『重神機パンドーラ』津田健次郎さんインタビュー|女好きでチャラそうだけどクール? 不思議な魅力が詰まったダグのキャラクターに迫る!
2018年春より放送予定の河森正治監督による最新作TVアニメ『重神機パンドーラ』。これまでに、レオン・ラウ(CV:前野智昭さん)、クロエ・ラウ(CV:東山奈央さん)、クイニー・ヨウ(CV:花澤香菜さん)という3キャラクターが公開となっていましたが、今回新たに男性キャラクターが公開となりました。
その名はダグ・ホーバット。演じる声優は、津田健次郎さんです。
アニメイトタイムズでは津田さんにインタビューを実施。難しい役どころについてや、量子論、AI、多次元領域まで、男心がくすぐられる話題が飛び出しました!
■■■■その他のインタビューはこちらから■■■■■
レオン・ラウ役:前野智昭さんインタビュー
クロエ・ラウ役:東山奈央さんインタビュー
クイニー・ヨウ役:花澤香菜さんインタビュー
セシル・スー役: 茅野愛衣さんインタビュー
ケイン・イブラヒーム・ハサン役:石塚運昇さんインタビュー
グレン・ディン役:内田雄馬さんインタビュー
ジェイ・ユン役・梅原裕一郎さんインタビュー
河森正治監督インタビュー
なかなか一筋縄ではいかない作品
——インタビュー4人目は、津田健次郎さんになります。よろしくお願いします。まずは本作の印象からお聞かせください。
津田健次郎さん(以下、津田):『重神機パンドーラ』は、シリアスとコメディが混在していますね。親しみやすさがありつつも、かっこよさがあるんです。その中に怖さもあったり……。いろんな要素が混在している。
それでいてしっかりとエンターテインメントしているという、そういう印象です。
——実際に収録していかがでしたか?
津田:最初は世界観をつかむのがけっこう難しかったですね。独特な世界観だし、アフレコは完成していない状態の映像を見ながらの収録なので。
ロボットものでありつつ、人間ドラマでありつつ、コメディでありつつ……みたいな。
参考の映像を見させていただいてからは、非常にしっくりきましたね。
でも、なかなか一筋縄ではいかない作品なんだなというのは感じました。
「これはみんなで詰めながら、かなり丁寧にやらないとニュアンス外しちゃうぞ」と気合が入りましたね。特に、ダグに関しては、すごく繊細に作らないといけないなと思いました。
丁寧に作らせていただいて初めて、「なるほど! そういうことだったんですね」みたいなことがけっこうあるんです。ダグは、一足飛びにつかめるキャラクターでは無いですね。
物語もそういう性質を帯びているなと感じます。
——ダグはどんなキャラクターなのでしょうか?
津田:凄腕のスナイパーです。チームの中では、資質を活かして狙撃手という役割を担っています。ただ、基本は傭兵なんですよね。正規の部隊として雇われているわけではなくて、スカウトされて参加したというポジション。
性格的なところを言えば、本当にヘラヘラしていて、女好きな雰囲気をまき散らす感じ。無駄口ばかり叩いているという(笑)。
けれども色々なドラマを背負ってますね。二面性がありますよ。
そこがダグのキャラクター造形の肝になってくるところでもあります。ただ、そういったドラマを普段は出さない。普段出さないくせに、チラっと一瞬出したりする。その辺の繊細な駆け引きがあるんですよ。
その駆け引きが難物なんです。どのくらい出すべきなのか、そこが難しい部分ですね。
減らず口をずっと叩いているけれど、クールなキャラクターなんです。決してテンション高くわちゃわちゃ騒ぐわけではなくて。
流れるようにサラサラと減らず口を叩いて行くみたいな。さらっと「大人の店に行ってくるねー」って言っちゃうみたいな(笑)。何ともつかみどころのないキャラクターだと思います。
——シナリオを読ませていただいたところ、おちゃらけたキャラクターなのかなと感じていました。しかし、そういうわけでもないんですね。
津田:そういうわけでもないんです。全力でおちゃらけるわけではなく、日常会話の延長線上、むしろ、日常会話全体におちゃらけがあるみたいな。
テンションで持っていくというよりも、淡々とおちゃらけてると言いますか、不思議な人物ですね。つかみどころのない部分が魅力的なんです。
あと、猫を飼っているんです。随分猫と一緒にいて。そういう素敵な部分も持っています。
