TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』千葉翔也さん、鬼頭明里さんが2話で感じた自身演じる綾小路・堀北との共通点とは/声優対談
2017年7月より放送中の『よう実』こと、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』(原作:衣笠彰梧/キャラクター原案:トモセシュンサク)。アニメイトタイムズでは、「ようこそ実力至上主義の広報室へ ~すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す~」と題して、同作の連載企画を実施中です。
声優陣やアーティスト、スタッフに、作品についてたっぷりとお話を伺っていく本連載の第2回に登場いただくのは、第1回に引き続き、主人公である綾小路 清隆 役・千葉翔也さんと、ヒロインの堀北 鈴音 役・鬼頭明里さん! お二人には第2話の物語を中心に次回の物語の見どころまであますことなく語っていただきました。
――2話は、いきなり水着から始まりましたね!
綾小路 清隆 役・千葉翔也(以下、千葉):あんなに強烈な引きで1話が終わったのに、2話がいきなりプールから始まるというところが、すごく意表をついていて面白いですよね(笑)。
堀北 鈴音 役・鬼頭明里さん(以下、鬼頭):2話で水着回って、だいぶサービスがいいですよね。はやっ!って思いました(笑)。2話はテストの話だったので、私も学生時代はテストに苦しめられていたので、ちょっと耳が痛いと言うか、懐かしい気分になりつつ、ちょっと「気持ち分かるな」って思いました。
――他のシーンではどうですか?
千葉:1話で広げていったキャラクターの異質な部分が、どう異質なのかというのが結構はっきりと分かる回ですよね。それに堀北がAクラスを目指すという発言をするので、見ている方にこの作品がどういう物語なのかが伝わる話になるなと思いました。なので1話と2話セットで、今後どうなっていくかという提示がある、期待を煽るような作りになっていると思います。
――それと生徒同士での掛け合いもいろいろありましたね。
千葉:特に櫛田と電話で話したり、堀北のお兄さんである学 (の掌底)を止めたりといったことがありましたね。ただ、やはり綾小路は綾小路らしいしゃべり方をしているので、むしろ綾小路と話している相手が彼とどう接していくのかで、そのキャラクターがどんな生き方をしているのかを表しているかなと、台本を読んだときに思いました。
――彼がブレないからこそ、その相手のことがよく分かる?
千葉:そうですね。櫛田が綾小路に対しても優しいってことは、本当に誰に対してもこういう接し方をしているんだろうなとか。生徒会長(堀北学)も、妹だけでなく誰に対しても容赦がないんだなとか、そういうところがすごくよく見えるんです。でも結局、綾小路はクラスメイトとあまり友達になっていないというか、距離が縮まってないんですよね。何でですかね(笑)。
――ちなみに千葉さんは学生の頃、友達が多いほうでしたか?
千葉:なんか僕も最初、絶対に失敗するんですよ。自己紹介とか。だから上半期は全然友達がいないんですよね。で、半年くらい過ぎると全員と仲良くなっていくみたいな。なので、アニメ序盤の上辺だけの会話とか、すごく共感と演じやすさがありましたね。悲しいことに(笑)。
――似ちゃっていますね(笑)。
千葉:人間味を薄くというか、他人に無関心にという指示を受けるんですが、役作り的にはその人のことを考え切った上で、最終的に無関心になっているんだろうなと解釈しています。内心ではノーリアクションなのではなくて、他のキャラクターを分析している感じです。
――鬼頭さんはどんな学生時代でした?
鬼頭:私は逆に櫛田みたいに、みんなと仲良くなりたいタイプでした。嫌われたくないので(笑)。だから鈴音って、本当に新しいし、逆に強いなってすごく思うんです。私はひとりが嫌い過ぎて、教室にひとりでいるだけで不安になっちゃうんですよ。誰か探さなきゃ!って。ひとりでいるところを見られたくないというか。
――では、堀北とほぼ真逆なんですね。
鬼頭:私には絶対に無理だなっていう感じの子ですね。
――たとえばあまり馬が合わない人でも話しかけるタイプですか?
鬼頭:そうですね。逆に気になっちゃうというか。この人は何でこういうことを言うんだろうとか、興味があるんですよ。だからとりあえず話してみますし、結局は仲良くなっちゃうんです。話してみると良いところを知ることができて、理解できるから。
――なんか、ものすごくいい人がいますね……。
千葉:良い人です。彼女はとても良い人です。いや、でも僕も友達は欲しいんですよ(笑)。
――では当然、勉強会の思い出も?
