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- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
大人気作品『美少女戦士セーラームーン』から派生したひとつのコンテンツ、ミュージカル版のセーラームーンこと「セラミュ」。乃木坂46のメンバーを起用した「乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』」が、現在、東京都 天王洲 銀河劇場にて公演中です。
今作では、乃木坂46から選抜された10名が「TeamMOON」「TeamSTAR」の2チームに分かれ、Wキャストでセーラー5戦士を演じます。「TeamMOON」では山下美月さん・伊藤理々杏さん・高山一実さん・能條愛未さん・樋口日奈さんが、「TeamSTAR」では井上小百合さん・渡辺みり愛さん・寺田蘭世さん・梅澤美波さん・中田花奈さんが担当。そして、映像や音楽と融合した演出手法が絶賛されている、気鋭の劇作家・演出家ウォーリー木下さんが演出を手がけます。
本稿では、初日前日に行われた「TeamMOON」「TeamSTAR」の囲み取材と、「TeamMOON」のゲネプロの模様を写真とともにお届けします♪
物語は原作ファンの間でも人気の高い第1期「ダーク・キングダム編」。山下美月さん演じる月野うさぎが言葉をしゃべる三日月マークの黒猫・ルナと出会い、選ばれたセーラー戦士であることを告げられ、「あなたには使命があるの!仲間を集めて敵を倒し、私たちのプリンセスを探し出して!」とお願いされます。
また、ピンチになっていた時に現れる謎の紳士・タキシード仮面(演:石井美絵子)の登場シーンも必見です!
少しずつ前世の記憶を取り戻すセーラー戦士とタキシード仮面たち。地場衛と判明したタキシード仮面が敵に撃たれてしまい、うさぎは戸惑い落胆しますが、前世と向き合うため満月の夜に変身の力を利用して月に転位することに。
ムーンキャッスルへとやってきたセーラームーンたちは、地面に突き刺さっている“伝説の聖剣”を引き抜きます。すると、そこに白石麻衣さん演じるクイーン・セレニティが登場。セーラ―戦士たちへ前世について語り始めます。
前世で起きた悲劇に押しつぶされそうになりながらも、力を合わせて必死に乗り越えようとするセーラー戦士たちの姿は鳥肌もの! 「やっぱりセーラームーンは素敵だな、すごいな」と思えるような瞬間を味わうことができます。
力を合わせて闇の存在「クイン・メタリア」との最終決戦へ挑み、前を向いて歩き出すセーラー戦士たちを、ぜひ劇場でご覧ください!
最後には、セーラームーンの代表曲「ムーンライト伝説」を含めたスペシャルライブショーも開催されるのでお見逃しなく♪
━━本公演の見どころを教えてください。
【Team MOON】セーラージュピター/木野まこと:能條愛未さん:アニメでの変身シーンがミュージカルでどう表現されているのか注目してほしいです。セーラージュピターは“雷”など、それぞれキャラクターのトレードマークをモチーフに派手な変身シーンになっているのでぜひご注目ください。
【Team MOON】セーラーマーキュリー/水野亜美:伊藤理々杏さん:セーラー5戦士それぞれの個性や、ドキドキハラハラするような高揚感、感動的なシーンなど盛りだくさんなので、ジェットコースターに乗っているような感覚で観ていただけたらすごく嬉しいです。
【Team MOON】セーラームーン/月野うさぎ:山下美月さん:見どころは全部と言いたくなるほど、最初から最後までずっとキラキラしています。愛、夢、友情とたくさんのものが詰まった作品になっていますし、特に、セーラー5戦士の変身シーンがとてもすごいことになっているので、ぜひ注目していただけたらと思います。
【Team MOON】セーラーマーズ/火野レイ:高山一実さん:私はセーラームーンがすごく大好きで、改めて月野うさぎちゃんという人物がどれだけたくさんの人に愛され、すごい力を持っているのか、というところに気づかされました。なので、みなさんにもそういうところに注目していただきたいと思います。
