たこの景色、一生忘れません。ほんとうに素敵な時間を皆さんが作ってくれました。来年は、皆さんとお会いできる機会を増やしていきたいので、ぜひ遊びに来てください!」と締めくくりました。
8年前、同じ会場で泣いていたまめぐはもういない、笑顔でしっかり前を見つめる姿に、あらためて「おかえり」と言いたくなった今回のフリーライブ。今後の活動も注目です!
[文/塚越淳]
ニューシングル「ワタシノセカイ」ジャケット公開!
●「ワタシノセカイ」(※TVアニメ「風夏」エンディングテーマ)
2月15日(水)発売
・初回限定盤(CD+DVD)VTZL-118/¥1,800+税
(※DVDには「ワタシノセカイ」MVを収録)
・通常盤 VTCL-35249/¥1,300+税
【収録曲】
M-1:「ワタシノセカイ」
作詞:瀬尾公治 作曲:秋浦智裕 編曲:WEST GROUND
M-2:「最高の瞬間」
作詞:山田稔明 作曲・編曲:古川貴浩
M-3:「愛はめぐる」
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:末光篤
※他Instrumental ver.を含む全6曲を収録。
リリースイベント&チェーン特典
●中島愛シングル「ワタシノセカイ」発売記念イベント開催決定!
(全会場「ミニライブ&特典会」予定)
●チェーン別特典決定!
※詳細は公式サイトをご確認ください。
中島 愛(Megumi Nakajima)
6月5日生まれ。A型。e-stone music所属。
2007年:「Victor Vocal & Voice Audition」にて最優秀者に選ばれ、TVアニメ『マクロスF』にて声優・歌手デビュー。同作品ではランカ・リー=中島 愛名義で「星間飛行」をはじめ数多くの楽曲がリリースされ、シングルはオリコン5位、収録アルバムはオリコン2位を記録し大ヒット。
2009年:シングル「天使になりたい」にて個人名義でのリリースをスタート。同年の「第3回声優アワード」にて歌唱賞を受賞。その後、歌手活動と並行して『セイクリッドセブン』(藍羽ルリ役)、『君のいる町』(枝葉柚希役)、『ハピネスチャージプリキュア!』(愛乃めぐみ/キュアラブリー役)など数多くのTVアニメでヒロイン役を射止める。
2013年12月1日:中島 愛名義での音楽活動無期限休止を発表。
2016年12月1日:音楽活動復帰を発表。2017年1月放送開始のTVアニメ『風夏』エンディングテーマ「ワタシノセカイ」が再始動後初のシングルとなる。
>>中島 愛 公式サイト
>>中島 愛 公式ツイッター(@mamegu_staff)