『ようこそ実力至上主義の教室へ』最終話目前!千葉翔也さん×鬼頭明里さんが自身のキャラクターで成長・変化を感じたところとは
2017年7月より放送されている『よう実』こと、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』(原作:衣笠彰梧/キャラクター原案:トモセシュンサク)。アニメイトタイムズでは、本作の連載企画「ようこそ実力至上主義の広報室へ ~すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す~」を毎週掲載中です。
『よう実』に出演する声優陣をはじめ、アーティストやスタッフに、作品について、たっぷりとお話を伺っていく本企画。その第11回目に登場いただくのは、連載第1~2回目以来の組み合わせとなる、主人公である綾小路清隆 役・千葉翔也さんと、ヒロインの堀北鈴音 役・鬼頭明里さん! 物語もクライマックス。あらためて自身のキャラクターについて掘り下げてもらいました。
■□■□■ 連載バックナンバー ■□■□■
【第 1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第 2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第 3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
【第 4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
【第 5回】ZAQさん×Minamiさん
【第 6回】千葉翔也さん×M・A・Oさん
【第 7回】鬼頭明里さん×東山奈央さん
【第 8回】鬼頭明里さん×久保ユリカさん
【第 9回】岩澤俊樹さん×水中雅章さん
【第10回】千葉翔也さん×逢坂良太さん
イマココ⇒【第11回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
――自身のキャラクターについて、成長や変化を感じたところはありますか?
綾小路清隆 役・千葉翔也さん(以下、千葉):綾小路は成長というより、こんなに人とコミュニケーションを取ったのは初めてだと思うので、彼的に初めてのことは結構多かったのではないかと思います。各ヒロインに対する会話もそうですけど、一之瀬とか佐倉には、わりと踏み込んだアドバイスもしていて。
それは、達観している綾小路だから、結果アドバイスになっただけなのかもしれないですけど、彼にとって初めての体験だったのかなって。ただ、それで彼が変わったのかと言われると、それは見受けられなかったですけどね。次回で無人島サバイバルの特別試験が終わって、それ以降の関わり方が変わってくるのかなという期待は、少しありますけど。
――演じているときの指示は一貫していました?
千葉:そうですね。最終的に綾小路をこう描く!というふうに決めてからの演じ方だったので、綾小路がブレることはなかったです。ただ、彼が言ったことがない冗談や、冗談を言われたあとのリアクションは、今までの彼になかった引き出しでだと思うので、それは成長と言えなくはないと思います。
――自分で、こうしてみようみたいに思ったところはありました?
千葉:やっぱり3バカ(須藤、山内、池)に対しての本気の呆れとかは、何の打算もなく呆れていたので、そこは新しい部分だったかも(笑)。モノローグでのツッコミとか。
――鬼頭さんはいかがですか?
堀北鈴音 役・鬼頭明里さん(以下、鬼頭):鈴音がこの作品で一番成長した感じがあり、最初とはだいぶ違って、いろんな面を見せるようになったと思いました。最初はツンケンしているだけだったんですけど、お兄様に対してとか、みんなにチヤホヤされて戸惑ったりとか、いきなり脇腹を掴まれてあたふたするシーンなど、いろいろ演じさせていただいたく中で、成長したなと感じていました。
――誰と話しているときが一番変化を感じました? やっぱり綾小路ですか?
鬼頭:そうですね。弱いところも見つけられちゃって、それもちゃんと認めていたので、そこは変わってきたんじゃないかなとすごく思います。
――こんな一面もあるんだと思ったところで言うと。
鬼頭:やっぱり脇腹をくすぐられるシーンは、鈴音はそんなふうになるんだと思いました。怒ったりするのかなと思ったら、ただただかわいいみたいな。意外とかわいいところがあるんだなと。
――鈴音は、安定して12話通してかわいかったなと思いますよ。
千葉:ははは(笑)。いや、それは同意ですね。実はそんなに怒らないんですよね。
鬼頭:コンパスを刺すという、バイオレンスなところもありましたけどね……。
11話までで声優として演じ甲斐があったシーン
――これまでを振り返って、役者として演じ甲斐があったシーンというと、どこになりますか?
