『弱虫ペダル』岸尾だいすけさんが語る、新生総北キャプテン手嶋純太とライバルたちへの思い/アニメ第3期総集編劇場公開記念インタビュー
2017年10月13日にいよいよ劇場公開となる第3期アニメ総集編に新規パートを織り交ぜて構成する『弱虫ペダル Re:GENERATION』。原作は「週刊少年チャンピオン」にて連載中の渡辺航先生による漫画。2008年から開始された連載では、幅広い層の支持を得ています。
一年目のインターハイでは見事優勝し、その後新たに手嶋純太をキャプテンに迎えた総北高校。先輩の卒業、自身の葛藤、そして更に強くなったライバル校の錚々たるメンバーと彼等はどういった勝負を繰り広げるのか……!? 全力のケイデンスに、今後も目が離せません!
今回は総集編劇場公開を記念して、新生総北キャプテン・手嶋純太役の岸尾だいすけさんにインタビュー。手嶋やライバルたち、そして自転車やアフレコ現場の様子についてお話を伺いました。
――手嶋は1,2期からの変化や成長が著しいですが、演じる上で意識していることはありますか?
手嶋純太 役・岸尾だいすけさん(以下、岸尾):特にはありません(笑)。役者として台詞量や出番が多いのは嬉しいので、楽しく演じています。
――岸尾さんは手嶋との共通点、共感する部分はありますか?
岸尾:手嶋に限らず、今までやってきたキャラクターに共通点はありませんが、手嶋の自転車に対して最大限の努力をするという所、才能が無く、弱くても頑張る部分は共感します。役者として芝居にダメ出しをされたり、ダメだダメだと言われても好きだから続けてしまうし、いい芝居をできるように努力を続けています。
その点では同じことをしているなと。僕に限らず世の中で好きなことをやっている人は皆そうだと思うので、つくづく色んな人に刺さるキャラクターだなと思います。
──総北キャプテン・手嶋の魅力とは?
岸尾:平凡だ、平凡だと言われながらも努力する所。手嶋自体は自転車の事が大好きだけど才能があるかどうかと言われたら、無い。けれども好きだから続けている所ではないでしょうか。
ペダルの世界はとんでもない才能を持った化け物ばかりですが、世の中の所謂「天才」って一握りじゃないですか。
――ほとんどが普通、ですよね。
岸尾:はい。手嶋は天才ではない方の人間ですから、一番沢山の人に近いキャラクターであると思います。それでも泥臭く頑張っていく所が色んな人に勇気を与える、そこが魅力ですかね。
大勝負「いろは坂」に対する思い。個性溢れるライバルは「変態」
――中でも特にお気に入りのシーンや台詞を教えてください。
岸尾:どこか一つ選べと言われると難しいのですが、3期の見せ場としてはやっぱり「いろは坂」。皆さんの印象に残ればいいなと思って演じました。手嶋はどのシーンも基本的に自分より格上のキャラクターと戦うので、毎回演技に力が入ります。
毎回ほぼ負けるんじゃないかと僕も思っていますし、ひょっとしたら渡辺先生もそう考えて描いているかもしれませんね(笑)。共感するのは「俺は自転車が好きなんだ!」という台詞です。自分だと芝居に置き換えて全く同じセリフが言える。あれはシンクロしましたね。
──今回の見どころでもある手嶋VS真波戦では、勝負する前と後で真波の態度が著しく変わっていると思いました。手嶋の言動が後の真波にどの様な影響を与えると思いますか?
岸尾:手嶋が真波のことを強くしてしまったと感じました。勝負をする事によってどこか余裕をかましていた真波に手嶋のロードレースにかける思いが伝わったでしょうし、真波自身も「いつも死にもの狂いでやらなきゃ」ということ、身をもって感じたのではと思います。
――もしかしてこれからの総北にとって真波はさらに脅威なのでは?
岸尾:体力だけではなく精神的に、人間的に大きく成長したので、来年坂道は大変ですね(笑)。
―― 試合に入るとなかなか青八木と会話をしなくなってしまいますが、チーム2人として寂しさはありましたか?
