福山潤さんがD(ダジャレ)機関の本領を発揮!? 津田健次郎さんら風戸機関の声優陣も出演した『ジョーカー・ゲーム』スペシャルイベント昼の部レポート
2017年1月22日(日)、東京・ニッショーホールにて「『ジョーカー・ゲーム』スペシャルイベント―平成29年冬の会―」が開催されました。本作は柳広司先生による短編ミステリー・スパイ小説が原作のTVアニメとして、2016年4月から6月まで放送されました。
また今回のイベントは、アニメの後半となる第7話から第12話をクローズアップ。キャストも「D機関」と対立する諜報組織「風機関」のメンバーが参加し、トークやゲームでD機関メンバーと熱い戦いを見せました。本稿では昼夜2公演のうち、昼の部の模様をレポートします。
<出演者>
堀内賢雄(D機関・結城中佐役)
福山潤(D機関・実井役)
津田健次郎(風機関・蒲生次郎役)
黒田崇矢(風機関・風戸中佐役)
MAGIC OF LiFE(主題歌アーティスト)
MC:大橋隆昌
この日のイベントは、アニメでED曲を担当するアーティストMAGIC OF LiFEの「DOUBLE」でスタート! 疾走感のある楽曲とともに、迫力の重低音サウンドが会場に響き渡り、オープニングを飾ります。
ステージ上のスクリーンには、これまでに放送されたアニメの名シーンが映し出され、観客は『ジョーカー・ゲーム』の世界へと入っていきます。
その後、MCの大橋隆昌さんがステージへ。しっとりとした声で「ステージ上は、平成29年冬から昭和12年へと変わろうとしております」と話し始め、キャストを呼び込みます。観客の期待が高まる中、モノトーンのスーツやジャケット姿の堀内さん、福山さん、津田さん、黒田さんが登壇。作品の大人な世界観に寄り添ったシックな姿での登場に観客もうっとりした表情に。
最初に、堀内さんが「本来ならば、(明るい調子で)みなさんこんにちはー!みたいな感じで、出たいところなんですが、今日は結城中佐なので、渋くいきたいと思います。楽しんでください」と落ち着いたトーンでご挨拶。福山さんも「ステージ上がモノトーンでいいですね!」と答えます。
津田さんは「みなさんとこうして会えると思ってなかったので、本当に嬉しいです」と喜びを伝え、黒田さんが「まさかゲストとして2話行っただけで、イベントに呼んでいただけるなんて……。今日は明るく、楽しく、優しくいきたいと思います」と意気込みを語りました。
さらに、津田さんが「D機関というのは聞くところによると、ダジャレ機関……」と話し始めると、客席から笑いが。日頃からダジャレ好きなことでおなじみの堀内さんと福山さんがそろったこの日のイベントならではの発言に、客席もわきます。
そんな津田さんの発言に対し、困った表情を見せた黒田さんが「俺、本当にダジャレが嫌い」とコメント。早くも対決モードかと思いきや、キャストたちの楽しいやりとりで、会場が笑いに包まれました。
驚きの裏話が続出! ジョーカー・ゲーム名場面プレイバック
最初のコーナーは「『ジョーカー・ゲーム』名場面プレイバック」。こちらは出演者やスタッフが選んだ名シーンを見ながらトークしていく企画。こちらのコーナーには、野村和也監督も参加し、キャストがシーンについて監督に尋ねる姿も見られました。
黒田さんがセレクトしたのは、第8話の風戸中佐が風機関のモットー「躊躇なく殺せ、潔く死ね」と語るシーン。黒田さんは「風戸はこういう信念で生きているので、言い慣れているはず。日常生活から程遠い言葉をどうリアティを持って、いかに身体の中から出るか。一生懸命セリフの練習をして現場に行きました」と振り返ります。
すると、福山さんが「こういう信条があるって、いいですよね」と頷きます。そして、トークする際の心構えについて、福山さんから「躊躇なく話せ、潔く(セリフを)噛め」と名言?!が飛び出し、客席から笑いが起こりました。
野村監督は「第1、2話に出てきた佐久間中尉(CV:関智一さん)の対として、風戸を作っていったんです」とコメント。作中では結城中佐と風戸中佐が対立しているような見せ方で描いてきただけに、ファンも驚きながら、監督のお話に耳を傾けます。
続けて、監督が「佐久間というキャラクターは、陸軍軍人として結城と向き合って、その中で自決するということを踏みとどまった人間。風戸はそれをしないで、最後まで(自分の信念を)貫き通した人間。陸軍軍人で、D機関に触れ合って、違う末路を辿ったふたり。このセリフをアフレコ現場で聞いている時も、どれだけ対になれるかということを自分の中で基準として判断していました」と貴重なお話をしてくれました。
堀内さんが監督に聞いてみたかったというのは、第12話の結城中佐が小田切(CV:細谷佳正さん)を見送るシーン。堀内さんが「クールなイメージが強い結城がわざと彼女(野上百合子CV:中原麻衣)のところに行かせているみたいな見方があったんですよね」と見解を伝えます。
堀内さんの問いかけについて、監督が最終話となる第12話は様々な調整を行い、原作と違ったニュアンスを取り入れたと伝えます。さらに、監督は「ハッピーエンドが好きなので、少しでも希望がある終わり方の方がアニメとして、きれいに収まるんじゃないかと思って、エンディングはこの形になりました」と明かしました。