【Team MOON】セーラーヴィーナス/愛野美奈子:樋口日奈さん:同じストーリーなのに「TeamMOON」と「TeamSTAR」でまったく違うものが出来上がっています。それぞれのチームでの違いや、同じメンバーの白石麻衣ちゃんも出演しているのでどういう形で舞台上で動いているのかにも注目してください。また、セーラーヴィーナスはどんな状況に陥っても、1番先に声をあげて前向きに進んでいく姿がかっこいいので、そこにもぜひ注目していただけたらなと思います。
【TeamSTAR】セーラージュピター/木野まこと:梅澤美波さん:私も小さい頃からセーラームーンが大好きで、改めて作品と向き合って、セーラー戦士それぞれが戦うアクションシーンに注目していただきたいです。1人1人のキャラクターが誰かのためにいろいろなものを背負って、戦っている姿がかっこいいので、キャラクター同士の関係性にも注目して観ていただけたらと思います。
【TeamSTAR】セーラーマーキュリー/水野亜美:渡辺みり愛さん:今回の見どころは、セーラー戦士それぞれの登場シーンかなと思います。同じキャラクターでも「TeamSTAR」と「TeamMOON」で喋り方や立ち方も違って個性が出ているので、そこに注目してほしいです。
【TeamSTAR】セーラームーン/月野うさぎ:井上小百合さん:原作やアニメのシーンがそのまま出ているところもあり、2次元を3次元化するという体験だけでなく、それ以上のものを体感してほしいと思います。また、月野うさぎちゃんの成長ぶりに期待してほしいです。うさぎちゃんがいろんな運命の人と出会って強くなっていくところが、「乃木坂46」である自分と重なる部分もあります。メンバーやファンの方、このカンパニーに出会えたことがストーリーに重なって、リアリティなセリフを言っている部分もあるのでそこも感じ取って楽しんでいただけたら嬉しいです。
【TeamSTAR】セーラーマーズ/火野レイ:寺田蘭世さん:1ヵ月近く稽古を続けて、それぞれメンバーの性格がキャラクターに合っていることが多いなと感じました。稽古場で感じたキャラクターそのもののやり取りが、本番でも生きると思います。そういう関係性も両チームでぜひ注目していただければと思います。
【TeamSTAR】セーラーヴィーナス/愛野美奈子:中田花奈さん:セーラーヴィーナスはリーダーの役割なので、自分なりにリーダーがどういう役割なのか考えて挑戦しているところに注目していただきたいです。また、今回は乃木坂46版ということで、乃木坂46とセーラームーンというコラボの難しい課題に向き合い頑張りました。ぜひそこにも注目して観ていただきたいと思います。
タキシード仮面/地場 衛:石井美絵子さん:今回は、セーラー5戦士がWキャストで同じストーリーで同じ役ではありますが、「こんなに変わる!?」と思うほどまったく違うものになっているので、どちらも観ていただきたいと思います。
また、ウォーリー木下さんの演出は、最新技術とアナログが組み合わさった1つのエンターテインメントになっているのですごく面白いです。その世界観で彼女たちが汗を流しながら一生懸命頑張っている姿が重なり、新しいセーラームーンの世界を2018年に見ることができる貴重な場だなと思っています。
彼女たちが一生懸命頑張れる戦える場を作り守っていきたいと思っているので、彼女たちが輝きますように応援のほどよろしくお願い致します。
━━演出を手がけたウォーリー木下さんにお伺いします。乃木坂46と初共演となりますが、メンバーの印象を教えてください。
演出・ウォーリー木下さん:事前に「暗い子たちがやって来る」と聞いていましたが、全然そんなことはなかったのでホッとしました(笑) 今回は本当に準備が大変な中で、初めての作り方に戸惑っていましたが、ある日突然「この作品はこうすれば良いんだ!」とみんなの中で湧き出てきて、その日からすごく面白くなったんです。その“勘の良さ”がこの舞台に出ているので、大きなミュージカル作品として出来上がったのではないかと思います。
━━舞台を作りあげていく中で、大変だなと思ったことや苦労したことはありますか?
