千葉翔也さんの「『月がきれい』愛してますか?」に大きな拍手! TVアニメ『月がきれい』イベント「川越三中文化祭」昼公演レポート
2017年春に放送されたオリジナルTVアニメ『月がきれい』のイベントが、2017年11月4日(土)に東京・竹芝ニューピアホールにて開催されました。出演したのは、千葉翔也さん(安曇小太郎 役)や小原好美さん(水野茜 役)をはじめとする総勢16名の声優陣! これだけのメンバーが代わる代わる登場し、朗読劇やトークを繰り広げました。ここでは撮り下ろし写真とともに、昼公演の様子を振り返っていきます。
【出演者】
千葉翔也さん(安曇小太郎 役) 小原好美さん(水野茜 役)
田丸篤志さん(比良拓海 役) 東山奈央さん(園田涼子 役)
筆村栄心さん(山科ろまん 役) 金子誠さん(小笠原大地 役)
熊谷健太郎さん(金子翼 役) 広瀬裕也さん(永原翔 役)
石井マークさん(稲葉保仁 役) 岩中睦樹さん(立花大輔 役)
石見舞菜香さん(宮本心咲 役) 鈴木美園さん(佐藤節子 役)
千菅春香さん(今津美羽 役) 井上ほの花さん(田中さくら 役)
白石晴香さん(滝沢葵 役) 前川涼子さん(水野彩音 役)
ピアノ演奏:伊賀拓郎さん
イベントは、朗読劇とトークを交互に行なう構成です。満月を模した円形スクリーンに、小太郎と茜によるLINEのやり取りが映り、伊賀さんのピアノが切なく響く中、まずは朗読劇がはじまりました。
今回の劇は、BD・DVD BOXの特典CDに収録されたオーディオドラマ「蒲団」のスペシャルアレンジ。正月の氷川神社を舞台にした物語で、受験勉強を理由に会う回数を減らした小太郎と茜を中心に、川越三中生の悲喜こもごもが描かれました。ろまんと大地とともに初詣に訪れた小太郎。「マフラー長くない?」などといじられながらも参拝を済ませます。
ときに肩を組んだり、単語帳を見たりといった仕草を加え、生き生きとしたステージを見せていく小太郎、大地、ろまん役の3人。これもあってリアリティが増し、まるで観客もそこにいるかのような錯覚をおぼえます。
また、小太郎ら3人がランニング中の比良とそれを追いかける田中を目撃するといったくだりになると、上手側のサイドステージに場面転換。背後の田中に気づかず、ペースアップする比良に「乙女心わかってなさすぎ!」と田中。渾身の「ないわぁーー!」が繰り出されると、場内はドッとわきました。自由に差し込まれるアドリブやテンポの良い掛け合いには、観客も笑わずにはいられない雰囲気です。
男性陣によるトークは収拾つかず!?
1回目の朗読を終え、トークパートへ。小原さんがMCとなり、男性キャスト8人が本作について仲良くトークしました。
まずは、「好きな男性キャラ」について。金子さんが「比良くんカッコいいですよね!」と言うと、「えっ、そういう目で見てたの……?」と田丸さん。後に「自分から告白するところが男らしいから比良が好き」と理由が明かされていましたが、思いがけずあらぬ誤解が生まれそうになっていました。男性キャストのトークは、初端から飛ばし気味です!