千葉:一本調子でしゃべるじゃないですけど、アップダウンがない彼だからこそ、説明セリフがすごく多いんです。謎解きとか、テストの点数を買い取るくだりとか。こうだから、こうだろって、理論立てて説明するセリフは、ちゃんと伝えないといけないから、どこをどう伝えたいのかというのを感情の流れとは別のところで、いっぱい噛み砕いたというか。
普通は、説明セリフと日常会話って別のもののような気がするんですけど、綾小路の場合は、自分の中の思考を相手に伝えるというところで、相手にしっかりと言葉をかけているなと思ったので、そこの表現は固くならないように、日常の延長でしゃべっているようにしようと思っていました。
――そんな細かいこだわりがあったんですね。
千葉:綾小路はセリフが長いので、これを普通に聞いていたら退屈になってしまうし、聞いている堀北や櫛田もつまらなくなっちゃうなと思ったんです。なので、トーンが変わらないからこそ、説明セリフの中で、気づかせるところ、嘘をつくところを台本を見て工夫したりしていました。周りの先輩方からしたら、自分の演技プランと違うから、ちょっと気持ち悪く思ったかもしれないなとは思うんです。
普通だったら、本当に大事なところに重点を置いて読むんですけど、綾小路の大事な部分って、本当に説明したいわけじゃなく、ただ説明したという既成事実を作りたいだけだったりもするから、そこらへんの兼ね合いもあったりして。
――基本的にフラットだし、ある程度の範囲から出ちゃいけないと思うから、難しそうですよね。
千葉:だから、聞いているぶんには全然分からないし、僕もオンエアを見て、ここ工夫したよなぁって思うわけではないんですけど、やる前に段階として考えていたので、長セリフはこだわっていましたね。
――鬼頭さんはどうでしょうか?
鬼頭:この作品自体、ウケを狙って笑いを取るようなギャグじゃないギャグが入っていると思っているんです。堀北は真面目に言っているんだけど、見てるほうは、おいおい!ってツッコんじゃうみたいなところが多くて、そういう芝居ってあまりしたことがなかったので、楽しかったです。大真面目に「え~~!」というようなことを言って笑ってもらえる。
お芝居としては難しかったですけど、「面白かったよ」とか、そういう感想をいただくと、良かった伝わって!って嬉しくなりました。
――自分の中では、明確にここは笑ってほしい!って思うところがあるんですね。
鬼頭:そうですね。真面目に言うことによって面白いとか、伝わっている人には伝わっていたのかなって思いました。
千葉:それで言うと、綾小路の「えー」とか「行ってこーい」みたいなセリフは、あまりにもローテンション過ぎて、オンエアを見てくれた人はどうだったんだろうって思いますね。鬼頭さんは笑ってくれたんですけど(笑)。そこは唯一遊べる部分だったので、リアクションを入れなくていいところでも入れてみたりして、要らなかったら外してもらうというのはやっていました。
――綾小路のローテンションなツッコミ、見ていて面白かったです。
千葉:あぁ。伝わっていたら良かったです。
――高円寺と龍園という突き抜けた存在はいましたけど、頭脳戦でありながら、ツッコみを入れながら見るのも『よう実』の楽しさだったかなと思います。
気になる無人島生活の結果は……
――11話は堀北鈴音の活躍が多かったと思うのですが、気になったシーンというと?
鬼頭:11話は、鈴音と伊吹の戦闘シーンがありましたね。
千葉:それこそ、何の説明もなく、二人とも格闘技ができるっていうのがすごく面白くて、ツッコミどころだと思うんですけど、当人たちは至って真剣なんですよね。まぁ、龍園に蹴りを入れていたり、ちょくちょく見せてはいたんですけど。
後ろで見ていて、すごく面白かったです。それにこのシーン、モノローグと普通の言葉の使い分けが難しそうだなって。あれ、こだわっていますよね?
鬼頭:11話と12話は本当に難しかったですね。今までにないくらい(病気で)弱っているじゃないですか。鈴音じゃなくなっちゃうんじゃないかと思うくらい変わっていたので難しかったし、監督もすごくこだわっていたので、何度もやり直しをさせていただきました。
――難しかったのは、弱ってる鈴音感とモノローグの使い分けとかですね?
鬼頭:そうですね。現実では弱っているし、モノローグでは普通の堀北だし、という差もありました。現実のセリフとモノローグが交互に来ることが多かったので、忙しかったですね。
――そういうときは、アフレコはずっと続けて録るんですか?
鬼頭:このときはどうだったかな。
千葉:息づかいを入れてなかったら、一緒に録ってたと思う。でも堀北は具合が悪くて、ハァハァ言っていて、演技的には相当厳しそうって思って見てました。
鬼頭:ハァハァする演技って、いつも酸欠になって手がシビれてきちゃうんですよ! 吐く息の量が多いのか、言い終わって椅子まで戻るときは、フラフラしていました。
――そんなに!
鬼頭:だいたいハァハァする演技だと手がシビれるんですけど、このときは顔までシビれました(笑)。
――そうなんですね。ちなみに11話はそのほかに、軽井沢の下着の盗難事件で女子と男子がギクシャクして、堀北が具合悪そうで、しかもキーカードを盗まれるという流れでしたけど、綾小路はどうでしたか?