樋口:やっぱり衣装の早替えです。
ウォーリー木下:プロジェクトマッピングや照明、歌など、0.1秒の世界で合わせるものがすごく多いんです。全部合うと素晴らしいと思うので、頑張っていただいています。
井上:うさぎちゃんは髪にいろいろなパーツがついているので、3トンぐらいあるんじゃないかなと思いました(笑) 今までのセラミュとは違うヘアメイクさんたちが携わってくださっているので、いろいろな方がいろんなことを頑張ってくださって今の姿になっています。その点の苦労も感じ取っていただければと思います。
━━高山さんはセーラームーン愛がすごいとお聞きしましたが……
高山:一時期破産するかと思うくらい、セーラームーングッズを買わせていただきました。稽古場に小道具として置いてあるうさぎちゃんの変身グッズなど、すでに持っているものがたくさんあって。もうこのくらい(両手を広げて)大好きです。グッズはダンボール5箱分くらいあります(笑)
━━セーラームーンを演じられる山下さんと井上さんにお聞きしたいのですが、「月に代わってお仕置きよ」というセリフにちなんで、お仕置きしたいメンバーがいたら教えてください。
山下:隣にいる理々杏は、「TeamMOON」の中でも愛される役(セーラーマーキュリー/水野亜美)なので、たたきたくなるくらい本当に可愛くて、いつもみんなで愛でています(笑)
井上:う~ん……自分に1番お仕置きしたい……(笑)
━━(笑) 今回は「乃木坂46版」ということで、舞台の中で乃木坂らしいところがあれば教えてください。
樋口:同じ乃木坂として活動してきた雰囲気や絆が、キャラクターの関係性に重なる部分が多く、舞台中にふと目があったりするところなどもぜひ注目して観てほしいです。きっと、観てくださる乃木坂ファンの方は、変身シーンが多いので誰が誰だか分からなくなると思います。
石井:稽古初日にウォーリー木下さんが言ってくださったんですけど、「舞台稽古から公演中はカンパニー全員が乃木坂46だよ」と。私は今3.5期生をやっています(笑)
一同:(笑)
━━「TeamMOON」と「TeamSTAR」それぞれのアピールポイントを教えてください。
高山:私はセーラームーンが大好きですが、正直演技は経験が少ないのでうまくできなくて。能條愛未ちゃんと樋口日奈ちゃんは1人でいろいろな舞台の出演経験があるので、演技の面では2人に教わりました。ほかの2人(伊藤理々杏さん、山下美月さん)は後輩ですけど、すごくまとめてくれて。みんなが高いところ常に目指していたというか、誰かが気になったところがあればみんなで改良する。最初のスタート地点から前に進んでいる人の歩幅に合わせようという部分が、「TeamMOON」1人1人の迫力につながっているのかな、と思います。
井上:「TeamMOON」チームと比べたら「TeamSTAR」は冷静な人が多いですが、団結力があり、ふざける時と真剣になる時の違いが生まれるチームだなと思います。楽屋でもみんな仲良しで楽しくて、良いチームです。
━━ありがとうございました!
[取材・写真・文:福室美綺]
<STORY>
月野うさぎはちょっとドジで泣き虫だけど、元気いっぱいの中学2年生。ある日、人間の言葉を話す黒猫のルナと出会い、 愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーンに変身することに! うさぎには仲間を集めて、"幻の銀水晶"とプリンセスを探し出し、護る使命がある。
一方、ダーク・キングダムの女王クイン・ベリルも、無限のパワーを持つ"幻の銀水晶"を手に入れるべく、 うさぎたちの住む街に四天王を送り込み、奇怪な事件を起こしていた...。
ダーク・キングダムの野望を打ち砕くため、5人のセーラー戦士たちが今、時空を越えた戦いに挑んでいく——!
<公演日程>
【6月公演】2018年6月8日(金)〜6月24日(日) 天王州銀河劇場
【9月公演】2018年9月21日(金)〜9月30日(日) TBS 赤坂 ACT シアター
※6月公演は「天王洲 銀河劇場 Ver.」9月公演は「TBS 赤坂 ACT シアターVer.」として、一部違った演出お楽しみいただけます。
<原作>
武内直子(講談社刊)
<演出>
ウォーリー木下
<出演>
【Team MOON】
セーラームーン/月野うさぎ山下美月(乃木坂46)
セーラーマーキュリー/水野亜美:伊藤理々杏(乃木坂46)
セーラーマーズ/火野レイ:高山一実(乃木坂46)
セーラージュピター/木野まこと:能條愛未(乃木坂46)
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:樋口日奈(乃木坂46)
【Team STAR】
セーラームーン/月野うさぎ:井上小百合(乃木坂46)
セーラーマーキュリー/水野亜美:渡辺みり愛(乃木坂46)
セーラーマーズ/火野レイ:寺田蘭世(乃木坂46)
セーラージュピター/木野まこと:梅澤美波(乃木坂46)
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:中田花奈(乃木坂46)
大阪なる:山内優花
海野ぐりお:田上真里奈
ルナ(操演):松本美里/若狭博子
クンツァイト:安藤千尋
ゾイサイト:小嶋紗里
ネフライト:Shin
ジェダイト:武田莉奈
アンサンブル:河本麻祐子、鏑木真由、齋藤久美子、倉知あゆか、渡邉南、光岡茉美
クイン・ベリル:玉置成実
タキシード仮面/地場衛:石井美絵子
<映像出演>
クイーン・セレニティ:白石麻衣(乃木坂46)
<チケット料金>
S席 9,800円/A席 6,800円 (前売・当日共/全席指定・税込)
立見券 6,800 円(前売・当日共/税込)
<主催>
乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。