岸尾:これがですね、別にレースに入らなくても青八木とはそんなに会話しないんですよ(笑)。心で通じ合ってるので青八木とはほぼ喋ってないんじゃないかな。
僕が独り言を言っている様な感じで、たまに「ああ、純太!」と合いの手が入る事を考えると、表面上の会話としては成り立ってないような気がしますね(笑)。でも心は通じ合っているので寂しくはないです! 青八木、CM等のモノローグはすごい喋るんですけどね……。
――新世代の総北高校、箱根学園の主将二人は金城・福富の様なライバル関係ではなく直接対決もしませんが、岸尾さんは泉田をどのような人物だと思っていますか?
岸尾:いやもうちょっとおかしな人ですよ(笑)。泉田くんのみならず箱根学園は個性の塊ですよね。その主将ですからなかなかの変態だなと思っています。僕以外にも皆同じ事を思っているんじゃないかな(笑)。
自転車に乗っているからこそ見えてくる今後の課題
――手嶋は男女ともに熱いファンが多いイメージがあります。岸尾さんはイベント等で手嶋ファンの熱量を感じることはありましたか?
岸尾:突出してこのキャラクターの熱量を感じるということは無く、ペダル全体の熱量をいつも感じます。チャンピオンの人気投票では手嶋が一位になっていましたけど、イベント等では皆さんペダルという作品が大好きで応援してくださっているなという印象です。
――岸尾さんもロードバイクに乗るとお聞きしておりますが、自転車に乗っていて作品内の演出や台詞に共感したことはありますか?
岸尾:実際自転車に乗っていてあんなに会話はできませんから、「奴らは一体何者なのだ……」とは常に思います。あとは「坂疲れる!坂疲れるよね!!」とかですかね(笑)。
真波が坂でギアをあげるのはいつも「うそだろ!?」と思います。それでスピードあがるのは本当にすごい。真波に対しては「できませんよ、そんなこと!」と言いたいです。不可能ですよ、あんなの!
体調によっては走っていて足がつりそうになる時があるので「ああ本当になるんだなあ」と思いつつ、彼らのようにこぎ続ける事は出来ないです。「いやーこれつるわ!危ない!ストップ!足もみもみ!」となるので、共感というよりは「すごいやコイツら!」と思う事が多いかもしれません。
また、彼らは試合中そこそこスピード出しているのに普通に会話するので、走り感を台詞にどれだけ乗せるべきなのかと迷いました。巡行しているとはいえそれなりに漕いでいる時の台詞や、汗はかいているけどそこまで厳しい顔してない時は、どれだけ躍動感を台詞に乗せるべきなのか今でも悩みますし、今後の課題の一つです。
――『弱虫ペダル』のキャストの皆さんとても仲がよさそうですが、3期アフレコにおいて印象的なエピソードはありますか?
岸尾:手嶋に関してだと、泉田に限らず仲間にすら「凡人だ」と言われますけど、彼は沿道にいるお客さんにも笑われたりするんですよ。手嶋の悪口を言った客役の子は皆チェックしておきました。名前と事務所も聞いて「よくわかった、覚えておくよ」とプレッシャーをかけて遊んでいましたね(笑)。
もう一つ、知っている方も多いと思うんですけど、僕は手嶋の「どわっちょ!」という台詞を原作で読んだ時からどう表現しようと悩みつつも、とても楽しみにしていたんです。いざそのシーンの収録になった時、カットされていなかったので、いい「どわっちょ」(※1)をやるぞと意気込んだんですね。
でもテストを終えた時点で「シリアスなシーンだしカットしようか」と言われてしまって。「それは困ります! 僕は原作を読んでからすごく練習してきたのでどわっちょはどうしても言いたいです!!」と熱弁をふるったんです。
そしたら「シーンを壊さないように、イイどわっちょだったらいいよ」と言われたので本番では良い感じに表現できたと思います。印象的な台詞を言えたことが役者的にはすごくうれしかったですね。泉田のアブ、手嶋のどわっちょという感じで推していきたいです(笑)。
(※1)どわっちょ:24,25話に渡って繰り広げられる手嶋VS真波のレース中、手嶋がグラついてしまった際に発する台詞。
――2018年1月からは4期がはじまりますね。これからも熱い戦いが待ち受けていると思いますが、手嶋を演じる上での意気込みを教えてください。
岸尾:4期が始まる冒頭、手嶋は疲れ切っております。いろは坂という一番の難所を乗り越え、手嶋は一段落しますが、インターハイはまだまだ終わっておりません。
今泉、鳴子二人にバトンを託して僕と手嶋は疲れ切りつつ熱いバトルを堪能しようと思います。レース的には非常に盛り上がるので、ファンの皆様には最初からクライマックスな気分で盛り上がっていただけたら嬉しいです。目が離せない戦いばかりなので気を抜かずに付いてきて頂けたら!
