声優
吉野裕行&野島健児ライブ作戦会議に潜入!

吉野裕行さん&野島健児さんの作戦会議に潜入! Kiramune Special Project “NeotenY”で見せる新たなチャレンジ

KIramuneで活動する吉野裕行さん、ご自身のレーベル・NZ-projectで活動する野島健児さん、おふたりが奇跡のコラボレーションを果たします。

「Kiramune Special Project “NeotenY”」(以下、NeotenY)と題して、2017年11月26日 (日) にグランキューブ大阪で行われました。そして、2018年1月21日 (日) には舞浜アンフィシアターでは、千葉公演が開催されます。

まったく音楽性の違うおふたり。一体、どのようなライブになるのか……?

そんな疑問をいだきつつ、吉野さんと野島さんにインタビューを実施。ちょうど取材日は「NeotenY」の打ち合わせ日ということで、インタビュー中も様々なアイディアが飛び出していました。

みなさんもお二人の作戦会議に潜入した気持ちでどうぞご覧ください。

野島健児がKiramuneベースのライブをやったらどうなるんだろう?
──今回のライブ「NeotenY(ネオテニー)」は吉野さんと野島さんでのジョイントライブとなります。まずは、こちらを行うことになった経緯から教えてください。

吉野裕行さん(以下、吉野):じゃあ、野島さんから。

野島健児さん(以下、野島):あ、私からですか? 時系列がいまいち、実は思い出せないんですけど、三者面談(笑)のときと「Reflection」(※)どっちが先だったんだっけ。

※野島健児LIVE「Reflection」
2017年9月23,24日にロックジョイントGBで行われた野島さんのライブ。吉野さんはゲストとして出演した。

吉野:出演交渉の件? それはそっちですよ。

野島:「Reflection」の方?

吉野:その話があったから。

野島:そっかそっか、なるほど。NeotenYの話をするには、まずその前に「Reflection」のゲストとしてよっちん(吉野さん)に出演していただくお話が発端なんです。

よっちんもずっと音楽活動をなさっていて、ギターを抱えてアニメの収録スタジオに「これから練習なんだ」って言いながら来ていたりしていたんです。

そんな音楽に対する姿勢だったり、これからもっとライブをやっていきたいっていう熱意を見て、こんなに情熱的なよっちんと一緒にライブをやったら、僕にとってもすごく刺激的だし、また面白いものが生まれてくるっていうのを確信していました。

もう本当にジャストアイディアなんですけど、声をかけさせていただいたら、快諾していただいて、「Reflection」を開催することになったんです。

吉野:もちろん参加するにあたって、健児がどういうライブをやっているのか資料は貰いました。

その中で「こういうライブをやるんだ」っていうイメージを持てた状態で、健児がやってるライブは楽しそうだからやりたいって思ったんです。

2017年は自分でライブをやる機会がなかったのもあって、やっぱり歌っておきたいなと。歌わないとどんどん成長できませんからね。

逆に「野島健児がKiramune(キラミューン)ベースのライブをやったらどうなるんだろう?」っていう興味もあったので、今回はひとつ提案させてもらいました。

提案するにあたってもちろん、私が勝手にいうと問題になるので、ボスを呼びました。

一同:(笑)。

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吉野:ボスがいないともちろんダメなので、ボスにもお話をして。

「ちょっと僕、今度健児のライブ出ようと思ってます」っていうところから始まって、「Kiramuneの仕切りで野島健児とライブをやることは可能ですか」と聞きました。

それからOKもらって、健児にも交渉しなきゃいけないから3人で集まってお話したもんね。

野島:うん。

吉野:そこで昨年の11月にグランキューブ大阪、今年の1月に舞浜アンフィシアターっていうのが決まりました。

これがまたね、最初は大阪だけっていうお話だったんですけど、それもまぁいろいろあるんですよ。

一同:(笑)。

吉野:じゃあ大阪だけじゃなくて東京もやろうと。東京って言いながら千葉なんですけどね(笑)。

野島:そうですね(笑)。

吉野:だからまぁそれだったら3回やった方がいいかなと思ったんです。

3回っていうのは、「Reflection」も含めての3回。せっかくやるんだったら関連性のある感じにしたいなと。

実際にはどうするかは、まさに今夜から決めるんですけど(笑)。健児にも相談したら、ね。

野島:ぜひ!

