『Wake Up, Girls!』吉岡茉祐さん「人前で歌うことが嫌いだった私を変えてくれたのは、ファンの皆さん」『Green Leaves Fes』開催記念インタビュー
2018年5月12日(土)に『Wake Up, Girls!(吉岡茉祐さん、永野愛理さん、田中美海さん、青山吉能さん、山下七海さん、奥野香耶さん、高木美佑さん)』と『Run Girls, Run!(林鼓子さん、森嶋優花さん、厚木那奈美さん)』が初の共演を果たすイベント『Green Leaves Fes』が幕張メッセにて開催される。
アニメタイアップやTVアニメ『Wake Up, Girls! 新章』など、ユニットとして活動を広げてきた『Wake Up, Girls!(以下、WUG)』。活動開始から6年目に入る中、同イベントでは楽曲ファン投票を実施した。
これは、ファンからの根強い支持を得た楽曲ばかりのイベントになると言っても過言ではない。今回、そんな『Green Leaves Fes』を控えた『WUG』の吉岡茉祐さんに話を聞いた。
『WUG』のセンターとしてパフォーマンスを行う彼女の魅力は、一度見ただけで観客を魅了し、圧倒するものがある。その裏側にあった彼女自身の心の動きについて迫った。
『WUG』・『RGR(ランガ)』が目の前にやってくる
――『Green Leaves Fes』はファン投票でセットリストが決定するという企画を行いました。この話を聞いた時の率直な感想をお聞かせください。
吉岡茉祐さん(以下、吉岡):もともとファン投票のランキング形式でセットリストを決める話が出たのは2017年に行った上海公演くらいのタイミングだったんです。「何か新しいことをやりたいね」って話が出た中の1案に、ファン投票でセトリを決めるというものがありました。正直私としては、『Green Leaves Fes』でファン投票を行うとは思っていませんでした。なので、ビックリしたというのが率直な感想です。
ただ、今は『Green Leaves Fes』というこれまでにないイベントでファンの皆さんがセットリストを決めることで、何か新しいことができるという気持ちがあります。会場も幕張メッセのイベントホールという大きな会場ですし、『Run Girls, Run!(以下、ランガ)』ちゃんとも初共演ですし。色々なはじめましてが詰まったイベントになるんじゃないかな。
ついこの間5周年記念のイベントを開催したばかりですけど、そこが1つの集大成になった気がしていて。そこからまた新しい一歩を踏み出す『WUG』が見れると思いますよ。
――以前、ライブの構成に吉岡さんも参加されているとお聞きしましたが、今回のセトリを見た感想はいかがでしょう?
吉岡:今まではセトリを組むにあたって曲の流れだったり、作品とのつながりを考えながら構成していたんです。今回のファン投票の結果は、ファンの人たちの素直な気持ちだけを並べてみた結果、私たちの知らない発見がありましたね。
「この曲がここに入ってくるんだ」とか。「みんなこの曲が聞きたいんだな」とか。今まで私たちの考えていたものが、狭かった範囲からより広がった形になっていて。すごくありがたい気持ちになりました。私たちが普段のライブで構成を組む場合は、絶対選ばない曲がすごいタイミングで入ってきたりするので、目が離せない時間になると思います。
――ちなみに吉岡さんが投票するのであれば、どの曲に投票されますか?
吉岡:実は母からも「どの曲に入れたらいい??」って連絡が来たんです(笑)。その時は『Polaris』をお願いしました。私としては『I-1club』さんの曲を歌える機会があまりないので、『Knock out』ですね。踊ってみたい!
――『Knock out』は舞台(『Wake Up, Girls! 青葉の記録』)で大好評でしたよね。『WUG』の曲ではどの曲がいいですか?
