TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』鬼頭明里×東山奈央 対談!水着に男子たちの策略……みどころ満載の7話を語る
2017年7月より放送中の『よう実』こと、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』(原作:衣笠彰梧/キャラクター原案:トモセシュンサク)。アニメイトタイムズでは、本作の連載企画「ようこそ実力至上主義の広報室へ ~すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す~」を毎週掲載中!
連載の第7回目に登場していただくのは、堀北鈴音役・鬼頭明里さんと、一之瀬帆波役・東山奈央さん。前半では東山さんには原作・アニメ、自身が演じるキャラクターについての印象を、そして後半では先日放送された見どころ満載だった7話についてたっぷりとお話いただきました。
■□■□■ 連載バックナンバー ■□■□■
【第1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
【第5回】ZAQさん×Minamiさん
【第6回】千葉翔也さん×M・A・Oさん
イマココ⇒【第7回】鬼頭明里さん×東山奈央さん
――東山さんは原作を読まれたとき、どんな印象を持ちましたか?
一之瀬帆波役・東山奈央さん(以下、東山):高校生なのに読みが深いなと思いました。ダークヒーローみたいな感じで、闇を闇で裁くみたいな解決の仕方をするところが面白かったです。独特な設定なので、そのルールをまず覚えなければいけなかったんですけど、世界観に入ってしまえば、一緒に振り回されている感じがして、読んでいて楽しいなぁって思いましたね。
――感情移入できるキャラクターはいました?
東山:トリッキーだと思ったのは、綾小路に感情移入させながら読むのかと思ったら、いつの間にか堀北サイドにいる自分がいたことです。最初、綾小路にぼっち気質が見られたので、ちょっと共感しながら読んでいたんですけど、だんだん謎めき始めて、綾小路が分からなくなってきてしまいました。逆に、切れ者に見えていた堀北が実は結構かわいらしいところもあって、こっちのほうが共感できる!って思ったので、今は堀北が一番ですね。
誰一人としてストレートに信用させてくれないから、人間不信になりそうですよね(笑)。平田も何かありそうだし、櫛田に関しては一番最初に裏の顔がでてきたし。いい子そうな人たちがどうなんだろうって、ソワソワしてます。だから逆に、3バカ(池・山内・須藤)は目に見えてダメだから、Dクラスなのが「分かる分かる」って感じなんですけどね。
――そんないい子そうなキャラの一人、一之瀬はオーディションで?
東山:いえ、ほかのキャラクターを受けていたんですけど、結果としては、一之瀬の役をいただきました。
――どんなキャラクターだと思いましたか?
東山:一之瀬は本当にいい子なんですけど、この作品で人間不信に陥り中の東山にとっては、ポイントをたくさん持っていたりとか、裏がないとは言い切れない!と思っていました(笑)。原作を読んでいる最中にキャストが発表になったんですけど、原作ファンの方から、一之瀬はいい子だからと言われて安心しました。以前、ある店舗でやっていたシチュエーション別の人気投票でも、全部のシチュエーションの上位3位以内に一之瀬が入っていて驚いたんです。この子は作品の中の人からも、外の人からも愛されている子なんだなと思い、私も華のある子に演じられたらいいなぁと思いました。
一之瀬は友達になりたいと思える「いい子」、 だけどその良さが故に……
――鬼頭さんは、東山さん演じる一之瀬についてどう思いました?
堀北 鈴音役・鬼頭明里さん(以下、鬼頭):櫛田は裏があるんだろうなって気がしていましたが、一之瀬はいい子なんだなと思わせてくれるし、いい子であってほしい!ってすごく思うキャラです。友達になりたいし、憧れます。
――それは鬼頭さんが?
鬼頭:はい、私が友達になりたいです(笑)!
――ポイントには困らなそうですね(笑)。
東山:確かに確かに!
鬼頭:頼りになりすぎる!
東山:でも、櫛田も見た目いい子なので、同じいい子に見えるキャラクターとしての差別化をどうしようかなって、最初は思いました。
――あざとさの質というか?
