M・A・Oさん、神谷浩史さん、鈴木達央さんインタビュー! ドラマCD「宇宙戦隊キュウレンジャー 泣かせろ! タマキュウ一座大一番!」はどんな作品?
2017年2月より放送中のスーパー戦隊シリーズ最新作・第41作『宇宙戦隊キュウレンジャー』。クライマックスを間近に控えた本作ですが、1月26日(金)に、本作のドラマCD「宇宙戦隊キュウレンジャー 泣かせろ! タマキュウ一座大一番!」が発売となります。
このたび、本作の収録を終えたM・A・Oさん(ラプター283役)、神谷浩史さん(ショウ・ロンポー役)、さらにゲスト出演されている鈴木達央さん(チュウネンシャチュー役)、にインタビューを実施!
ドラマCDの聞きどころはもちろん、今後見てみたい展開や『宇宙戦隊キュウレンジャー』と過ごした1年について語っていただきました!
【あらすじ】
「お前だけじゃなく、全ジャークマターを泣かせてやるぜ !」
久しぶりの休日。
惑星ウィーグで芝居の公演をしている妹に会いに行くというスパーダに、ラッキー、ナーガ、ラプター、ショウが同行することに。
だが、惑星ウィーグの役者たちは芸術を嫌うダイカーン・チュウネンシャチューに捕らわれていた。彼らを救出するため、ラッキーたちは旅の一座に扮して芝居をすることになり── ! ?
──ドラマCDの収録を終えて、いかがでしたか?
M・A・Oさん(以下、M・A・O):ドラマCDの中ではラプターちゃんの妄想をみんなが再現してくれて現実になるシーンがあるので、いつも以上にラプターちゃんを演じさせていただくのが楽しかったです。
特にお話の中に出てくるお供のキャラクター付けでラプターちゃんの妄想が良く反映されていて(笑)。「こういうことを想像して日々楽しんでいるんだな」という発見があり面白かったです。
──ラプター283はかなりセリフの量も多かったですよね。では、本編の中でラプター283のおすすめポイントを挙げるなら、どんな場面でしょうか?
M・A・O:演劇に挑戦するシーンがあって、ラプターちゃんが脚本を書いた「桃太郎」のお話が出てくるんです。ラプターちゃんのちょっとツンデレっぽいところが見えたり、興奮して他の人の役を取ってしまったりするのが面白かったです。
他にも、ラプターちゃんが色々な役を演じる場面があって、いつもとニュアンスを変えて演じさせていただいた部分もあるので、そこも楽しんでいただけたら嬉しいです。
──台本を読まれた時の第一印象はいかがでしたか?
M・A・O:『キュウレンジャー』のギャグ回らしいお話だなと思いました。
でも、ちょっとしたところでシリアスになって、メンバー同士の絆が見える場面もあったので、「やっぱりキュウレンジャーの仲間たちは素敵だな」と思いました。
──M・A・Oさんは女優として参加された『海賊戦隊ゴーカイジャー』から2作目のスーパー戦隊シリーズとなりましたが、今回の『宇宙戦隊キュウレンジャー』に声優としての参加された時はどのようなお気持ちでしたか。
M・A・O:帰ってくることができて本当に嬉しいです。
アテレコをさせていただく時も、「このロケ地はあの時の場所だ!」とか、「みんな平気な顔をしているけど、寒くないのかな」とか思ったりしますね(笑)。
──それは役者としても声優としても関わられたM・A・Oさんならではの視点ですね。最後に、CDを楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。
M・A・O:お話の題材が演劇なので、みんなの色々な一面を楽しんでいただけるかと思います。
個人的には、「スパーダは何故キュウレンジャーに入ったんだろう」と気になっていたので、そこが今回明かされてスッキリしました(笑)。
ドラマCDが発売される頃のTVシリーズでは、ストーリーも佳境に入っているところだと思います。この作品でより『キュウレンジャー』を深く知って、引き続き熱く応援していただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!
【神谷浩史さん】ひとりで7役のショウ・ロンポーを演じ分け!?