鬼頭:勉強会は開いてました、楽しいから。結局、みんなで集まってご飯食べて、しゃべって帰るみたいなことしかしないんですけど(笑)。
――あまり勉強をする気でない須藤たちを見てどうですか?
鬼頭:学生時代の自分を見ているかのようでした(笑)。
――千葉さんは勉強会の思い出などは?
千葉:僕はもちろんしてないです(笑)。勉強会って高校生らしいから、してみたいなって思うんですけど、何でしょうかね。したかったんですけど、僕の高校は、それにメリットを見出せないと思ってる人たちばかりだったんですよ。分からなくても勝手にやるし!みたいな。なので憧れますね。
――あと、綾小路が女の子とアドレス交換をしていましたね。あれもちょっとリアリティありますよね。実際、異性のアドレスとか聞けなくないですか?
千葉:僕は確か、LINEのアプリができるかできないかくらいだったんですけど、女の子のアドレスとかはあれですよ…委員会が一緒だったりしたら交換しましたね(笑)。連絡事項を回すからみたいな名目で。だから自分から聞いた記憶は、ほぼないかもしれない。
――先ほどから、まんま綾小路なんですけど……。アニメで、綾小路がアドレス交換できたことに関しては、どう見てますか?
千葉:個人的には、綾小路なりに結構嬉しかったのかなって思ったんですよ。ただ、嬉しくはないという解釈でいいとのことだったので、男子高校生ならば、これは普通に嬉しいと思うだろうなっていう僕個人の感想はありつつ、それは綾小路としては出さないようにしました。
堀北学とのやり取りで見えてきたもの
――そして2話で避けては通れないのが、堀北学と鈴音のやり取りですよね。
鬼頭:音響監督さんに「今までのきつい感じは全部忘れて、かわいい女の子でやってください」と言われたんです。なので1話で積み上げてきたキツい感じを、ここまでやっていいのかな?っていうくらい思いっきり崩しました。「かわいい女の子になっちゃって大丈夫」と言われたんですけど、それはそれで大変で……。鈴音は学に対して、嫌われたくないし認めてほしいし大好きだからこそ、普通の女の子として演じるようにしました。
――1話冒頭で、登壇している学を見てる鈴音の表情も、ちょっと違うんですよね。
鬼頭:かわいいですよね。
――兄である学に対する鈴音って、萌えるポイントなんですかね?
千葉:どうでしょうね。僕はツンツンしてる所好きですけどね(笑)。そのシーンで「そういう声は初めて聞いたな…」ってモノローグがあるんですけど、綾小路なりに、堀北っていう人間を分析する中でこう思っていたけど、こんな面もあるんだなって新たな発見があって。
その発見もちゃんと取り入れて、自分の中の堀北像みたいなものを変えていってるんだなというのが分かりました。変な話、原作を読んでいるので、僕自身は堀北のことを知ってしまっているんですけど、それは全部忘れて、綾小路の持っている堀北像を、その時々で更新しながら演じられたらいいなって思っています。
――あそこは、学に対しての怒りがあったんですかね? 女の子に手をあげるなんてっていう。
千葉:えーっと僕個人の解釈でいいでしょうか。これは違うかもしれないけど、綾小路って意味のない善と悪はしないのではないかと。殴らなきゃいけない理由がないのなら殴らないし、守らない理由がないのなら守る、みたいなそういう行動理念に基づいて動いているんじゃないかなと思うんです。
だから、あそこで助けない理由がないから助けたのかなって解釈してて、それが怒りなのか正義なのかっていうのは、たぶん彼自身が自覚してないというところで役作りをしてるんです。なので今後も優しさを見せる場面はありますが、それは彼にとって優しさではない時があるのではないかと。綾小路を演じようとすると、優しさや親切って何なんだろうって、すごく考えさせられる部分がありますね。
――すごく腑に落ちました。鬼頭さんはどう聞いてましたか?
鬼頭:あの覇気のない綾小路の感じが、すごくいい味を出しているなって感じるんです。助ける気があるのかないのか分からないけど、ちゃんと助けてくれるみたいなところは、主人公っぽいところを出してきたな!って感じましたね(笑)。
――確かに(笑)。鬼頭さん的に、綾小路の株が上がるポイントでしたか?