吉岡:『Beyond the Bottom』、『タチアガレ!』。そうだ、『SHIFT』(9thシングル・スキノスキルのカップリング曲)も歌いたいです。
――次のファン投票が楽しみになりますね。ファン投票で選ばれた楽曲を歌う以外にも、今回新しい取り組みがあるとお聞きしました。
吉岡:そうなんです。『ANIMAX MUSIX 2017 YOKOHAMA』に出演した時に、はじめて7人でアリーナを外周したのがすごく印象に残っていて。
――『檄!帝国華撃団』を披露した時ですね。
吉岡:本当にあの時間が最高で。あれをいつか単独でもやりたいと思っていたので、それに近いものが今回できるんじゃないかな?と感じています。
いつも以上にお客さんの近くに私たちが行って、お客さんと一緒に歌うみたいな。みんなの近くで一緒に歌おう、一緒に踊ろうという時間ができればと思っています。
幕張メッセのイベントホールってすごく広いんですよ。奥に座っているお客さんのサイリウムは分かるんだけど、顔は見えないくらい。そんな広い会場でも、足を運んでくださった1人ひとりと時間を共有したいですね。
――ツアーでもお客さんの近くに行くケースはあまりないですよね。
吉岡:そうですね。『Wake Up, Girls!Festa』でセンターステージに出ることやトロッコに乗って近くに行くことはあっても、一番奥のお客さんのところまで行く機会はないので。
――まさに『Wake Up, Girls! 新章』の最終話みたいなイメージですね。こんなに広い会場で『WUG』さんたちを近くで見れるのは、『Green Leaves Fes』ならではの時間になりそうな気がします。
吉岡:大きな会場だし『WUG』ちゃん、『ランガ』ちゃんが近くで見れないんだろうな?って諦めないでほしいですね。ステージが複数あるのも初の試みですし。さらにスタンドも歩くし、トロッコにも乗ります。絶対、楽しい時間になると思いますよ。
毎日配信・キャスト出演のTwitter動画に注目
――今回のイベントが、『WUG』さんと『ランガ』さんにとって初の共演イベントになります。『わぐばん!新章』で永野さんと山下さんが共演されていましたが、全員でお客さまの前に立つのは初ということで。
吉岡:2組でファンの方の前に出るのは本当にはじめてなんです。正直、怖いですね。
――怖い?
吉岡:はい。『ランガ』と『WUG』が一緒に出るということは、『WUG』がはじめて先輩としてステージに立つということなんです。これまでは一番下の立場だったので。
『Wake Up, Girls!Festa』では『I-1club』さん、『i☆Ris&Wake Up, Girls!バレンタインLIVE!!』でも『i☆Ris』さんがいらっしゃいました。他のライブに行っても皆さん先輩ばかりの中でパフォーマンスをすることが多かったので。
私たちよりも後輩の娘たちと一緒にステージに立ってパフォーマンスをするって、どうなるんだろう。だから、ちょっと怖いです(笑)。これは本番になってみないと分からないな?って気持ちですね。
――なるほど。リハーサルはもうはじまっていますか?
吉岡:ちょうど今日がはじめてのリハーサルだったんです。スケジュール的に参加できたのは『ランガ』だとあっちゃん(厚木那奈美さん)だけだったんですけど。
――はじめてご一緒にリハーサルされてみていかがでしたか?
吉岡:あっちゃん、本当にダンスが上手いなって!彼女たちの演技はアフレコ現場で見てきたんですよ。でも、歌やダンスに関してはお客さん側から見ることはあってもレッスンで見るのははじめてだったので。めっちゃストレッチしてからレッスンに挑むタイプなんだな?とか。ちょっと気になって見ちゃいましたね(笑)。
――リハーサルで知ることも多そうですね。『ランガ』さんとの初共演が楽しみです。更に今回は、衣装も歴代の中から多数用意しているそうですが。
吉岡:そうですね。たくさん衣装替えします。こんなに用意するのは初ですよ。
――吉岡さんが歴代で一番好きな衣装をお聞きしてもいいですか?
吉岡:それはパンフレットを楽しみにして下さい(笑)。『Green Leaves Fes』のパンフレットは統一の衣装じゃなくて、それぞれが今まで着てきた衣装で一番好きなものを着て撮影したんです。
――いくつか候補を出した感じだったんですか?
吉岡:3つ候補を出しました。うーん、、本当は選べないですよ。どれも思い入れが強いので。
――そうですよね。では、3つの候補を教えていただいてもいいですか?
吉岡:『少女交響曲』、『TUNAGO』、『Polaris』です。『少女交響曲』はユニットの『WUG』らしさが最初に確立された衣装になったと思っているんです。それまでは可愛い要素もありつつ、アニメが優先されていた衣装だったので。『TUNAGO』ははじめて私たちのアイデアが入った衣装なので思い出深いですし。
『Polaris』については『Beyond the Bottom』と衣装のコンセプトに関連性があるんですよ。作品の主体性と集大成に合わせた要素が入っているというか。そういった点から選んでみました。
――パンフレットで吉岡さんが一番好きな衣装が分かるということですね。今回、『Twitter』で作品に出演したキャストからのメッセージが配信されるそうで。
吉岡:そうなんです!本当にご協力ありがとうございます。出演キャストの皆さんがこんなにもたくさんの曲を知っていただいているのが嬉しくて。
今回ファン投票に入っていた曲って、アニメで流れた曲だけじゃないんですよね。ユニット『WUG』として発表してきた楽曲を挙げて下さる方もいて、アニメだけじゃなくて、声優ユニット『WUG』のことも愛してくださっているんだなって伝わりました。本当に一本一本の動画が嬉しいです。
――日髙のり子さん(丹下順子役)や浅沼晋太郎さん(松田耕平役)、鈴村健一さん(早坂相役)、大坪由佳さん(岩崎志保役)など錚々たるキャストの方々が動画にはご出演されていますが、吉岡さん的には誰の動画がオススメですか?