──収録を終えた感想をお願いします。
神谷浩史さん(以下、神谷):疲れましたね(笑)。全員で一緒に収録できれば良かったんだろうなと思いましたが、ここで言っても詮無いことです。
みんながどんなお芝居やアプローチで来るのかを想像しながら演じさせていただきました。
──最初に台本を読んだときの第一印象をお聞かせください。
神谷:ドラマCDは映像がない分、自由な発想のもとに作られている印象だったんですが、映像という頼りになる説得力のあるものを失っている状態にも関わらず、「なんでそうなる?」という展開を押し通していくあたり、ショウさんのキャラクター性が出ていて良かったんじゃないかなと思います。
それはちゃんとした人がいれば止められそうなことですけども、ショウさんは「こうだ!」と決めるとやり通したり、謎の説得力を発する瞬間があるので。それは見た目や司令官の立場で解消しているところが、多分にあると思うんですよ。
それを自分の声だけで表現していくのはハードルが高いなと思いながらも、頭のなかでは立派な見た目のショウさんを想像できているものだと信じつつ演じさせていただきました。
──たしかに、作中のショウはノリノリでしたね。
神谷:そうですね、好きそうだなと思いながら読んでいました(笑)。
──今回、ショウは劇中劇において様々な役を演じられていました。
神谷:具体的な指示があったので、それに沿っていけばいいんだろうなと思っていたんですけど、ビジュアルが伴っていない中で、あまりに外れたことをやると誰か分からなくなりそうなんです。
だから、あくまでショウ・ロンポーがやっているという幅の中、ショウさんの表現できる幅に居たほうが良いんだろうなと思いつつ演じました。
その中でも、イケボでドSなキジ役などの指定があって、そこは難しく感じましたね(笑)。おじいさんや女中って想像しやすいんですけど、何故か僕の中でカッコイイことをするショウ・ロンポーって想像しにくくて。
本編で初めてリュウコマンダーに変身したときの回を収録するにあたって、「リュウコマンダーとショウ・ロンポーは見た目の違いだけで、中身はまったく一緒でいいのでしょうか?」という質問を監督にしたんです。
普段とはまったく違う戦士を演じた方がいいのか、見た目はああいう感じになっているけど、中身はショウ・ロンポーだという部分を見せた方がいいのか。
そして、僕はその中間を演じました。戦士然とした見た目のカッコ良さや立ち振舞いを含めてショウさんだけれども、どこかカッコよく見える微妙なラインを突いたんです。
でもバランスをとるために、話が進むに連れてあの見た目で急に「腰が痛い……」と言い始めたこともあったので、うまく調整されているなと思いました。
なので、ただカッコイイだけのキャラクターを要求されると、ショウさんってどうやって演じるんだろうなと思って(笑)。たった一言ではありましたが、難しいなと思いながら演じさせていただきました。
──数えてみたらショウを含めて7役も演じられていました。
神谷:7役ですか……おじいさんとか演じやすいんですけどね(笑)。
──普段のショウからは、おじいさん役などは比較的イメージしやすいのかなと。
神谷:ただ、ショウ・ロンポーを最初に演じさせていただいたときに、実は「あまりおっさんっぽくならないでください」と言われていたんです。あまり老けすぎず、あくまで司令官としてのカッコ良さを求められていて。あまり主人公たちと年齢が乖離している人ではないんでしょうね。
“ちょっとおじさん”くらいであって、“おじいちゃん”ではないという、そこの差かなと思います。あの喋り方だとおじいちゃんになりがちなので、そこはさっき言った想像しやすいところじゃないかなと。おじいちゃんの役をしようと思えば、いくらでもできると思うんですけど。
──本作におけるショウの聞きどころ、神谷さんの個人的にお気に入りの聞きどころを教えてください。
神谷:7役ノリノリで演じているところは、ショウさんの分かりやすい聞きどころだと思います。目の前で起きている出来事に対して「なんでそんなアプローチするの?」と思うような提案をして、誰かが異論を唱えても良さそうにもかかわらず、謎の説得力を持って話が進んでいくあたりが、ショウさんらしくもあり聞きどころになるかなと(笑)。
──なるほど(笑)。
でも冷静になって「なんでこのおっさんの言っていることを、なんとなくやろうとしているんだろう?」と穿った聴き方をすると、途端にみんなのことが信用できなくなりそうになるんです。ただ、本編などからいろんなことを培って「こういうものだろう」と思ってみなさん聞いてくださっているので、取り立てて疑問に思うことはないと思います。
そういうところもわりと好きなんですよね。強引なところと言いますか、お約束と言いますか(笑)。そこは聞きどころであり、僕の好きなところですね。
──ショウ以外のキャラクターはいかがでしたか?
