伝説のコラボFLOW×GRANRODEOがアニメ『七つの大罪』で再始動!出会いから制作秘話まで七人が語る/インタビュー
FLOWとGRANRODEOがタッグを組んだスペシャルロックユニット=FLOW×GRANRODEO(フロウグランロデオ)が、3年ぶりに再始動。前作『7-seven-』に続き、アニメ『七つの大罪 戒めの復活』OPで復活の狼煙を上げた。このエネルギッシュなアンセム『Howling』をタイトルにしたシングルを1月24日にリリース。その後は台湾公演も含めた1stツアーも開催する。アニメイトタイムズはFLOW×GRANRODEOの7人を直撃。絶妙なチームワークが光るトークで、終始笑いがたえないインタビューとなった。
――まずはFLOWとGRANRODEOが知り合った経緯を改めて教えていただいてもいいでしょうか?
e-ZUKAさん(GRANRODEO・Gt./以下e-ZUKA):さかのぼると、最初ってPATi☆Nightじゃないの?
TAKEさん(FLOW・Gt./以下TAKE):そうそう! GRANRODEOとSPYAIR、Alice Nineも出てて。ZEPP東京だったよね。もうだいぶ前になります(※2011年)。そこの会場の打ち上げでお話させてもらって。そのあとしばらく会う機会がなかったんですけど、対談で話させてもらったりして。
――当時、GRANRODEOから見てFLOWはどんな印象でしたか?
KISHOWさん(GRANRODEO・Vo./以下KISHOW):その対談のときの相手がごっちゃん(GOT'S)とTAKEちゃんで。後から知ったんだけど、FLOWは毎年持ち回りでリーダーが変わるらしくて、その年はごっちゃんがリーダーだったの。だから「変なバンド!」って思って。
一同:(笑)
KISHOW:GOT'Sさんっていうのがリーダーなんだ、どんなバランスなんだ!? って(笑)。で、面白いなって思った記憶があるけど。僕らがGRANRODEOをやる前から、FLOWはテレビとかで観てて。KOHSHIくんの風貌が印象に残ってたんですよね。僕はミーハーだから、テレビに出てるひとイコール芸能人みたいに思ってて──「あのFLOWと!」って感じだったかな、そのときは。
TAKE:芸能人(笑)。
――ではFLOWから見たGRANRODEOの印象というのは?
GOT'Sさん(FLOW・Ba/以下GOT'S):気になっていたアニメに声優としてKISHOW(谷山紀章)さんが出てて、気になって調べたことがあったんですよ。そこでGRANRODEOを知ったのが初めてだったかな。で、歌がめちゃくちゃうまいなって思って。それでいてライブが激しい。声優さんというよりかは1ロックバンドって感じでビックリした。のちにこんなに一緒にやるとは、その時は想像もつかなかったですけど。
TAKE:ワンマンを初めて見させてもらったときに、ステージにマーシャルがズラッと並んでるわけですよ。すっげぇなって。スーパーギタリスト、スーパーボーカリストがいて、ステージングがすっげぇカッコいい。一緒にやらせてもらえることはありがたかったですけど、一緒にやったら少なからず喰われちゃうところもあるだろうと。でもそれを含めて挑戦できればいいなと思ってた節もありますね。初めてきちんと話させてもらったのは、3年前の恵比寿のレストランの決起集会だったと思います。メンバー、スタッフ全員で集まって「コラボ、よろしくお願いします!」って話をして。
――前回のコラボの時にはすでに親密な仲なのかなと思っていたんですが、むしろそれがキッカケになったんですね。
KOHSHIさん(FLOW・Vo.Gt./以下KOHSHI):です。FLOW×GRANRODEOのコラボがキッカケで仲良くなったんですよ。
KISHOW:最初はTAKEちゃんと2、3回飲んだんだけど今は疎遠になって、兄(※KOHSHIのこと、TAKEは弟)とつるむほうが多くなっちゃった(笑)。
TAKE:疎遠に(笑)。
KISHOW:お互い独身ということもあって、つるみやすいんですよね。兄とはスナックで朝まで歌うこともあったりするんですけど、僕はどんなにお酒を飲んでも、歌に関しては音程を外したくないんです。歌に対しては誠実だから!(笑) でもこの男は一回飲むと音程どこに置いてきたのって状態になるんですよ!
