『Run Girls, Run!』初アフレコの感想は?島田真夢の心理描写に注目の『Wake Up, Girls!新章』第3話に迫る【WUG新章・バックステージ#3】
2017年10月より放送中のTVアニメ『Wake Up, Girls!新章(WUG新章)』。
2014年1月からスタートした同アニメシリーズ。劇場アニメ『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』、TVアニメ『Wake Up, Girls!』、続・劇場版前編『Wake Up, Girls! 青春の影』、続・劇場版後編『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』など約3年以上の歴史を刻んできた『Wake Up, Girls!』の最新作に大きな期待が集まっている。
アニメイトタイムズで実施している連載『WUG新章・バックステージ』第3回に登場するのは、『Wake Up, Girls!新章』の監督を務める板垣伸氏と『WUG新章』に登場する新ユニット『Run Girls, Run!』の3人。速志歩役林鼓子さん、守島音芽役森嶋優花さん、阿津木いつか役厚木那奈美さんだ。
2016年12月から始動した『第3回アニソン・ヴォーカルオーディション』にて約2000人の中から選ばれた『Run Girls, Run!(RGR)』。声優ユニットとして、声優として初作品となる『WUG新章』への意気込みやアフレコ裏話、そして放送となった第3話の見どころなどを聞いた。
3人の掛け合いで空気が変わる
―― 『RGR』の3人にとって『WUG新章』が声優としての初作品になります。プロとしてはじめてマイク前に立った感想を聞かせて下さい。
林鼓子さん(以下、林):正直、はじめは緊張しすぎて頭真っ白でした。でも、実際に演技をはじめてみると楽しいなって思いました。最初に収録したのが3人(RGR)の掛け合いだったんですけど、演技をはじめてみたら、のびのびと役に入っていける感じがありましたね。
森嶋優花(以下、森嶋):私もすごく緊張してました。家で1人で練習していた時は分からなかったのですが、2人と一緒の掛け合いで、映像を見ながら声を出していくと、どんどん演技に立体感が出ていく感じを受けたんです。他のキャストの方の演技や絵が重なることでアニメが出来上がっていくということを現場で学べて、すごくいい勉強になりました。
厚木那奈美さん(以下、厚木):ずっと声優として仕事をしたいと考えていたので、「初めてのアフレコだ!」と高まっている自分もいたんですが、実際は緊張や不安が大きくて。でも、いざはじまってみると、現場の雰囲気なのか分からないですが、「生きてる!」って感じがしたんです。今は前向きに、自然に取り組めていますね。
―― 3人の掛け合いからアフレコがはじまったのが大きかったですか?
森嶋:そうですね。安心感があるというか、それは大きかったです。
―― なるほど。これまでのアフレコで印象に残っていることはありますか?
林:収録をしていると音響監督さんからディレクションが入るんです。私が印象に残っているのは『Wake Up, Girls!』さんが、7人でガヤで演じているところですね。その時は「『WUG』らしさを出して?」というディレクションが入ったんです。
それを聞いた時に私は「難しい」って思いました。実際ガヤは台本にセリフもないですし。そこでどうするのかな?って思っていたら、お互いの名前を呼んだりとか、ガラッと雰囲気を変えていたんです。今の自分にはそういった発想もないので、先輩の仕事一つひとつがすごく勉強になっています。
森嶋:本当にそう思う。先輩たちの演技の引き出しの多さはすごく感じる。
―― 森嶋さんは実際どういったディレクションを受けられましたか?
森嶋:私が演じている守島音芽ちゃんと、はやまるが演じている速志歩ちゃんの声が少し近い印象があるという指摘があったんです。「音芽がテンションを上げるか?歩がテンションを下げるか?」どちらか選ぶという演技指導ですね。
ここでは、音芽ちゃんのテンションを上げることにしたんです。もしかすると緊張した結果、私が想定した音芽ちゃんよりもテンション低くなっていたのかな?って今振り返ると思います。
―― 厚木さんは印象に残っていることはありますか?
