6つ子にとって“自立”とは、就職じゃない。童貞を捨てることだ……たぶん。 TVアニメ第2期『おそ松さん』/第25話「地獄のおそ松さん」を【振り返り松】
TVアニメ『おそ松さん』の各話エピソードを、SNS上にある視聴者の声とともに振り返る【振り返り松】。第2期もついに最終回です。
第24話で、松造が病に倒れたことを機に自立しはじめた6つ子でしたが、おそ松だけは“バラバラになっちゃった”という違和感を覚えていました。第25話は、そんなおそ松が弟たちに何かを言おうとしたところからスタート。深刻なおそ松の一挙一動を、視聴者は固唾をのんで見守りました。
しかし! ちょうどそのとき、イヤミが操縦する小型機が偶然にも松野家に墜落! 全員死亡し、ここからは6つ子の黄泉での様子が描かれることになりました。
閻魔大王が聖澤庄之助だと明かされた場面では「とんでもない伏線回収! まるで第1期から考えていたかのよう」「閻魔大王が現世で監視しないといけないくらいクズってことかあ」と視聴者。自分だけは地獄に行きたくないからと、兄弟を犠牲にする様もまさにクズで、「魂になっても相変わらずだね」など、半ば冷静な声も多数聞かれました。
また地獄に落ちてからは、卒業文集を朗読されたり麻雀で負け続けたり、ヌードデッサンのモデルをさせられたりとリアルに辛いものばかり。彼らにとっては、力技よりも精神を痛めつけるほうがダメージが大きいようです。
一方の現世では彼らの葬式が行なわれていましたが、悲しいかな扱いは雑。これには「もう少し早く自立していれば、こんな扱いを受けることもなかっただろうに」「すごい反面教師を見ている。ちゃんと生きなきゃな」と、自分に置き換えたコメントも。思いがけず、道徳を学んでいるかのような気分になりました。6つ子の人生は、これでよかったのでしょうか……? 人生、やり直さなくていいのでしょうか?
ただその思いは6つ子たちも同じ! 終盤で、おそ松は自分たちが童貞だったことを思い出させ「このままでいいのか!?」「生き返りたい! 童貞もどうにかしたい!」と弟たちを奮起させました。こうして、トト子、チビ太、ハタ坊たちも地獄に召喚。さらにF6や実松などこれまで登場したキャラが一丸となって地獄の鬼たちを退治し、現世へと返り咲きました。
この粋な演出には視聴者興奮! 壮観な画を目の当たりにでき、気持ちの良い最終回となりました。
もしかしたら、6つ子にとって“童貞を捨てること”こそが、真の自立……だったのかも? 真相は地獄の闇に消えわからないままですが、社会生活を送りバラバラになっていく6つ子を見て切ない気持ちになった視聴者にとっては、ニートでも“6人でひとつ”のほうがきっといいですよね。これからも6つ子は、家でダラダラ過ごしながら第3期を夢見るのでしょう。
作品情報
TVアニメ『おそ松さん』第2期
【スタッフ】
原作:『おそ松くん』 赤塚不二夫/「週刊少年サンデー」(1962年~1969年)他で連載
監督:藤田陽一
シリーズ構成・脚本:松原秀
キャラクターデザイン:浅野直之
アニメーション制作:studio ぴえろ
【声優】
おそ松:櫻井 孝宏
カラ松:中村 悠一
チョロ松:神谷 浩史
一松:福山 潤
十四松:小野 大輔
トド松:入野 自由
トト子:遠藤 綾
イヤミ:鈴村 健一
チビ太:國立 幸
デカパン:上田燿司
ダヨーン:飛田 展男
ハタ坊:斎藤 桃子 ほか