それは、小さな淑女と紳士達が織りなす不思議な物語――新たな「始まり」も告げられたpetit milady 4th LIVE『ラ・プチミレッタ～小さな淑女の童話歌劇』レポート

声優の悠木碧さん・竹達彩奈さんによるユニット「petit milady」（プチミレディ）。2017年12月10日には、その4th LIVEとなる『ラ・プチミレッタ～小さな淑女の童話歌劇』が、東京・豊洲PITにて開催されました。

童話をモチーフとした最新アルバム「petit miretta」に収録された全ての楽曲が披露された、４年目のプチミレを締めくくるライブの模様をレポートしていきます。

悠木さんと竹達さんがフランス語に悪戦苦闘！？
今回のライブは、童話の世界に迷いこんだ二人が、様々な出来事と遭遇していく、ストーリー仕立ての内容で進行していきます。

冒頭部ではまるで洋画のオープニングのような映像に合わせ、悠木さんと竹達さんがフランス語で声を当てるという、これまでにない演出も行われたのですが、やはりフランス語はお二人にとってあまり馴染みがないらしく、読み方が分からず、日本語字幕の方を音読してしまうという一幕も。

そんなプチミレらしい（？）自由な振る舞いに、ムッチュ☆（プチミレのファンの総称）からの爆笑も沸き起こる中、キラキラのドレスに身を包んだ悠木さんと竹達さんが、七色のサイリウムに照らし上げられながら登場。

4thアルバムのテーマソングとも言える「Girl's Jubilee」を熱唱し、それまでの笑いの絶えないかった会場の雰囲気を瞬く間に一変させていきます。

歌唱中はそんなカッコイイ姿を見せてくれた二人でしたが、直後には一仕事を終えた竹達さんの大きなお腹の音がなることに。

しかし、ここは歌えばお菓子がでてくる童話の世界ということで、プチミレらしさに溢れたキュートなナンバー「空腹からやりなおせ！」を可愛らしく歌い上げ、ムッチュ☆達のハートを鷲掴みにします。

夜空に浮かぶ満月がスクリーンに映し出されるのと同時に奏でられるのが、ライブにピッタリなノリノリのコールが満載の楽曲である「らぶれたーふろむかぐや」。

客席の緑のサイリウムを生い茂る竹林に見立てるという舞台演出により、会場が一体となってステージを作り上げ、その光に照らされる二人の歌姫の姿は、まさに豊洲に舞い降りたかぐや姫のよう。

さらに続く「Eat or Love??」と「アドリブ」では、可愛らしい動物のフードをかぶっての登場。楽曲の最中には、ステージの段に腰掛け、仲睦まじそうに肩を寄せ合う姿も披露し、会場のムッチュ☆達はすっかりメロメロに。

ライブの後半へと差し掛かる場面では、「Black Snow White」のコーラス部を担当するはずだった合唱団を載せた馬車が会場に到着できなくなったという知らせが。

そこで代役として白羽の矢を立てられたムッシュ☆達に向けてコーラスレッスンが行われるという、驚きの展開も待ち受けます。

ここでのレッスンの講師を担当するのはもちろん悠木さんと竹達さん。「Black Snow White」のコーラス部がラテン語なのに対し、「英語は得意なんだけど」と漏らす竹達さんに、即座にムッチュ☆達からのツッコミが入ったり、「よくわからなくなったら最後の「ドミネ！」だけでも歌ってね！」とぶっちゃけるなど、和気あいあいとした雰囲気の中練習が行われていました。

ムッチュ☆達を巻き込んでのパフォーマンスも大盛り上がり
そうして迎えた後半では、フリフリのレースが満載の、おとぎ話の中のお姫様のようなドレスに着替えた二人が再登場。

「人魚姫（BPM of the 21st century）」、「Cinderella Beyond The Destiny」と、様々な童話の「お姫様」を題材とした楽曲が続いた後、いよいよ「Black Snow White」へ。

これまでのどの楽曲とも異なる、底知れないおどろおどろしい雰囲気をさらに盛り上げる、ムッチュ☆達による重厚感に溢れたコーラスはまさに圧巻。

キャンドルに見立てられた真っ赤なサイリウムを手にした悠木さんと竹達さんも、その頑張りに答えるかのように、堂々と力強い歌声を響き渡らせ、会場全体が１つとなって楽曲の世界観を作り上げていきます。

「魔法使っちゃった」では、キャンドルの光が消えて真っ暗になってしまった会場に光を取り戻すため、ムッチュ☆達に魔法を唱えてもらうという一幕も。

「スタンディングオベーション！」の掛け声によって発動した魔法は、見事会場に大きな虹を掛けることに成功。同時に光の粒子がステージ上に舞い散るような、幻想的な光景も作り出されていました。

