井上ほの花さん、母・井上喜久子さんに二十歳の初ライブで手紙を読み、見事泣かせる!「井上ほの花 1st Birthday Live~ほっこり のびのび かんしゃ感激☆」レポート
「井上喜久子17才ですっ!(おいおい)」でおなじみの井上喜久子さんが、「娘と同い年になりました」「娘に年を追い抜かれました」と話していたのもついこの間のようでしたが、その娘・ほの花さんが2018年2月9日に二十歳の誕生日を迎えました。
2015年に17才で歌手デビューし、その後は声優としてもアニメ・ゲーム・洋画吹替などで順調に活動を続ける井上ほの花さん。誕生日直後の2月12日(月)には「井上ほの花 1st Birthday Live~ほっこり のびのび かんしゃ感激☆」を開催し、ザ・プリンス パークタワー東京「メロディーライン」をファンで満杯に埋めました。
若い頃の喜久子さんを彷彿とさせるような、おとぼけな面も随所に見せつつ、舞台度胸は大したもの。母・喜久子さんとの逸話では、ピンク好きな喜久子さんに幼い頃はピンクの服ばかり着せられたものの、実はピンクは好きではなかったと暴露し、爆笑を巻き起こす場面も。
もちろん母・井上喜久子さんも応援に駆けつけ、娘の成長を喜びつつ、「なんでこんな子になっちゃったんだろう」と爆弾発言も飛び出します。
同じオフィスアネモネ・ジュニア所属の藤川茜さんとのデュエットなど、事務所も一丸となってバックアップ。ほの花さんが母・喜久子さんへの手紙を読むというサプライズでは、喜久子さんが堪えきれずに涙を見せる一幕もあり、母娘の愛情の深さがよくわかる初ライブとなりました。
このトークセンスとおとぼけは、まぎれもなく井上喜久子の娘!
オープニングトークでは、二十歳になってお酒が飲めるようになったということで、メロディーラインで用意してもらったカシスオレンジを持ち、観客にはお茶のペットボトルを配って、まずは全員で乾杯。
2月9日の誕生日にも家でピーチの食前酒を飲んだそうですが、炭酸が得意ではない上、苦かったので「自分のお金では買わないな」と思ったとか。でもカシスオレンジは美味しかったらしく、「また挑戦してみたいなって思います」と大人への階段を上り始めたようです。
ゲーム『太鼓の達人 ドコドン!ミステリーアドベンチャー』主題歌「世界はいつでもミステリー」、スマートフォン向け青春体験型野球ゲーム『八月のシンデレラナイン』キャラクターソング「八月のメモリー」を歌い終えた後は、初めてオーディションに受かった想い出の作品でもあるという『八月のシンデレラナイン』の逸話を披露します。
オーディションでは、本作のイメージソングとなっていたプリンセス プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」が課題曲だったとか。しかしほの花さんはその世代ではないため、YouTubeで動画を観ていると、喜久子さんが「ママこれ知ってる!」と歌い出し、一緒に練習したと母娘の楽しい日常を明かしました。
スマートフォンアプリ『ソラとウミのアイダ』より「ソラとウミのアイダ」と劇中歌「バッドビニー」を歌った後は、質問コーナーへ。これは観客から質問を受けるのではなく、ほの花さんが観客に質問するというもの。どこから来たかという質問では、長野から来たという観客に「長野県! 長野県……木崎湖!」と、喜久子さんファンのツボを突くリアクションで沸かせます。
「水色とピンク、どちらが好きですか?」との質問では、衝撃的な暴露話も! 喜久子さんがピンクが大好きなため、小さい頃はピンクだらけにされていたというほの花さん。「けどね、正直ね、ピンク好きじゃなかったの」と本音をぶちまけます。
モバイルゲーム『ときめきアイドル』より「勘違いサマーデイズ」を歌った後、突然鳴り出すバースデーソング。同じオフィスアネモネ・ジュニアに所属する藤川茜さんがケーキを運び込みます。
頼もしい助っ人の登場で、ここまで1人でステージを進めてきたほの花さんもほっと一息。藤川さんも「ここは茜ちゃんがいっしょに出るから、ほーはなんにも考えてない」と言われたそうで、この辺りのゆるさは「さすが井上喜久子の娘」という感じです。
誕生日にお酒を飲んだ話から話題を広げようとした藤川さんは、お酒に強いか弱いかを聞きますが、「食前酒では酔わなかったから強い」と主張するほの花さんに困惑。さらにほの花さんが「食前酒って、食後でもいいの?」と母・喜久子さんに聞いたところ、「あ、全然いいのよ~」と言われたと明かします。井上家の楽しい食卓の様子が伝わってきます。
