『ゲーマーズ!』TVアニメをもう一度観たくなる! キャラたちのすれ違い、からの噛み合わない会話劇を楽しむ
富士見ファンタジア文庫より絶賛刊行中の葵せきな(『生徒会の一存』シリーズなど)によるライトノベル『ゲーマーズ!』。2015年から現在まで8巻+短編集1巻が出版され、2017年7月~9月にはTVアニメが放送し、全話放送後の今でも話題を呼んでいます。
本作は勘違い、すれ違いによってうまく噛み合っているようで噛み合っていない会話劇を繰り広げるラブコメディー。この噛み合わなさこそ、本作を楽しむ上で欠かせないポイント! 誰が誰を好きなのか互いに探り合うのですが、勘違いをしてあらぬ方向に進んでいく彼らを見るのが楽しみのひとつです。
そしてなんといっても、登場するキャラクターたちひとりひとりが魅力的であること。ゲーム好きの主人公・雨野景太をはじめ、平凡なようで一癖も二癖もあるキャラクターたちが物語を展開します。
この2点を踏まえた上で、テレビ放送12話までの主人公を含めた6人の立ち位置、今後の見どころ、そして本作の面白いポイントについて紹介していきます。
本作を語る上で欠かせないのが、魅力的な会話劇を繰り広げるキャラクターです。主人公・雨野景太をはじめ、端から見ると一見普通ですが、中身はちょっと変わった人物ばかり。
ここでは、本作の見どころとも言える流れを作り出す、雨野景太含む6名について迫っていきます! キャラクターの背景や12話放送時点での人間関係、そして今後どのように展開していくのか気になる点などをピックアップ!
●雨野 景太(あまの けいた) CV:潘めぐみ
本作の主人公でただただゲームが好きな音吹高校2年生。いつも独り教室の片隅でゲームに没頭し、誰とも話さないほどの人見知り。コンシューマーゲームだけでなく、ソーシャルゲームなど幅広くプレイするほど、とにかくゲームが大好き。
一見すると卑屈で気弱そうですが、断固として譲れないことになると相手が誰であれ絶対に自分の意見を曲げない、意外と芯の強い男らしい一面も持っています。
ゲームショップで高校のアイドルである花憐にゲーム部へ誘われたことをきっかけに、花憐はもちろんのこと祐や千秋といったゲーム仲間を増やしていくことになります。(価値観の相違でゲーム部への誘いは断ってしまっています)
第6話では、花憐と友達になってもらうために呼び出しますが、なぜか前日の夜中までやっていた美少女ゲームの告白シーンを走馬灯のごとく思い出し「僕と付き合ってください」と言ってしまいます。結果、OKをもらったものの、うまく踏み出せずにいるのが現状。
彼女となった花憐とのこれから、そしていくつかの接点が以前からあることが判明した千秋との関係、このふたつを抱え込むこととなる景太のゆくえはいかに……。
●天道 花憐(てんどう かれん) CV:金元寿子
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能という高スペックであり、いわゆる学内アイドルとして一目置かれているほどの美少女。ひとつのゲームをとことんやり込むタイプで、ソーシャルゲームのような軽くやるゲームのことをあまり良く思っていません。
景太と同じく音吹高校の2年生でありながら、一度は廃部となったゲーム部を再び設立し、その部長を務めています。
自分があまりに有名であるがゆえに、ゲーム部には人が集まりすぎないようゲーム好きだけを選りすぐって勧誘しているのですが、景太には断られてしまい、なんとか勧誘するべく終いにはストーキングし始める残念な人。
その際に景太と祐の喧嘩を見かけ、そこで景太が自分やゲーム部のことを気にかけてくれていたことにときめき、恋に落ちてしまいます。
その後は学内アイドルの肩書きを微塵も感じないほどポンコツな姿を見せることになるのですが、周りが花憐に向ける視線とは逆の姿(ギャップと言うのでしょうか)それがとてもかわいいです。
ひょんなことから景太と付き合うことになりましたが、景太が他の女の子と仲良くしていると、気になって気になってしょうがない姿にも惹かれるものがあります。
12話放送終了時点では、景太との恋は付き合い始めたころからあまり進展がないままなので、今後親睦を深められるか注目です。
●星ノ守 千秋(ほしのもり ちあき) CV:石見舞菜香
花憐と同じクラスの音吹高校2年生。景太以上の人見知りで彼女もまたゲーム好き。ゲーム仲間を増やすべく、祐に紹介され景太が声をかけることとなった人物。
景太がプレイするソーシャルゲームの相棒「MONO」であり、彼の好きなフリーゲーム製作者「のべさん」でもあります。
最初は長髪でボサボサの頭をしていましたが、祐から「短いほうが似合うと思うぜ?」と言われたのをきっかけに短髪にしたことで、学校では美人が現れたと噂されるほどになります。
景太とはゲームの好みなどがドッペルゲンガー級に一緒であるものの、萌えに対するスタンスがまったく正反対なため時折喧嘩してしまいます。
ゲーマーならば誰かと討論や議論となるのは、まず通る道でしょう。例えば、「美少女ゲームで誰のルートが一番良かったか」といった話題で数え切れないほど戦った記憶が筆者にもあります。こういった「ゲーマーあるある」のような共感を誘うシーンがやはり見ていて面白いですね。