吉岡:選べないですけど・・・。やっぱり、下野紘さん(大田邦良役)ですね(笑)。いつも全力でぶつかってくださる熱量が半端ないです。これは絶対にチェックしていただきたいです。
そうだ!私が『Twitter』の動画に出演している衣装はパンフレットを撮影した時のものなんです。『少女交響曲』、『TUNAGO』、『Polaris』。どれで出演しているのか?パンフレットよりも先に分かるかもしれません。これも楽しみに待っていてくださいね。
吉岡茉祐さんにとってライブとは?
――『Green Leaves Fes』のお話ありがとうございました。こういった質問をするのは、はじめてなのですが吉岡さんにとって『ライブ』とは何ですか?
吉岡:ライブは『WUG』をはじめるまで、すごく嫌いでした。人前で歌を歌うのがすごく苦手だったんです。私、歌で褒められたことがなくて。母が昔バンドをやっていて歌にとても厳しい人なんですよ。一緒にカラオケに行ったりしても楽しむというよりも、指導されているような時間に近くて(笑)。
それが、『WUG』の活動を通して、ライブに出て歌って踊ることがすごく楽しいって思えるようになったんです。
――それは活動の初期からですか?
吉岡:徐々にですね。最初の頃は気を張っていたところも多かったので。正直、記憶に残っていない時も多いんですよ。最初のお披露目イベントの時なんて、舞台に立ってからの記憶が一切ないですから。袖に立っている時、すごく緊張して英美里さん(加藤英美里さん)や待田さん(待田堂子さん)に励ましの言葉を掛けていただいたのは鮮明に記憶があるんですけどね。
でも、ステージに立ってからの記憶が全然なくて。同じように最初の頃のライブはいつも真っ白になっていたと言うか。それが、少しずつライブを重ねていく毎にお客さんの顔も見れるようになったし、MCも事前に用意しなくても喋れるようになったし。
その場で生きてるなって、感じられるようなってからですかね。ライブが心から楽しいと思えるようになったのは。
このタイミングくらいから舞台にも出演させていただけるようになったんです。ここで、生の声を聞く大切さを更に覚えた気がします。ファンの方がくれる声援をリアルタイムに聞くことって、ステージに立たないとできないことですよね。その感覚がものすごく嬉しくて楽しくて、"もっと!"ってなるんです。
ライブでの経験を積んでくると、私の中で段々ファンの人たちが乗りきれてないな?って感覚がちょっと分かってきちゃったりもして。そんな時に「もっと、来いよ!」って言える自分になりたいから私は頑張れているし、皆が楽しんでいる姿を見て、やってよかったなって思えるんです。
ライブってその一瞬じゃないと共有できないものがありますよね。舞台もそうですが、その場で生まれた笑いや涙がダイレクトに伝わる。空気に乗ってこちら側にも伝わってくるのがすごく心地いいんです。その感覚をずっと求めるために、私はステージに立ち続けているんだと思います。
改めて、いつも応援してくださっている皆さんには感謝しかないですね。人前に出て歌うことが嫌いだった私を変えてくれたのは、ファンの皆さんですから。
――吉岡さんのステージを拝見していると、すごく感情が表に出ているのが伝わってきます。
吉岡:いつも泣くつもりはないんですけどね(笑)。今でも覚えてることがあって。『WUG』の活動初期のライブでメンバー全員が泣いていたんですけど、私は泣かなかったんです。その時のMCで私はこう言ったんですね。
「私はここでは泣きません。私が次に泣くのは『WUG』が本当に終わった時に泣きます」って。
その言葉が胸にあるので、いつも「泣かないぞ!」って思っているんですけど、随所随所でファンの皆さんがいろんな気持ちをくれるから・・・。つい涙もろくなっちゃうんですよ。
――それだけステージの上で、感情を開放できるようになったということですね。
吉岡:そうですね。失敗を恐れない気持ちをワグナーの皆さんからもらえたことも大きいです。それまで失敗することが怖かった私が、失敗すらも"ライブ感"として楽しんでくれる、楽しさに変えていただけたことで救われたんだなって。
――2016年の3rdライブツアー以降、ライブで吉岡さんの歌声を聞いていてると、すごく心に響くようになった印象があるんです。吉岡さん自身で何か変えたところはありましたか?