吉野:オッケーいただけたんですよ。

野島:僕は個人でやっているレーベルですし、なかなかそういう機会はないので。ぜひ私でよかったら一緒にやりたいなと思いました。

吉野:健児はそれこそKiramuneのリーディングライブに一番最初から出てくれていますし、Kiramuneで何かやる意味があると思うんですよね。

それがいつもはリーディングだけど、「音楽だっていいじゃないか!」って勝手に思ってました(笑)。

健児は、結構昔から音楽活動をされていて、一番最初のやつも観に行きましたね。

野島:そうですね。ありがとうございました、あの時は。

吉野:だから音楽をすごくまじめに取り組んでるんだなっていうのを感じていました。

僕はやっと音楽活動4年目なので、健児は音楽に関しては先輩だなって思っています。

「Reflection」では、語りと歌が融合したステージを見ることができましたし、僕は声優である以上、声にこだわりたい部分があります。健児があのステージをやっている姿を見たら、僕もやりたいなって、経験してみたいなって思って。

「NeotenY」に関しては、健児のライブでやってたことをそのままやってもしょうがないので、そうではない形で。

あくまでKiramuneのスペシャルプロジェクトとして、Kiramuneらしいお祭りみたいな感じのステージをやるんだけど、そこにどう野島健児を落とし込んでいくかですね。

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野島:ね(笑)。どうなっちゃうんでしょう。

吉野:健児にぜひ新鮮な経験をしてもらえるようなステージにしたいと思っています。

野島:やっぱりKiramuneさんっていうと、楽しい空間だったり、きらびやかな空間だったりするっていうイメージが僕の中にあります。

その中で楽しみたいし、来てくれたみなさんひとりひとりが「本当に楽しかった!」って言って帰ってもらえるようなものにしたいんです。

僕が今まで自分で作ってきたライブひとつひとつは、そういう語りがあったり歌があったりで、ひとつの演劇のような演目を作っていったんです。そういったものとは、たぶん今回は違ったものになっていくんだろうなっていう予感はあります。

どこか自分の中でそういう広い空間、明るい空間でどんなことをできるのか、僕の中ではひとつ挑戦していみたいなっていうものもありますので、それも取り入れつつ、楽しくですね。

吉野:やりたいですね。

野島:やりたいねぇ。

吉野:そこからまた日を改めて、実際に野島さんのスタッフさんとこっちのKiramuneのスタッフを集めてお会いしてお話する機会がありまして。

健児の条件としてはこういうものとか、うちからだとこんな感じでやるんですよっていうのをすり合わせました。

野島:そうですね、やりました。

吉野:そこでちょうどライブタイトルの話も出まして。タイトルに関してどうしようかって、適当に「おじさんふたり」とか言ったり。

一同:(笑)。

吉野:そういうね、すごい雑なね。「吉野と野島」とかね。

野島:「吉野島」とかね(笑)。

吉野:そんな冗談みたいなことも言ってたりしてたんですけど、打ち合わせが終わった後も健児とLINEしてて、健児から提案があったのがこの「NeotenY」というタイトルだったんですよね。

野島:はい、そうでした(笑)。

ご存知の方も多いと思いますが、生物学用語で“neoteny”という言葉がありまして、いわゆる大人の形態を持っていながら、幼体の部分も持ち合わせているという現象のことです。

ふと役者とか表現者に置き換えてみたときに、大先輩方のみなさんや僕が憧れている先輩方を見ていると、必ずどこか遊び心のような童心を必ず持っているんです。

絶え間ないパワーだったり、取り組む姿勢だったり、そして無邪気な楽しみ方だったりを先輩方に見せてもらいました。

表現者としてそういう子供の部分を持ち合わせているのはすごく大事なことだなって、そこに可能性を強く感じることが多くあったんです。

確かにそのneotenyっていうものを自分の中に持っていれば、いろいろなものに関して好奇心に富んで、想像性も豊かで、そして探求心にも溢れる。いろいろなものに対して吸収したい思いは、子供が必ず持ち合わせていますよね。

あとは感受性。ついつい大人になってしまうと、当たり前のものにあふれていて、当たり前っていう奇跡を感じられずにいるじゃないですか。

子供のときに見た月はもっと大きかったし、もっと輝いていたし、海がしょっぱいことも楽さがあったり。

そういう自分の中で鈍らせていたものを取り戻したいし、もっとそこを楽しんでいきたい思いから、neotenyっていう言葉を僕の中ですごく大事に持っていたんです。

よっちんと僕っていう、自分から表現していきたいと思っているふたりのおじさんが集まった時に、今こそneotenyというタイトルを出してしまうかな! と思って、提案してみました。