爆笑に次ぐ、爆笑! Dが炸裂するトランプ・トーク
続いてのコーナーは、キャストが作品にちなんだアイテムのトランプカードを引き、トランプに書かれたテーマにそってトークを展開していく「トランプ・トーク」へ。テーマは「隣の席の人に異名をつけるとしたら?」や「自分がモットーにしていることは?」といった作品に関連するものが出されました。
そんな中、黒田さんが引いたカードに書かれたテーマは「もし現代でスパイになったら、どこの国に潜入したいですか?」というもの。福山さんが「できれば香辛料とか、しょうゆとか、味が濃くないところがいいですね」と真面目にコメント。
その後、福山さんは「スッパイ(酸っぱい)話になっちゃうんで!」と締めくくります。 続けて、「そういうトークをやってみたら、スッパイ(失敗)しました!」と福山さんが笑顔を見せると、今度は堀内さんが「気にしなくていいよ。スッパイ(失敗)は成功のもとだから!」とひと言。
そんな堀内さんに向かって、福山さんが「スッパイ(先輩)、ありがとうございます!」とダジャレをたたみかけます。ステージ上から繰り出されるD(ダジャレ)の応酬に客席は大爆笑です。
おふたりのやりとりを見て、楽しそうに笑顔を浮かべる津田さん。そんな津田さんとは対照的に、オープニングでもダジャレが大嫌いと話していた黒田さんが「ホント、イライラする!」と苦い表情のままコメントし、客席の笑いをさらに誘っていました。
キャスト全員がカードを引き終わると、大橋さんがジョーカーのカードを手に取り、観客へ向けます。作品になじみ深いジョーカーが登場したところで、ファンへのサプライズとして、「ミニドラマ」のコーナーがスタート!
スクリーンには、この日のイベント会場であるニッショーホールが映り、その見慣れた風景に客席からクスクスと笑いが……。「ミニドラマ」は風戸が作中のアイテム・統帥綱領を探しに、ニッショーホールへやってくるというコミカルなストーリー。
しかし、風戸を会場で待っていたのは、チビキャラ姿の蒲生アザラシ、森島ウサギ、結城カピバラたち。4人のキャストは、キャラクターのイメージを損なうことなく、アニメ同様にクールボイスで会話したり、アニメでは考えられないようなキュートな態度をとってみたり、ファンを大いに楽しませます。そんなキャストの熱演とスクリーンのキャラクターとのギャップで、会場は笑いに包まれました。
3つの対決に挑戦! D機関VS風機関 ファイナルゲーム
ミニドラマで楽しんだ後は、D機関キャストと風機関キャストでスパイ能力を競う対決する「D機関VS風機関 ファイナルゲーム」へ。こちらはスパイにちなんだ諜報力、観察力、伝達力にちなんだ3つの対決に挑戦し、競うゲーム。
しかし、どちらもNGワードを予測して避けるあまり、可笑しな会話のやり取りが繰り返されました。牽制し合った結果、両チームともポイントは0。D機関チームの奮闘(!?)によりゲーム中、ダジャレは飛び出たものの、NGワードを引き出すことはできませんでした。
2つめの対決は、4つのフルーツの中に紛れ込む1つの食品サンプルを探し出す観察力対決。しかし、両チームとも見つけ出すことができず。黒田さんが「今のところ、(両チームとも)全然スパイらしさが出ていない」と笑います。
最後の対決は、出題される質問に対し、アイコンタクトのみで同じ回答を導きだす伝達力対決。「トランプでするゲームといえば?」、「冬のイベントといえば?」といった広範囲な選択肢が広がる中、全問同じ回答を導きだした風機関チームが勝利しました。
会場の空気が一変! 名場面生アフレコ
イベントのラストは、「生アフレコ」へ。4人のキャストがマイク前に立ち、アニメ第8話、第9話、第12話などの6つのハイライトシーンを再現しました。「生アフレコ」が始まると、先程までの笑顔とゆるい空気から一変。キャストのキリッとした表情と緊張感が漂い、観客は『ジョーカー・ゲーム』のクールな世界に引き込まれていきます。
熱演後、キャストたちは「緊張するけど、楽しかったね!」と感想をコメント。『ジョーカー・ゲーム』の世界を堪能していたのは、どうやら観客だけではなかったよう。会場には、たくさんの人の笑顔で溢れていました。
堀内さんが作品への思いを熱く語るエンディング
エンディングの挨拶では、堀内さんが「硬派な内容が多くの方々に受け入れられ、高評価をいただく作品になったことは僕にとっても誇りです。一生懸命に仕事をしていれば、またすごい作品に出会えると思いますし、これから色々なことができそうな気持ちになりました。『ジョーカー・ゲーム』が、もっともっと世界に広がり、このような作品が増えていくことを願います」と締めくくり、イベントは閉幕となりました。
[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク) 撮影/鳥谷部宏平]
>>TVアニメ『ジョーカー・ゲーム』公式サイト
>>TVアニメ『ジョーカー・ゲーム』公式Twitter