でも、スナイパーの役割を果たす時は、真剣なスイッチが入って、集中した姿も見せるんです。
どこに重心があるのか分かりにくいキャラクターなので、最初のころのアフレコは苦労しましたね。だから、こだわり甲斐があると言いますか。面白い部分だなーと思っています。
——なるほど。難しそうな役ですね……。
津田:最初のころ河森監督や音響監督さんがいるブースに行きましたからね。「あのー、これはこういうことなんですかね……?」みたいな(笑)。
僕、あんまりそっちの方に行くことないんですよ。でも、「これはちょっと難物だぞ」と。
役者陣と現場で「難しいよね。この作品」みたいなことは言ってました。なかなかキャラクターを掴めなくて。
そういうのもあって、早くスタッフの人と飯食いたいみたいな話をしています(笑)今後の展開も含めて色々お話聞きたいなと思っています。
しかも、中華料理がかなりクローズアップされる作品なので食べに行きたいですね。特に火鍋(※1)がよく出てくるんです。だからみんなで「火鍋食いに行こうか!」みたいな話をいつもしています。
※1:火鍋
中国の鍋料理。鍋に仕切りをし、2種類のダシ楽しめるものも多く、辛いものがメジャー。
——どうやらお腹が空く作品だとか……(笑)。
津田:最初のころは、キャラクターが何かしら食べているんです(笑)。
あまり聞かない、珍しい中華料理の名前が出てきたりして、「これどんな食い物なんだ?」って調べたりとか(笑)。そういうことはよくしていますね。
——料理も含めて世界観が特殊ですよね。
津田:そこなんです。またなぜ火鍋なのかというのも、理由がすごくあるんじゃないかなぁと感じていますね。
火鍋って基本的には陰陽(※2)の食べ物ですし、表裏一体になっているということが作品にも関わっているのかなと。火鍋なのは、すごく意味深ですよね。
※2:陰陽
森羅万象、宇宙の理を「陰」「陽」で分ける思想の一種。主に中国を中心に信仰されている。火鍋の仕切りがS字型をしているのは、陰陽を表す太極図を模しているからである。
科学の知識と理論が物語に
——作品の世界観についてもう少しお伺いしていきます。
津田:作品のベースが量子論なんです。僕は完全に文系なので、理系の知り合いとかにも話を聞くんですけど「量子力学は特殊だ」って言われました(笑)。
そういうものをベースにしているところも、この作品の難物具合を高めているぞと思いましたね。
ストーリーでも、「シュレディンガーの猫(※3)」とかが出てくるんです。非常に面白くて、「何て哲学的な問いなんだ」とビックリしましたね。科学であり哲学であるというのもテーマだったりするんです。
東山奈央ちゃんが「調べたんですけど、何も分かりませんでした!」って言ってて(笑)。ちょっと面白かったんです(笑)。
※3:シュレディンガーの猫
量子力学における思考実験。蓋の付いた箱の中に猫とランダムで有毒ガスが発生する装置を入れ、一定時間後に猫が生きているのか、死んでいるのか、という実験を行う。猫の生死は蓋を開けてみなければ確認できず、蓋が閉まっている状態では「猫が生存している状態」と「死んでいる状態」が共存している、という矛盾が発生する。
——確かに仰っていました(笑)。
津田:僕も量子力学とか、すごく興味があるんですよ。言葉を調べて、「全然わからん、意味わからん」とか言って(笑)。それ自体が面白くてしょうがないんです。
シュレディンガーの猫に関しては、ネーミングとしては知ってましたし、漠然と「こんな感じなのかな」と思っていたんですけど、しっかり調べてみると、「こういうことだったんだ」って改めて理解できましたね。
——アニメを観ながら、分からなかった言葉を調べて一緒に勉強するのも面白そうですね。
津田:いやあ、楽しいと思いますよ。もちろん、それが分からなくても、物語は成立していますし、分からなくはないはずなんです。ですけど、その言葉自体を分かれば、さらに楽しめるんじゃないかな。
気になったらぜひ調べて、僕と同じようにポカンとしていただければ(笑)。
——それもいいですね(笑)。
津田:非常に面白い言葉がいくつも出てきますよ。「多次元領域」とか……。科学の知識や理論をエンターテインメントの物語に昇華していくと、こういう作品になるんだ、という面白さがありますね。
紳士だけどぶっ飛んでいる!? 河森監督の魅力
——そんな世界観を作る河森監督なんですけども、実際お会いしてみていかがでしたか?