第8話では、千秋が以前からやっているソーシャルゲームの相棒「つっちー」が景太であることを知ることになります。一度自分の正体がバレそうになりましたが、妹・心春がその場にいたので、妹を「のべさん」「MONO」に仕立て上げることに。
放送の最後まで正体を隠し通すことができましたが、これから景太とどのように接していくかが見どころのひとつになりそうです。
●上原 祐(うえはら たすく) CV:豊永利行
景太と同じクラスの音吹高校2年生。チャラついたグループに属しながらひとりぼっちの景太を気にかけたり、やたら面倒見がよく優しいのですが、その優しさのせいでよからぬ方向に話が進むことも。
地味だった過去の自分と決別し、高校ではゲームをやるまいと封印していましたが、景太の本心に触れたことによりゲーム友達になります。
亜玖璃とは告白されたから、何気なく付き合っていた。しかし、亜玖璃は、祐が地味だった中学時代にゲームセンターでぬいぐるみをくれた人だと気づいており、そのことを知らされ彼女を意識するようになります。
現在は亜玖璃が景太と一緒にいることが多くなってきたため、疑心暗鬼に陥ってしまっています。
また、周り(特に景太)からは外見のイメージから軽く見られてしまっているので、ちょっとした言動でも花憐や千秋に気があるのではないかと勘違いされがちですが、そんなことはまったくないので不憫に思えてならなかったです。
とにかく「おつかれさま」と声をかけてあげたくなるほどの苦労人で、一番本編で振り回されている人物でしょう。その姿を見るのもまた面白いのですが……(笑)。
●亜玖璃(あぐり) CV:大久保瑠美
音吹高校2年で祐の彼女。無邪気で多少抜けているところはあるものの、そういったところもかわいいと感じるほど。メインキャラクターの中で唯一ゲーム知識がない子です。
ゲーム知識がないゆえに亜玖璃のことを、ゲームを普段やらない人の目線でゲームについて質問をぶつけてきてくれる重要なキャラクターであると感じています。
第12話では、「ゲームの値段」「DLC販売」などゲーマー的にタブーな話を一般人目線で質問する場面もあり、それをゲーマーたちが必死に説得する姿がなんとも言えなかったです。
祐とは中学時代にゲームセンターで出会い、そこでの一件で彼に恋をします。彼と同じ高校に入ったものの、自分と釣り合わないほどイメージチェンジをしていたため、自分も外見を変え告白したことで交際が始まりました。
景太と関わり始めてから祐が花憐や千秋と関わり始め、そしてその二人に好意を寄せているように見える行動をするのが気になっている様子。
また、景太と二人で恋愛相談をしているだけなのですが、祐からは景太との関係についてあらぬ疑いをかけられています。祐には景太のことを弟のようなものだと伝えていますが、当の本人はなかなか受け入れられないまま。
祐と思いが通じ合ったかと思った矢先、今度は疑われている亜玖璃。二人の動向もこれから気になります。
●星ノ守 心春(ほしのもり このは) CV:桑原由気
千秋の妹で碧陽学園(葵せきな先生著『生徒会の一存』シリーズの舞台)生徒会長。優等生でありながら、変装をしてまでゲームショップに美少女ゲームを買いに行くという一面があります。
景太には、姉・千秋からなぜか「MONO」「のべさん」として紹介されてしまいます。それについて姉から後で説明され、すんなり受け入れています。
後に姉がどうやら景太のことを気にしていることが分かり、彼女を応援する形で動くことに。景太と姉・千秋の仲を取り持つ立場の心春。すでに彼女がいる景太に対し、どのような行動を起こすのかがポイントになっていきそうです。
噛み合わない会話劇はもちろん、ゲーム愛を感じ取れる世界観
主人公・雨野景太がゲームショップで、学内アイドルと揶揄されるほどの美少女・天道花憐からゲーム部に勧誘されたことで物語が始まります。
その後、同じクラスの祐、学内アイドル・花憐、ぼっちゲーマー・千秋、祐の彼女・亜玖璃といった面々が集まっていき、互いに勘違いを起こし、すれ違っていくこととなります。
このすれ違い、噛み合わない会話劇が本作での魅力となっています。千秋と仲良くなるために花憐のいるクラスに行ったことで千秋との関係を勘違いされてしまったり、景太を花憐や千秋に近づけるために言い寄る祐の様子を見た亜玖璃は、それが浮気現場だと思いこんでしまうなどなど数えたらキリがないほど勘違いをし、互いが互いを探り合いながら話を進めていくのを楽しめるのが見どころのひとつ。
そして、なんと言っても『ゲーマーズ!』というタイトルの通り、ゲーマーならば共感するであろう描写も数多くあるのもポイント! キャラクターひとりひとりのゲームに対する価値観や、ひとつのゲームに抱く想いが違うことに人間味を感じ、本編を見る中で一ゲーマーである筆者は惹かれていきました。
ひとつのゲームについて喧嘩をする景太と千秋、目的を掲げゲームに打ち込むゲーム部部員たち、一度は止めると決めたゲームをまたプレイし始める祐。さまざまな背景を持ち、ゲームに各々の思いを寄せる、そういった姿を見られるのはこの作品ならではないでしょうか。
原作者・葵せきながゲームを好きなことが伝わってきたのはもちろんのこと、制作に携わる人たちもゲームを好きなのが感じ取れる、とても面白い作品となっています。スペシャルイベントの開催も決まり、今後どのような展開になるのかも気になる『ゲーマーズ!』からは目が離せません!