一同:(爆笑)
KOHSHI:もうねぇ……ヒドいですね。字も読めなくなる(笑)。
KISHOW:ホントにポンコツになるから、悲しいんですよ。「お前もっとすげぇヤツじゃん!」って。いつももどかしい!
KOHSHI:ふたりでX(JAPAN)の『紅』とか歌ってます(笑)。
――(笑) そんな濃密な期間を経てついに待望のコラボが再始動となります。
KISHOW:忘れ物を、回収しにきました。
TAKE:それどっかで聞いたことありますけど(笑)。
――(笑) 以前よりも深い関係性のなかで制作されたとなると、曲の作り方もより有機的になりますよね。今作は2曲とも共作になっていて、作曲はTAKEさんとe-ZUKAさんが、作詞はKOHSHIさんとKISHOWさん、新たにKEIGOさんが加わっています。
TAKE:前回は作曲のイニシアチブをとらせてもらったんですけど、ZUKAさんも作曲に加わってほしかったという想いがあって、共作で作りたいなと。
――具体的にどのように作られていったんですか?
TAKE:僕は「作曲しりとり」って呼んでるんですけど、Aメロを作ってそれを渡して、Bメロを作ってもらって、こっちでCメロを作って、トータルでアレンジを考えて……って感じでデータのやりとりをさせてもらいました。
――曲のイメージは最初の時点で決まってたんでしょうか。
TAKE:『七つの大罪 戒めの復活』の今回のストーリーが、シリアスに確信に迫っていく感じだったので、その荘厳感は表現したいなと思って。そういうイマジネーションのなかで、イントロを作りました。
――『Howling』と『GLOW』は違ったカラーの曲になってますが、どちらが先にできたんですか?
e-ZUKA:両方の曲のAメロまでをTAKEちゃんが作ってきたんですよ。どっちも歌始まりなんですけど雰囲気が違うじゃないですか。なんとなく『GLOW』はドラマチックな雰囲気になるんじゃないかなと思ってた。『Howling』のほうが「FLOW×GRANRODEO」ってイメージですよね。はっちゃけた感じっつうか、やんちゃな感じっつうかね。
TAKE:荘厳感と壮大感ってイメージがあって。それは物語にもリンクするんじゃないかなと。違うテーマだけど、同じところに帰着できるような楽曲のあり方を意識してスタートして。2曲同時進行で、『七つの大罪』側に(オープニングにする曲を)選んでもらいました。
アイディアを出し合い、互いのクリエイティビティを刺激した制作期間
――e-ZUKAさんはTAKEさんから「一緒に曲を作りたい」と言われたときはどう思われましたか。
e-ZUKA:「一緒に作りたい」っていうときに(TAKEが)「すげぇクリエイティブなことを思いついちゃった!」みたいな感じで「作曲しりとりをやりたい」って言ってて。
TAKE:言葉にされると、ただただ恥ずかしいヤツじゃないっすか(笑)。
e-ZUKA:でも……僕なんかもそうなんだけど、作曲者って一緒にする人を嫌がる人もいるんですよ。自分のジオラマじゃないですけど「ちょっとそこ触らないでよ」みたいなところがあるというか、そういうクリエイターもいるんです。TAKEちゃんは『7-seven-』のときもそうだったけど、すっごく細かいところまで作るんですよ。だから、わりとそういうこと(共作)をしない人だと思ってたんですね。やったとしてもお互いが1曲1曲作るって感じかなって。でも一緒に作ろうって言うから、これはちょっと面倒なことになってきたなって。どっか痛くならねぇかなって。
一同:(爆笑)
――e-ZUKAさんはおひとりで作られたい派ってことですよね?