そしてハイテンポでノリのいいのライブの定番曲「ぼくのティンカーベル」では、姉妹のように息ぴったりのパフォーマンスを披露して会場を盛り上げた後、いよいよ楽しい魔法の時間の終わりと告げる鐘が鳴り始めてしまいます。

当初は、この幸福な時間が終わってしまうのを惜しみ、まだまだ楽しみたい様子の悠木さんと竹達さんでしたが、「また皆で来ればいい」と固く指切りをして約束。エンディングにもぴったりな、切なさと優しさに溢れる「One and Only Story」を、その美しい声色で情感たっぷりに歌い上げます。

二人がステージから退場した後も、それぞれの名前を呼ぶ声が鳴り止まない中、童話の終わりを告げる「FIN」の文字が映し出されたところで、ライブの幕は閉じられる……かに思えたのですが、今度はこれまでのプチミレの歩みをまとめた映像の上映がスタート。

最初の結成の瞬間から現在までの４年間の映像を、しみじみと感慨深げに眺めていたムッチュ☆達でしたが、やがて画面の表示が切り替わったかと思うと、映し出されたのは「アンコール」の文字！まさかの主催側からのアンコールの催促に、思わず客席からは爆笑が沸き起こります。

さらにムッチュ☆達は、アンコールに混じって時折スクリーンに映し出される、「マンホール」や「ピンボール」「キンチョール」など、おふざけ満載のコールにも律儀に対応。終始笑いの絶えないアンコールというのは、まさにプチミレのライブならではの光景と言えるでしょう。

ここが、淑女たちの新たな歴史の始まり！
そんなユニークなアンコールに答える形で、ツンデレな歌詞とパフォーマンスも印象的な「スキキライキライ大スキ」のインロトと共に、再び新たな衣装に身を包んだ二人がステージへ！

そうしてステージに上がった悠木さんと竹達さんは「ようやく普通に喋れた」と安堵した様子。

というのも、今回のライブはアンコールまで一切MCなどのトークコーナーがないという、プチミレとしてはかなり珍しい構成となっており、「童話」という今回のライブの世界観のを存分に堪能してもらいつつ、たまには「真面目なpetit milady」をムッチュ☆達に見てもらいたいという狙いがあったのだとか。（所々で、普段のプチミレらしさも炸裂していましたが）

ライブの演出として合間合間に挿入されていたフランス語でのナレーションについても話題は及び、竹達さんが最初から最後まで「Orgue」（オルガン）を、「オレンジ」と呼び続けていたことに改めてツッコミを入れる悠木さん。

しかし、そんな悠木さん自身も途中まで「Hansel」（ヘンゼル）を「ハンセン」と呼んでいたことを明かしており、二人共慣れないフランス語にかなりの苦戦を強いられていたようです。

その後には、前日に同会場で行われていた「Holy Party Night!」での特別バージョンとなる「#彼氏いません（～クリスマスVer～)」が披露されるサプライズ。

そこからの「Fantastique Phantom」に「azurite」と、疾走感に溢れるプチミレを代表する大人気のナンバーが立て続けに演奏されるというクライマックスに相応しい怒涛の選曲で、会場のボルテージも最高潮へと達します。

最後の曲となった「ハジマリズム」は、1stアルバムの冒頭に収録された、プチミレの歴史の始まりともいえる楽曲。今回は５年目の始まりを告げる形で、当時から一回りも二回りも成長した新しい「ハジマリズム」を、元気いっぱいに溌剌と歌い上げます。

また来年に向けて、二人が「5周年もついきてくれるかな？」と問いかけると、客席からこれ以上ないほどに力強い返答が。「これからも自由にはじまってきたいと思います！」と、今後の活動に向けて高らかに宣言される一幕もあり、小さな淑女と紳士たちの物語は、まだまだ続いていくことになりそうです。

［取材・文・写真／米澤崇史］

petit milady 4th LIVE『ラ・プチミレッタ～小さな淑女の童話歌劇』セットリスト
01.　Girl's Jubilee
02.　空腹からやりなおせ！
03.　らぶれたーふろむかぐや
04.　Eat or Love??
05.　アドリブ
06.　人魚姫（BPM of the 21st century）
07.　Cinderella Beyond The Destiny
08.　Black Snow White
09.　魔法使っちゃった
10.　ぼくのティンカーベル
11.　One and Only Story
EN1. スキキライキライ大スキ
EN2. #彼氏いません～クリスマスVer～
EN3. Fantastique Phantom
EN4. azurite
EN5. ハジマリズム

CD発売情報
petit milady 4th Album『petit miretta』
2017年9月20日発売
初回限定盤A(CD+Blu-ray+CD)3枚組 POCE-9419 7,500円+税
初回限定盤B(CD+DVD)2枚組 POCE-9420 4,800円+税
通常盤(CD)POCE-1434 3,000円+税

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