
『ガンダムW』主題歌OPを歌う「TWOーMIX」の魅力と人気を振り返る!
「『ガンダムW』と言えば?」の問いかけに、物語、キャラ、モビルスーツ、声優など、いろいろな返答がありそうですが、他の作品に比べ「アニソン(主題歌)」と答える方も多いのではないかと思います。
『ガンダムW』の主題歌「Just Communication」は、TWO-MIXが担当しています。『ガンダムW』を知らない人には、聞き馴染みのないアーティストかもしれませんが、TWO-MIXは声優・高山みなみさんと、作詞作曲家・永野椎菜(ながのしいな)さんのユニットです。
高山みなみさんは、アニメ・声優ファンなら説明の必要はないといえるほど、多数の作品に参加されています。代表作は『名探偵コナン』の江戸川コナンや、『忍たま乱太郎』の乱太郎、『魔女の宅急便』のキキなどです。数多くの人気キャラを演じていますので、声や演技の素晴らしさは、作品と通して知っているかなと思います。そんな高山さんが、TWOーMIXでは、メインボーカルを務めています。
また、作詞家・永野椎菜さんは、「しいな」という名前から女性を想像しますが、男性になります。アニメ『YAWARA!』の初代オープニング主題歌を唄った永井真理子さんのアルバム『Miracle Girl』収録曲に作詞家として参加。また、声優・林原めぐみさんのアルバム『PULSE』の収録曲にも作詞家として参加しています。
この二人が組んだTWO-MIXは、『ガンダムW』のファンにとっては、とても大事な存在といえるのです。
『ガンダムW』の再放送をきっかけに、永野椎菜さんがツイッターで、当時の事をたくさんつぶやかれていますので、その内容からTWO-MIXの誕生と『ガンダムW』主題歌「Just Communication」について振り返りたいと思います。
TWO-MIX誕生
TWO-MIXは、1995年に活動を開始します。元々は「ES CONNEXION」というバンドを組んでおり、その解散からTWO-MIXの活動がスタートしました。TWO-MIXのファーストシングル「JUST COMMUNICATION」が、1995年なので結成年にすでにデビューしたことになります。その当時を、永野さんはこうつぶやいています。
ESを94年冬に終了して、ES曲も含めたデモを高山さんと二人で年末にコツコツ作ってて、それを作曲家の大御所・馬飼野康二氏が聴いて一緒にデモ楽曲を作ろうと声を掛けて下さってデモ曲を追加して...三人でスタジオワークを始めて...それらのデモが巡り巡った結果です(^^)/
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
元々、ガンダムWに主題歌が決まったのは、巡り巡ったデモ曲をガンダムW制作会社が聴いて下さってオファーが来たという経緯がありますので、TWO-MIXサウンドとの相性が良かったのも当然だったのかもしれません(#^.^#)/ 「もう少しガーンと」という感覚的?なアドバイスも楽曲制作に生かせましたし(^.^)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
また、独特なユニット名「TWO-MIX」というバンド名は、永野さんがレコーディング用語から選んで付けたそうです。
TWO-MIXになったのはデビューが決まってからです(笑)(^^;) 僕が名付けました。レコーディング中にレコーディング用語からチョイスしました(#^.^#)/ ...後で、照明会社にも同じ名前があって驚きましたが、元々レコーディング用語なので問題ありませんでした(笑)(#^.^#)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
TWO-MIXは、『ガンダムW』の当時、顔出しをしないアーテイストでした。それが、不思議な魅力を生みます。TWO-MIXが、テクノポップ的サウンドであることや、次世代テクノロジー「バーチャルリアリティ(仮想現実)」や「3D技術」への社会的な注目高まった時代背景(※)などがあり、TWO-MIXは仮想空間に存在するアーティストのようなイメージだったのです。
実際当時の事について、永野さんは「隠すつもりもバーチャルにするつもりもなかったんですけど、(中略)一般的にバーチャル扱いになってました(笑)」と語っています。逆にその偶然とサウンドが結びついて、他にはない不思議な魅力のアーティスト「TWOーMIX」が誕生したのです。
デビューが決まった後、紹介された事務所の方針でした。隠すつもりもバーチャルにするつもりもなかったんですけど、高山さんの声優としてのスタンスを守るためにTV出演をすべて断ったり、レコード会社も最初、僕らに関心を示さなくて告知しなかった為に、一般的にバーチャル扱いになってました(笑)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
...で、そういう世間の反応を見て、これはこれで面白いね☆彡...という事で、それに乗っかりました(笑)(^^;)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
※1990年中盤は、3DCGを使った本格的な映画『ジュラシック・パーク』(1993年)や、セガの大ヒット格闘ゲーム『バーチャファイター』(1993年)、そして3DCG技術を取り入れた家庭用ゲーム機『プレイステーション』(1994年)の登場と、3DCGの技術が大きく変動していた時代。
Just Communicationについて
永野さんの口から『ガンダムW』の主題歌「Just Communication」の誕生秘話も語られます。永野さん曰く「Just Communication」を含む、主題歌はすべて、設定書、プロット、企画書等を読み込んで作られているとのことです。
製作期間は、約2ヶ月。当時の放送はサウンドがモノラル(1チャンネル)放送だったこともあって、「モノラルでどのように聞こえるのか?」もこだわって作られたそうです。