神谷:今回はスパーダの身内の「スパ美ちゃん」が出てくるんです。宇宙人ですし、彼らなりの名前のセンスがあるので、地球人のセンスで「ダサい」と疑問に思うことはナンセンスだと思うんですけど……正直、どうなんだろうなと思っていました(笑)。
彼らは宇宙人なので、そこは種族のセンスですからね。とやかく言うのはお門違いですから、みんなも「変だ!」というような気持ちで聞いちゃダメですよ。
──向こうからすれば我々の名前も変だと思われてるかもしれませんからね(笑)。
神谷:もう、よっぽど変だと思いますよ! 「えぇ……神谷?何その名前?(笑)」みたいなレベルですからね。全然おかしくないです。
──(笑)。
神谷:あと本編でも非常に好きなところなんですが、スパーダのキャラがとにかくブレないのは最高ですよね! 彼は何でもかんでも料理に例えて喋るじゃないですか。本編でも「もうないだろう」と思っていながらも、1話につき1回くらい、シリアスなシーンだろうが必ずぶっ込んでくるんですよ。
なので、スパーダの料理人という設定をちゃんと活かした佇まいと、セリフの構築は本当に素晴らしいと思いました。
今回も遺憾なく発揮されていますけど、「その例えが俺らには刺さってねえよ?」ということをさらっと言われているところは、ドラマCDならではだと思いますね。「こんなこと言っちゃうんだ!?」みたいな(笑)。
──今回のドラマCDで改めて作品の自由度を把握できたかと思いますが、今後、神谷さんが見てみたい展開があればお聞かせください。
神谷:僕は、あまり作品に対して「こういうことをやってもらいたい」「キャラにこうしてほしい」と望むことはあまりしないんですよ。あくまで課せられたものを、どれだけ面白くできるのかが自分の仕事だと思っているので、そこに対して自分の意思は多くはありません。
ただ、ショウさんって、みんなが勘違いしている部分があるんです。“いい加減だけどやるときはやるおじさん”という印象を持っている方がいらっしゃると思いますが、もちろん全然間違いではないと思います。
でもプロデューサーから「根がいい加減な人ですよ」という話をされて、「あぁ、そうなんだ」と思って。根がちゃんとしていて、いい加減を装っているのは、わりと分かりやすいしカッコイイことが決まっているからズルいと思うんです。
ですがショウさんは、実はそうじゃないんです。根がいい加減で、たまにカッコイイ、たまにちゃんとするという性格なんですよ。もちろん、真面目なシーンやシリアスなシーンでは空気を読んでいるんですけどね。
──正直、私も根が真面目なだけで、いい加減を装っているのかなと思っていました。
神谷:そういう風に考えていただけている方が、バランス的にはいいのかなと思うんですよ。ただ、それはあくまで結果だと思っています。本当は常にふざけていたい人なのかなと。人間誰しもそういうところはあるじゃないですか。
「押してはいけない」というボタンがあったら、押したい気持ちでみんな見ているじゃないですか。ショウさんもそういう人だと思っていて、「これは絶対に押しちゃダメだ!」と司令官然としていながらも、誰よりも「押したいなぁ……」と思っていてほしい人です。決して押しはしませんが!(笑)
押しちゃったらもう……存在しちゃいけない人だと思います(笑)。でも誰よりも押したい人であってほしいなと思っています。
──なるほど(笑)。
神谷:本編では、根がいい加減な人という認識でやっているので、展開がシリアスになればなるほど、「あぁ、ここふざけられるのに……」と思いながら演じているんです。でも、絶対にそういうところは許してくれなくて……まぁ当たり前なんですけど(笑)。
ただ、収録をしていても「ここでふざけていたらどうなっているんだろう?」と思うようなところは多々あったんです。シリアスになればなるほど、いい加減なところを出さないといけないんじゃないかという強迫観念に駆られるんですよ。でも当たり前ですけど必要なくて、フラストレーションが溜まっていくんです。
