待望にして意外ッ！　村川梨衣さんの4thシングル「Nighnt terror」は、リエミュージックを拡張するゴシック路線！

ハロウィンを間近に控えた2017年10月11日（水）、村川梨衣さんの4thシングル「Nighnt terror」がリリースされます。2016年夏のデビューから怒濤のペースでシングル、アルバムをリリースされてきた村川さんですが、今作はいつになくエッジーな曲調に仕上げてきました。

村川さんといえばご自身が提唱する「リエミュージック」なるジャンルがあり、ゆくゆくは音楽ジャンルのひとつとして確立させたいと仰っています。それを思うと今作も今までリリースしてきた曲に連なる雰囲気があるのかなーと思って聞いてみたのですが、これがまた今までとは全然違う雰囲気なんです。

PVを見れば一目瞭然、まさかのゴシック路線！リエミュージックはこの手のダークな雰囲気すらも包含してしまう懐の広さを持っているのでしょうか。シングルリリースを記念して、村川さんにその胸中を語っていただきました。

――今回の「Night terror」は、これまでにリリースされてきたシングルやアルバムにはなかったゴシックな曲調ですね。非常にカッコよくて、これもリエミュージックなのかぁというのが最初の印象でした。

村川梨衣さん（以下、村川）：そう思っていただいて嬉しいです！元々こういった世界観も好きで、まだまだリエミュージックは始まって間もないんですけど、ようやく皆さんにこの世界を見ていただけたなという気持ちがあります。自分的にも待望のジャンルでした。

――村川さんはバイオリンの音にこだわりがあると仰っていましたが、それがとても映える曲調ですよね。そういったものも待望という気持ちに含まれていますか？

村川：確かにそこもあるんですけど、純粋にこういう世界観が好きというのが大きいですね。好きな音楽の幅も広くて雑食なので、今までのシングルのような音楽ももちろん大好きだし、今回のNight terrorの世界も大好きで。

――今までリリースしてきた曲とは雰囲気や方向性がわりと違うと思うのですが、戸惑いや「ここまでやっていいのかな」みたいな思いはありましたか？

村川：全く無いです（笑）！　皆驚いたんじゃないかなと思いますね。1st、2nd、3rdでは水色のFantasyと全てキラキラして綺麗な世界観が続いてましたし、ダークサイドってわけじゃないんですけど今回はジャケットの色味も黒ですし。でもどこか皆さんも待ってくれてたんじゃないかなと思うので、そこはもうお待たせしましたって感じです。

――ということは、いつかこういう曲調にも手を出そうと前から考えていたんですか？

村川：そうですね。本当に好きな音楽がありすぎるので、1stアルバム「RiEMUSiC」の時点で色んなジャンルをやらせていただいてたんですけど、まだまだ全然良い意味で足りなくって。もっともっとやりたい、まだまだたくさん歌いたいっていう欲がすごいんです。なのでそういう気持ちは尽きないですね。

――「次はこういうジャンルでいってみたい」というオーダーやリクエストは、村川さんから出しているのでしょうか？

村川：「RiEMUSiC」の時は、アルバム曲に関しては私からのオーダー曲があったりしました。シングルの場合は今までタイアップということもありましたし、わりと自分のやってみたいという気持ちよりも作品の方をメインに考えることが多かったです。でも今回の「Night terror」に関しては完全に私のオーダーで、実は元々この曲はシングルにするつもりはなかったんですよ。私が季節モノの曲が欲しいですってお願いしたら、じゃありえしょんオーディションを開催しようってなりまして、その時に巡り合った曲なんです。その時に「え、めっちゃいいやん……」ってなって（笑）。そこで「これシングルで出したいです！」ってディレクターさんにお願いして承諾をいただいて、今願いが叶ってリリースというかたちになった次第です。

――それは衝撃的な出会いですね。曲についてはボーカルの音域が村川さんの声にしてはわりと低いなと感じました。普段はもっとソプラノじゃないですか？

村川：そうですね、これまでのシングル曲で考えたら今までで一番中域の歌ですね。

――村川さんといえば高域ファルセットのパーンという印象があるので、この音域だとこうなるんだというのもひとつ新鮮な聞き心地でした。

村川：本当ですか、やったー（笑）！それも新しい聞き感かもしれません。

――サウンドやボーカルも全体的に太いので、ライブだとより大迫力に感じられるかもしれませんね。

村川：実はですね、この曲は「Tiny Tiny」や「水色のファンタジー」の発売記念イベントで私たちがよくやっているRSLP（りえしょん・セッション・ライブ・パーティ）というイベントがあって、その3rdの時に初披露してるんですよ。でもその時はリリースの予定も何もなくて、とりあえず良い曲できたから皆聞いてくれって言って。