e-ZUKA:そうですね。わりと1人で作ることが多い。僕は曲を作るときは、鶴の恩返しみたいな感じで。
GOT'S:「のぞかないでください」(笑)。
e-ZUKA:ばっさー!ばっさー!って羽を広げながら作る感じ。だから大変かなって思ったけど、最初に送られてきた音を聞いたら面白いなって。やっぱり最初のとっかかりを作るのが大変で。刺激やたたき台みたいなものがあると、そこからアイディアも浮かびやすい。あと、音源データがステムデータ(トラック別でまとめたもの)で送られてくるんですけど、「こういう風にして仕事してるんだ」っていうのも分かったことが面白かったっすね。
TAKE: ZUKAさんと話させてもらってるなかで、曲の作り方が近いなと思ってたんですよ。コンポーザーとしてドラムパターン、リズムパターンをシンセで作っていて。それで今回、共作でできるじゃないかなって思ったんです。ありがたかったのが、ギターのフレーズをMIDI(打ち込み用ソフト)で送ってくれるんですよ。
e-ZUKA:弾いて欲しいって気持ちもあったからね。でも僕はドラムもベースの打ち込みはほとんどベタ打ちなんですよ。でもバンドだからスタジオ入ってリハとかやるだろうし、そこでみんなでアレンジするんだろうなと思ってて。
TAKE:ありがたかったです。そういうやり取りが、本当に楽しかったんですよね。はやくZUKAさんからメールこないかなぁって、常にケータイをチェックしちゃって(笑)。まるで彼女かのように。
e-ZUKA:メール……よくよく見ると、CCのところに(FLOW)全員いるんですよ。
一同:(笑)
GOT'S:のぞき見みたいな感じ(笑)。
e-ZUKA:いつやめさせてくださいって書こうかなって(笑)。いや、でも面白かったです。「こっちがそうくるんだったら前段階のところもやりなおそうか」ってところもあったりして。得てしてまとまらない感じになってしまいそうなんだけど、いい感じのものができたなって思ってます。
ただ、せっかくこの2組でやるんだから、普通の感じにはしたくないっつーのもあって。ちょっと歪なくらいのほうがひっかかるっていうか。「なんでそうなっちゃうの?」「今の変じゃない?」ってくらいのほうが聴いてるとクセになるんじゃないかなと。TAKEちゃんはさ「名曲作りと申します」っていうかさ、いい曲を作るんですよ。
TAKE:アハハハハ! 通り名みたいにやめてくださいよ!(笑)
e-ZUKA:最初は俺も「名曲作りと申します」って感じでやりたかったんですけどね、それだと普通すぎてこの2人でやる意味がないなと。下世話な言い方ですけど。
――いや、でも確かにそうですよね。
TAKE:『GLOW』のBメロがきたときにはもうビックリしました。「Bメロは1番と2番で変えていいんだ!」って思いましたもん。
e-ZUKA:Bメロが1番と2番で違うんです。もともといま2番に入ってるBメロを1番のBメロにどうだろうってプレゼンをしたりしたんですよ。この名曲ツクリストに。
TAKE:ツクリストに変わった(笑)。『GLOW』も『Howling』もそうですよね。
――そうだったんですか。
e-ZUKA:僕、自信がなくて。『Howling』のBメロの間延びする感じというか、急にテンションがゆったりしてしまうところを作ったら(TAKEから)サビが送られてきたんだけど、僕が思うよりもスピード感があったから、2番に入っている方をプレゼンしたんですよ。そっちはコード進行が変わって、スピード感があるから。そしたら「最初の方が気に入ってる」って。
TAKE:コールアンドレスポンスみたいな形の会場との盛り上がりが想起できたので、「前のほうが俺は好きです」って言いました。で、それを2番に入れたことで奥行がでました。
e-ZUKA:もうね、シノラーがそう言うんだったらしょうがないかなって。
TAKE:もう俺の名前の原型がない(笑)。
e-ZUKA:そういうのでね、褒め合いみたいなものもあったんですよ。「逆にありがとう」みたいな。
TAKE: ZUKAさんはサビの入りに対するBメロのありかたに非常にこだわりが強いなぁって。「ZUKAさん、まだ迷ってたんだ!」ってビックリしました。
e-ZUKA:俺ずっと悩んでたもん。リズムを録る前に白馬に乗った王子様が現れてサビ前に合うBメロをプレゼントしてくれるんだと思ったんですよ。Bメロの最後がどーも納得いかなかったんですよね。
――Bメロの最後のところっていうのは──。
TAKE:『GLOW』の<将来性 大天使>のところですかね。
e-ZUKA:そう、そこ!