(店舗別特典で収録されている)フリートークの中でも話しましたが、本編の収録の後にドラマCDの収録を行ったのでハードではありましたが、本編がずっとシリアスで、一切ふざけるところやコメディを挟む余地のない展開が続いていたので、ドラマCDでバランスをとっているなと思っていました(笑)。
だから今日は「ショウ・ロンポーを演じたな」という気がしているんです。本編でも何回かありましたけど、彼がいい加減なところや、「本当にコイツダメだな」というエピソードを本気で作ると、過去にやったシリアスな本編が全部台無しになっていくことになりそうだと思います。
なので、すべて終わった暁には、ショウさんのダメな部分だけを選りすぐったエピソードをやると、色々なものが台無しになって面白いと思います(笑)。
──発売する頃には本編もクライマックスを迎えますが、これまでショウを演じてきた1年を振り返ってみていかがでしょう?
神谷:あっという間でしたね。(2017年)1月に日本武道館で行われた記者発表でみんなに会って「本物だ!」と思って……まぁ会ったのは初めてなので、本物も何もないんですけど。
今までは、ずっとTVで見てきたキャラクターたちが目の前にいると思う延長線上で彼らを見ていたんですけど、改めてすごいと思ったんです。セイザブラスターを着けているところを見て、「本物なの?」「本物です」というやり取りもしたりして。
おもちゃは触ることはできますけど、本物は見ることも触ることもできないじゃないですか。それが目の前にあってすごいと思いながら、スーツのガルとかラプターとかバランスとか、ショウさんも来てくれてひとりではしゃいでいたんです。
そして、みんなの前に初めて出る武道館のステージ、階段に上がって壇上に向かうところでショウさんは躓いたんですよ。「うわ!躓いた!せっかく出てきたところで躓いたよ!」と思ったんですけど、そこで「ショウさんはこういうキャラクターだ」「今躓いたところも含めて、ショウ・ロンポーでいいんだな」と気がついたんです。
さらに去っていくところまで、みんながそのキャラクターなんですよね。ラプターはラプターだし、ショウさんはショウさんだし。入り口から帰っていくところまで、みんながそのキャラクター然としていてくれたときに、「僕もその一員で、彼らは仲間なんだな」と実感しました。
「僕は戦隊シリーズ好きだし、仮面ライダーも好きだし、東映のラジオもやらせていただいて、ファン代表のような立場で喋らせていただいているけど、今から僕たちはこの人達の仲間なんだ」と思ったときから、ファン心理で楽しんでいる部分を加味した上で、「この作品に関わっていて一番自分が楽しんでいるし、一番見たいものを作れる」という感覚のまま、この1年を過ごせたんですよ。
第3話で初登場したショウさんですが、レジェンドの日下さん(※)の動きと声に自分の芝居をかぶせていくことは、最初めちゃくちゃ緊張していたんですよ。そうしたら収録のときにわざわざ日下さんが会いに来てくださったんですよね。
(※ショウ・ロンポー/リュウコマンダーのスーツアクターを務める日下秀昭氏)
東映のスタジオにジャージ姿の日下さんがふらっと現れて、「あれ?僕あの人見たことがある気がする……」と思っていたら、やっぱり日下さんで。当日は初めてのアフレコの日だったので、見に来てくださったんです。前日の深夜まで撮影をしていたらしいんですけど、仮眠をとってから来てくださって、見守ってくださったんですよね。
そして、日下さんご本人に、台本にない部分でお芝居されているところについて聞きましたが、その作業が楽しかったんですよね。最初は緊張でしかなかったんですけど、毛利(亘宏)さんが脚本を書いて、それを各話の監督が絵にして、日下さんがお芝居をされたものに対して僕がアプローチして、ひとりのキャラクターを4人で作っていました。
その作業は、アニメーションや外画の仕事より、もっとクリエイティブなことをしているような感覚になれたんですよね。今までこんなに楽しんだ戦隊シリーズに関わることが、嬉しくもありながら1年過ごさせていただきました。