厚木:皆さん、アドリブがすごいなって感じました。すごく自然に、キャラならこういう言い方するよね?って対応されてて。例えばの話になるのですが、日常系のアニメってオタク的な視点でいくと、アニメが放送されてないところも考えたりしちゃうんです。そういった視点で見ても、本当にそのキャラが生きてる・生活しているという雰囲気が皆さんの演技から出ていて。
―― なるほど。
厚木:私が演じる阿津木いつかちゃんは、『RGR』の3人の中では一番おとなしくて無口なんです。なので、「無口ってどれくらいの無口さなんだろう、どれくらいのテンションで生きているんだろう」ってすごく考えました。
色々悩んでいたんですが、「いつかちゃんは3人で話していても独り言を話してる雰囲気」と音響監督さんからご指導いただいたんですね。それからは、いつかちゃんってキャラがすごく分かった気がしています。誰といても自分の時間を生きているというか。今はしっかりと役に入り込むことができています。
―― なるほど。では、ちょっと話題を変えて。『RGR』お披露目から一ヶ月以上経ちました。普段メンバーとはよく連絡を取ったりしていますか?
林:はい。SNSアプリのグループを作って雑談だったり、仕事の話はずっとしています。「次のレッスンは?」とか、「次どんな服着ていこうか?」とか(笑)。
厚木:明日イベントだよね!どうしよう!とか(笑)。
―― 実際にアフレコもはじまった今、3人の関係に変化はありましたか?
林:正直言ったらちょっとマズイかもしれないんですが、最初の頃って仲良くしてる風というか(笑)。
森嶋:笑
林:でも最近は、お互いのことをいじったりとかできるようになってきました。
森嶋:あっちゃんが社交的に見えて人見知りなのが分かってきました。
厚木:引っ込み思案が無理して前に出ていくみたいな感じなんです、私。今でもよく覚えているんですが、合格が決まった時、呼ばれた部屋に入ったら、はやまるともっちーが仲良さそうに話していたんですよ。
そこでもう「私どうしよう・・・」って不安があったんです。今は、嘘みたいに自然に仲良くなってますけど。
林:その時のこと覚えてる!私たちと違ってすごくおしとやかなお嬢さまが入ってきたなって。私もすごく緊張したの。
厚木:そうだよね。絶対、私びっくりさせてるって思った!その時からもっちーは小動物系で可愛い。はやまるは幼いんだけど、凛としているなって思った。だから初めて見たときに心が穏やかじゃないって感じでした(笑)。
林:凛としてるって言われると照れるね(笑)。
―― 林さんは当時14歳?
林:そうです。
森嶋:はやまるのことは実際、年下なんですけど妹って感じには思ってないんですよ。精神的にも落ち着いていて、大人っぽいところもあるので。なので、フラットに話していますね。相談したりもしますし。
林:でも、あっちゃんは甘やかしてくれるよね?
厚木:うふふ。
島田真夢は何を考えていたのか?
―― 『RGR』の関係もより強固なものになってきているということですね。それでは、監督。第3話についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。第3話では、久海菜々美と岡本未夕が『播磨屋いわし』がMCを務める『いわし御殿』に出演しました。
板垣伸監督(以下、板垣):最初の設定では『いわし屋敷』って名前だったんですよ(笑)。いろんなところに『WUG』メンバーが飛び出していくというお話でしたね。
―― では、第3話で監督が特に印象深いシーンはどちらでしょうか。
板垣:個人的には、まだ仕事がない島田真夢が松田マネージャーの判子押しを手伝っているシーンが印象に残っていますね。
“アニメーターも役者”。役に入り込んでいるという話を前回しましたが、ここでもそういった観点で思い出深いです。僕が真夢になりきって絵コンテを描いているときに、松田にはどう映っているのか?ということですね。
松田から見ると真夢は真剣に判子を押している。本当に真面目に黙々と。じゃあ、ここで真夢はどんなことを考えているのかなと。「他のメンバーは仕事があっていいなぁ」なのか「暇だからやっている」なのか。
―― セリフには出てこないキャラの内面ですね。
板垣:アニメの監督になるには2つの道があって。1つは制作進行。もう1つはアニメーター。自分は後者から入っているので、それぞれのキャラに入り込む習慣があります。これは監督になった今でも変わりません。このキャラは何を考えているのか?ということは常に意識して作っています。役者の方もキャラが何を考えているのか?って想像を膨らませますよね?