吉岡:ありがとうございます(照)。うーん、自信がついたのかな。もちろん、『WUG』のステージで学ばせていただいたことも多かったんですけど、ソロイベや他作品でライブに出演したり7人以外でステージに立った時に、いつも応援して下さるファンの皆さんが別の現場にも来てくださっている姿が見えたんです。
その瞬間にアウェイじゃないんだなって思えて。それが少しずつ自信につながってきたというか。そういった色々な経験が積み重なって、私の中で開放するものがあったんだと思います。
――この時期からより歌に気持ちが乗るようになったというか。
吉岡:いい意味で島田真夢という存在とは別の、吉岡茉祐として歌えた瞬間が来たんだと思います。声優ユニット『WUG』って、アニメと一緒に動いてきたものなので、島田真夢という存在が私の中でも大きいものだったんです。"島田真夢の歌い方で歌っている曲だから"という気持ちもありましたし。
それを振り払ったのが、2016年頃なのかもしれません。だからといって島田真夢を捨てたという話では全く無いんですけどね。今は声優ユニット『WUG』としてのライブをやっているという気持ちに変わったというか。
ユニットとしての『WUG』を愛して欲しいという気持ちがあって、それを素直に出せるようになった。吉岡茉祐ならこのライブをどう作っていくのか?そういった考えの方が大きくなったんだと思いますね。
灰になる準備はできてますか?
――進化し続ける吉岡さんのステージが楽しみです。最後に『Green Leaves Fes』への意気込みをお願いします。
吉岡:今まで『WUG』のライブって、年末に大きいライブがあってユニット単独で夏のツアーがあるのが基本の流れでした。今回はじめて『ランガ』ちゃんと共演するライブを開催するにあたって、はじめてファンの方々の声を取り入れたセトリも組んでみました。
セトリを組んだ状態からファンの皆さんが度肝を抜かれる姿が見えたというか、本当に楽しみなんです。なので、当日は皆さんビックリしに来てください!このセトリの組み方は普通の『WUG』のライブでは絶対できないことですので。その新しさを感じて欲しいですね。もちろん、後輩である『ランガ』ちゃんと一緒にステージに立つ『WUG』も見ていただきたいです。
――これまでのファン、これからのファンも楽しみなライブになりそうです。
吉岡:はじめて『WUG』のライブに来る方は、むしろ入りやすいと思います。『Green Leaves Fes』で歌った曲を抑えておけば、「(俺・私)はワグナーだ」って語れるはずです。
はじめましての方も、昔から知っている方も両方違った形で楽しめるイベントになると思います。大きな会場ですけど、ちゃんと私たちは皆さんの側まで会いに行きますので。「この曲が歌われるだろう」という予想をして、ライブに来ていただけたら嬉しいです。
――ありがとうございました!
[文・川野優希/写真・Re-Zi]
Green Leaves Fes情報
■イベントタイトル
Green Leaves Fes
■日 程
2018年5月12日(土)
【昼の部】開場 13:00 開演 14:00予定
【夜の部】開場 17:00 開演 18:00予定
■場 所
幕張メッセ 幕張イベントホール (千葉県)
■イベント内容
Wake Up, Girls!とRun Girls, Run!によるライブイベント
※Green Leaves Fesの開催を記念して、ライブで歌ってほしい曲の投票も実施。本イベントのセットリストは皆様からの投票で決定し、イベント当日ランキング形式で発表します!!
■出演者
Wake Up, Girls!(吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海、奥野香耶、高木美佑)
Run Girls, Run!(林鼓子、森嶋優花、厚木那奈美)
<チケット情報>
【販売価格】:各7,800円(税込)
※お一人様1公演につき4枚まで(複数公演申込可)
※全席指定 ※3歳以上有料。3歳未満入場不可。
☆プレイガイド購入方法☆
※受付は先着順となり、予定枚数に達し次第終了となります。
【公演に関するお問い合わせ】
インフォメーションダイヤル TEL:03-5793-8878 (平日13:00~18:00)
※出演者・開場・開演時間、イベント内容は予定のため変更の可能性あり。
出演者変更に伴う払戻し不可となりますので予めご了承ください。