TAKE:そこのメロディ、コードの切り替わりを何パターンか提案していただいたんですよ。
e-ZUKA:FLOWって転調する曲があんまりないんですよ。王子様が「一瞬転調したようにすれば、そのあとも転調したように聞こえるんじゃないかなぁ」って言ってたので、それを意識しながら、バッサーバッサーと作ってました。
一同:(笑)
e-ZUKA:僕らは転調もするし、2番も変えちゃうんです。だから構成に関してはどっちともそういうことをさせてもらって非常に面白かったです。僕が歌詞のことを言っちゃ悪いけど、『Howling』なんて1番も2番もまったく一緒で、最後サビもほぼ一緒で。「これやっていいんだ!」って逆にビックリした。でも確かに洋楽って一緒なんですよね。
KISHOW:それは俺も思った! めっちゃ思った! だから俺、普段歌詞の覚えがわりぃんだなって。
一同:(笑)
KISHOW:一緒でいいんだ! これだ!って思いましたもん。
KOHSHI:それを言われたから、『GLOW』では2番のサビの歌詞を変えたんです(笑)。
――それもコラボならではの発見ですね。ところで、TAKEさん、e-ZUKAさんがメールでやり取りしている中で、FLOWのメンバーから何か反応があったりするんでしょうか。
TAKE:客席は静かでしたよ。ラリーを見ている観客の感じというか。
一同:(笑)
IWASAKIさん(FLOW・Dr./以下IWASAKI):やりとりを見ながら「どういう風にするのかな」って思ってました(笑)。
GOT'S:(意見を言ったのは)ジャッジするときくらいですかね。「どっちが好き?」って聞かれたときくらい。
――作曲にまつわるやり取りってどれくらい続いたんですか?
e-ZUKA:2か月ないくらいでやってましたね。フルサイズはそのあとだから、まずテレビサイズを作って。
TAKE:90秒サイズがフィックスして、フル尺に広げるときにまた作業に入ったんですけど──。
e-ZUKA:アニサマ(Animelo Summer Live 2017 THE CARD)の中打ちのときに「ZUKAさん、そろそろフルサイズのものをお願いしたいんですけど」って言われて「それはTAKEちゃんやってよ!」って言ったらさ、「ZUKAさん、Bメロだけしかやってませんよ!」って言われて。それが俺をすごく傷つけた。
一同:(爆笑)
e-ZUKA:Bメロ「だけ」!? と。もう1週間くらい寝れなかった(笑)。でも大変でしょうからってことで作ってくれて。形を作ってもらえれば横から言うのは簡単じゃないですか。そこでBメロを変えたものを作ったりしてね。だからもう全部このね、才能アリストが作ったんですよ。
TAKE:(笑) そんなことないっすよ。自分だけでは作れないようなメロディ、曲の展開がZUKAさんから送られてくるんでね。非常に楽しかったです。
作詞もしりとり形式で 完成したのはレコーディングの2日前?
―― 一方の作詞はどのように行っていったんですか?
KOHSHI:作詞も同じですね。しりとり形式でまわしていこうと。
――誰が最初にしりとりをスタートさせたんでしょうか。
KISHOW:そこですよね(笑)。『Howling』はKOHSHIさんが。イントロの<Are you satisfied>のところは、仮歌を聴いたときに英語で響いてきたんですけど、僕はTOEIC 3点なんで。(KOHSHIは)1200点くらいあるので、「英語力を活かしてほしい、君に!」って話をしました。
KOHSHI:1200点(笑)。
KISHOW:一応歌詞会議があったんですよ。で、3年前と違うのはKEIGOくんがヤル気を出してくれたことで。
KEIGOさん(FLOW・Vo./以下KEIGO):アハハハ! ヤル気なかったみたいな(笑)。
KISHOW:3人で書こうっていうのがはじめにありました。KEIGOくんは『七つの大罪』をすごく読み込んでるし、原作ファンっていうか──。KEIGOくんに作品の世界観を伝えてもらえればブレることなく1つにつながるかもしれませんねって。はじまりだけ決まれば走り出せるんだけど、だれもその役を担いたくなくて、全員逃げ腰だった(笑)。そこで何がモノをいうかと言えば、年齢なんですよね。
一同:(笑)
KISHOW:そりゃもうね! 存分にそういうパワーを使わせていただきました(笑)。「君、やってくれよ」とね。ジェネハラですよ、ジェネレーションハラスメント。で、君たちがトップバッターいってくれよ!って。イントロ、AメロとBメロがKOHSHI、サビが半分僕で、半分KEIGOくん……みたいな感じで作っていきました。
