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- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
ピクサー/ディズニーの人気シリーズが再び!『カーズ』の3作品目となる待望の最新作『カーズ/クロスロード』が7月15日より日本での公開がスタートします。『カーズ』シリーズと言えば、スタジオジブリの宮崎駿監督とも親交がある製作総指揮ジョン・ラセターさんが有名です。先日行われたワールド・プレミアでもラセター監督が宮崎監督について言及するなど、お互いをリスペクトし合う姿はたびたびファンを賑わせています。
今回、そのラセター監督とともに『カーズ/クロスロード』を作り上げた共同プロデューサーであるアンドレア・ウォーレンさんにインタビューを行うことができました。プロデューサーという視点から『カーズ/クロスロード』で届けたい想い、そして、日本とアメリカのアニメーションの違いについてもお伺いしました。
物語が届く、それが最高の瞬間
日本のアニメの好きなところは「何でもあり」なところ
──ちなみに、日本のアニメはお好きですか?
ウォーレン:大好きです。「ピクサー映画で好きな作品は何ですか?」と質問されることは多いんですが、実は日本のアニメーションでは『となりのトトロ』が好きなんです。考え抜きで答えられるくらい好きです。ジブリにも実際に行ったことがあるんですよ。
ジブリの作品はかなりの数を見ているんですが、他の日本のアニメーションはまだまだ勉強不足です。これからどんどん経験して、見ていきたいと思っています。ただ、私は小さな子供がいるので、『ポケットモンスター』とかにハマってきているんですよ。子供たちと一緒に日本のアニメーションを学んでいけることは素晴らしいことですね。
今回の来日でも、「私を置いて東京に行くなんて!」と娘がすごく怒って(笑)。東京に行くことは言ってなかったけど、バレちゃって。「東京に行くの!? ママ!?」とせがまれました。それで「え〜っと……」と(笑)。いつの日か連れてきてあげたいですね。
──是非、ポケモンセンターに(笑)。
ウォーレン:倒れるくらい、気絶するくらいに喜ぶことでしょう(笑)。
──日本のアニメ作品もいくつかご覧になっているようですが、ピクサーを含めたアメリカのアニメーションと日本のアニメーションは、何が違うと思いますか?
ウォーレン:何だろうな……良い質問ですね。スタイルが違うけれど、両方ともすごく良質なものです。宮崎駿監督の作品を見ていると、発想力が独特だと思います。私もマジカルな部分は好きなトピックスです。ピクサーの監督たちも宮崎さんの作品をとても好きなのは、みなさんもよくご存じだと思います。宮崎作品で感じるような資質をピクサー作品に取り込もうとすることもとても楽しい作業ですね。
そして、特に日本のアニメーションで一番好きなところは「何でもあり」なところ。普通に道を歩いていて、想像してもいなかったようなクリーチャーが突然現れたり、予測不可能なことが何でも起こりますよね。真の冒険、アドベンチャーがあるんです。
人生自体がとてもマジカルなもので、いろんなアニメーションがそれを美しく捉えています。人生を過ごす中で、私たちはたくさんのことを感じますが、日本のアニメーションは「感じること」をとても美しく見せていると思いますね。
──そんなフィールドが違う日本で『カーズ/クロスロード』が公開されることになります。日本で公開される意味合いは何だと思いますか?
ウォーレン:やはりキャラクターに共感していただきたいと思っています。みなさんが自分の人生で一度は経験したことがあるようなものをキャラクターに見い出していただきたいです。新キャラクターのクルーズ・ラミレスが、かつての心が折れた瞬間のことを話している時、作品を見ているみなさんも自分の居場所探しについて考えることだろうと思います。
マックィーンに関しても、「じゃあ次は?」という未来のことに、どう向き合っていけばいいのかと悩んでいる姿は、みなさんが経験される、あるいは経験されたことがあると思います。そうやって全然違う人生を歩んできているけど、何か共感できるもの、何か重ねられるところを、このキャラクターたちに見出してしていただけたら嬉しいですね。
──ありがとうございました。
[インタビュー/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
タイトル:『カーズ/クロスロード』
公開表記:7月15日(土) 公開
配給表記:ウォルト・ディズニー・ジャパン
『カーズ/クロスロード』トレーラー
前2作を監督したジョン・ラセター氏も太鼓判
ジョン・ラセター氏:ライトニング・マックィーンは最高だ。物語はとても感動的で『カーズ』に少し似ていて、さらに深い感情に入り込んでいくものなんだ。『カーズ/クロスロード』はとても特別なストーリーで、感動的で、マックィーンとドック・ハドソンの関係や、彼のドック・ハドソンの思い出も描かれているんだ。
>>『カーズ/クロスロード』ディズニー公式サイト