津田:まだガッツリとはお話できてないんですけど、非常に紳士的で、当たりの柔らかい、とっても大人で、ダンディーな印象がありますね。
柔らかい雰囲気の中でも、やっぱりいろいろと考えていらっしゃるんです。例えば『重神機パンドーラ』の世界観は、わりと残酷なことも含めて、ぶっ飛んだ展開も登場するんです。
静かに紳士的にぶっ飛んでらっしゃる感じ(笑)。僕は、そういう方が本当に好きなので、興味津々ですね(笑)。早くお話ししたいと思っています。
量子論のような理系の脳みそと、物語・世界観を構築する文系の脳みそがミックスされた方なのかなという印象もありますね。
先程も話した理系ワードがたくさん出てくるだけでなく、人物描写の感情が厚く描かれていたりする。意外に「家族とはなんぞや?」といった文系ジャンルで、ぐいぐい押していくストーリーもあったりするんです。
そのミックスされた感じが非常に面白い。個人的に楽しみながら台本を読んで、アフレコしていますね。
——やはり不思議な方ですね。
津田:そうですね、非常に不思議な紳士です(笑)。いつも微笑ましく、柔らかく接していただけるので。ありがたいなあと。
——津田さんはメインキャストとして河森監督とご一緒されるのは今回が初だと思いますが、河森監督の「ここがすごい!」と思ったところはどんなところでしょうか?
津田:よくもこの難解な科学の話題を、ロボットもののエンタメにしようと思ったなと! そこがやっぱり、『重神機パンドーラ』の魅力になっています。
AIの話とかも出てきて、AIの進化に対してある種の警鐘でもあるのかなと個人的には思っています。
冒頭でも出てくるんですけど、人間が触れていい領域と触れちゃいけない領域、みたいな話題があって。やっぱり河森監督自身にもそれに対する考えがあるんじゃないかなと思いました。
人類の文明の進化、問題意識、想い。SFに造詣の深い方でいらっしゃるので、テクノロジーの進化の話題も出てきます。
そういった科学を物語にしようとすること自体が非常に面白いですし、本当に深く深く掘り下げて、人間はどこに向かうのかということを、作品を通して考えていらっしゃるんだなと思いました。
何かを訴えかけようとしていらっしゃるのかもしれないし、もしくはひとつの提言なのかもしれない。
だから非常に面白いなぁと。そういうことも含めて、早くご飯行きましょうみたいな(笑)。毎回のアフレコが楽しいですね。
単純に『重神機パンドーラ』が好きなんですよ(笑)。それは非常に大きいですね。
「こいつは何を抱えているんだろう?」と思わせる魅力
——最後にダグの推しポイントを教えていただければと。
津田:ダグは大人の色気のある男です。つかみどころのないミステリアスな色気だったり、ちょっと影が差している二面性だったり、非常に魅力的に描かれています。
非常にスナイパーらしいと言いますか(笑)。ものすごく繊細なものを扱っている感じと言いますか。やはり肉弾戦の人じゃない魅力というのがありますね。クイニーが完全に肉弾戦の、カンフー系女子なので、その対比も面白いです。
しかも、回を追うごとに伏線が引いてあったりもします。徐々に伏線を回収していくのも一つの魅力ですし、ダグにも当然伏線が引いてあって、意味深なところが少しずつ出てきます。
ダグの魅力は、最初はよくわからないかもしれませんが、ずっと見ていると「こいつは何を抱えているんだろう?」と、引っかかっていくと思いますよ。
そうさせるのが、ダグというキャラクターの一番大きな魅力になる気がします。意外といいキャラだぜっていう(笑)。
——なるほど。楽しみです……! では、放送を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
津田:非常に最後まで凝った作品です。綺麗なアクションシーン、人物の描写、非常にクオリティの高い作品になっています。
科学が好きな人はやはり楽しめますし、科学がよくわかんないっていう人は人間ドラマとして観ていただいても楽しめます。もちろん、アクション好き、ロボット好きっていう方も楽しんでいただける。
いろんな形に楽しんでいただける作品になっていると思います。しかも何回も観ていただくと、気づきがあると思いますよ。
とってもエンターテインメントしています。ぜひ観ていただけると嬉しいです。応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました。
[インタビュー/石橋悠]
Twitterフォロー&リツイートキャンペーン第3弾!