──最後に発売を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
神谷:『宇宙戦隊キュウレンジャー』のことをよっぽど好きじゃないと、このCDをお手にとらないと思うので、きっと僕は買ってくださった方のことが大好きだと思うんですよ(笑)。僕以上に本作のことを愛していると思うので、お手にとっていただく方には非常に感謝していますし、本当に大好きです。
そんな方たちの気持ちを裏切らないように、一生懸命に今回のドラマCDも作らせていただきました。本編とあわせて楽しんでいただけたら幸いです。
【鈴木達央さん】実はスーパー戦隊シリーズの悪役に憧れていた!?
──スーパー戦隊シリーズには『特捜戦隊ゴーバスターズ』ではウサダ・レタス役以来の出演となりましたが、今回ドラマCDでの出演ということで、帰ってきたような感覚はありましたか?
鈴木達央さん(以下、鈴木):ありましたね。当時のスタッフさんもいらっしゃったので、懐かしい再会もありました。スーパー戦隊シリーズは良い意味でホーム感があるというか温かく迎え入れてくれて、厳しい現場ではあるんですが、関わった人たちを大事にしてくれる家族感溢れる作品群なんだなと思います。長く続けられる理由ってそういう所にもあるのかなと。
収録の前日にはプロデューサーの望月(卓)さんから連絡をいただきまして、「ちょうど小宮有紗ちゃん(アキャンバー役)もオールアップしたよ」とお知らせをいただきました。
なかなか頻繁には連絡は取らないんですが、「また今日もよろしくお願いします」と言われると自然と肩に力が入りますよね。
──鈴木さんはスーパー戦隊シリーズでは、本作が悪役初挑戦ですね。
鈴木:初めてでしたね。凄く楽しかったです。スーパー戦隊シリーズで出てくる怪人たちにも必ず何か役目があって、彼らは自分がやりたいことが決まっていたり、やることに意志があるので、『ゴーバスターズ』に出演していた時から「怪人も楽しそうだな」とはずっと思っていたんです。
1年間を通じてバディとして成長していくという楽しみはあったのですが、怪人の一回の輝きというか、その面白さは良いなと思っていました。やっぱり滅びの美学がありますからね。悪役ならではの楽しさというものも今回知れましたね。
──では悪役に対しては演じてみたいという願望は以前からあったんですね。
鈴木:そうですね。どちらかというと正義側よりも悪役側の方が好きというのもあって。正義側は守らなくちゃいけないものが多いじゃないですか。
でも、悪役は机をひっくり返しても「悪だから」と言えてしまうので、そういうリミッターを自分にかけずに振り切って演じることが出来るのが良いなと思っていました。
──今回演じられたチュウネンシャチューはどんなキャラクターでしょうか?
鈴木:彼は芸術が大嫌いで、ある星の芸術というものを全て取り去ってしまおうとするキャラクターです。でも、喋り方が凄く丁寧なキャラクターだったので、最初はどういう風に演じるか迷いました。
でも、やっぱり個性的に演じたいと思いましたし、『キュウレンジャー』に出てくるキャラクターたちも個性が強いので、それに負けないチュウネンシャチューを模索したんです。
アクの強い喋り方だとか、感情の起伏によっての声の高低差があったりだとか、ドラマCDだからこそ出来る面白さも演じていて感じました。
あとスーパー戦隊シリーズは小さな子どもたちをメインターゲットに据えているので、そういう子達が聴いていても楽しめるようなものにしたいなと思ったので、そういうところも意識しました。
──チュウネンシャチューは悪として登場しますが、憎めない可愛らしいキャラクターですよね。
鈴木:意外と義理に厚かったり、すぐキュウレンジャーたちと戦おうとしないところに、彼の抜けている部分とか、面白さがあるのかなと感じましたね。
スーパー戦隊シリーズに出てくる怪人の中には二枚目系も三枚目系もいますけど、どっちかというとチュウネンシャチューは三枚目なので、その面白さは出ていたかなと思います。
──では、本編の中でチュウネンシャチューとしての聞きどころはどこでしょうか?