――ありがとうございました!
[取材・文/室園あ子]
作品概要
『弱虫ペダル Re:GENERATION(リ ジェネレーション)』
2017年10月13日(金)から劇場にて二週間限定特別上映
<スタッフ>
原作:渡辺航(週刊少年チャンピオン)
監督:鍋島 修 シリーズ構成:砂山蔵澄 キャラクターデザイン:番 由紀子
音楽:沢田 完 音響監督:高寺たけし 編集:坂本久美子
主題歌:「ツヨサヨワサ」佐伯ユウスケ(TOHO animation RECORDS)
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
<キャスト(声)>
山下大輝 鳥海浩輔 福島潤 岸尾だいすけ 松岡禎丞 下野紘 宮田幸季 羽多野渉 中村悠一 代永翼 阿部敦 野島健児
宮野真守 小野大輔 内田雄馬 遊佐浩二 福山潤 安元洋貴 森久保祥太郎 伊藤健太郎
<イントロダクション>
走り出した“新世代(ニュージェネレーション)”!
彼らの始まりの物語が、スクリーンで甦る!
週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載中、渡辺航による日本を代表する自転車(ルビ:サイクル)ロードレースコミック「弱虫ペダル」。
ロードレースに全てをかける高校生たちが繰り広げる熱いドラマと戦いにファンは熱狂、コミックス累計発行部数は1700万部を超える。
その「弱虫ペダル」のTVアニメシリーズはこれまで第1期(2013年)から第3期『弱虫ペダル NEW GENERATION』(2017年)まで放送されている。
そしてこの度、新世代メンバーたちのドラマがはじまった第3期の物語を、オリジナルの新作パートを織り交ぜて再構成した
『弱虫ペダル Re:GENERATION』がスクリーンに登場!2018年1月からはTVアニメ第4期の放送が決定している自転車ロードレースアニメの金字塔は、
2017年10月、ますます加速する!
<ストーリー>
夏、灼熱のインターハイ。その戦いの地・栃木に、3人の男が向かっていた。昨年、総北高校自転車競技部のメンバーとしてインターハイを制覇した、
金城真護、巻島裕介、田所迅だ。彼らは新生チーム総北の応援のために集結したのである。車を走らせながら、3人は昨年の戦いを振り返り、
新生チームへの期待に胸を膨らませていた。
高校からロードレースを始めた初心者ながら今やチームのエースクライマーとなった小野田坂道、
新キャプテン手嶋純太をはじめとする総北高校自転車競技部。インターハイの戦いに臨む彼らのこれまでの道のりは、
決して平坦ではなかった。信頼し支えてくれていた先輩との別れ。「全員で支え合い繋ぐ」というチームの魂の継承。
他校だけでなくチーム内の仲間とも激しくぶつかったインターハイ出場を賭けた戦い…。
それらを乗り越え、全国の強豪が集まるインターハイの頂点を目指して、灼熱の地を駆ける!
新世代(ルビ:ニュージェネレーション)の始まりの物語が、ここに―!
<入場者プレゼント>
『弱虫ペダル Re:GENERATION』田所パン謹製 パン(缶)バッジ(全17種)
※お一人様1回のご鑑賞につき1個プレゼントとなります。
※数量限定、各劇場で数がなくなり次第終了となります。
※種類は選べません。※交換は致しかねます。
<上映スクリーン>
http://www.toho.co.jp/theater/ve/yowapeda2017/
<配給>
東宝映像事業部
<上映時間>
90分
<映倫区分・なし>
<前売り券・なし>