吉野:私もなんか考えますって言ったけど、それ見て「おーいいじゃんこれで!」って。

一同:(笑)。

吉野:まぁその説明見て、いいねってなりましたけど(笑)。

その健児が持ってたものって僕もとても興味がある魅力的な言葉で。まさにお芝居に関してもそうですけど、そういう感覚ってすごく必要だなって思っていました。

健児が送ってくれたスペルを見たら、野島のNと吉野のYが入ってるから「もうこれでいいじゃん」って健児に出したら、健児は「え、あっ本当だ」って言ってて、なんだお前って(笑)。

野島:気が付かなかった(笑)。

吉野:分かるだろ! こういうの大切なんだよ。こういう意味付けっていうか後付けでもいいからあった方がいいって。こういうのが大切だから。

野島:へえ〜〜(笑)。

吉野:だからそこだけ大文字にしようやって言って。

野島:「なるほど、面白い」って言って(笑)。

吉野:そんなやりとりをしていましたね。

「Reflection」は、ふたりの見えてる世界が違う部分を表現していたり、上がってきた新曲も大人と子供の境みたいなちょうど曖昧な部分というか、不安定なところとかを描いているものもあったりして、じゃあやっぱり「Reflection」から次の公演に繋がるもの、まさしくNeotenYでいいんじゃないかって。

野島:はい、あっさりと。

吉野:僕がひとつ思っているのは、野島健児が普段やっているステージとは違う、Kiramuneのステージで健児が歌うっていうこと。それはもうすでに特別な意味があると思います。

あとは単純に、僕のステージを観てくれている僕のサポーターのみなさんに、健児のライブを観てほしいなっていう思いもあります。

僕は楽しいなって思うから出ているので、それを観て「こういう音楽のスタイルがあるんだな」みたいに感じてほしい。

まぁエンタメですから正直、僕がやってる「Uncle Bomb」もそうですけど、いろいろな可能性があっていいと思うんですよね。

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もちろんお客様のニーズに応えた、みんなが幸せになるような収益をあげられるものっていうのも素晴らしいと思いますけど、やっぱりどこかでちゃんと自分たちが面白いと思うものを提供しないと。

ずっとみんなで同じようなものを観て、その中から良し悪しを決めるっていうよりは、新たな可能性を探したいです。

そうじゃないものを、せっかく自分たちの名前で活動できるんだったら、ちょっと提案したいなって。やれるだけのことはやって、多くの可能性をみなさんに知ってほしいなと思います。

なので今回のKiramuneのメインのステージでは健児が踊るかもしれないし!

野島:おおーい!(笑)

吉野:踊らないかもしれないし(笑)。どうでしょうねえ?

野島:どうなるんでしょうね。でも、僕なりにもKiramune Special Projectの中で、何かしら勝負はしていきたいと思っています。それがどういう風に出せるのか、どういった部分で出せるのか。

僕が普段やっているライブは語りも多いんですけど、もしかしたら歌だけで勝負する方法もあるかもしれません。そういった中での僕なりの勝負を出していって、戦っていきたいと思います。

「Reflection」のときはひとつの演目をふたりで表現したんですけど、「NeotenY」ではどういったものになっていくのか、僕自身も楽しみです。

僕たちふたりが持っている、音楽大好き、歌大好きっていう想い。そういったふたりの表現の中の、前に出したいと思っている、今は内包しているものは、きっと近いところがあると思うんですね。でも表現方法は全然違う方向を向いてたりして。

そういったお互いの違う形をしているものも、ひとつに合わさったときに見えてくる姿。お互いのパズルが組み合わさったときに見えてくる形っていうのがきっとあると思うので、それを信じます。

どんな形になっていくのかをぜひぜひ見たいし、それをみなさんに楽しんでもらえたらなって思います。


──ありがとうございます。内容一通り触れていただいて(笑)。

一同:(笑)。

吉野:ほかにまだ、ありましたっけ?

野島:さすが。なんかラジオみたいでした(笑)。

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おふたりはブレない? それともブレブレ?
──「Reflection」でおふたりはご一緒もしましたけど、お互いに人としてどういう人間だと思われてますか?