ガンダムWはガンダムシリーズ作品の中で最初に海外販売された作品で、世界中で放映されました(^^)/ OVA、映画、そして続編小説へ...今も沢山の人達に愛されるスタイリッシュなガンダム作品です☆彡 Just Communicationから続く主題歌は全て、設定書、プロット、企画書等を読んでイメージしました♬
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月20日
歌詞が先に出来たので、タイトルはそこから付けました。Justなのは、「なんか曲にJustしてるって感じだよね~」という周囲の感想から、そっか、じゃ、Just Communictionでという感じです(笑)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
こぼれ話4「Just Communication」の制作は完成まで約2ヵ月掛かっていて、当時モノラル放送だったので、モノラルだとどう聴こえるか?TVのスピーカーでどう聴こえるか?まで色々実験して、やれる事を全てやった楽曲でした。1曲で2ヵ月...その後、アルバム全曲を1ヵ月で制作させられましたが(笑)(^^;)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
不思議な売れ方の「Just Communication」
「Just Communication」は、『ガンダムW』の主題歌ということもあり多くの方の耳に届きます。素晴らしい楽曲ということもあり、多くの方を魅了します。そして、結果的には50万枚のセールスを記録。
しかし、当時無名に近かったTWO-MIXは、リピート注文枚数を毎回2万5000枚と決められていたそうです。そのため50万のヒット曲にも関わらず、ヒットチャートの20位にも入らなかったそうです。毎週2万5000枚売れたとして50万枚のセールスを達成したとすると、約20週はコンスタントにリピート発注があった流れになります。
そう考えると、多くの方が欲しくても手に入らない状況が続く中で、テレビで流れる『ガンダムW』の「Just Communication」をとても楽しみにしていたのが分かります。
ガンダムWの放映当時は、TWO-MIXには何のバックアップも宣伝もなくて、高山さんが声優である事をレコード会社でさえ知りませんでしたから、本当にガンダムWと楽曲の魅力だけの勝負になりましたが、信じていた通り、ガンダムWも楽曲も大ヒットしました...Wファンと、音楽ファンの皆さんの勝利でした☆彡
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月21日
ガンダムWが放映された当時、その週から主題歌のJust CommunicationのシングルCDが店頭から消えるという事態が起きました(^^;)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月27日
初回出荷枚数が売り切れてバックオーダーも毎回2万5千枚とレコード会社が決めていた為、その後ずっと毎週2万5千枚ずつ売れる事になり...
それが半年近く続きました(^^;)
その為、Just Communicationはヒットチャートの週間20位以内に一度も入っていませんが累計が50万枚を越えました...次のRhythm Emotionでは初回出荷からドンと出ましたので安心しました(^^;) 毎日が新機動戦記な日々でした...(笑)
— TWO-MIX-永野椎菜 (@two_mix_shiina) 2018年2月27日
TOKYO MXで放送中の『新機動戦記ガンダムW』は、2018年3月20日には第4話「悪夢のビクトリア」を迎えます。「Just Communication」を聴く時には、多くの方を魅了したサウンドであることを思い出しながら聴いていただければと思います。
アルバム情報
概要
高山みなみと永野椎菜によるユニット、TWO-MIXが放った大ヒット・アニソン、主題歌集の登場!
OVA「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」主題歌「WHITE REFLECTION」他キング時代の大ヒット・シングル・コレクション。
収録曲
01. JUST COMMUNICATION
02. RHYTHM EMOTION
03. T・R・Y -RETURN TO YOURSELF- (Super Single Edition)
04. LOVE REVOLUTION
05. Rhythm Generation
06. Meeting on the Planet
07. WHITE REFLECTION
08. TRUE NAVIGATION
09. SUMMER PLANRT No.1
10. LIVING DAYLIGHTS
11. BREAK
12. TIME DISTORTION
放送情報
アニメの神様『新機動戦記ガンダムW』
2018年2月27日(火)22:29~放送開始!
作品情報
TVアニメ「新機動戦記ガンダムW」
<STAFF>
企画:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季「機動戦士ガンダム」より
シリーズ構成:隅沢克之
キャラクターデザイン:村瀬修功
メカニカルデザイン:大河原邦男、力トキハジメ、石垣純哉
衣装デザイン協力:出渕裕
美術監督:佐藤勝
撮影監督:大神洋一
音楽:大谷幸
音響監督:浦上靖夫
制作協力:電通、創通
プロデューサー:小泉美明(テレビ朝日)、植田益朗(サンライズ)、富岡秀行(サンライズ)
監督:池田成
制作:テレビ朝日、サンライズ
<CAST>
ヒイロ・ユイ:緑川光
デュオ・マックスウェル:関俊彦
トロワ・バートン:中原茂
カトル・ラバーバ・ウィナー:折笠愛
張五飛:石野竜三
リリーナ・ドーリアン:矢島晶子
ゼクス・マーキス:子安武人
トレーズ・クシェリナーダ:置鮎龍太郎
レディ・アン:紗ゆり
ドロシー・カタロニア:松井菜桜子