逆に「嫌な男は?」と聞かれると、翼と永原を演じる熊谷さんと広瀬さんに視線集中。熊谷さんは「自分でも(翼は)ないわーって思う」と笑い交じりに伝えていましたが、広瀬さんはというと永原を庇う姿勢。
「“ヤリたいこと”が決まってるんですよ!」と力強く言い放ち、客席の男性たちによる拍手を一身に受けていました。小原さんは「拍手しないでっ!」と止めるのに精一杯。会場を巻き込んでの明け透けな男子トークに呆れ気味でした。
ちなみに、「収録現場でもこんな感じ(のやり取りが行われる)。とっ散らかってますね」とのこと。おかげで、笑いの絶えない時間となりました。
朗読劇中盤 小太郎の心は曇ったまま……
その後の朗読劇では、ついに茜が登場。正月早々体調を崩し、彩音の看病を受けている彼女と、そんな彼女の様子を知らず神社で物思いに耽る小太郎の姿を、芝居からも直に感じ取ることができました。
「受験が終わるまでの辛抱だよな……」。そういう小太郎の言葉には、胸が締め付けられます。
ともあれ、神社はお祭りムード一色。翼や永原たちも合流し、一層にぎやかになりました。特に露店で買ってきたものを食べるシーンでは、大地がイキイキ。飲みすぎて酔った涼子先生が「同窓会に行ったら、仲良かった子みんな結婚してたの!」と本気でグチっても、「へー」とだけ返して食べ続けるという大物ぶりを見せつけました。
悔しい涼子先生はたまらず「どうしていいのわからなかった〜!」と歌い出し、周囲はどんどんカオス化。さらに、劇中での写真撮影も舞台上で実際に行われるなど、2度目の朗読劇も“朗読”以上にアドリブ満載で進んでいきました。
次のトークパートは、女性キャストの出番。MC田丸さんの進行で、女性陣8人が「好きな男性キャラ」という話題に花を咲かせました。
東山さんは、役と同じくろまんに一票。彼を演じる筆村さんも含めて「女子も羨むほどの女子力を持ってる」と褒めちぎりました。また、小原さんも「小太郎くんです!」と返答。それぞれキャラクターと似た気持ちを抱いていることが明かされ、観客もほっこりします。
MCの田丸さん演じる比良については、「どんな大人になるかによる!」と千菅さん。なんでも、中学生の比良は「誠実すぎる」とか。前川さんも「10年後にまた見てみたい」と続け、一様に将来に期待を寄せました。これには田丸さんも驚きの表情。先の男性キャストのトークではかなり好印象だった比良ですが、女性はまた違った目線で見ていたようです。
ちなみに、そのほかに挙がった主なキャラは、大輔と大地。「大輔さんはいい男すぎる! 大学生だけど若さもあって、思春期に優しいですよね」「将来結婚するなら大地。幸せにしてくれそう」など、女性ならではの意見が続々とあがり、女子会のような雰囲気になっていました。
小太郎と茜の“距離”が近づく
最後の朗読劇は、茜に連絡できずにいる小太郎に、大輔が助言をするところからはじまりました。
「本当にそれでいいの? ときどき会ったりした方が、やる気出るんじゃないかって思ってさ」。大輔の言葉が小太郎の心に突き刺さり、もどかしさが増していきます。
そんなとき、看病していた彩音が茜のスマホを奪い小太郎に電話。迫真の芝居で体調不良を伝え、小太郎を家へと呼び寄せました。こうして久々に顔を合わせた小太郎と茜。「もう少しだけ一緒にいよう」と、2人きりの時間に浸りました――。
ぎこちないけれど、確かな輪郭が見えた2人の恋。これからの日々も思い描けるような優しいラストに、観客は大きな拍手をおくりました。
「『月がきれい』愛してますか?」に大きな拍手!
朗読劇のラストから流れるようにスタートしたのは、東山さんによるライブ。伊賀さんの生演奏をバックに、『初恋』を歌唱しました。ミラーボールが星のようにきらめく場内に、しっとりと響く東山さんの歌声。観客は、朗読劇の余韻を感じながら酔いしれていました。
その後は、東山さんと伊賀さんによるトークも。伊賀さんは朗読中、主に台本を観ながら演奏していたそうで、「台本を見てると(キャスト陣が)どんだけ好き勝手やってるんだ!って」と暴露。アドリブの多さに改めて言及し、東山さんを戸惑わせました。
また、伊賀さんの退場後は『月がきれい』『イマココ』の2曲を続けて披露。『イマココ』では、「小太郎くんの背中を押すように!」と、サビで観客にコールをアピール。思いをひとつにしてエンディングをむかえました。
エンディングではキャスト16名が順にあいさつ。感極まった観客から、幾度となく拍手が送られました。特に、千葉さんが「『月がきれい』愛してますか?」と聞いたときの拍手は、ひときわ大きなものに!
これを受けた千葉さんも感慨深げで、オリジナルアニメ特有の“前評判が見えにくい”という壁を越え、多くの人に響いたことへの感謝と、「この作品が好きだってことをずっと思っていてほしいし、言葉にしてほしいです」という熱い思いを伝えました。
川越を舞台に描かれた、切なくて、優しくて、あたたかい物語『月がきれい』。この先も続いていくことを願うばかりです。
[取材・文/松本まゆげ 撮影/佐藤ポン]
>>TVアニメ「月がきれい」公式サイト
>>「月がきれい」アニメ公式 Twitter (@tsukigakirei_tv)