――『GLOW』の歌詞は前作『7-seven-』ともリンクしてますね。
KOHSHI:そうですね。『7-seven-』のど頭のフレーズをもってきて。
――『GLOW』という言葉も、GRANRODEOとFLOWを掛けて『GLOW』なのかなと思ったんですが、どうでしょうか。
KISHOW:それはちょっとありますね。いわくつきのエピソードがあります。
KEIGO:いわくつき(笑)。
KISHOW:GRANRODEOとFLOWで、『GLOW』いいじゃん!ってなりかけたことがあります。3年前に。それが宙ぶらりんになって、何者にもなれないまま言葉だけが残って。で、また集まったときに、タイトルに使おうよってなったんですよ。そしたら収まりがいいんじゃないかと。7人組と捉えるなら、そのアンセム的な感じ……らしいので(笑)。
KOHSHI:そういう曲にしましょうよって提案したんです。そしたらタイトルは「『GLOW』じゃん」って言ってくれて、「いいですね」って。そういう意味ではいろいろ結実した曲になったのかなと。
KISHOW:これでいつやめてもいいって。ツアーやる前に解散してもいいかなってくらい(笑)。
――ところでギターソロはどういう風に決めていったんですか。
e-ZUKA:『Howling』は僕が先行して、(TAKEが)後方で。で、最後二人で魚を釣るっていう(笑)。『GLOW』のほうは僕があらかじめギターソロの作曲をして、TAKEちゃんパート、僕ちゃんパートでやりましたね。
TAKE:最高のフレーズなんですけどこれは難しいぞってところがあったので、ここ何年間でいちばん練習しましたね(笑)。このセッションで成長させていただきました。
e-ZUKA:僕はギターソロをスタジオで弾くことってないんですよ。たぶんメイキングに映ってると思いますけど、今回はみんなが見てる前で弾いたんです。ホントに僕、陶芸家みたいな感じなので、GRANRODEOの場合は自宅で全部録っちゃうんです。だからスタジオで録るというのは面白かった。これもいいなって発見もありましたね。あとはね、ライブで弾けるのかどうかっていう。そこに注目してほしいです。
TAKE:1回見失うと20小節以上弾けなくなるから(笑)。
――(笑)。『GLOW』はリズム隊のサウンドもより一層力が入っているように思いましたがどうでしょうか。
TAKE:そうなんですよ、テクニカルというかね。
IWASAKI:そう。いろいろやってて。これ録るの大変だったんですよ。いろいろな都合でレコーディングが前倒しになって、練習する時間が短かったというか。その間のなかで集中して練習したことをすごく覚えてます。9月の2週目に『Howling』録って、最終週には『GLOW』録るみたいな。FLOWのなかでは出てこないものがe-ZUKAさんから出てきてたんで、それを入れるのも大変でしたね。楽しかったですけど。
GOT'S:僕は新しいベースを買ったので。それを使いたかったんで、すごく楽しかったです。僕は基本家でやってリアンプで録るので、そこまで難しくはなかったんですけど。
e-ZUKA:レコーディングのやりかたもちょっと違いますよね。僕らなんてバンドじゃないから、事前に聴かせる必要がないんで大体前日に送るんですよ。昔は聴かせることなんてなかったんです。当日に譜面だけでとりあえずやってみようってやったりして。今でも前日にデモを送る。そうすると今時のミュージシャンって自分で譜面を書いてくるんですよ。なんでかっていうと、作家で「打ち込みはできるけど譜面を書けない」って人も中にはいるから。瀧田(イサム)さんは自分でフレーズを考えてきてくれるし。
TAKE:それを前日に!? すげぇ……。
e-ZUKA:だってしょうがない、できてないんだもん。
一同:(笑)
e-ZUKA:僕なんかはスタジオのマジックを信じるタイプなんですよ。ミュージシャン、エンジニアがいるなかで「こっちに変えようか」とか「その音はいらないじゃないんですかね」みたいな話をしながら作っていく場合もあるんです。だから僕らとはまた違ったサウンドのつくり方だなと。歌に関してもそうで新鮮だった。で、『GLOW』は誰も歌ったことがない状態で、歌録りにくるという。
KOHSHI:最終的に歌詞があがったのがレコーディングの2日前くらいで。
――2日前(笑)。しりとりはどうなってたんですか?