野島:ヒゲが生えている……そういうことじゃないですね(笑)。


──(笑)。

野島:よくよっちんが「俺はこれしかできないから」っていう言葉を使うんですけど、それってすごく強いなって思っています。

これしかできないからこそ、ひとつのことに集中して自分の覚悟を決めて全力投球するっていう姿、熱意、行動っていうところに僕はすごく心を動かされます。

僕に足りていない部分だったなって感じますし、そこをなんとか自分のものにできるくらいの刺激のかけらをもらえたので、これをさらに次の「NeotenY」でも、自分の中で、自分自身にも確信できるようにすると思います。

そこが僕にとってのよっちんの魅力だなって感じていました。


──前に突き進む覚悟というか。

野島:覚悟ですね。腹が据わってるんですよね。

僕ってなんかこれが面白いなって思ったらすぐそっちの方向に行って、ギター頑張ろうって思ったらギター頑張って、「うーん違うわ」って思ったら一回バーンってやめてしまって、10年後にまた弾き始めるみたいなところがあるんです。まぁ実際に今やっと10年ぶりに弾き始めているところなんですけども(笑)。

そういうブレがあるんですよね。よっちんには、ブレないちゃんとした姿勢でひとつの形を見せてもらっている感じです。

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吉野:ブレますよ。ブレブレですよ。

野島:そうなんだ(笑)。

吉野:本当ですよ、全然。そんな簡単じゃないんですよ(笑)。

野島:なんか昔あったときからずっとそういう部分がブレないなって思って見てた。

吉野:うーん、基本的には視野が狭いし頑固だから、自分の中ではきっとひとつのやり方しかないんだけどね。

あとは興味があればいくらでもやるけど、興味がないとすぐやめると思うからね。極端なんだよね、なんかやり方がたぶん。

健児はね、僕はいつでも必ず言いますけど、最初会ったときはすごい好青年だったんですよ、第一印象は。

野島:最初会ったとき“は”(笑)。

吉野:本当に漫画のイケメンキャラクターみたいな、王子様みたいな感じの好青年で。

一番最初に会ったのが健児の兄貴の野島裕史に紹介されて一緒に遊んだときで、なんとなく勝手に弟だってイメージがあるんだよね。実際に友達の弟なんだけど(笑)。

友達で、弟でしょう。じゃあ俺も弟みたいに扱っていいかなみたいな……扱っていいっていったら失礼ですけど(笑)。

ただ業界的には先輩だし、作品とかでもお名前を見ていてもちろん認識していたので、そこはまた別なんですけど。

でもやっぱり健児は、本当に最初に会ったころからいろいろ気遣ってくれて、物腰柔らかくて、好青年で、「なんだこの王子様みたいなやつは」って思っていて。

ところがそこからまた何年か経って会ったら、酒の飲み方がめんどくせーやつだなって思って。

一同:(笑)。

吉野:さらにしばらくしてまた会ったら最近はなんかまた奇行が目立つようになってっていう話を聞いて。なんだこれーって感じで、意外とポンコツなやつだなっていう。

野島:そうです、ブレブレです(笑)。

吉野:なんかあのとき迷走期だったんでしょ?

野島:うん、そのときね、当時は。

吉野:だから印象がどんどん変わっていきました。

ただひとつだけ、昔から音楽はやってるし、ここまでずっと個人で活動しているっていうのはやっぱりすごいなと思います。

健児は、さっき僕のことを「俺はこれしかやれない」っていう覚悟を持ってやっているって言ってたけど、そのステージ上で健児が歌ってるのを見て、健児がぶれているとは感じないんですよ。

楽しいんだろうなっていうのがすごくよくわかる。だからこういう野島健児と、Kiramuneの方の仕切りでライブをやるのも面白いだろうなって思いましたね。

Kiramuneの誰かふたりがライブをやったら、「こういう感じかな?」って何となく分かるじゃないですか。それはKiramuneのステージでしかない。

僕はKiramuneにすごく感謝はしてますけど、Kiramuneにいる限りはKiramuneの考え方したできなくなるんじゃないかって思ったんです。越えられないものが絶対に出てくる。

新しい刺激が絶対に必要だし、外に行って違う人とライブやって、何か得られるものがあったら、Kiramuneに恩を返せるとまではいかないかもしれないけど、僕がKiramuneでひとりでやっても、また違うものが見せられる瞬間が来るだろうなと思います。

僕は自分がやってる以上は自分で責任をもって、お客さんにこれがいいでしょうって言いたいから、そのための勉強っていうか経験としても、健児のライブをやりたいっていって受けさせてもらったんだよね。絶対その方が楽しいと思う。