東山:本当に裏表がないみたいな感じ? 一之瀬も結構あざといところがあって「~~かにゃ!」って言ったりするんです。かわいいかよ!って感じなんですけど、それもちゃめっ気でやっているのであって、計算はないというか。場を盛り上げようとするあざとさみたいなことなので、そこを間違えると第二の櫛田が生まれてしまうかなって(笑)。
東山奈央さんの瞳に映った鬼頭明里さん演じる堀北の姿
――では、東山さんから見て、鬼頭さん演じる堀北はどうですか?
東山:カッコいいです。1話からの役作りを見ているんですけど、どれもすごく良くて。
鬼頭:ありがとうございます(照)。
東山:最初、静かなクールな感じで演じられていて、それも好きだったんです。でも、いろいろなディレクションを受けて変わった、今の高圧的で上からな感じの堀北もすごく好きです。ただ、いま思うと一番最初に作っていた静かでクールな堀北は、本気で強そうなんですよね。鬼頭ちゃんはそれも出せる役者さんなんですけど、あえて出さずに高圧的なところを隠さないことで、堀北の女の子らしい「弱さ」を逆に出している。それが、絶妙!って思いました。
鬼頭:めちゃくちゃ嬉しいです(照)。
東山:毎回、凛とした鬼頭ちゃんの声にしびれてます。
――高圧的な感じは、頑張って出してるんですよね?
鬼頭:そうなんです、私、人から嫌われたくないので(笑)。
東山:嫌わないよ~、どこに嫌う要素があるんだい(笑)!
――東山さんから見て、アフレコではどんな感じなんですか?
東山:鬼頭ちゃんと千葉くんの並びが、めちゃめちゃいいです。そのままみなさんにお送りしたいですね。キャラクターのような2人の関係性を感じます。
鬼頭:千葉くんが、そういう現場の雰囲気を作ってくださっているんです。アフレコ現場もみんなでワイワイできているのは、千葉くんのおかげだなぁってすごく思います。
東山:綾小路って手強いキャラクターだと思うんですけど、ちょっとヘタレてるときの綾小路と堀北の関係性が、この2人って感じで。この2人がボケとツッコミをやってくれると、現場が和む感じがありますね。
鬼頭:周りのみなさんも、すごく笑ってくださったり反応してくださるので、すごく楽しいです。
――そんな楽しそうな現場が、さらに盛り上がったのが7話ですね。
東山:2話でも少しありましたけど、7話で水着回を持ってくる。強い!って思いました(笑)。
鬼頭:もうギャグ回で、全員でバカになるみたいな感じの話でした。これまでは頭を使ったり、いろんな人を疑ったりしていたんですけど、7話は頭を空っぽにして見れる感じ。
東山:ここからクライマックスに向けて頭を使うからね。
鬼頭:一旦リセットみたいな。
――最初から、今日はやってやるぜ!って雰囲気が、現場でもあったんですか?
鬼頭:この話の、ある意味主人公である池と山内と須藤の3人は、テストから「うぉお~」っていう感じでした(笑)。すごく楽しそうで、イキイキしていて。
――7話の序盤は、堀北のモノローグで始まりますよね。
鬼頭:ここはディレクションで、かわいい女の子で!と言われて「ここもか!」と(笑)。抜けてる堀北が見られたんじゃないでしょうか。
――夏休みの堀北のスケジュールが、勉強と睡眠と食事だけっていうのも堀北らしいですよね。鬼頭さんの夏休みは……。
鬼頭:真逆です! 宿題は夏休みが終わってからやっていましたから。最初の授業までがリミットだと思っていたので(笑)。
東山:そ、それでできるなら、いいんだよ(笑)!
――そしてお得意の、綾小路の電話を即切る。
東山:あれ、すっごく好きです。堀北の切り芸。大好き!
鬼頭:あんなに拒否しているのに、結局プールに行っちゃうんですけどね。
――でも、いるって分かるように拒否しているのが、いいところなんですよ。
鬼頭:一応出てますからね。本当に拒否してるわけではないのかも。
――その後の池と山内と須藤たちは、どうでしたか?