――そ、そんなバンドの新曲披露のノリのような。

村川：　よくやっちゃうんです（笑）。そこで皆に初めてお披露目した時もすごく反響が良くて、「カッコいい！」とかも言ってもらえて。なので早くみんなのお手元に届けたい！聞いて欲しいという気持ちがありました。

――なるほど。そこが「Night terror」が初めて世に出た場所なんですね。

村川：限られた人たちにではありますけど、そうですね。その場所では皆に「良最高だったっていうのは言ってOKだけど、曲名とか詳細は秘密ね」って約束をしてもらいました。皆本当にいい人ばっかりで、忠実に約束を守ってくれるんです。SNSでも何にも発信しないでいてくれるんです！

――おお、きっと言いたくて仕方ないでしょうに…。

村川：その日の感想で「最高のライブだった！でもりえしょんと約束したからあんまり多くは語りません。とっても楽しかったです！」みたいなリプくれたり、「名前を言ってはいけないあの曲」とかそんな感じに言ってくれてて（笑）。だからそれを見ている周りの人たちにも「りえしょん何かやべぇ曲披露したんだな」っていうのはザワザワと伝わってくれてたみたいですけど、それがいよいよこうしてお披露目できたなと。

――では既に聞いたことがある人にとってはまた違った待望感になりそうですね。

村川：そう、知ってる人からしたら「ハイ来ました！」みたいな。私たちからこの曲について何か発表があった時は、「これ前のライブで聞いたことあるよー」とか、声を大にして言っていいからねって既に伝えてあるんですよ。

――それはファンからすると嬉しいサプライズになりますね。

村川：ですね。そうだと良いなーって思ってました。

――村川さんは、自身が歌うリエミュージック自体をジャンルにしたいと仰っていましたが、今回の「Night terror」も今まで村川さんが歌ってきたリエミュージックと同じジャンルとするなら、なんと懐が広いジャンルなんだろうと思ったんですよ。そうした「リエミュージックはここまで含んじゃいますよ！」みたいな意図もあったりはしますか？

村川： 1stアルバムで色んなジャンルをやっていたとはいえ、まだリエミュージックのことを知らない人とかそんなに聞いたことがない方もいらっしゃるとは思うんですけど、今作を引き連れて「これもリエミュージックなんですッ！」って言えたというのは大きいことだと思っています。

――まさにそういう言葉が相応しい楽曲だと思います。では続けて2曲目の「Snow Christmas」について伺っていこうと思いますが、こちらはクリスマスソングとなっていますね。

村川：これは書き下ろしの曲で、歌詞も渡部紫緒さんに書いていただきました。クリスマス＝楽しいという一般的なイメージがあると思うんですけど、同時に楽しいからこそ終わってしまう寂しさというのもあると思ったんです。そういうどこかもの悲しい世界を表現できたらいいなとリクエストしまして、サウンド面でも歌詞でも私が思い描いた世界を作って下さいました。

――あと、イントロにはこれもまた村川さんがお好きだと仰っていた鐘の音が入っていますよね。

村川：そう、そうなんです！これも私の意図を汲み取って下さって始めから入れていただいてたんですけど、「ココにも鐘欲しいです、鈴のシャンシャン欲しいです！」っていうリクエストも随所にさせていただきました。この曲も「Night terror」もそうなんですけど、かなりこだわりが詰まった曲になっていますね。

――シングル通して聞くと、闇色ダークな「Night terror」からホワイトクリスマスな「Snow Christmas」へと、この黒から白へといった流れはかなり面白いなとも感じます。

村川：あー、言われてみればそっかぁ。見える景色も黒と白で変わっていって面白いかもしれませんね。

――これもまた、リエミュージックの懐の広さというやつではないかと思いますよ。

村川：ありがとうございます（笑）。

――8月には仙台アニメフェスでのアニソンライブ「超！アニメディア劇場」出演されていましたが、これからのライブ目標や何かやってみたいことなどはありますか？

村川：そうですねぇ……、村川梨衣の音楽でしか、このチームでしか作れないようなライブステージというのはやってみたいし、やっていきたいですね。

――楽しみにしております。では最後に、読者に向けて一言お願いします。

村川：私のラジオを聞いて下さっている方は既にご存知だったり、MVももう解禁になっているのでそちらでご覧になってくれた方もいるかと思うんですが、今回の「Night terror」で初めてリエミュージックに触れてくれた方もいるかと思います。そうだといいなという希望もありますし、一人でも多くの方に聞いていただけたらと思いますので、自分が聞いてみて良いなと感じたらぜひ周りのお友達に「これ聞いてみて」ってオススメしたり、それをきっかけに聞いてくれると嬉しいです。ぜひ、発売を楽しみにしてくれたらなと思います。

[取材・文／ヤマダユウス型]