Kiramuneは、ずっとキラキラ……。だって俺も歳とってるんだしさ(笑)。

一同:(笑)。

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吉野:いつまでもキラキラだけではやっていけないのは分かってはいるし、でもその夢のような時間を与えるためにも外に出なきゃ。

ライブだけじゃなくて健児のやってる語りと歌がうまく融合できるなんて、声優としてはとても素晴らしいことだと思うんだよね。

それをKiramuneなりの見せ方でさらに昇華できる瞬間が来たらもっといいと思う。


──なおさらどんなことが起こるのか楽しみですね。

吉野:そう。だからやっぱりね。今夜詰めますけど、あくまでKiramuneらしいところはちゃんと残したいし、健児のやってたものを僕がKiramuneのサイズでやるだけでは、それじゃあ意味がないと思う。

ちゃんとやってもらいたいなって思いますよ、健児さんには。

野島:全力です。そのKiramuneらしさの世界の中で立っている僕っていうのはリーディングでしか観たことがないと思うので。

吉野:そうね、あれは役を背負ってるからね。

野島:でも今回は“野島健児”という名前でその舞台に立つので、みなさんが見たことがない野島健児を見るんじゃないですかね。

吉野:見せてやるんだろ?

野島:見せてやりますよ。見せますし、楽しんでもらいますよ。

吉野:頼みますよ。歌うまいからね、こっちは中々プレッシャーですよ。「健児歌うめー!」みたいな感じになるから。

野島:何を言ってるんですか、そんなことないですよ!(笑) 歌は心って言いますからね。

吉野:それどこの演歌歌手なの(笑)。

野島:歌は心って淡谷のり子さんが言ってました。

吉野:それ本当。気持ちしかないもんね。技術とかそういうのはもっとうまい人が世の中いくらでもいるから。

野島:そうです、また後からついてくるものですから。

吉野:自分らしいものをね、お届けできるかっていう。

野島:そうです。


──今のところ、おふたりだからできることは何か閃いていたりしますか? むしろ何かこういうのをやりたいとか。

野島:なんか僕達って、発信の仕方は全然違うけど実はすごく近い、遠いようですごく近いなって気がするんです。

なのでどうしたいこうしたいっていうよりも、気が付いたら、このふたりだからこういう世界だよねっていう風に自然になっていくと思うんですよ。

一緒に歌えても面白いと思うし。

吉野:フライングとかやりますか?(笑) なかなかやる機会もないと思いますけど。

野島:フライングは僕2秒で気絶しますね。高所恐怖症なんで(笑)。

吉野:低空でフライングしますか。

野島:低空で(笑)。

吉野:お客さんに当たりそうなギリギリの(笑)。

野島:(笑)。

吉野:でも楽しくない? フライングとかさ、絶対しないじゃん。自分のライブでないでしょ?

野島:まずありえないです。絶対ない。

吉野:ライザーとかもそうだけどさ、ああいうの乗ったりとか。

まぁキラフェスではないから、そこまで大掛かりにはならないとは思うけど、ちょっと歌ってる場所がグワーッて上がっていくだけでもさ、あんなにやっぱり見えるものが違うしさ、お客さんも喜ぶわけだからさ。

野島:違いますね。僕なんか未経験すぎて、自分の想像を超えていてちょっと驚きでした。

吉野:もしかしたら僕がKiramuneで経験していることでも、健児がしてなければ、それはそれで新鮮かもしれない。

やっぱりふたりでやるステージだから、そこも含めての何かひとつの「NeotenY」っていうステージを作りたいね。

僕がいつも考えている、「ベストではないけど、これもありだな」って思ってくれるものを提供できたらいいんですよね。

ど真ん中の直球の鉄板のやつは、できる人にお願いして(笑)。僕たちは、求められてるときにそれをやればいいんであって、それ以外のときは世界が広がるものを作りたいですね。

もしかしたら僕のライブみたいに、漫談が長くなるかもしれません。

野島:なるほど、漫談コーナー(笑)。

あとなんかこうお客さんをビックリさせられるようなものもできたらいいですよね。例えばですけど、よっちんのイントロが流れて、よっちんが出てくるなーって思ったら「俺かーい!」みたいな(笑)。

