『マクロスF』10周年記念『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』MX4D版河森正治監督舞台挨拶をレポート! 河森監督から10年前の裏話も飛び出した!?
『マクロスF』の放送から10周年を記念し、『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』MX4D版が2018年6月8日(金)よりTOHOシネマズ各MX4D劇場にて公開されます。それを記念して河森正治監督の舞台挨拶が2018年6月9日(土)にTOHOシネマズ新宿にて行われました。
河森監督による10年前の制作秘話や、かつてのスタッフとの思い出を語るなど、マクロスファンにはたまらないイベントとなりました。本稿ではこちらの模様をお届けします。
10年前の作品を改めて舞台挨拶する河森監督の気持ちとは?
MCを務める株式会社ビックウエスト・畠中雄一さんの呼びかけで登壇した河森監督。『マクロスF』の放送が10年前、『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』(以下、『イツワリノウタヒメ』)の放映が約8年前ということで、そんな作品の舞台挨拶を今やっていることに驚きと嬉しさを感じているとのことでした。
それでも2018年1月9日(火)~2月28日(水)の間、東京スカイツリーで行われた『マクロス』シリーズ35周年記念展示などで『マクロスF』のお仕事自体はこなしていたため、そこまで昔には感じなかったそうです。
そもそも本作『イツワリノウタヒメ』制作のなれそめとして河森監督は「どのマクロス作品でも同じことですが、劇場の大きな画面で観てもらいたいというのがあります。『マクロスF』の時はテレビシリーズのオンエアー中に映画化しようという方向にどんどん向かっていきました。それも前編、後編の2本(『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』、『劇場版マクロスF恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』)。
前編の『イツワリノウタヒメ』で一体どこまで描くか、『サヨナラノツバサ』に向けて取っておかなきゃいけないし、かといって1本の映画としてもちゃんとしていなければいけないというバランスを考えるのが頭を使ったところでした」とコメント。
当時としては珍しいアニメとコンビニのコラボについて
本作はコンビニエンスストアー(ファミリーマート)とコラボし劇中で登場、さらにキャンペーンソング「ファミリーマート・コスモス」まで歌われたということで、MCの畠中さんから「どういう経緯でこうなったんですか?」と質問が飛び出します。
それに対して河森監督は『マクロスF』は作品内でシェリル・ノームや、ランカ・リーが活躍しますが、現実世界でもMay'nさんや中島愛さんが有名になって駆けあがっていくという作品と現実のリンク感が凄く面白かったと語ります。他にも何かできないかな? と思っていた時にファミマコラボの話を聞き、「そんなことができるならぜひ!」と思い実現したそうです。
さらに河森監督はコラボフードの監修までしたそうで、その当時を笑いながら懐かしんでいました。
当時のスタッフとの裏話を明かす河森監督
今回河森監督は『イツワリノウタヒメ』MX4D版の監修を行った際、久しぶりに本作を通しで観ることになったということで、その当時支えてくれたスタッフのことや、当時の監督自身の考えを思い出してしみじみしながら観ていたそうです。
そもそも『イツワリノウタヒメ』が新作3割、『サヨナラノツバサ』が新作7割でやる予定だったそうですが、思っていた以上に新作が多くなり、スタッフからは「聞いていた話と違う!」と言われ続けたという裏話を明かします。
「今観たらやっぱり(新作)7割くらいありましたね(笑)。この前にやった『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』の倍くらい新作やっていました」と当時のスタッフが聞いたら苦笑いするであろう話も飛び出し会場からは笑いが沸き起こりました。
『劇場版マクロスΔ』のMX4D版をやったことで見えてきたこと
河森監督初のMX4D作が『劇場版マクロスΔ』で、今回の『イツワリノウタヒメ』がMX4D版第2作目となります。
もともと河森監督はこのようなアトラクション感が強い演出は大好きということですが、テーマパークのアトラクションは普通5分、10分くらいなので無茶なことをやっても「酔ったらごめん」と言えるのですが、映画は2時間なので最初に酔っちゃったらアウトということで、揺らすけれども落ち着けるところも作るという工夫をしたといいます。
また、画面に合わせて振動をつけるだけじゃなく、キャラクターの気持ちが入るときにゆっくりシートが揺れるという演出が『劇場版マクロスΔ』の時に好評だったために今回も追加したとのことです。
MX4Dによって全く別物に生まれ変わったということで、当時劇場で観たという人も新たな気持ちで楽しめる仕上がりになっているそうなので、是非お近くの映画館に足を運んで新たな『マクロスF』の魅力に触れて見えはいかがでしょうか?
最後に河森監督からのメッセージでイベントは終了となりました。
●河森正治総監督:
本日はお集まりいただき本当にありがとうございます。8年前に劇場で観ていただいて、それからもずっと支えていただいている感じがしています。これから10年後、20年後もマクロスを見ていただけるように頑張っていきたいですし、新たなデカルチャーを届けていきたいなと思っていますのでこれからも応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました!
[文・写真/古瀬敏之]
作品情報
『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』
■STORY
西暦2059年。新天地を目指し航海する超長距離移民船団「マクロス・フロンティア」。大空に憧れバルキリー・パイロットを目指す少年「早乙女アルト」。銀河最強のポップスター「シェリル・ノーム」。そのシェリルを目指して一直線に走る歌手志望の少女「ランカ・リー」。
三人が出逢った時、誰も想像しなかった物語が幕を開ける。謎の生物「バジュラ」からふたりの少女を守るため、可変戦闘機VF-25で戦うアルト。友との出会い、新しい世界。だが、船団を巡る戦いは激しさを増し、ついにはシェリルにスパイの疑惑さえ持ち上がる。炎を切り裂き飛び行く先に、彼らを待つ“謎”と“歌”は……!
■スタッフ
原作:河森正治 / スタジオぬえ
監督:河森正治
演出:菊地康仁
脚本:吉野弘幸/河森正治
キャラクターデザイン:江端里沙/ 高橋裕一
メカニックデザイン:石垣純哉/高倉武史
バルキリーデザイン:河森正治
メカニカルアート:天神英貴
CGIテクニカルディレクター:八木下浩史
色彩設計:中山久美子
美術監督:吉原俊一郎(美峰)
音楽:菅野よう子
音響監督:三間雅文
制作:サテライト/エイトビット
配給:クロックワークス
製作:ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会
■キャスト
早乙女アルト:中村悠一
シェリル・ノーム:遠藤綾
ランカ・リー:中島愛
オズマ・リー:小西克幸
ミハエル・ブラン:神谷浩史
ルカ・アンジェローニ:福山潤
クラン・クラン:豊口めぐみ
ブレラ・スターン:保志総一朗 他
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