東山:この3人はアフレコでも、すごく緻密なディレクションがあったんですよ。海外のドラマや映画の吹き替えみたいな感じで、コテコテにシリアスな感じにしてくださいとか。それが一周回って面白いっていうふうにしたかったようで。リハも面白かったんです。
あるシーンでは池たちのセリフの直後に一之瀬のセリフがあったんですけど、彼らはモールス信号でやり取りをしてるんですよ。それはオンエアではきっちり描かれていたんですけど、アフレコでは絵ができあがってなかったので、その間はただひたすら無言の時間が続くだけで、一之瀬のセリフのボールド(しゃべるタイミングのこと)が待てど暮らせど来ないんですよ!一体彼らは何をやってるんだ?と思いました(笑)。
鬼頭:私、須藤がすごく好きです、この話。「俺も堀北と遊ぶぞ!」って(笑)。須藤はこの辺からだんだんグッとくるようになりますよね。あとは、龍園さんは出てきただけで面白い。本当にずるい。
東山:龍園さんは、役者さんとのギャップがすごいんですよ。水中雅章さんって、すごく謙虚な方なんです。さっきもアフレコのあとにスタッフさんにご挨拶に行こうと思ったら、「お先にどうぞ、どうぞどうぞ」って(笑)。龍園さんに譲られると変な感じになるんで、先に行ってくださいよ!みたいな、譲り合いのやり取りがあったんですけど。本当に優しい役者さんです。
――東山さんは、この作品で気になるキャラクターはいるんですか?
東山:私、山内くんが好きですね。この話数に限らずなんですけど、岩中睦樹さんのお芝居がすごく面白いんです。毎回、お家で台本を読んでいるときには予想していない方向の、生っぽいお芝居を付けていらっしゃるので、それはすごく面白いなって。1話になるんですけど、「池はイェーイ!って感じなんですけど、山内は違う角度からの盛り上げ方でやってもらいたいです」と言われていて、岩中さんも悩みながらだったんです。
でも、1話の自己紹介のところで「今はインターハイでの怪我でリハビリ中だぁ」の言い方がすごく面白くて! ここは綾小路の裏になってるので聞き取りづらいんですけど、そこから岩中さんのエンジンがかかってきたのか、毎回ちょっと面白い言い方をするので、そこがすごく好きです。
――鬼頭さんは7話だと、やっぱり先ほど挙げた須藤ですか?
鬼頭:そうですね。
東山:それを聞いたら、竹内(栄治)さん嬉しいんじゃないかなぁ。鈴音に言ってもらえてる!って。
鬼頭:原作の最初のほうを読んでいるときは、こいつ本当にどうしようもないな!って、たぶんみんなイライラしたと思うんです。でも後半は、ただただかわいい! 学校辞めなくて良かったなぁって感じですね。たぶん、みんな須藤を好きになると思います。
――綾小路はどうですか? カッコいいキービジュアルがありますけど。
鬼頭:見ました! めっちゃカッコいいですよね。
東山: (イラストを見て)カッコいい!
鬼頭:結局一番カッコいいのは綾小路なんですよね。
東山:なんかずるいね。ヘタレに見せかけて誰よりも優秀っていう。もっと知りたくなっちゃうよね。
――7話でも、みんなの悪巧みには乗らずに。
東山:しかも自分が池たちを止めるのではなく、やらせてから失敗させるという、相手に合わせた方法を取るところも、すごくスマートでいいなと思いますね。
岩澤俊樹さん演じる高円寺のとあるセリフに注目!?