そういうサプライズ的な面白さがあっても面白いなって。本当に今ジャストアイディアですけど(笑)。

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──お互いの曲を歌うとかは面白そうですよね。

野島:ね。そういうところでまた違う表現の見え方がするっていうのも。

吉野:「Reflection」のときもね、歌ったりとかしましたけど、やっぱり新鮮ですよ。

僕らはやる側だから何をやっても楽しくできると思いますし、やるつもりでいますけど、ただまぁ音楽性がふたりとも違い過ぎる(笑)。

野島:どう融合させていくかみたいなところですね。

吉野:ここが結構課題で。だからそれをうまく見せるための方法を考えていくっていう感じですね。ある程度覚悟して、じゃあこうしようっていうのはもう用意してますけど。

野島:想いですよね。ふたりが全然違う音楽性で歌っていたとしても、ひとつの方向性としてお互い同じ思いを持って発信していけば、それはきっとひとつの形になっていくんじゃないのかなって思います。

今まで感じなかった統一感も出てくるんじゃないのかなとは、今勝手に思っています(笑)。


──いろいろキーワードが出てきて面白いですね。意外な変化球も来そうでちょっとドキドキするライブになりそうです。

吉野:そうですね(笑)。

野島:またよっちんの曲が難しい!

吉野:難しい? そう?

野島:この間歌ったんですけど、難しい歌を歌っている! って思いました(笑)。

吉野:俺はどれ歌っても難しいと思ってるから、毎度毎度。

野島:本当に難しいんですよ。なんかもう展開が。僕の曲も割と音楽家から言わせると難しいって言われるんですけど、いわゆる歌の流れがなんです。

よっちんの曲は編曲とかもすごくバラエティに富んでいて、ひとつの曲でひとつのエンターテインメントになっているのが多いから。

吉野:あーそうなんだ、へえー。

野島:そう、だから展開が面白いなと思える曲がある。だからこそ、歌っていてすごく難しくて、それが楽しかったですし、緊張感もありました。

吉野:人の歌を歌うのって大変だよねやっぱり。まず詩が入ってないから。

野島:入ってこない(笑)。

吉野:こうやって歌っている人たちはすごいよね。なんか大変なことやってるんだなと音楽4年目にして思いましたね。


──(笑)。では最後に、お互いの印象を聞いていただきましたが、それぞれいかがでしたか?

吉野:僕はすぐね、健児に「お前はポンコツだな」って印象を言ってしまうんです。

野島:ずーっともう何年も聞いてきている(笑)。

でも最近ちょっと進化したんです。ちょっとだけ変化して、「ポンコツポンコツって思ってたけど、本当にポンコツなんだな」って言われて(笑)。


──ちょっと上がっちゃってるじゃないですか(笑)。

野島:ちょっと進化しました(笑)。レベルアップしちゃいました!

吉野:でもなんか面白いですよね。健児が僕のことをこうだって言ってくれるのって、改めて人から言われると、あぁそうなのかなって思うところが。

自分からすると当たり前だし、それ以外に見えようがないっていうか、そう思って生きてきちゃってるから、冷静に違う角度から人に言われると改めてその通りなんだなと思いました。

僕はやり方が分からないからそういう風にやっているだけなんだけど、ただ健児の話を聞くと、いろいろ細かい理由があってそうなっているって言ってくれるじゃないですか。なんか不思議な感じですね

野島:よっちんは、当たり前にそうしてると。

吉野:そう。で、やっぱり健児が見てる当たり前の世界っていうのは僕と違うもので。それはもちろんお客さんひとりひとりも違って。

だからこそエンタメにするときに、自分の見えてるものと健児の見えてるものを合わせてみんなで作り上げたものが、向こうにいる人たちには何が見えるのか。それが、楽しいんじゃないかなって。

それが特に外部の、Kiramuneじゃない人との音楽っていうのは、音楽をやる上では最高に面白いんじゃないかな。

野島:その分、そういった変化がはっきりと見えてくるんじゃないですかね。


──お互いにとってもファンにとっても新しいライブに。

吉野:そうなるといいなと思います。そういうものを目指してやりたいですね。

野島:そういうところを目指して、見せていきたいと思います。


──楽しみですね、ありがとうございました。


[インタビュー/石橋悠]

Kiramune Special Project “NeotenY” 当日券発売情報
【日程】
2018年1月21日 (日) 16:00 開場/17:00 開演

【会場】
舞浜アンフィシアター
(問)インフォメーションダイヤル 03-5793-8878(平日13:00-18:00)

当日14:00より、会場の当日券売場にて当日券を若干枚数、販売致します。

【チケット料金】
当日券 8,600円(税込)
※3歳以上有料
※お一人様1枚まで(現金支払いのみ)

Kiramune Official Site
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