千葉:一見すると、こいつは何をやっているんだ?っていう行動と、地道にキャンプ活動しかしてないんですよね(笑)。なので、今の何の意味があったの?と思った方は、あとあとそれが響いてくるかもしれないです。でも正直、11話だけの台本を見たら、「綾小路、お前何してるんだ?」って感じだと思います。堀北がカードを盗まれたって話をするときに「ま、まさかお前の下着が盗まれた、とか言わないよな?」って、緊張感なさ過ぎだろって……(笑)。
鬼頭:「盗まれたのは、キーカードよ」「えっ!?」っていうのも、すごく面白かったです。
千葉:そこ、綾小路にしては珍しくビックリしてみました。
――目の付けどころというか、面白いポイントが細かいです(笑)。
千葉:あと11話は、平田ですよね。焦っている感がすごく出ていて、今までは笑顔でみんなをまとめていたんですけど、火事が起きたり下着が盗まれたりで、どう見ても心が乱れているのが「何があったんだろう」って思わせるんですけど、結構そのあとも、それは謎のままなんですよね。
――そういえば、泥をかけるシーンもすごく面白かったですよね?
千葉:あそこは山内が、ただただおかしいっていう(笑)。どうかしてるよって。
――綾小路の「頭蓋は割れてたぞ」も最高でした。
千葉:あれも意味不明で、超面白かった(笑)。
鬼頭: (笑顔)
千葉: その前の堀北の「流石にこの状態は辛いわ」もめちゃめちゃ面白いんですよ。櫛田に言われても、いつも無視するのに、この時ばかりは……。
鬼頭:会話のキャッチボールをしたという。
――あとはカードを取られて、ちょっと弱気な堀北も見られますし、そこでの綾小路との関係もいいですよね。
鬼頭:シュンとする堀北、かわいいですよね。
千葉:序盤のテントの移動するとき、男子が平田一人じゃ信用できないからと綾小路を参加させたりするのも、信頼しているところが見えますよね。
――そこも平田の信頼のされ方がハンパないんですよね(笑)。
千葉:篠原の「平田くんは別でしょ!」って、すごく面白いですよね(笑)。(犯人は)平田かもしれないのに! あそこの篠原は面白かったです。詰めが甘いというか、高校生感があって。
――そんな11話を終え、いよいよ最終話です!
千葉:龍園さんが活躍しますね。もやもやしていた部分というか、この試験中に何があったのかは分かるようになっている気がします。
鬼頭:やっぱり特別試験の結果ですよね。それがどうなるのかが一番の見どころですし、綾小路がどういう人なのかが分かるのか分からないのか…というところですかね。
千葉:結構長きに渡った無人島の試験なので、普通には終わらないですよね。誰もが予想していたようにはならないかなって思います。今までのくだりと同様に、何でこの無人島の試験があったのかというところも、考えながら見てもらえればと思います。アニメーションはここでひと区切りですけど、原作は続いていて、むしろここからがクラスの対決になっていくので、ようやく学校側の意図が見え始めると思うんです。ここまで苦しめておいての次が気になる12話だと思うので、1クールの締めとして、一番面白い回だと思います!
[取材・文/塚越淳一]
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【放送情報】
AT-X:毎週水曜 夜11時30分~
【リピート放送】
毎週金曜 午後3時30分~
毎週日曜 朝8時30分~
毎週火曜 朝7時30分~
TOKYO MX:毎週水曜 深夜1時05分~
テレビ愛知:毎週水曜 深夜2時35分~
KBS京都:毎週水曜 深夜1時05分~
サンテレビ:毎週水曜 深夜1時30分~
TVQ九州放送:毎週水曜 深夜2時35分~
BS11:毎週金曜 夜11時00分~
【スタッフ】
監督:岸 誠二 × 橋本裕之
シリーズ構成:朱白あおい(ミームミーム)
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
【キャスト】
[Dクラス]
綾小路清隆 千葉翔也
堀北鈴音 鬼頭明里
櫛田桔梗 久保ユリカ
佐倉愛里 M・A・O
軽井沢恵 竹達彩奈
平田洋介 逢坂良太
高円寺六助 岩澤俊樹
須藤 健 竹内栄治
池 寛治 阿部大樹
山内春樹 岩中睦樹
幸村輝彦 郷田翼
[Aクラス]
坂柳有栖 日高里菜
葛城康平 日野 聡
[Bクラス]
一之瀬帆波 東山奈央
神崎隆二 若山晃久
[Cクラス]
龍園 翔 水中雅章
伊吹 澪 小松未可子
[生徒会]
堀北 学 梅原裕一郎
橘 茜 小原好美
[教員]
茶柱佐枝 佐藤利奈
星之宮知恵 金元寿子
【音楽情報】
・OP:ZAQ「カーストルーム」(2017年8月9日発売)
・ED:Minami「Beautiful Soldier」(2017年8月23日発売)
【STORY】
この社会は平等であるか否か。真の『実力』とは何か――。
東京都高度育成高等学校。それは徹底した実力至上主義を掲げ、進学率・就職率100%を誇る進学校である。そこに入学して1年Dクラスに配属された綾小路清隆だったが、学校は実力至上主義の看板とは裏腹に、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業や生活態度についても放任主義を貫く。夢のような高校生活の中で、散財を続け自堕落な日々を送るクラスメイトたち。
しかし、間もなく彼らは学校のシステムの真実を知り、絶望の淵に叩き落とされるのだった……!
落ちこぼれが集められたDクラスから少年少女たちが見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会か。