――では最後に8話の見どころを。ここから新たな展開を迎えるわけですが。
東山:8話は7話の楽しい感じを若干引きずるんですけど、ただ、そうは問屋が卸しませんよって話ですね。原作もそうですけど、何気ない言い回しがのちのちの伏線になってたんだなぁって思いました。ちょっと違和感のあるセリフが今後のフックになっているので、ここに注目とかははっきり言えないですけど、そういう違和感を覚えておいてくれると面白いと思います。
鬼頭:アニメのクライマックスの話が始まるというのもありますし、今までピックアップされていないキャラクターの意外な一面も見られます。佐倉とか本当にかわいいので。ぜひ見てほしいです。
東山:あとは高円寺が光っていましたね。高円寺はこの回でもさらにネジが外れて、ますますキャストから愛されてきていますね。
言ってしまえば、このシーン要る?って感じなんですけど、そこを外すことなく描いてくれるスタッフさん。そこをみなさん楽しみにしていると思うので、削られなくて良かったです(笑)。高円寺の岩澤(俊樹)さんは、この話数の序盤で兼役もやられていて、そこでも「美しい!」ってセリフがあったんです。「岩澤さん、この日だけでめっちゃ美しいって言ってる!」って、個人的にツボでした(笑)。
――これは余談ですが、毎回Webの予告が面白いですね。
鬼頭:毎回面白いんですよ! 原作者の衣笠彰梧先生が書いてくださっているんです。その話数の光っていた人たちがやってるんですけど、毎回原稿がすごく面白い!
東山:私もさっき録ってきました。面白かった!
――毎回、予告も見逃せないですね!
[インタビュー・文/塚越淳一 編集/柏村友哉]
■□■□■ 連載バックナンバー ■□■□■
【第1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
【第5回】ZAQさん×Minamiさん
【第6回】千葉翔也さん×M・A・Oさん
イマココ⇒【第7回】鬼頭明里さん×東山奈央さん
作品情報
【放送情報】
AT-X:毎週水曜 夜11時30分~
【リピート放送】
毎週金曜 午後3時30分~
毎週日曜 朝8時30分~
毎週火曜 朝7時30分~
TOKYO MX:毎週水曜 深夜1時05分~
テレビ愛知:毎週水曜 深夜2時35分~
KBS京都:毎週水曜 深夜1時05分~
サンテレビ:毎週水曜 深夜1時30分~
TVQ九州放送:毎週水曜 深夜2時35分~
BS11:毎週金曜 夜11時00分~
【スタッフ】
監督:岸 誠二 × 橋本裕之
シリーズ構成:朱白あおい(ミームミーム)
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
【キャスト】
[Dクラス]
綾小路清隆 千葉翔也
堀北鈴音 鬼頭明里
櫛田桔梗 久保ユリカ
佐倉愛里 M・A・O
軽井沢恵 竹達彩奈
平田洋介 逢坂良太
高円寺六助 岩澤俊樹
須藤 健 竹内栄治
池 寛治 阿部大樹
山内春樹 岩中睦樹
幸村輝彦 郷田翼
[Aクラス]
坂柳有栖 日高里菜
葛城康平 日野 聡
[Bクラス]
一之瀬帆波 東山奈央
神崎隆二 若山晃久
[Cクラス]
龍園 翔 水中雅章
伊吹 澪 小松未可子
[生徒会]
堀北 学 梅原裕一郎
橘 茜 小原好美
[教員]
茶柱佐枝 佐藤利奈
星之宮知恵 金元寿子
【音楽情報】
・OP:ZAQ「カーストルーム」(2017年8月9日発売)
・ED:Minami「Beautiful Soldier」(2017年8月23日発売)
【STORY】
この社会は平等であるか否か。真の『実力』とは何か――。
東京都高度育成高等学校。それは徹底した実力至上主義を掲げ、進学率・就職率100%を誇る進学校である。そこに入学して1年Dクラスに配属された綾小路清隆だったが、学校は実力至上主義の看板とは裏腹に、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業や生活態度についても放任主義を貫く。夢のような高校生活の中で、散財を続け自堕落な日々を送るクラスメイトたち。
しかし、間もなく彼らは学校のシステムの真実を知り、絶望の淵に叩き落とされるのだった……!
落ちこぼれが集められたDクラスから少年少女たちが見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会か。