『ときめきアイドル』にはほの花さんが立川美翠役、藤川さんが伊澄いずみ役で出演していますが、今回は立川美翠とその双子の姉・立川朱音が歌っている「Twin memories」を、井上ほの花&藤川茜バージョンで披露。そして歌う前に水を飲もうとしたところ、藤川さん用の水をほの花さんが飲んでいたことが発覚! わざわざボトルを色分けしたのに忘れていたそうですが、かつてイベントでボケが多過ぎて「おいおい」が追いつかないと言わせしめた喜久子さんの片鱗を伺わせます。
また、井上喜久子から引き続いての井上ほの花ファンという年齢層高めの観客にとっては、「Twin memories」は國府田マリ子さんが歌った『ツインビーPARADISE』のOPテーマとして記憶している向きも多いため、なんとも言えない懐かしさも会場に漂います。
続いてはスマートフォン用ゲームアプリ『青空アンダーガールズ!』で「プリティ→プリンセス」(椿 瑠璃花役/井上ほの花、佐久間 茜役/藤川茜)というユニットを組む2人が、代表曲「わがままプリンセス」をダンスも完コピして生披露。今回一番大変な曲というだけあって、ここまで比較的穏やかに進んできた舞台が、熱いアイドルステージに一転します。
井上喜久子さん登場! 娘から母へのサプライズ手紙に涙!
激しいダンスを終えた後は、デビュー曲となったゲーム『太鼓の達人』の楽曲「恋幻想(Love Fantasy)」を作曲者のショック太郎さんの生ピアノで歌い上げます。続けてファーストアルバム『ファースト・フライト』から「月世界フライト」を歌い終えたところで、もう1人の助っ人である井上喜久子さんが登場します。
初めての母娘デュエット曲「虹のファンタジア」を歌う2人。「だから大丈夫、ふたりだから」の歌詞の通り、母・喜久子さんと並んだほの花さんは本領発揮という感じ。まだ苦手らしい低音域を喜久子さんに任せられることもあってか、高音域の声の伸びがさらに突き抜けます。
歌の後、ほの花さんが着替えてくる間を任された喜久子さんは、まずは会場を埋める観客に感謝。その上で、母親としての不安もこぼれてしまいます。
喜久子「みなさん薄々お気づきだと思いますが、ものすごい野生児というか。似てるところもいっぱいあるんですけど、けっこう『ええ~!?』っていうところがありまして。うっかりとか、ダメダメな部分は私に似ちゃったんですけど、力強さはちょっと面白くって、普段私も家では笑わせられてるんですよ」
恒例の「井上喜久子17才ですっ!(おいおい)」の名乗りも、最初は観客が小さく「おいおい」とつっこんで、それを「おやおや、声が小さいぞ」と煽っていく井上喜久子イベント恒例のフルバージョンで。イベントグッズの「おいおい扇子」を用意してきたコアファンも多く、改めて「井上喜久子17才ですっ!(おいおい)」について語り始めます。
喜久子「私ね、17才っていうおかしなことを言い続けて早20何年。『井上喜久子17才』で、『おいおい』がなかったらただのウソつきですからね。『おいおい』あっての17才。17才よりも『おいおい』のほうが大切と思ってます。
そんな私の娘が二十歳になってしまったわけで、時空の歪みが、元から歪んでるのにさらに歪んで、なにがなんだかわからなくなってる気もするんですよ。でも、娘のほうは順調に年令を重ねていて、親としては安心。みんなそうなんですよ、若いうちは重ねます。
もしかしたらほっちゃんもね、30くらいになってドモホルンリンクルが気になりだしたら、『ちょっと年令下げようかな』って。そういう時期が来たら、17才教はいつでもあなたを待っています!」
また、非常に仲の良い母娘でありながら、どうしても娘とわかり合えないところがあるとシリアスに切り出した喜久子さん。何事かと思いきや……。
喜久子「これだけは、なんでわかってくれないんだろうっていうのが、おもちの食べ方なんですよ。私、おもちが大好きで、いろんな味付けで食べてるんですよ。いちばん定番なのがお砂糖とお醤油の甘醤油で、出汁醤油も好きだし、バター醤油も好きだし。とにかくいろんな味で食べるのが大好きなのに、なんと娘はなにもつけないで食べるの。