鈴木:自分が感動した事が無いからという理由で「お芝居を見てみたい」と言ってキュウレンジャーにお芝居を見せて貰うんです。
それに感動してしまって「もっと見たい」っていう気持ちを不器用な言葉で伝えていたりするのは、可愛げのあるシーンだなと思いましたね。
相手がキュウレンジャーだと分かってからは、倒すべき敵なので敵扱いして、ちゃんと怪人としての役割を全うしようとするところは、彼なりの凄く美しい生き様だなと思いました。
作中で「自分の中での責任というものをちゃんと負うべきだ」っていう言葉があったんですけど、「ちゃんと彼もそういう考えを持っているんだな」というのを感じて、各シーンが魅力的でしたね。
彼のアイデンティティーが垣間見える言葉も色々なシーンで見られて嬉しかったです。
──最後にCDを楽しみにしているファンのみなさんへ一言メッセージをお願いします。
鈴木:今回敵役としてドラマCDに出演させていただきました。多分聴いて下さる方は『キュウレンジャー』ファンの方やドラマCD好きの方も聴いてくださるかと思いますが、頭から最後まで怒涛の展開になっています。
『キュウレンジャー』を観ている方は朝観ている時の雰囲気そのままに、音声でキャラクターたちが大暴れしていますし、このドラマCDではじめて『キュウレンジャー』に触れる方も、これを入り口にして作品の魅力は存分に伝わるかと思います。
このドラマCDで『キュウレンジャー』の魅力に気づいていただければ嬉しいなと思います。
その中で僕も今回良いスパイスとして皆様の中に残れたら良いなと思いながら演じましたので、そちらも楽しみにしていてください。ドラマCDをよろしくお願いいたします!
[取材・文/イソベアラタ 鳥谷部宏平]
【アニメイトオンライン】【ドラマCD】宇宙戦隊キュウレンジャー 泣かせろ! タマキュウ一座大一番!
タイトル:宇宙戦隊キュウレンジャー 泣かせろ! タマキュウ一座大一番!
発売日:1月26日(金)
価格:¥3,000+¥240(税)
特撮テレビドラマ 『宇宙戦隊キュウレンジャー』 がドラマCD化。
「お前だけじゃなく、全ジャークマターを泣かせてやるぜ !」
久しぶりの休日。
惑星ウィーグで芝居の公演をしている妹に会いに行くというスパーダに、
ラッキー、ナーガ、ラプター、ショウが同行することに。
だが、惑星ウィーグの役者たちは芸術を嫌うダイカーン・チュウネンシャチューに捕らわれていた。
彼らを救出するため、ラッキーたちは旅の一座に扮して芝居をすることになり ―― ! ?
テレビシリーズにも携わっている下山健人の書き下ろし脚本による完全新作音声ドラマ。
<キャスト>
ラッキー : 岐洲匠
ナーガ・レイ : 山崎大輝
スパーダ : 榊原徹士
ラプター283 : M・A・O
ショウ・ロンポー : 神谷浩史
[ゲスト]
チュウネンシャチュー : 鈴木達央
アニメイトオリジナル特典:
スペシャル座談会CDアニメイト版(岐洲匠、山崎大輝、榊原徹士、M・A・O、神谷浩史、鈴木達央)
※M・A・O、神谷浩史はメッセージ出演。
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
>>『宇宙戦隊キュウレンジャー』公式サイト