KOHSHI:ずっとね、ここ(KISHOW)で止まってた(笑)。
KISHOW:そう、僕のところで止めてた。「あとはKISHOWが仕上げてくれればコトは全部いい方向に動き出すのに」ってところで止めてた。
KOHSHI:(LINE)ずっと既読スルーだったんです。
KISHOW:というのは、僕はLINEやりはじめで、既読スルーをやってみたかったんです。「これがうわさに聞く既読スルーか!」と。
KOHSHI:こっちとしては気が気じゃない(笑)。
KISHOW:あとね、『Howling』がスケジュール通りにことが進んでいったのがなんか……大人に敷かれたレールの上をただ走っているだけのような感じがして。カップリングは俺がその憎まれ役を買うことによって生まれるライブ感とか団結感を見せようかなって。
一同:(笑)
KISHOW:そのおかげで当日の歌録りは何も決まってなかったし、みんな分かってなかった。ボーカル録り当日に、譜割りから全部決めるっていうことはみんなないでしょ?
KEIGO:ない、ホントにないっす。
KISHOW:ほら! よかったじゃん……!
一同:(爆笑)
KOHSHI:でも実際レコーディング自体はライブ感があってよかった。火事場の馬鹿力がモノを言うというか……。個人的にはいい歌が録れたなって感じだったんですよ。
KISHOW:ほら! それはそうなんですよ。僕はわりと瞬発力でやってる人だから。本職が声優ってこともあるかもしれないけど、声優は稽古を重ねてやるものではなく、現場で自分の力を出すものだし、GRANRODEOのボーカルもそういう感じだから。
だからそれをFLOW×GRANRODEOでやってみようと。やってみようというか「大丈夫だろう」というか。でもFLOWのツインボーカルはそれが新鮮だったみたいだから、結果的に良かったなぁって。『GLOW』って曲におけるいちばんのエピソードはそこだなって思ってます。「歌詞が上がらなかったことによるライブ感」。e-ZUKAさんも言ってたスタジオのマジック。
e-ZUKA:だからね、それを試したくて僕が止めてたんですよ。「まだ送るな、スルーしてくれ」って。
一同:(爆笑)
TAKE:全部持っていった(笑)。
KOHSHI:俺(スルーされてたから)、キレられてるのかなと思って。逆ギレで「もう書かない」って言われたらどうしようって。
KISHOW:そんなに気を使わせてたとは(笑)。すまんかった!
KOHSHI:そんな意図があったとは。言ってくれよ~。
TAKE:そんな意図なかったでしょ!(笑) でもホントに両曲とも良いライブチューンになったなって思ってます。コールアンドレスポンス的なところはぜひ参加して欲しいですね。披露するのが今から楽しみです
――1月からのツアー(FLOW×GRANRODEO 1st LIVE TOUR "Howling")はどういうスタイルで行うんですか?
TAKE:我々はもう4曲も持っているわけですから。1曲やったら20分喋って、1曲やったら20分喋って……「では聴いていただきましょう!」って1時間半くらいかな。というのは冗談で、前回はできなかったツアーなので、今から色々と考えています。4曲+お互いの曲をピックアップしてお届けできるかなと思っております。この7人で。
KISHOW:やってやりますよ。そうは見えないけど、実はいちばん燃えてるのはアイツってタイプなんで。
一同:(笑)
KISHOW:2018年は、FLOW×GRANRODEOでいきます! 紅白に出たいです。ばあちゃん、喜ばせたいっすね! 出るからには勝ちにいくんで。俺、オクターブ上で歌います。
KEIGO:超高い(笑)。
KISHOW:2018年はそれくらいFLOW×GRANRODEO目立ってるよね!って思われたいっす。せっかくやるならね。1月にリリースだし、ちょっとした話題になりたいなって思ってます。
――最後にお互いの思うFLOW、GRANRODEOの魅力を教えていただきたいのですが……。
TAKE:直観力、瞬発力が素晴らしい。今日のインタビューで浮き彫りになってきたところがありましたね。それがライブの爆発力に繋がってるんだなと改めて思いました。
――KISHOWさんが下を向いて笑いをこらえてますが……。
KISHOW:いや~その(低い)トーンで喋るTAKEってすごく胡散臭いなぁって。
一同:(笑)
TAKE:本人を目の前に褒めるっていちばん恥ずかしいですからね(笑)。
KISHOW:FLOWのいいところはe-ZUKAさんが言ってくれますよ。
e-ZUKA:いやぁ、あれば教えて欲しいですよ!