渋過ぎやしません!? ありえないと思って。すごい大人のひとが、いろんな味にもう舌が肥えて、『うなぎは白焼きでしょ。タレはいりません』みたいな感じがしちゃって。『なんにもつけないの!? つけてごらんよ!』って薦めるんだけど、『そのままがおいしい』。ほんとよくわからないんですよね。なんでこんな子になっちゃったんだろう」
そんな話をしているうちに時間が経ち、着換えを終えて再び登場したほの花さんは、背中に熊を背負っていました。こちらは先程デュエットした藤川さんからのお誕生日プレゼントだそうです。
なお、着替えてきたイベントグッズTシャツの背中に描かれたプリントを見せようと背中を向けたところ、その熊リュックが邪魔で見えないことが発覚! すごすごとリュックを下ろすことになりました。この辺りの残念な感じ、将来有望です。
ここで井上母娘が最近ハマっている遊びとして、動画サイトで流行っている「演技力じゃがりこ面接」を実演します。これは相手から出されるシチュエーションを「じゃがりこ」の言い方だけで表現するというものですが、喜久子さんが「面白コーナーのひとつとして」と言ったことに「面白いって言って、面白くなかったらどうするの!?」とほの花さんが抗議したため、「じゃあ、あまり面白くないコーナーとして」と予防線を張ります。
普段は喜久子さんがお題を出し、ほの花さんが演技するそうですが、ほの花さんの挑戦後、喜久子さんへのサプライズで初めて逆パターンにも挑むことに。それに対し、「じゃあママの実力を見せてあげる」と受けて立つ喜久子さん。その言葉通り、ベテラン声優の圧倒的な引き出しの多さを見せつけ、大喝采を浴びていました。
ここで突然ほの花さんが「ほーがママにお手紙を読みたいと思いま~す!」とサプライズ。そのシチュエーションだけで「ちょっと待って! 無理無理無理!」と早くも泣き出しそうな喜久子さん。20年分の感謝と、普段なかなか口では言えない謝罪の言葉、それに声優の先輩として尊敬していることなどを、山盛りの「大好き」と共にほの花さんが読み上げると、当然のように涙腺を決壊させます。
さらに容赦なく、お手紙の感想を催促するほの花さん。喜久子さんが感極まって言葉に詰まると、「ほーを生んで良かったって言ったら?」と耳打ちするしたたかさ。将来の心配はなさそうですね。
驚きの展開はまだ続きます。なんとほの花さんが、喜久子さんをウソツキ呼ばわり!?
ほの花「ママにほんとにちっちゃい頃から『ほっちゃんが世界でいちばんかわいい♥ 世界一大好き♥』って言われてきたんですよ。だから勘違いしちゃうじゃないですか。デビューしてから『ママ、ウソツキじゃん!』と思って!」
喜久子「ほっちゃんのかわいさってほら、笑顔だから! 笑顔は世界一!」
喜久子さんへのさらなるサプライズ企画として、かつて喜久子さんがほの花さんのことを想って書いた曲「ほっぺに約束」をここで一緒に歌うことに。喜久子さんの曲の中で、ほの花さんはこれが一番好きだそうで、母娘にとってとても大切な曲の貴重なデュエットとなりました。
感動の後は、こちらも喜久子さん作詞作曲の面白ソング「夢見るコスチューム」をデュエットで。真面目で地味な女の子がコスプレで変身願望を叶えるという歌詞を、オールディーズ風のズンタタズンタのリズムに乗って軽快に歌う曲で、これにボックスステップやピンク・レディー風の振りなどが付く、“ザ・昭和”なノリノリナンバーです。
ほの花「きっとママの娘だから応援するって思ってくださってる方もいると思うんですけど、それでもほーには本当にありがたいことで、全部ギューってやっても無理なくらい感謝しきれないなって思ってます。みなさんといっしょに今日を過ごせたことが本当にうれしくて、しあわせだなと思いました。とっても楽しかったです!」
最後にTVアニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』挿入歌「全力クリームソーダ」を元気よく歌い、アンコールでは自分にとっての大切な応援歌というディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』の楽曲「Let It Go」を英語で絶唱。これからも「ありのままで」のびのび歩んでいくであろう井上ほの花さんの、感謝をいっぱい込めた初ライブは、なんともほっこりした気持ちにさせてくれました。
[取材・文/設楽英一]
>>井上ほの花 (@inoue_honokuma) | Twitter
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