鬼頭:そうですね。綾小路って意外と強いと思うんです。そういうところは女子としても、いいですよね。できないふうを装いつつもできちゃうって、やっぱり女子の憧れというか(笑)、綾小路のいいところですね。
――テストを全部50点にするのは、どうですか?
千葉:あそこは見ている側からしても驚きですよね。そのくらい頭いいけどやらないって、何してるんだろうこの人って、理由を探りたくなるというか。それは後々わかってくる部分だと思うんですけど、2話での学との絡みで、だいぶ綾小路の人物像が見えてきたんじゃないかなって思います。
――そして2話の最後はテストまでのすべてをすっ飛ばして、その結果で終わります。
千葉:いやぁ、面白いですよね! 本当にびっくりしました。えぇ!って。綾小路のナレーションで終わるんですけど、視聴者の皆さんがびっくりできるようにしつつ、綾小路なりの淡々さは崩さないっていうのをかなり意識しましたね。
鬼頭:オチが毎話すごいから、30分見て良かったぁって思わせてくれるんですよね。本当にこの作品は、オチが素晴らしいと思います!
千葉:もう視聴者側じゃないですか(笑)。
鬼頭:いや、本当に毎回楽しませていただいてます!
――では最後に、3話の見どころをお願いします。
鬼頭:Dクラスのトラブルメーカー須藤にスポットが当たっていく話ですね。原作を読んでいても、ちょっとイライラしてしまったところはあったんですけど、それがあるからこそ解決したときに面白いなって思うんですよね。あと、この学校のシステムがだんだん分かってくる回になるので、そこも楽しんでもらえたらなと思います。
千葉:そこ(学園のシステム)については、1話で先生が言ったところの伏線回収にもなっていて、すごいって思う展開ですね。綾小路の主人公っぽさが出るシーンもあるので、そこは今後にかなり影響するので注目してほしいですね。あとは須藤とか櫛田ですね、見どころは。楽しみにしていてください。
[インタビュー・文/塚越淳一 編集/柏村友哉]
作品情報
【放送情報】
AT-X:毎週水曜 夜11時30分~
【リピート放送】
毎週金曜 午後3時30分~
毎週日曜 朝8時30分~
毎週火曜 朝7時30分~
TOKYO MX:毎週水曜 深夜1時05分~
テレビ愛知:毎週水曜 深夜2時35分~
KBS京都:毎週水曜 深夜1時05分~
サンテレビ:毎週水曜 深夜1時30分~
TVQ九州放送:毎週水曜 深夜2時35分~
BS11:毎週金曜 夜11時00分~
【スタッフ】
監督:岸 誠二 × 橋本裕之
シリーズ構成:朱白あおい(ミームミーム)
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
【キャスト】
[Dクラス]
綾小路清隆 千葉翔也
堀北鈴音 鬼頭明里
櫛田桔梗 久保ユリカ
佐倉愛里 M・A・O
軽井沢恵 竹達彩奈
平田洋介 逢坂良太
高円寺六助 岩澤俊樹
須藤 健 竹内栄治
池 寛治 阿部大樹
山内春樹 岩中睦樹
幸村輝彦 郷田翼
[Aクラス]
坂柳有栖 日高里菜
葛城康平 日野 聡
[Bクラス]
一之瀬帆波 東山奈央
神崎隆二 若山晃久
[Cクラス]
龍園 翔 水中雅章
伊吹 澪 小松未可子
[生徒会]
堀北 学 梅原裕一郎
橘 茜 小原好美
[教員]
茶柱佐枝 佐藤利奈
星之宮知恵 金元寿子
【音楽情報】
・OP:ZAQ「カーストルーム」(2017年8月9日発売)
・ED:Minami「Beautiful Soldier」(2017年8月23日発売)
【STORY】
この社会は平等であるか否か。真の『実力』とは何か――。
東京都高度育成高等学校。それは徹底した実力至上主義を掲げ、進学率・就職率100%を誇る進学校である。そこに入学して1年Dクラスに配属された綾小路清隆だったが、学校は実力至上主義の看板とは裏腹に、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業や生活態度についても放任主義を貫く。夢のような高校生活の中で、散財を続け自堕落な日々を送るクラスメイトたち。
しかし、間もなく彼らは学校のシステムの真実を知り、絶望の淵に叩き落とされるのだった……!
落ちこぼれが集められたDクラスから少年少女たちが見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会か。