[文・阿部アキラ]
イベント情報
<TVアニメ『ゲーマーズ!』スペシャルイベント>
【開催日】
2018年2月11日(日・祝)
昼の部 開場 14:00 / 開演 15:00
夜の部 開場 17:30 / 開演 18:30
【場所】
竹芝ニューピアホール
【出演】
潘めぐみ、金元寿子、石見舞菜香、大久保瑠美、豊永利行、Luce Twinkle Wink☆
【イベントチケット販売について】
■【夜の部】優先販売申込:2017年10月25日(水)10時から受付開始
※TVアニメ『ゲーマーズ!』Blu-ray&DVD第2巻 初回限定版特典にイベントチケット優先販売申込券を封入
※詳細はアニメ公式HP(gamers-anime.com)をご確認ください
【Blu-ray&DVD】
TVアニメ『ゲーマーズ!』Blu-ray&DVD第2巻〈初回限定版〉 2017年10月25日発売
[Blu-ray]〈初回限定版〉GNXA-2012 6,800円+税
[DVD]〈初回限定版〉GNBA-2672 6,000円+税
【初回限定版特典】
■スペシャルイベント優先販売申込券(夜の部)
開催日:2018年2月11日(日)
場所: 都内イベント会場
出演:潘めぐみ、金元寿子、石見舞菜香、大久保瑠美、豊永利行、Luce Twinkle Wink☆
■原作者・葵せきな先生 書きおろし小説 「雨野景太とアグリルート」
■録りおろし新作ドラマCD 「星ノ守千秋と雨野景太の二人プレイ」
■アニメ描きおろしイラスト特殊パッケージ仕様
※発売日、仕様、特典などは都合により予告なく変更する場合がございます。
http://www.gamers-anime.com/bddvd/index.html
作品情報
【STORY】
「……私に付き合って、ゲーム部に入ってみない?」
趣味はゲームという以外目立った特徴もないモブキャラぼっちゲーマーの雨野景太は、ある日突然に学園一の美少女でゲーム部部長の天道花憐に声をかけられる。そこから景太の日常は一転、ゲーム好きな美少女たちとのラブコメ展開の日々が始まる……と思いきや!?
ゲームの価値観以外はそっくりな、ぼっち女子ゲーマーの星ノ守千秋。クラスの中心人物で彼女持ちだけど隠れゲーム好きな、残念リア充の上原祐。祐の彼女でゲーム知識皆無の亜玖璃らを巻き込んで、お互いが勘違い、空回り、迷走を繰り返す、こじらせゲーマーたちによる“すれ違い青春錯綜系ラブコメ”が始まる。
【配信情報】
AbemaTV、dアニメストア、FOD、Amazonプライム・ビデオ、バンダイチャンネル、UNEXT、ビデオマーケット、GYAO!、ニコニコ動画ほか、各配信サイトにて配信中!
【オープニングテーマ】
「GAMERS!」
天道花憐(CV.金元寿子)&星ノ守千秋(CV.石見舞菜香)&亜玖璃(CV.大久保瑠美)
作詞・作曲・編曲:まふまふ
発売中
GNCA-0499 / ¥1,200+税
【エンディングテーマ】
「Fight on!」
Luce Twinkle Wink☆
作詞:KOTOKO 作曲・編曲:ツキダタダシ
発売中
初回限定盤 (CD+特典DVD) GNCA-0502 / ¥1,800+税
通常盤A (CD only) GNCA-0503 / ¥1,200+税
通常盤B (CD only) GNCA-0504 / ¥1,200+税
【CAST】
雨野景太:潘めぐみ
天道花憐:金元寿子
星ノ守千秋:石見舞菜香
亜玖璃:大久保瑠美
上原祐:豊永利行
星ノ守心春:桑原由気
【STAFF】
原作:葵せきな
原作イラスト:仙人掌
監督:岡本学
シリーズ構成:内田裕基
キャラクターデザイン:佐藤天昭
アニメーション制作:PINE JAM