一同:(爆笑)
e-ZUKA:というのは冗談で、音楽もライブも素晴らしいのは分かってるんだけど、人間的に素晴らしいですよね。漢字二文字で表すとしたら──馬と鹿ですかね。
TAKE:ただのバカじゃねぇか!(笑)
e-ZUKA:(笑) 楽しいし、仲が良い。15年も一緒にやってきて、なかなかできるモンじゃないですよ。僕らなんか2人でいるときは、まったく喋らないですから。「ガム食べる?」くらいで。
TAKE:めちゃ仲良いじゃないですか!(笑)
――(笑)。今日はありがとうございました!
[取材・文/逆井マリ]
リリース情報
■FLOW×GRANRODEO New Single 「Howling」
2018.1.24 on sale!!
▽初回生産限定盤 (CD+DVD) 1,713円+税
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV 七つの大罪 戒めの復活 OP「Howling」/FLOW×GRANRODEO 初回生産限定盤
▽通常盤 (CD) 1,204円+税
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV 七つの大罪 戒めの復活 OP「Howling」/FLOW×GRANRODEO 通常盤
▽期間生産限定盤(アニメ盤/CD+DVD) 1,713円+税
【アニメイトオンライン】【主題歌】TV 七つの大罪 戒めの復活 OP「Howling」/FLOW×GRANRODEO 期間生産限定盤
<CD>
M1. Howling
M2. GLOW
M3. 7-seven- (Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-)
M4. Howling -Instrumental-
※M5. Howling -TV Size- 期間生産限定 アニメ盤(KSCL3016)のみ収録
<DVD>
▽初回生産限定盤
・「Howling」 ドキュメンタリー映像
・「Howling」 -Music Video-
▽期間生産限定アニメ盤DVD
・「Howling」 -Music Video-
・<TVアニメ「七つの大罪 戒めの復活」>ノンクレジット オープニング映像
公式サイト
TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』作品情報
<放送情報>
2018年1月6日(土)よりMBS/TBS系全国ネット"アニメサタデー630"にて毎週土曜日朝6時30分 ~ 放送!
<STAFF>
原作:鈴木央(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督:古田丈司
副監督:田中智也
シリーズ構成:吉岡たかを
キャラクターデザイン:戸谷賢都・佐々木啓悟
総作画監督:戸谷賢都・川上哲也
アクションディレクター:柳 隆太
プロップデザイン:宮川治雄
色彩設計:茂木孝浩・岡崎菜々子
美術監督:伊東広道
美術設定:成田偉保
撮影監督:木村俊也
CG監督:軽部 優
編集:後藤正浩
音楽:澤野弘之・KOHTA YAMAMOTO・和田貴史
音響監督:若林和弘
制作:A-1 Pictures
<CAST>
メリオダス:梶 裕貴
エリザベス:雨宮 天
ホーク:久野美咲
ディアンヌ:悠木 碧
バン:鈴木達央
キング:福山 潤
ゴウセル:高木裕平
マーリン:坂本真綾
ギルサンダー:宮野真守
ハウザー:木村良平
グリアモール:櫻井孝宏
ヘンドリクセン:内田夕夜
ドレファス:小西克幸
◆新キャラクター
エスカノール:杉田智和
マトローナ:佐藤利奈
ゼルドリス:梶 裕貴
エスタロッサ:東地宏樹
ガラン:岩崎ひろし
メラスキュラ:M・A・O
ドロール:小野大輔
グロキシニア:小林裕介
モンスピート:津田健次郎
デリエリ:高垣彩陽
グレイロード:遊佐浩二
フラウドリン:小西克幸
★劇場版
2018年夏 劇場版公開決定!