ダグ・ホーバットのキャラクター解禁を記念して、フォロー&RT キャンペーン第 3 弾を実施!
『重神機パンドーラ』の公式 Twitter アカウント(@unit_pandora)をフォローして、該当ツイートを RT さ れた方の中から抽選で、河森正治監督とダグ役の津田健次郎さんの直筆サイン入りポスターを2名様にプレ ゼント!
応募期間は、1/26 (金)21:00~2/2 (金)23:59 まで! 是非ご応募ください!
「重神機パンドーラ」×animateキャンペーン実施中! 一部店舗でダグのポスターも追加掲出が決定!
現在全国のアニメイトでは『重神機パンドーラ』とのコラボキャンペーンが実施中!
そして、今回の第 3 弾ビジュアルを使用したポスターも一部店舗にて掲出が決定! ダグのポスターの掲出は明日 1 月 27 日(土)からスタートです!
■第3弾キービジュアル(ダグ・ホーバット)を使用したポスターの掲出店舗一覧(15 店舗)
札幌店/仙台店/池袋本店/新宿店/渋谷店/秋葉原店/町田店/横浜店/名古屋店/大阪日本橋店/ 梅田店/天王寺店/三宮店/広島店/福岡天神店
3月24日(土)AnimeJapan 2018 ステージ出演決定!
放送開始直前を記念して、AnimeJapan 2018 へのステージ参加が決定!【WHITE ステージ】(10:25~11:00) に『重神機パンドーラ』が登場します!
登壇者には河森正治監督、前野智昭さん(レオン役)、津田健次郎 さん(ダグ役)が決定! 他にも豪華キャストを予定!
最新情報も解禁予定ですので、どうぞお見逃しなく!
イベント概要:3月 24 日【WHITE ステージ】10:25~11:00
登壇キャスト(予定):河森正治、前野智昭、津田健次郎ほか
作品情報
<イントロダクション ダグ編>
2031年、ダグ・ホーバットは翔龍での任務を終えて遠く離れた場所へと向かっていた。しかし、人類を脅かした「翔龍クライシス」は彼の元へも悲劇をもたらした。それは彼にとって大切な日々の終わりであった。
7年後、バウンティハンターとなったダグは絶対防衛都市ネオ翔龍として生まれ変わった街へと戻ってきた。
忘れられない記憶と一匹の猫をその胸に抱いて、彼は今日も獲物を狙っている。
<スタッフ>
原作:河森正治・サテライト 総監督:河森正治
監督:佐藤英一
シリーズ構成: 根元歳三
キャラクター原案:江端里沙
重神機デザイン:河森正治
制作:サテライト
<メインキャスト>
レオン・ラウ:前野智昭
クロエ・ラウ:東山奈央
クイニー・ヨウ:花澤香菜
ダグ・ホーバット:津田健次郎