林・森嶋・厚木:はい。
板垣:それと一緒なんです。だから、こういったシーンが思い出に残りやすいです。松田の目線から見た真夢は何を考えているのか。結局、答えが出なくてもいいんです。考えを膨らませることがすごく大切で。
昔は『I-1club』のセンターを務めていた女の子が、弱小事務所でファンクラブ通信みたいなものに判子押してるんですよ?でも、真夢ってそういったことを嫌がる娘ではないですよね。
ファンとアイドルが一体となって“1つの祭り”になっていることを知っている。自分やメンバーたちだけでは成立しないことを分かっているからこそ、そういうのが苦じゃないと思うんです。
―― 確かにそうですね。
板垣:この真夢と対比にいるのが、『I-1club』の鈴木萌歌なんです。萌歌は「選ばれて、選ばれて、選ばれて、トップになる」ということが、重要だと考えているキャラクター。もともとトップだった真夢が萌歌をどう見るのか?そういったところにも注目してもらいたいですね。
―― ありがとうございます。
【WUG新章・バックステージ#3】はここまで。次回も板垣監督と『RGR』の登場が決定。次回は、オーディション裏話やそれぞれの役作りに迫る。
[取材・文/川野優希]
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【WUG新章 #03】
『Run Girls, Run!』初アフレコの感想は?島田真夢の心理描写に注目の第3話に迫る
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Wake Up, Girls! 新章
【INTRODUCTION】
「Wake Up, Girls!(以下、WUG)」は、2014年に劇場作品「七人のアイドル」とTVアニメシリーズが放送され、
2015年には前・後篇となる「青春の影」・「Beyond the Bottom」が劇場にて公開。
2017年、再びTVアニメにて「新章」が公開となるオリジナルアイドルアニメーション。
「新章」では、主人公のキャラクターを演じる7人の声優
(吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海、奥野香耶、高木美佑)に加え、
新たに3人の声優(林鼓子・森嶋優花・厚木那奈美)が
「Wake Up, Girls!AUDITION-第3回アニソン・ヴォーカルオーディション-」より選ばれ、
アイドルに憧れる新キャラクターを演じる。
現実とアニメの境界を越えて、今再び、彼女達の新しい物語が始まる―。
【STORY】
「Wake Up, Girls!」は、宮城県・仙台市で暮らす7人の少女たちが
アイドルグループ「Wake Up, Girls!(以下、WUG)」を結成し、互いに切磋琢磨しながら、トップアイドルを目指していく姿が描かれた成長と絆の物語。
仙台の弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴス・エンタテインメント」に所属するWUGは、数多の挫折を経験しながらも、国民的アイドルグループ「I-1club」を「アイドルの祭典」で破り、優勝した。一躍トップアイドルに……と思ったのもつかの間、
「アイドル経済不況」が叫ばれてきたこのご時世、現実は甘くない。7人は地道なアイドル活動に追われる日々が続いていた。
一方、仙台市の中学に通う速志歩・守島音芽・阿津木いつかの3人は、次第にアイドルに憧れを持つようになり……。
【放送情報】
テレビ東京:2017年10月9日(月)深夜2時05分 放送開始
仙台放送:2017年10月10日(火)深夜2時 放送開始
AT-X:2017年10月11日(水)深夜11時30分 放送開始
リピート放送:毎週金曜午後3:30/毎週日曜深夜2:00/毎週火曜朝7:30
※放送日時は変更になる場合があります。
【配信情報】
10月13日(金)深夜0時より随時スタート
あにてれ・dアニメストア・アニメ放題/U-NEXT・JCOM+KDDI ほか
【STAFF】
原作・脚本:Green Leaves
監督:板垣伸
キャラクター原案:近岡直
キャラクターデザイン:菅原美幸
色彩設計:山上愛子 長岡純子
美術監督:海野よしみ
撮影監督:春原幸子 川田敏寛
編集:長谷川舞
音響監督:菊田浩巳
音楽:神前暁 MONACA
音楽制作:DIVE II entertainment
アニメーション制作:ミルパンセ
オープニングテーマ:Wake Up, Girls!「7Sense」
エンディングテーマ:Wake Up, Girls!「雫の冠」
【声優】
島田真夢:吉岡茉祐
林田藍里:永野愛理
片山実波:田中美海
七瀬佳乃:青山吉能
久海菜々美:山下七海
菊間夏夜:奥野香耶
岡本未夕:高木美佑
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